わたしはかもめ2004年鴎の便り(11月)

便

11月10日

ボビー「拡張」賛同

ロッテのバレンタイン監督が、既存球団が新規球団に選手を供給するエキスパンション(拡張)ドラフトに賛同する意向を示した。同ドラフトについては楽天が15日の実行委員会で提案する見込み。バレンタイン監督はこの日、千葉マリンで個人的な意見とした上で「リーグのためになるならいいと思う。戦力的なバランスをとるというのは新球団に必要」と語り、開幕カードで対戦する相手に理解を見せた。

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日米野球第5戦

◇全日本3−1全米

岩隈の緩急自在の投球で全日本が初勝利を挙げた。岩隈は5回1死まで無安打。7回を2安打1点に封じた。打線は2回に岩村、和田の連打で好機をつくり、嶋の左中間2点二塁打、中島の左前打で3点を先取。

123456789R
全米0000001001
全日本03000000x3

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17日ドラフト会議、自由獲得枠8球団13人決定

17日のドラフト会議で、自由獲得枠で契約することを決めた選手の届け出が10日締め切られ、8球団13人の入団が決まった。自由獲得2枠を行使したのは、ロッテ、ヤクルト、巨人、阪神、横浜の5球団。同1枠を使うのは、明大・一場投手を獲得した新規参入の楽天と、中日、オリックスの3球団となった。

高校生を対象とした「プロ志望届」も同日締め切られ、77人が提出した。自由獲得枠を使わなかった日本ハムは1巡目で東北・ダルビッシュ投手、広島は秋田商・佐藤投手を指名。注目されるのは、ダイエーが1巡目指名を表明している宇治山田商・江川だ。高校生NO.1野手の呼び声が高い同選手に対し、西武がこの日、三重県伊勢市内の同校を訪れ、中居誠監督と江川本人、両親に高い評価を直接伝えた。長谷川スカウトは「うちは野手として最高の評価をしている。どうしても欲しい選手」と話した。これにより1巡目での重複指名は必至。江川は「高い評価をいただいて嬉しいけど、正直ビックリしています」と戸惑った様子。西武は抽選で外れた場合、松坂2世として期待される横浜・涌井投手を指名予定。

ドラフト上位指名予想
球団自由獲得枠1巡目2巡目3巡目4巡目
横浜 那須野巧
(投・日大)
染田賢作
(投・同大)
× × × 藤田一也
(内・近大)
オリックス 金子千尋
(投・トヨタ自動車)
× 光原逸裕
(投・JR東海)
× 町豪将
(投・JR九州)
広島 × 佐藤剛士
(投・秋田商)
× 森跳二
(投・関西外大)
加藤領健
(捕・青学大)
ロッテ 久保康友
(投・松下電器)
手嶌智
(投・新日本石油)
× × × 大松尚逸
(外・東海大)
阪神 岡崎太一
(捕・松下電器)
能見篤史
(投・大阪ガス)
× × × 橋本太郎
(投・大体大浪商)
日本ハム ×ダルビッシュ有
(投・東北)
× 鵜久森淳志
(外・済美)
中村渉
(投・三菱製紙八戸クラブ)
巨人 野間口貴彦
(投・シダックス)
三木均
(投・八戸大)
× × × 亀井義行
(外・中大)
ダイエー ×江川智晃
(投・宇治山田商)
× 定岡卓摩
(内・福岡工大城東)
中西健太
(捕・北大津)
ヤクルト 田中浩康
(内・早大)
松岡健一
(投・九州東海大)
× × × 川本良平
(捕・亜大)
中日 樋口龍美
(投・JR九州)
× 中田賢一
(投・北九州市大)
× 川井進
(投・日本通運)
西武 × 江川智晃
(投・宇治山田商)
涌井秀章
(投・横浜)
× 片岡易之
(内・東京ガス)
山岸穣
(投・青学大)
楽天 一場靖弘
(投・明大)
× 平石洋介
(外・トヨタ自動車)
× 塩川達也
(内・東北福祉大)
手嶌智
22歳、千葉出身。1982年6月16日生まれ。185センチ80キロ。右投げ右打ち。A型。拓大紅陵−新日本石油。最速149キロを誇る本格派右腕。落差のあるフォークも大きな武器。50メートル走:5秒8、遠投:100メートル。父照雄(56=漁業)母しず子(47)姉久美子(25)。契約金推定1億。
久保康友
24歳、奈良出身。1980年8月6日生まれ。181センチ82キロ。右投げ右打ち。B型。関大−松下電器。最速149キロの切れの良い直球と多彩な変化球が武器。50メートル走:6秒3、遠投:110メートル。父雅俊(58=公務員)母裕子(52)姉真由美(30)兄徳之(28)。

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自由獲得枠13人で締め切り…楽天含む8球団が行使[サンスポ]

プロ野球のコミッショナー事務局は10日午後3時、ドラフト自由獲得枠の契約締結内定書の提出を締めきった。12球団のうち自由獲得枠を行使したのは、来季パ・リーグに参入する楽天を含む8球団の計13人。当該選手は既に各球団と契約書を取り交わし、コミッショナー公示されている。広島、日本ハム、ダイエー、西武は、この制度を行使しなかった。また、日本高校野球連盟も同日、今年から導入されたプロ志望届の提出を締め切った。

自由獲得枠入団選手
球団選手所属投打
ロッテ久保康友松下電器24右右
手嶌智新日本石油22右右
オリックス金子千尋トヨタ自動車21右左
楽天一場靖弘明大22右左
中日樋口龍美JR九州28左右
ヤクルト田中浩康早大22右右
松岡健一九州国際大22右右
巨人野間口貴彦シダックス21右右
三木均八戸大22右右
阪神岡崎太一松下電器21右右
能見篤史大阪ガス25左左
横浜那須野巧日大22左左
染田賢作同大22右右

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自由獲得枠締め切り、最多13人入団 [報知]

コミッショナー事務局は10日、自由獲得枠での契約締結内定選手の届け出を締め切った。8球団が計13人を獲得。2001年の同制度導入後、最多となった。これまでの最多は巨人・木佐貫、ダイエー・和田らが対象だった02年の12人。2枠を使ったのはヤクルト、巨人、阪神、横浜、ロッテの5球団。ロッテは初の「自由枠」採用となった。新規参入の楽天、統合球団となったオリックス、中日が1枠。広島、日本ハム、ダイエー、西武がゼロで、ドラフト1巡目からの参加となる。

ドラフト会議での指名順は楽天が日本一となった西武の後に入る。セ・リーグ最下位の横浜が1番目となり、オリックス、広島…と続き、最後はヤクルト、中日、西武、楽天となる。「楽天を最後に回すということで各球団、確認している。4巡目は楽天、西武とパが2球団続くため、その後にセを続けることにした」とコミッショナー事務局・馬立勝法規部長は説明した。

◇金銭授受問題“当事者”ドラフト会場へ立ち入りを禁止

明大・一場投手への金銭授受問題で球団からの処分を受けた阪神、横浜の関係者はドラフト会場への立ち入りが認められないことになり、コミッショナー事務局は10日までに“当事者”となった巨人、阪神、横浜に通知した。

巨人は既に編成部長が辞任。根来泰周コミッショナーからも戒告や当該編成部長の有期限のスカウト活動停止処分などが決まっている。一方、阪神、横浜は編成、スカウト部長や担当スカウトが減俸など球団内処分を受けているが、コミッショナーからの公式な処分は決まっていなかった。このため、けじめをつける意味でも「一場問題」に関係した人物は、会場となるホテル内の立ち入りは認めるものの、会議の席には着かせないことになった。

◇77人が提出、プロ野球志望届

日本高野連は10日、「プロ野球志望届」の届け出を締め切り、77人が提出したと発表した。この日は済美・高橋勇丞外野手(18)らが提出。日本ハムが1巡目指名を予定している東北・ダルビッシュ有投手(18)らは既に届け出を済ませている。この制度は、高校生の進路をめぐるプロアマ間の不透明な交渉や勧誘を払拭するため、これまでの退部届に代わり今年から導入された。17日のドラフト会議ではこの77人だけが指名対象となる。日本高野連の田名部和裕事務局長は「この方式は、候補者がクリアになり、改善の成果があった」と話している。

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自由獲得枠で13人入団が確定[ニッカン]

17日のプロ野球ドラフト会議を前に、各球団が自由獲得枠で契約することを決めた選手の届け出が10日締め切られ、今年の契約締結内定は13選手となった。巨人、横浜、阪神からの不正な金銭授受を認め、明大野球部を退部した一場靖弘投手は、来季からパ・リーグに参入する楽天への入団が決まった。自由獲得2枠を使ったのはロッテ、ヤクルト、巨人、阪神、横浜の5球団。巨人は社会人屈指の本格派、野間口貴彦投手(シダックス)と、今年の全日本大学選手権で八戸大をベスト4に導いた三木均投手の両即戦力右腕を獲得。

横浜は、東都大学リーグ新記録の10連勝を達成し、身長192センチからの速球が武器の那須野巧投手(日大)と、関西学生リーグで完全試合を達成した染田賢作投手(同大)の入団を決めた。ロッテに入団する松下電器の久保康友投手は、関大一(大阪)時代の1998年のセンバツ大会決勝で西武松坂と投げ合った。松下電器からは、久保とバッテリーを組む岡崎太一捕手が阪神入りする。

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孫ソフトバンク社長、200億円ポンッと払います[ニッカン]

情報通信大手ソフトバンクの孫正義社長が10日、都内で記者会見し、プロ野球「福岡ダイエーホークス」の買収に関連し、米投資会社コロニー・キャピタルから球団の興行権を取得したい意向を表明した。この日、都内で行われた決算説明会後に話した。興行権の取得に100億〜150億円を提案しているようで、50億円程度の球団株買収も含め買収総額は約200億円になりそう。孫社長は豊富な資金を背景に、球団買収、運営への自信をアピール。実現した場合には、チーム強化やネットでのホークス戦全試合生中継などの構想も披露した。

ソフトバンクの05年3月期中間決算の説明会が、決意表明の場となった。孫社長の事業にかける思いは、球団運営への強い意欲にも重なった。「強い思いを持つことは、事業を進める上での原動力。球団を保有できるとなれば、やる以上は野球界でも勝たないといけない。エキサイティングな球団で黄金期をつくりたい」。力強い口調に、ダイエー買収への熱意が表れた。

強気な姿勢を取れるだけの豊富な資金がある。ソフトバンクグループの総資産は約2兆円にも上る。現預金は4000億円超。日本テレコムを買収するなど事業拡大路線の先行投資も実り始め、今年9月は単月営業黒字を達成。ダイエー本社から約50億円で球団を買収し、コロニー・キャピタルが持つ「興行権」もセットで買収する方向だ。「(球団と興行権の)2つが分かれたままでは、ビジネスモデルとして健全ではないと考えている。できれば一緒にと考えている」。興行権は約150億円となりそうだが、孫社長は「常識の範囲内に収まるのでは」と、200億円に上る“初期投資”も常識の範囲内と話した。球団が実質的な運営権を譲渡している異例の契約形態の見直しにも着手する考えだ。

チーム強化にも全力を注ぐ。球団買収に向け、関係者との交渉で「ボンズも連れてくる」と豪語したといわれているだけに、大型補強に乗り出すことは間違いない。「私の人生の中で2番は敗北を意味する」。福岡で常勝軍団の新たな伝説を築くつもりだ。本業を生かしたサービスも展開する。傘下のブロードバンド(高速大容量)通信事業「ヤフーBB」の回線を通じ、ホークス戦を全試合生放送で中継するプランも披露した。「球場のあらゆるところにカメラを置いて、DVD並みの高画質の画面で中継したい。野球の楽しみ方が変わるだろう」と言い切った。球団名については、ソフトバンクグループとして「ソフトバンク」「ヤフーBB」「日本テレコム」を統合した新ブランド名をつける計画もある。

今後はダイエー本社、日本プロ野球組織(NPB)、コロニー、産業再生機構などと最終調整に入る。既に10月中旬から球界に影響力を持つ渡辺前巨人オーナーと数度会談。同18日の買収表明直後には、麻生福岡県知事や九州・山口経済連合会の鎌田会長を訪れ、下地作りも進めてきた。日本テレコムを「総合通信事業者」へ脱皮させ、打倒NTTに挑むらつ腕経営者の顔を持つ一方で、多方面に配慮する1面も併せ持つ。この日はダイエー本社や地元企業による球団株の一部保有についても、理解を示した。

「(球団買収は)1歩1歩進展しつつあるのでは。大きな障害はないと思っている」。新たな球団の歴史の幕開けに、ソフトバンクが、1歩ずつ近づいている。

◇孫社長との一問一答

≫ホークス買収の現状は。
孫社長
「来季に向けて間に合う形で表明している。大きな障害は出ないのではないか。」
≫買収額は。
孫社長
「交渉中なのでコメントしづらい。球団が保有できれば、全てを公開したい。」
≫球団買収の効果は。
孫社長
「ブランドの認知度が上がる。総合通信事業会社として加速する材行、起爆剤になる。年間1000億円程度の顧客獲得コストを使っているので、大いに期待している。」
≫球団の冠名は。
孫社長
「日本テレコム、ヤフーBB、ソフトバンクと分かれているが、本格的に1つの統合ブランドみたいなものを出していく可能性がある。」
≫ダイエー本社が球団株を一定割合持つことについては。
孫社長
「一部株式を一定期間持たれることに抵抗はない。優勝セールをやりたいとあれば、歓迎すべきこと。地元の財界のかたがたも株式の一部を持たれたいと望まれるなら、歓迎すべきこと。ただ、やる以上は我々が過半数の株式を持ち、命名権、編成権などを持ち、責任は我々1社が持つ。」

◇福岡ドームの使用料は年30億

一方、米投資会社コロニー・キャピタルの増井利夫駐日代表もこの日、ソフトバンクが球団株のほかに興行権も合わせて取得に乗り出していることを認めた。増井代表は「(コロニーの)弁護士を通じてソフトバンク側から100〜150億円で興行権を買いたいとの提案があった」と話した。これとは別にソフトバンクが支払うコロニー保有の福岡ドームの年間使用料は未定だが、30億円程度となりそうだ。

球団の譲渡には、オーナー会議の承認を経て、日本プロ野球組織(NPB)の了承を得る必要がある。球団の興行権をコロニーが握っていることから、外資支配を禁じる野球協約に違反する可能性もあった。ソフトバンクが球団株と興行権を取得することになれば、協約上の問題はなくなるとみられる。増井代表は「売却先は経済力のある企業がいいが、ソフトバンクは球団にかなりの資金を投入すると話しているので、うちがノーということはない。ただ、財布の厚みだけでは計れない部分が多く、地元を大切にして歩調を合わせてやっていただきたい」と話した。

また、増井代表は、地元でも球団の単独保有を検討していることを明かし「ある程度は話を聞いている」と話した。

興行権
スポーツや演劇、映画などの興行、上演、上映を行う独占的な権利。通常は営利を目的とした興行に関する権利のことで、著作権の中に含まれる。プロ野球の場合、主にチケット販売とテレビ放送料が主な収入源となる。ダイエーは04年3月、コロニー・キャピタルに福岡ダイエーホークスの興行権と福岡ドームを売却。この時の契約の中に、球団を売却する際の価格や条件などを詳細に定めた項目があるとされ、これが実質的に、野球協約の禁ずる外資の球団保有に該当するのではないかと疑問視されている。

◇中内オーナーを残す

ソフトバンク孫社長は球団買収した後も、現在の中内オーナーを球団に残す考えを示した。中内オーナーは球団株を2%保有しているが、孫社長は「何らかの形で遇していきたい」と話した。孫社長はこの日の会見で球団株式の一部をダイエー本社や地元財界が持つことにも理解を見せるなど、柔軟な対応で球団買収する考えのようだ。

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王監督「GMを!!」ソフトバンクに提案

ダイエー王監督はソフトバンクの「興行権」買収については、動向を静観する姿勢を貫いた。全日本監督を務めている日米野球第5戦の試合後、孫社長が意向表明した内容を報道陣から伝えられると「何もまだ聞いてません。こちらは待つ身ですから。とにかく、(現場は)タッチできないことなので」と話した。一方で、大阪に移動する前には「決まった訳ではない」と前置きしながら「仮に孫さんのところに決まったとしても、現場の意見で何でも吸収するぐらいに情報を集めないとね。現場のことをよく知っていて、全ての責任を取れる人が必要」と提案。以前から強調していた「GMポスト新設」を口にしていた。

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パ小池会長、外資との関係をハッキリして!!

パ・リーグ小池会長は、ダイエー売却について、興行権を含めた決着を望んだ。東京・銀座の連盟事務所で「外資に支配されているのではという指摘があった訳ですから、興行権もクリアにする方が望ましいでしょう」と語った。また、楽天が新規参入する際には審査小委員会を立ち上げ、ライブドアと共に審査を行ったが「ダイエーがそのまま移行する訳ですから、新規参入とは違います。外資との関係をきちっとしてもらえれば特に問題はないと思います」という味方を述べた。

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ソフトバンク、200億円ダイエー完全買収[スポニチ]

ダイエー球団買収が大詰めを迎えた通信大手ソフトバンクが近く総額200億円で買収し、来季からの球界参入が決定的となった。孫正義社長が10日、米投資会社コロニー・キャピタルから興行権も取得する意向を示し、最終調整に入ったことを表明。球団株は最高50億円で取得し、興行権は100億円から150億円で交渉中。球団名は「福岡ヤフーBBホークス」が有力視される。

孫社長は都内のホテルで開いた中間決算説明会で会見し、近く球団買収発表の見通しを示した。

孫社長
「大きな障害は出ないだろう。ユニホームも新しくしたいし、選手の契約更改も控える。1日も早い決着を望んでいる。」

買収額は総額200億円程度。ダイエー球団の興行権を持つコロニー・キャピタルの増井利夫駐日代表が「金額は興行権を含め、150〜200億円と提案があった」と明かした。

今年3月、ダイエー本社とコロニーの間で球団売却価格を最高50億円とする秘密契約が結ばれている。安価に見えた譲渡額は球団の全株売却額で、他にコロニーが持つ興行権があり、100億円から150億円で交渉中だ。孫社長は「2つの会社が分割で球団を所有しているのは不健全。両方合わせて買い取りたい」と球団の一括経営を見据える。外資系の球団所有に球界内には協約違反との指摘もあったが、コロニーから興行権も買い取ることで、協約上今月30日までが期限の日本プロ野球組織(NPB)の承認も円滑に進むとみられる。

孫社長は10月18日の買収希望表明後、巨人・渡辺恒雄前オーナーにも協力を求めるなど、慎重に買収への布石を打った。「過半数を所持し、責任は負う」と全株所有へのこだわりはない。20%程度の球団株継続所有で優勝セールなどの効果を期待するダイエー本社、現在2%所有の中内正オーナー、さらに福岡財界それぞれに球団株一部所有を容認する考えで、今後はダイエー本社が支援要請した産業再生機構の売買審査、同機構が選定する支援企業の意向もあり、調整を急ぐ。

200億円の他に年間30億円以下の球場使用料、NPBへの新規参入保証金30億円を含め、初年度は計260億円以下を支払う計算。それでも孫社長の熱意は変わらない。買収実現の折には傘下のブロードバンド「ヤフーBB」を通じ全試合を生放送する構想で、孫社長は「球場のあらゆるところにカメラを付け、生で高画質の中継を届けたい。野球の楽しみ方が変わる」と本業インターネット事業との相乗効果を狙う。さらに「ソフトバンクにヤフーBB、買収した日本テレコムと現在3つあるブランド統合の可能性もある」と球団名に冠させる案を披露。新球団名は「福岡ヤフーBBホークス」が有力だ。孫社長は「夢を明確に持ち、追い続ける。2番は私の人生では敗北。球団も1番にする」とも語った。その目は球界参入をとらえていた。

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三木谷氏「ソフトバンクも審査を」[スポニチ]

楽天・三木谷浩史社長が10日、ダイエー買収で球界参入が決定的となったソフトバンク・孫正義社長に“物言い”をつけた。企業の買収と売却を繰り返してきた孫社長の経営姿勢に触れ、日本プロ野球組織(NPB)に対しソフトバンクの徹底審査の必要性を強調。楽天がパスした新規参入並みの審査で球団保有の継続性の確認を強く求めた。新潟県中越地震被災者への義援金寄付のため訪れた国立競技場。三木谷社長の口からIT業界の先輩格である孫社長へ辛口トークが飛び出した。

三木谷社長
「我々の参入であれだけ審査をした。(既存)チームがある場合でも審査は当然。(孫社長は)結構企業を手放している方ですからね。どういう考え方で経営するのか、しっかり聞いた上で決めるのが筋でしょ。」

ライブドア・堀江社長と火花を散らした新規参入争い。膨大な資料の提出に加え、審査小委員会では2度の公開ヒアリングを受けた。NPB側は球団買収による参入でも審査が必要としているが、今回は既存の球団と球場を引き継ぐため簡略化は確実。しかし、三木谷社長は「我々と同じプロセスを経るのがスジ」と繰り返した。不透明だったダイエーとコロニー・キャピタルの関係にも言及し「透明化しないと駄目」と強調した。

「(孫社長に関して話すのは)審査が終わってから」と突き放した三木谷社長。孫社長と“ITタッグ”で球界改革が期待される中、ライバル心が顔をのぞかせていた。

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ダイエー売却185億円…ソフトバンク来季参入へ[サンスポ]

福岡ダイエーホークスの売却が15日に開かれるプロ野球実行委員会で公表されることが10日、分かった。この日、根来泰周コミッショナーとダイエー本社の蓮見敏男社長が都内で極秘会談し、球団売却の方針を確認。興行権も含めた売却総額は約185億円となる。

ソフトバンクの来季からの参入に向けて、ダイエーが今月中に承認を得るため、日本プロ野球組織(NPB)と本格的な協議に入った。

球界関係者によると、この日、根来コミッショナーがダイエー本社の蓮見社長と都内で秘密裏に会談を行っていた。初会談の席で蓮見社長は、これまでの継続保有から一転して、株式の大半を売却することに方針転換した経緯を詳細に説明。買収に名乗りを上げていたソフトバンクと水面下で交渉を進め、大筋で合意していることを報告した。

さらにドームを保有する米投資会社コロニー・キャピタルとの“秘密契約”についても言及。コロニーの推薦した企業に「50億円」で売却することが明記されていることも説明し、同コミッショナーも理解を示したという。

一方で、ダイエー球団の売却価格も明らかになった。ソフトバンクは球団株の67%を買収したい意向で、実勢価格は約35億円となる見通し。さらにコロニー側が実質保有しているチケット販売などの興行権の売却額を150億円で提示しており、球団売却の総額は185億円となる。

これに加え、福岡ドームの使用料が年間30億円が必要。興行権には球場広告の営業権や、ドームの従業員も引き取る条件となっているが、大筋では合意に達しており、残りは球界との調整だけになっている。

15日の実行委員会で角田球団代表が事情説明すると共に同日、正式に売却について報告される。最終承認される臨時オーナー会議は11月中か、12月にずれ込んで開催される予定。正式にソフトバンク・ホークスが産声をあげる日が迫っている。

◇全試合の生中継を構想

ソフトバンクの孫正義社長は10日、都内での決算発表の記者会見で、コロニーが実質保有する興行権を含めて買収する意向を表明した上で、買収した残りの球団株33%のうち18%をダイエー、2%を中内オーナーが保有したままで、さらに残りの13%を地元企業に譲渡する案を明かした。さらに買収が実現した際には傘下の「ヤフーBB」のブロードバンド回線を通じて、全試合を生中継する構想を披露。「球場のあらゆるところにカメラを付けたい」と、早くもIT企業らしい新たな球団戦略を公約した。

◇赤字幅を大きく縮小

ソフトバンクが10日に発表した2004年9月中間連結決算は、売上高が前年同期比34.7%増の3037億円、純損失が60億円となり、中間期として4年連続で赤字だった。純損失は前年同期が773億円と過去最大だったが、傘下のイー・トレード証券などの株式売却で投資有価証券売却益463億円を計上したことから、赤字幅が大きく縮小。記者会見した孫社長は、04年9月単月で、公約だった連結営業損益ベースの黒字化を達成したことを明らかにした。

◇興行権の売却検討…コロニー・キャピタル代表

ダイエーホークスの売却先推薦権を持つ米投資会社コロニー・キャピタルの増井利夫駐日代表が記者会見し、コロニーが持つ野球のチケット販売などの興行権をソフトバンクに売却することを検討中と明らかにした。その上で「ソフトバンクは球団にかなり資金を投入すると話しており、コロニーがノーということはない」と話し、ソフトバンクへの球団売却を容認する考えを示した。

◇興行権の取得を歓迎…パ・小池会長

パ・リーグの小池唯夫会長は、孫社長が興行権を取得して球団買収の意向を示したことに「興行権の問題がクリアされることが加盟の1番の条件だから、そうしてもらえればいい」と歓迎の意向。日本プロ野球組織では、ダイエー本社とコロニーが交わした興行権の事実上の譲渡契約が、外資企業の実質的支配によるものではないかとの意見もあり、野球協約違反に該当しないかを調査中。しかし、同会長は興行権も買い取ることで、問題はクリアされるとの見通し。「外資との関係をきちっとしてもらえれば、(加盟について)問題ないのではないか」とも述べた。

◇楽天・三木谷オーナーが苦言

「楽天イーグルス」の三木谷浩史オーナーは10日、ダイエーホークスを買収するソフトバンクについて、「我々の参入ではあれだけの審査を受けた。どういう考えをもつのかを聞いて(譲渡を認めるかは)NPBが決めるべき」と苦言。またホークスとコロニーの問題にも触れ、「そういうことをきちんと(明確化)することが透明性につながる」と語気を強めた。

興行権
スポーツや演劇、映画などの興行、上演、上映を行う独占的な権利。通常は営利を目的とした興行に関する権利のことで、著作権の中に含まれる。プロ野球の場合、主にチケット販売とテレビ放映料が主な収入源となる。ダイエーは今年3月、米投資会社コロニー・キャピタルに福岡ダイエーホークスの興行権と福岡ドームを売却。この時の契約の中に、球団を売却する際の価格や条件などを詳細に定めた項目があるとされ、これが実質的に、プロ野球協約の禁ずる外資の球団保有に該当するのではないかと疑問視されている。

◇ソフトバンクの球団買収経緯

10月18日
通信大手「ソフトバンク」がダイエー・ホークスの買収を正式表明。
10月19日
孫社長が産業再生機構を訪問。
11月4日
ダイエー本社とコロニー・キャピタルとの間で、コロニー側が球団売却の実質的な決定権を握り、売却価格は50億円とするなどの秘密契約があったことが発覚。
11月6日
ダイエー側がそれまでの継続保有から一転、球団株の大半を売却する方針に転換。それに伴いソフトバンクは約8割を買収する方向で調整。
11月9日
ダイエー本社が球団をソフトバンクに売却する方向で最終調整に入ったことが明らかに。ソフトバンク・ホークスが今週中にも誕生する可能性が浮上。

◇有線ブロードは横浜球団買収に慎重姿勢

横浜ベイスターズの球団買収を前提に、親会社「TBS」と交渉中のIT関連企業「有線ブロードネットワークス」はこの日、同社広報部を通じて、プロ野球界についての考えを説明。「横浜に限らず(高速大容量の)ブロードバンドでのコンテンツ(情報の中身)の拡充を考える意味で前向きに考えている」。野球ファンや選手の理解などを考慮しながら検討したいとの慎重な姿勢を示した。

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ホークス丸ごとソフトバンク[報知]

◇興行権取得へ

情報通信大手ソフトバンクの孫正義社長が10日、都内で会見し、ダイエー球団の買収に関連し、投資会社コロニー・キャピタルが保有する興行権を合わせて買収する考えを明かした。球団株式についても、100%の保有にはこだわらない方針。ダイエー本社の支援準備を進めている産業再生機構や、日本プロ野球組織(NPB)もソフトバンク参入を受け入れる見通しであることもこの日判明し、同社の来季からのプロ野球参入が確定的となった。

「ソフトバンク・ホークス」の誕生が秒読みに入った。自社の04年度第2四半期中間決算についての会見に臨んだ孫社長は、ホークス買収に質問が及ぶと、「現在あらゆる方面の皆様に私達の意向を熱意を持って、誠心誠意申し上げている最中です。受け入れが1歩1歩進展しつつあります」と順調ぶりをアピール。「正々堂々、正面玄関から行った。個別交渉を進め、大きな障壁はない」と買収に自信を見せた。

孫社長は球団をダイエーが、チケットやグッズの興行権をコロニーが所有していることについて「2つに分かれたビジネスモデルは健全ではない。1本化して有したいと望んでいる」と話し、両社から合わせて買収する意向を示した。コロニーから興行権を取得することで球団にかかわるビジネス全般を掌握し、本業のネット事業との相乗効果を最大限に引き出す狙いがある。さらに外資系による関与を避けたがるNPBに対して配慮もあるようだ。金額は「健全な範囲で収まるだろう」と語ったが、コロニーの増井利夫駐日代表が「(球団買収額の50億を合わせて)ソフトバンクから150億から200億で買いたいと提案されている」と認めており、調整が進んでいる。

また、株式については「100%保有に強くこだわっている訳ではない」と全株保有する考えがないことを強調。「過半数の51%以上を持って、編成や命名権などの基本的な運営のコントロールができればいい」とし、「ダイエーさんが優勝セールをやれば消費者も喜ぶだろう」とダイエーや地元財界が株式の一部を所有することを歓迎。

ダイエーの支援準備を進めている産業再生機構はソフトバンクへの球団売却を容認する方向で、NPB側も同社の買収は問題ないとしている。球団経営で赤字が出ることは必至だが、「トータルで10億円と聞いている。これはグループ全体の相乗効果を考えれば、気にする必要はない」とサラリと流し、「2番は人生において敗北。明確な志を持って、そのターゲットを達成することが私の人生観」と力強く語った孫社長。今月中にも「ソフトバンク・ホークス」が誕生する。

◇孫社長に聞く

≫買収については?
孫社長
「順調です。あらゆる方面の皆様に熱意を持って、誠心誠意ご理解をいただいているところです。」
≫時期については?
孫社長
「来季からの参入に間に合うようにできるだけ早く決着をつけたい。」
≫コロニーの件は?
孫社長
「ダイエー球団と1本化して有したいと望んでおり、関係各位の皆様と交渉を進めているところです。」
≫総額は?
孫社長
「相手のあることですから、この場で断定することはできないが、健全な範囲内に収まるだろう。」
≫株式の保有は?
孫社長
「我々は100%所有に強くこだわっている訳ではない。球団の実質的なコントロールは必要だが、ダイエーさんにご協力いただくことは、好ましいこと。」
≫中内正オーナーの処遇は?
孫社長
「多くのファン、選手に支持されてる方。何らかの形で継続して、遇していきたい。」
≫王監督がソフトバンクを歓迎している。
孫社長
「王さんは憧れの選手。とても嬉しい。」

◇「新たな審査なし」パ小池会長が示唆

ソフトバンクの孫社長が、ホークスとコロニーの保有する興行権の買収を正式に表明したことを受けて、パ・リーグの小池唯夫会長は10日「(ソフトバンクに)ホークスがそのまま移行するだろう」と話した。

ホークスの買収については、コロニーが興行権を持っていたため、野球協約に抵触する可能性もあったが「興行権がクリアされることが1番の条件だったが、クリアされたようだ」と同会長は判断。参入に関する審査には「新規参入とは違う。実行委員会で議論することになるでしょう」と新たな審査はないことを示唆した。

さらに、参加承認のためのオーナー会議開催については「議長の判断になるでしょう」と議長の巨人・滝鼻オーナーに一任する考え。「今までと違うノウハウ、新しいやり方で積極的に運営されると思う」と孫社長に期待していた。

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ソフトバンク興行権取得意向をパ会長歓迎[ニッカン]

プロ野球パ・リーグの小池唯夫会長は10日、ソフトバンクの孫正義社長が米投資会社コロニー・キャピタルが持つ興行権を取得してダイエー球団買収の意向を示したことに「興行権の問題がクリアされることが加盟の1番の条件だから、そうしてもらえればいい」と歓迎の意向を示した。

日本プロ野球組織(NPB)では、ダイエー本社とコロニーが交わした興行権の事実上の譲渡契約が、外資企業の実質的支配によるものではないかとの意見もあり、野球協約違反に該当しないかを根来泰周コミッショナーらが調査している。しかし、小池会長は興行権も買い取ることで、問題はクリアされるとの見通しを示した。

さらに、小池会長はソフトバンクの財務体力について一定の評価を示した上で「外資との関係をきちっとしてもらえれば、特に(加盟について)問題ないのではないか」と述べた。

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横浜・峰岸社長、球団売却を否定[スポニチ]

横浜・峰岸進球団社長は10日、一部で報道された有線ブロードネットワークスによる球団買収を否定した。筆頭株主の東京放送(TBS)が同社と買収交渉中とされたが「そういうことはありません」と明言。TBS副社長の若林オーナーからも否定する電話が入ったという。TBSが筆頭株主となってから3年連続最下位と低迷中だが「(成績については)誰も“よくやった”とは言わないが、別の話」と売却否定を強調した。

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オリックス・バファローズ結団式

オリックスと近鉄の合併球団「オリックス・バファローズ」が10日、大阪市内のホテルで結団式を行い、球団首脳とスタッフ、選手が初めて顔を合わせた。小泉球団社長、中村GMら球団首脳のほか、仰木監督体制の新スタッフ陣が出席。大リーグ移籍の意向を表明した中村は欠席したが、66選手が参加した。また結団式に先立ち初のコーチ会議が行われ、12日から20日までヤフーBBと同サブ球場で予定されている秋季練習の日程などについて話し合われた。

◇年相応!?指揮官背番「70」

仰木監督の背番号が「70」に決まった。前回のオリックス監督時には「72」をつけたが、今回は「年相応のやつをつけようかな、と思っとるんや」。来年4月29日に70歳となることで選択した。また合併により重なる場合も多い選手の背番号も現在、検討中。10番を谷に譲ることを承諾した水口は「7、8番あたりを希望しようかな」と話した。

◇川越が選手会長へ

合併球団の選手会長に川越が就任することが濃厚となった。オリックスで現役引退した前任の三輪から打診があり「前向きに考えている」と語った。新チームの練習初日12日に正式に決まる見通し。副会長、そのほかの人選は近鉄、オリックス双方のバランスを考えて決めることになる。川越は「近鉄の選手の相談を受けて、橋渡しになれれば」とリーダーの自覚を見せた。

◇永久欠番消える

パ・リーグ唯一の永久欠番が消えることになった。近鉄の1番は、通算317勝の鈴木啓示氏の永久欠番だがオリックスとの合併で宙に浮いた形になっていた。オリックスでは後藤が「1」をつけており、対処が注目されていたが球団側がこの日、鈴木氏に打診。永久欠番はつくらないことで了承を得た。「球団にはどうぞ、自由に使ってくださいと伝えました。あくまで近鉄バファローズの鈴木啓示として永久欠番にしてもらった番号ですからね」と鈴木氏は快く「1」を譲る気持ちを伝えた。

◇仰木監督と岩隈、握手

大阪市内のホテルで行われたオリックス・バファローズの結団式で、仰木監督が岩隈に「頑張ろう。頑張ってな」と声を掛けた。短い言葉だったが、握った手に力を込めた。同監督は「会談?特に何日というのではなく、これから何回か会う機会があるので、その時に声を掛けていきたい」と、自然な振る舞いで岩隈の中にあるわだかまりを解きほぐそうとしていた。また、オリックスで背番号21をつけるユウキが「岩隈に21番は譲ります」と中村GMに申し出るなど、ナインからも慰留の声が上がり始めた。

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合併球団ユニホーム、左袖に「近鉄」

合併新球団のユニホームが発表されたが、ベースはオリックスそのもので左袖に「近鉄」の赤文字。帽子のロゴがバファローズの頭文字と複数形のSを示す「Bs」に変わり、ホーム用の胸文字が「Buffaloes」となる以外は目立った変化がなかった。これには近鉄組は「ガラッと変わると思っていたので…」(大西)「うーんまあ、ハイ」(北川)など苦笑い。一方でオリックス谷は「見た目は変わらなくでもバファローズに変わったことは大きい。ボクらにとってはすごく変わった」と合併の影響を実感していた。

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新ユニホームは“オリックス色”…近鉄ナイン厳しい現実[サンスポ]

統合新球団「オリックス・バファローズ」の結団式が10日、大阪市内のホテルで仰木彬監督をはじめコーチスタッフ18人と近鉄・中村を除く選手66人が参加して、行われた。その後の発足パーティーで新ユニホームがお披露目されたが、旧オリックスのユニホームと色、デザイン、文字の書体が一緒。その瞬間、近鉄の選手達は唖然、呆然…。新チーム初日から立場の厳しさを味わった。

やはり統合ではなく吸収だった?新生オリックス・バファローズの結団式が行われた後の発足パーティーではオリックスと近鉄の選手が一堂に介して、和気あいあいとした雰囲気。ところが、新ユニホームを紹介するVTRが流れると、会場の空気は一変してしまった。

小泉球団社長と談笑中だった水口、北川が表情を強張らせ、対象的に社長は満足そうに頷く。近鉄勢は一様に固まり、白けたムードが支配した。それも無理はない。新ユニホームは旧オリックスと色、デザイン、文字書体が全て同じ。左袖に『近鉄』が入り、ホーム用の胸のロゴが『BlueWave』から『Buffalose』にチェンジしたのみ。誰がみても2つの球団が融合したとは思えない。

岩隈が「オリックスと変わらない印象」と苦笑すれば、北川は「正直ショックです」と肩を落とした。阿部真は「ひどいですよね。今日、吸収合併されたのがよく分かりましたよ」と顔をしかめ、大西は「ガラッと変わるのを楽しみにしていたのに…」とガッカリしていた。

ただ、小泉球団社長は上機嫌で「近鉄の名前も残りましたし、バファローズの名前も輝いております。選手の中でも何ら違和感がないような感じでした」と胸を張ったが…。オリックス色を前面に押し出したセレモニーに、近鉄ナインは厳しい現実を突き付けられた。

オリックス・谷
「1年間色々と問題があったので、この日を待っていました。近鉄の選手とは話しをする機会が多く、知っているので普段と変わりません。ユニホームは(胸のロゴが)ブルーウェーブがバファローズに変わったのは大きなことですよ。」

◇マスコットも“続投”

ほとんど変化がなかった新ユニホームだけでなく、マスコットも“続投”が決定した。ブルーウェーブという名から海を連想させるネッピーとリプシーが、そのままファンとの交流を図っていく。この続投も猛牛ファンに受け入れられるかどうか。

◇仰木監督が岩隈と“初対面”

仰木監督が発足パーティーで岩隈と“初対面”した。報道陣が見守る中でガッチリと握手すると目を細めた。「(握手は)あうんの呼吸でね。今年のシーズンは大変だっただろうし、労いを込めて話した。来年はもっと飛躍してもらいたい」と力込めた。岩隈は軟化したとはいえ、まだ統合球団でのプレーに難色をしていることについては「心配していない」と“残留”に自信満々だった。

◇仰木監督の背番号は「70」

大阪市内でコーチ会議を開き、秋季練習の日程を決めた。12日から20日まで、ヤフーBBスタジアムと同サブ球場を併用し、投手、打撃、守備の3グループに分けて行う。また仰木監督の背番号が「70」に決定したことが分かった。来年70歳を迎える最高齢監督を象徴する数字となった。

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合併新球団新ユニホームえっ一緒やんけ[報知]

◇オリックス・バファローズ結団式

新ユニホームに、一同唖然−。合併新球団「オリックス・バファローズ」は10日、大阪市内のホテルで結団式を行い、式後の発足パーティーで来春の宮古島キャンプから着用する新ユニホームを発表した。新たなスタートに向け、大胆なモデルチェンジも期待されたが、今年までのブルーウェーブ時代と変わり映えなし。選手からは一様に困惑の表情を浮かべた。

会場の照明が突然、消えた。「今からオリックス・バファローズ新ユニホームの発表を行います」とのアナウンスに、66選手の目が前方の画面へと移った。だが、そこに映ったのはブルーウェーブ時代と変わらない青と白を基調とした“伝統的な”デザインだった。

結団式後の発足パーティー。画面の中に、新ユニホームを初めて身につけた村松が現れた。感想を求められたリードオフマンは「全然変わってないですね」とポツリ。メーカーも素材も字体も同じ。違いといえばホーム用の胸に「Buffaloes」、左袖に「近鉄」のロゴが入り、ヘルメットの文字がBとsになったくらい。記念すべき新球団の発足で、斬新なモデルチェンジを期待していた選手達は面食らった。

特に違和感を覚えたのは近鉄ナインだ。水口が「またすぐにデザイン変更があることを期待します」と言えば、北川に至っては「新しいユニホーム?まあね…」と絶句してしまう有り様。当然のように“合格点”はもらえなかった。 球団合併の最大の要因は慢性的な赤字経営。経費削減の方針に拍車がかかったのもモロに影響した格好で、球団マスコットの「ネッピー&リプシー」も続投が決定。こちらも「バファローズ」の名前からはイメージしにくい形だ。

12日から神戸で行われる秋季キャンプでは選手が旧所属チーム、仰木監督ら近鉄組のコーチ以外は背番号なしのブルーウェーブのユニホームを身につける。小泉隆司球団社長は「魅力あるチームになれば映えてくるもの」と力説したが、消滅する近鉄ファンの心情を思いやった出来栄えとは言い難い。新ユニホームは来春の宮古島キャンプから“始動”する。

◇近鉄永久欠番「1」は消滅へ

合併球団が、岩隈に愛着ある背番号「21」を用意。軟化しながらもいまだ入団に難色を示している右腕に対し、残留要請の切り札にする。この日、行われた結団式の席上、オリックスで同じ番号を背負うユウキが、中村GMに「(21番は)岩隈にやってください。僕はいいですから」と申し出。これには同GMも「彼は近鉄時代の岩隈の先輩。嬉しい言葉だったよ」と、右腕の気配りに感謝した。

中心選手同士の“競合”となった「10」については水口が「こだわりはないので、谷にそのままつけて欲しい。僕は7か8を希望した」と力関係を考慮し辞退。来年4月に70歳を迎える仰木新監督は「年相応のやつをつけようと思っている」と「70」に決定した。

近鉄の元エースで300勝左腕、鈴木啓示氏がつけた「1」は、パ・リーグ唯一の永久欠番。近鉄側はそのまま欠番にという意向を示していたが、合併球団ではオリックスでつけていた後藤がそのまま背負う見通しだ。

◇日程などを確認

オリックスは10日、結団式に先がけて合併球団として初のコーチ会議を開き、新チーム発足後の秋季練習の日程を確認。12日から20日まで、ヤフーBB(16日は休日、雨天時、球場イベント時は神戸サブと室内練習場)で行うことが決まった。また、今季まで3年間、選手会長を務めた三輪が、1軍バッテリーコーチに就任したため、後任として現副会長の川越に打診。「前向きに考えたいと思います」と川越も受諾する構えで、同副会長(2人)にはオリックス、近鉄から1人ずつが選ばれる見込みだ。

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オリックス新ユニホームに「近鉄」の文字[ニッカン]

オリックスと近鉄の合併球団「オリックス・バファローズ」は10日、結団式を行った大阪市内のホテルで新ユニホーム、ロゴマーク、球団旗を発表した。いずれも「ブルーウェーブ」時代のデザインを踏襲し、帽子やヘルメットの正面に入るマークがBとWから、BとSを組み合わせたものに変更。ホーム用ユニホームは、胸のロゴがブルーウェーブ時代と同じ書体、色で「Buffaloes」に変わった。左袖には赤文字で「近鉄」の文字が入る。

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楽天、大物外国人補強に10億円![ニッカン]

楽天の三木谷浩史オーナーが、有力な外国人選手獲得のためポケットマネーで10億円を用意していることが10日、分かった。この日、国立競技場でJ1新潟に、ネットオークションで集まった義援金5800万円を贈呈。外国人選手獲得に関して問われると「大物外人なら10億円まで出す用意がある。どこから?ポケットマネーで」と語った。

三木谷オーナーはこれまで、補強費に5億円の制限を設け、健全な球団経営を押し進める姿勢をみせてきた。この日も球団としての補強費は「上積みしない」と語った。しかし、新規参入に際し、大物外国人獲得となれば別だった。自ら経営するサッカーJ1のヴィッセル神戸でも、トルコ代表FWイルハンに移籍金と年俸合わせて約6億8150万円をかけた。プロ野球参入に際しては破格の「10億円」を懐から出す覚悟だ。分配ドラフトを終えた田尾監督も、外国人選手への期待を口にしている。

10億円あれば、スター選手をリストアップできる。現在、メジャーリーガーが続々とFA宣言しているが、投手ではレッドソックスの世界一に貢献したロー、野手では通算434発のゴンザレス(ロイヤルズ)も名を連ねる。メジャー残留が基本線とはいえ、野茂も金銭面では圏内といえそうだ。1人でも獲得できれば、チーム力アップと共にプロ野球界の話題をかっさらいそうだ。

三木谷オーナーは、ケガで帰国してしまったイルハンで1度痛い目に遭った経験から、今回は十分吟味してリストアップ、獲得へと動く構えだ。

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