わたしはかもめ2004年鴎の便り(11月)

便

11月15日

自主トレに突入

秋季練習も打ち上げ、本格的な自主トレがスタートした。

例年は各自がメニューを考えながらオフのトレーニングを行っていたが、このオフは秋季練習期間中に各選手の体力値を測定した結果、不足している力を補うために何を行う必要があるのか、細かく指示が出されているため、その指示に従ってのトレーニングとなる。

マリンスタジアムのウェイトルームでウェイトを行った大塚の課題は右肩の筋力強化。指示書を見ながら何種類もの器具で汗を流した。大塚は「自分の課題は分かっているけれど、それを強化するために、何をどのくらいやればいいのはっきりして取り組みやすい」と歓迎の様子。ウェイトだけではなく、素振りのやり方、回数なども指示が出されているため、ウェイトと素振りを合わせて効果的に行うつもりだ。

今日韓国に帰国した李も指示書を手に韓国でトレーニングを行う。13日には、ウェイトルームで白坂コンディショニング担当とウェイト方法などを話し合った。話し合った内容を細かく書きとめた指示書を手に、「この指示書を韓国のジムのトレーナーに渡して、指導してもらう予定」と話した。

バレンタイン監督は1年目の今シーズンを「パワーが足りないことを痛感した」と振り返っていた。それだけに、このオフのウェイトトレーニングは例年よりも重要なものとなりそうだ。

◇李が帰国

李承Y内野手が成田空港からの航空機で韓国に帰国した。来年1月に再来日する予定。

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構造改革協議会スタート…できず[ニッカン]

◇機構側が選手少ないと苦言「準備会」に

労働組合・日本プロ野球選手会と、日本プロ野球組織(NPB)が球界の将来に向けて話し合う「構造改革協議会」の第1回目の会合が15日、都内で開催された。選手会側はドラフト改革、FA短縮など諸問題を提起する意向だったが、思わぬ横ヤリが入った。

参加選手が古田会長、横浜鈴木ら5人だけだったことに対し、巨人清武代表が「12球団揃っていない」と指摘した。他球団も「多くの選手と話したい」という希望が多かったため、本来の議題に先立ち、まずは今後の同会の進行方針について話し合うにとどまった。

約2時間半の会合を終えた古田会長は「こちらは日米野球中の開催を希望した。日米出場選手が出席できるから。でも、あちらが今日を指定した。それで少ないと言われても…。シーズン中に全球団は無理」。結局、両者の代表者数人で構成する「小委員会」で細かい話を煮詰め、多数選手が集まる協議会の回数が少なくとも、議論が進む方式を採ることになった。

25日小委員会を開き、来年1月25日に「第1回協議会」を開くことになったため、今回はあくまでも「準備会」となった。小委員会はNPB側がロッテ瀬戸山代表、オリックス小泉社長、阪神野崎社長、巨人清武代表。選手会側は古田会長を固定し、その他メンバーは臨機応変に選ぶ。遅々としたスタートになったが、古田会長は「(NPB側の)皆さんの球界を変えようという意欲は感じた」と希望を込めて語った。

阪神野崎球団社長
「小委員会の12球団選手会長の参加については、そういうことも必要かなと。ただスケジュールがあるので、会議としては、妥協してきています。」
巨人清武球団代表
「(構造改革協議会に選手サイド12人を要求したことについて)今日は、なるべく(多く)集まって論議をしたかった。今日は3球団5人でしょ?壁を取っ払ってもらい、原則としてメンバーは12人にしようと言いました。なかなかスケジュールが合わないかも知れないけど、12人がいい。代理人が入ると意味がない。瀬戸山さんは合宿しようとか、集中討議しようとも言っている。2、3人ではおかしい。」
中日西川球団社長
「(構造改革協議会で選手会が5人だったことについて)広く意見を聞きたいし、頭数を増やして欲しい。ダイエーの問題については経過説明はあった。ダイエーとソフトバンクの話の前に、コロニーとの問題が100%解決していない。」

◇ドラフト問題は来年3月期限に

構造改革協議会で議題となるドラフト問題は来年3月を目安として話し合いを進めていく。古田会長は「何としても来年のドラフトからやりたいし、期限を決めないと進まない」と語った。この点においては機構側とも一致したようだが、オリックス小泉社長が「選手会側に比べ、こちら(機構側)は12球団の中に温度差がある。それをまとめるのが大変でしょう」と話したように、完全ウエーバー化へ反対する球団もある。

ロッテ小阪
「詳しい話し合いを求めたが、準備段階になった。出席した人数について(球団側と)意見の食い違いがあった。ドラフト改革は早急にやっていかないと。スピード感を伴って、やっていかなければならない。来年3月までに中身を決めていきたい。」
横浜石井
「エクスパンションドラフトとか、細かい点は今度の小委員会で詰めていく。1月に入ってから選手全員で集まる。今度は年明けですかね。有意義な話し合いができた。継続していかないと意味がない。」

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NPBと古田会長が対立[報知]

◇改革協議会いきなり紛糾

ストライキ妥結時に労使間で確認した日本プロ野球組織(NPB)と日本プロ野球選手会(古田敦也会長=ヤクルト)による「プロ野球構造改革協議会」が15日、都内のホテルで行われたが、会議冒頭から正式に「―協議会」と呼べるかどうかで揉める波乱のスタートとなった。

選手の出席者が5人と少なかったことに対し、NPB側が「12球団の選手会長が参加して初めて、協議会として成立する」と主張。古田会長が「(毎回、全員が出席するのは)物理的に不可能だし、改革はスピードが求められる」と拒否したため、NPB側はこの日はとりあえず「−準備委員会」とし、今後の話し合いの進め方の打ち合わせに終始した。

本格的な議論は下部組織としての「小委員会」を設置し、25日に初開催することで合意。選手会は次回以降の議題として、

(1)
新規参入が楽天に決定した経緯と、ライブドア落選の理由の説明
(2)
戦力均衡を目的としたエクスパンションドラフトの実施
(3)
完全ウエーバー制の導入を含めたドラフト改革

などを提案した。

古田会長は「既に一部改革案も用意してたんですけどね」と消化不良の表情を見せたが、「NPB側からは球界を変えていこうという意思が感じとれました」と改革へ意欲を見せた。構造改革協議会の全体としての初会合は来年1月25日の予定で、来月2日の選手会定期大会で改革案の細部を詰めていく。

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古田ら出席してプロ野球改革協議会初会合[サンスポ]

ドラフト改革などについて日本プロ野球組織(NPB)と労組・選手会が話し合うプロ野球改革協議会の第1回会合が、午前中の実行委員会に引き続いて開かれた。

NPB側は12球団代表者、選手会側は古田敦也選手会長と横浜・鈴木尚、ロッテ・小坂ら5選手が出席し、改革の早急な実現に向け、両者の代表者数人による小委員会を設置することを決めた。小委員会は月に2度程度開かれる。

同協議会はストライキ中止が決まった9月23日の経営者側と選手会の労使交渉で新設することに合意。この日の初会合では今後の会議の進行方法、日程などを調整することにとどまり、選手会側は12月2日の選手会定期大会で改革の具体案をまとめる予定。古田会長は「今オフ実現は疑問だが、エクスパンション・ドラフト制度のシステムはつくりたい。スピード感のある改革という方針は一致している」と話した。

◇プロ野球改革協議会・出席者(選手会側)

会長
古田敦也(ヤクルト)
事務局長
松原徹
横浜
鈴木尚典、三浦大輔、石井琢朗
ロッテ
小坂誠

[注]経営者側の出席者は実行委員会出席者と同じ

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構造改革協議会“第1回から波乱”[スポニチ]

実行委員会の合間には球界改革について日本プロ野球組織(NPB)と労働組合・日本プロ野球選手会が話し合うプロ野球構造改革協議会が開かれたが、波乱含みのスタートとなった。

当初は第1回会合と位置づけられていたが、12球団の代表が集まったNPB側に対し、選手会は古田敦也会長や横浜の選手会長・鈴木尚ら5人。巨人・清武球団代表が「最初から選手が2、3人で(弁護士など)代理人が入ったんじゃ意味がない。活発に議論しようと思ったら、たくさん来ないと」と訴えるなど2時間を超える議論の大半は進行方法や日程調整にとどまった。

結局第1回会合は来年1月25日とし、今後は双方の代表が新たに設置される月2回程度の小委員会で具体案を詰める方針。今月25日を皮切りにNPB側から巨人、阪神、オリックス、ロッテ各球団代表の出席が決まった。古田会長は「選手会ではまとまった具体案もいくつかある。出してもよかったが人数が少ないと言われて…」と困惑しながら「ドラフトやFAなど来オフからの改革を目指してスピード感ある議論がしたい」と訴えた。

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楽天奇襲、乱入!!三木谷オーナー実行委[ニッカン]

球界改革を訴える東北楽天ゴールデンイーグルスの三木谷浩史オーナーが15日、都内で行われたプロ野球実行委員会を“奇襲”した。新規参入後、最初の同委員会に、この日朝までは欠席予定だったが、日程をやりくりして急遽登場。挨拶とともに、エクスパンション(拡張)ドラフトの実施を訴えた。各球団幹部から反発の声も上がったが、若きオーナーの熱意に特例が検討されることになった。

◇1時間で退席

サプライズ!三木谷オーナーが実行委員会会場に現れた。前日、本人も関係者も「色々あるので欠席です」と声を揃えた。ましてや、実行委員会は各球団の社長、代表クラスが出席するもので、オーナーが顔を出すことはない。

なのに、開始40分後にやってきた。誰より驚いたのは出席していた吉田敬球団社長だ。「始まってから急に連絡が入ったんですけど、振り向いたらそこにいた、という感じでした」。急な飛び入りも「参入受け入れありがとうございます」と、礼を尽くした上で訴えた。「現時点で戦力的に難しいのでエクスパンションドラフトをお願いします」。戦力均衡のため各球団から選手移籍を願い出た。

約1時間で三木谷オーナーは退席。残った吉田社長があらためて、分配ドラフトで得た40選手のほかに、各球団から1〜2人の無償トレードが受けられるよう申し出た。「早ければ早いほどいいんですけど」と今オフ実施の訴えに「虫がよすぎるんじゃないか」の声が上がった。

◇不公平感説明

既に新規参入球団への優遇措置として、今オフの自由契約選手とは今月9日の合同トライアウトまで交渉しないことが申し合わされていた。これで、十分という意見や楽天とのトレードに積極的な球団もあることが反論として挙げられた。

楽天とすれば、自軍の優遇もさることながら、これを制度化して今後、新規参入する球団のための道筋もつけたいのだ。退席後、三木谷オーナーは報道陣を前に「戦力を均衡させてガチンコ勝負を楽しむのが基本。業界全体でそうした方がいいでしょう。25人プロテクトされてその後の選手をとった。普通に考えればどっちが勝つかは、ねえ…」と、現状の不公平感を説明した。

◇熱意伝わった

若き経営者の熱意が伝わったのか、継続審議事項として、さらに各球団の戦力が整う17日のドラフト会議以降に検討されることになった。拡張ドラフトに代わり、トレードが活発に行われるよう申し合わせを行うか、編成担当者による会議が行われる可能性が出てきた。楽天も細かいチーム構成を示して、戦力均衡策が必要なことを粘り強く説明していく。

8時間に及ぶ会議を終え吉田社長が「うちの取締役会議より長かったです」とつぶやいた。長い論議も具体的決定をみた事項は数少ない。スピード重視のIT企業の旗手達と、球界の現体制がどこまで相入れるか。ガチンコ勝負が始まった。

◇拡張は却下もトレード協力

楽天が提案した拡張ドラフトは却下されたが、各球団が金銭、無償のトレードなどで、新球団の戦力補強に協力することで一致した。実行委員会議長の豊蔵セ・リーグ会長は「米国と同じような拡張ドラフトは無理。17日の新人ドラフト後に詳細を話し合います。制度化ではなく特例。各球団に強制もできません」と話した。西武星野代表は「トレードという形になるでしょう。何らかの形で協力しようということ」。席上、「既に(楽天の)キーナートGMとトレード話をしているんですよ」と打ち明ける球団もあったという。

◇「拡張」規約ない

日本ハム小嶋オーナー代行
「拡張ドラフトは今日の段階ではやりません、ということだった。規約もないし、現有戦力がいますし、必要であれば他球団から獲得するでしょう。トレードは両球団が合意すればできる。日本ハムは無償トレードは考えていない。楽天は選手60人くらいをメドにしているということでした。」

◇いい形で協力を

広島鈴木球団副本部長
「拡張ドラフトは今いきなり出されても対応でいないけど、何らかの形で協力したい。(今季は)各球団個別の対応をしてトレードなり、金銭なりで選手を渡すのが1番いいんじゃないか。」

◇近鉄首脳が分かれ

オリックスと合併した近鉄の球団首脳が実行委員会で「別れの挨拶」を行った。小林球団社長、足高球団代表が出席したが、挨拶を終えて2時間で途中退席。小林社長は報道陣に対しても「皆さん、長い間ありがとうございました」と頭を下げた。

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三木谷オーナー“奇襲”も空振り[スポニチ]

楽天、奇襲も空振り。新規参入した楽天の三木谷浩史オーナーが15日、東京・港区の新高輪プリンスホテルで行われたプロ野球実行委員会に飛び入り参加。戦力均等化のために他球団から選手を供出するエクスパンション(拡張)ドラフトの実施を正式に要請した。オーナー自らが実行委員会に出席するのは異例のことだが、他球団から全面的な賛同は得られず継続審議となった。拡張ドラフトの導入は極めて厳しい情勢となった。

実行委員会開始から約50分が経過した頃、突如として三木谷オーナーが姿を見せた。「新参者でございますので表敬訪問です」と会場の扉を開けたが、オーナー自らが同委員会に出席するのは超異例。そこには深謀遠慮もあった。

新規参入承認の感謝の弁を語った後、三木谷オーナーは切り出した。「まだ戦力的に難しいところがありますので、エクスパンションドラフトをお願いします」。楽天が正式に機構側に要請したのは初めて。「戦力を均衡させてガチンコ対決を楽しもうというのであれば、業界的にも拡張ドラフトをやった方がいい。個人的にはチーム数は増えていった方がいいと思っているし、今後もこういうケースは出てくる。それを自分達にも適用して欲しい」と訴えた。

その後に吉田球団社長が同ドラフトの私案を披露。オリックス以外の各10球団が残留させたい25〜35選手をプロテクトし、そこから漏れた選手を最大20人まで楽天側が指名するというもので、無償トレードの形を取る。しかしこれに他球団は「これまで投資してきた選手を簡単に無償で出すことはできない。それに分配ドラフトを譲ったり、トライアウトまで戦力外の選手と契約しないなど既に十分に協力している」などと反論。特に同一リーグとなるパの反発は強く、全球団から賛同を得ることはできず、継続審議とすることで散会となった。

楽天側では他球団から「材料不足」と指摘されたこともあり、新人ドラフト後に投手、捕手、内、外野手別に具体的な獲得希望人数リストを提出する。ただ、現実問題として拡張ドラフトのシステムづくりの準備期間が短過ぎること。さらにFA選手を抱えたり、外国人選手の去就が微妙な球団などでは戦力整備のメドが立たないことから、今回は“時間切れ”となる雲行きだ。

“奇襲”も結果的に返り討ちにあった三木谷オーナー。8日に行われた分配ドラフトでも、オリックス・バファローズに先に25人をプロテクトされただけに「球界が普通じゃないことをやっているのは確か」と糾弾。その上で「駄目なら創意工夫と反骨精神を持ってやるまで」と気丈に語ったが、楽天は“弱小戦力”のまま1年目の戦いに挑むことを余儀なくされそうだ。

◇田尾監督激怒

拡張ドラフトが継続審議となったことを受け、田尾監督が激怒した。「プロ野球全体で盛り上げようという気が感じられない。球界改革への姿勢が以前と全然変わっていない」。指揮官として新人ドラフトで2巡目指名が12番目となることにも不満を抱いており、憤りを増幅させた。さらに拡張ドラフト導入の可能性が完全消滅していないことから、トライアウトで獲得する選手の人数も逆に制限されると指摘。「70人枠があるんだから、駄目だったら駄目と早く言ってくれないと困る」と渋面をつくった。

同監督は「こういうことはコミッショナーが迅速に考えるべきこと。サッカーの川淵キャプテンみたいな権限を持った人にコミッショナーをやってもらいたい」と最後まで歯に衣を着せなかった。

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三木谷オーナー、実行委“乱入”で拡張ドラフトOK?[サンスポ]

これが楽天的やり方だ!プロ野球の12球団代表が集まる実行委員会が15日、都内のホテルで開かれ、楽天イーグルスの三木谷浩史オーナーが“電撃参戦”。挨拶にとどまらず、他球団から選手供出を受ける「エクスパンション(拡張)ドラフト」の実施を訴えた。知性派のIT長者は、実は燃える闘魂。オーナーの出席は予定外の行動で、各球団代表には寝耳に水。奇襲が奏功したのか、拡張ドラフトは今後の検討課題に。いきなり“ワシ流”を見せつけた。

ダアーッ。そんな効果音はなかったが、いきなり姿を現した。午前11時20分。三木谷オーナーが緊急参戦だ。

色めき立つ報道陣を尻目に、時の人は無言で会場入り。楽天はこの日、吉田敬・球団社長(楽天本社常務)が実行委に出席。10時30分に始まった会合では緊張のせいか、硬い表情。そこにオーナーから連絡が入った。「予定が空いたから、そちらに行ける」。吉田社長が入り口のドアを見ると…。各球団の代表は言葉を失った。会社で言えば、部長会に社長が出席するようなもの。実行委にオーナーが出席するのは球界史上初?三木谷流の真骨頂だ。

阪神・野崎球団社長が「(三木谷オーナーの出席は)聞いておりませんでした」と話せば、パ・リーグの小池会長も「挨拶ということだが、聞いてなかったよ」と驚きを隠せなかった。

予告なしの乱入劇。三木谷オーナーは「新参者なので挨拶にきました」と一礼したあと、改革のノロシをあげた。楽天側はオリックス、近鉄から分配ドラフトで40人を獲得したが、「戦力的に難しい」と説明。戦力均等化のために他の10球団から選手供出を受ける「拡張ドラフト」の開催を主張した。

オーナーは一方的に持論を展開すると、40分後にスタスタと途中退席。マイ・ペースだ。会場を後にする際、「今後もこういうケース(新規参入)があるかも。制度(拡張ドラフト)をつくっていただき、適用して欲しい」と語気を強めた。

その後、吉田社長は各球団に、計10人程度の選手の無償供出を求めた。一部球団から「来季までに時間がない」という声が上がる一方、前向きな意見も出た。来季に向けた拡張ドラフトの実現は不透明だが、議長の豊蔵セ・リーグ会長はドラフト後に、再度話し合いを持ちたいとの考えを明かした。

楽天は外国人と新人の補強費を5億円に設定している。三木谷オーナーは大物外国人に限り、10億円のポケットマネーを使うことを示唆している一方、赤字続きのパ・リーグ球団を黒字にするのが基本線。そのために各球団から選手を無償で獲るのは不可欠な要素だった。

本来、知らんぷりされるはずだった?拡張ドラフト案が、オーナーの乱入で検討課題に格上げされた。知的でスマートなイメージのIT長者も、真の姿は『闘うオーナー』。これが若き新球団、楽天的やり方。オレ流ならぬ“ワシ流”だ。

◇三木谷オーナー“闘魂”発言集

9月18日
オリックス、近鉄の合併新球団が採用するWフランチャイズ制に「後にどちらかに決めるのであれば、はっきり申し上げて(猶予期間の)3年待たずに、今決めりゃいいじゃねぇかと」。
9月25日
球界進出表明後、初めてライブドアの堀江社長とNHK仙台で対面。アポなし会談に「(遭遇に)困惑した。2社が握手をするようなことは難しい」。
11月10日
ダイエーを買収するソフトバンクについて「我々のときはあんなに審査したのだから、同じプロセスを踏むのがスジ」。

◇出席者の反応様々

三木谷オーナーの突然の“乱入劇”に、会議出席者の反応は様々だった。「実行委員会は各球団2人まで入っていいことになっているので、特に驚くことではない」の『冷静型』はオリックス・小泉社長。「一生懸命やりたい、というご挨拶だったのでしょう」と日本ハム・小嶋オーナー代行は『感心型』でした。

巨人・清武球団代表
「(三木谷オーナーは)挨拶に来られたということでしょう。せっかくお越しいただいたんだから、お話しされたということ。」
ヤクルト・倉島球団常務
「球団オーナーが実行委に来られたのは初めてだね。自分達の前向きな考えがあったから、どんどん提案されたということでしょう。」
横浜・田中球団常務(連盟担当)
「三木谷オーナーは、ハッキリしている印象を受けました。エクスパンションについては時期的にシンドイ。」
ロッテ・瀬戸山球団代表
「エクスパンションについては球団によって反対意見もあった。具体的な説明もなく何ともいえないが、ロッテとしては有償、無償(トレード)なら協力したい。」

◇実行委員会

第十三条(構成)
実行委員会はこの組織に属する連盟会長各1名と、それぞれの連盟を構成する球団を代表する球団役員各1名を委員として構成する。
実行委員会の構成に関する実行委議決事項
実行委員会に球団を代表して出席する者は、球団役員に限り、委員を含め1球団2名以内とする。委員以外の出席者は、意見を述べることはできるが、議決権を有しないこととする。

◇田尾監督も吠えた!

オーナーが“乱入”すれば監督も…。こちら大阪の藤井寺球場では、秋季練習中の田尾監督が吠えまくった。

田尾監督
「(拡張ドラフトで)野球界全体を盛り上げようというのが感じられない。機構側がイニシアチブをとって変えていかないと…。それができないんだったらコミッショナーじゃないですから。」

各球団が議題を持ち帰り、オーナー会議で審議にかけていたのでは、結論が先延ばしになる以前の体質と同じ。「コミッショナーやセ・パ会長にしっかり考えてもらわないと。僕の立場で物を言うと色々言われるかもしれませんが、受けて立ちますよ」と語気を強めた。

監督がそうなら代表も…。「(球界の体質を)変えていくための新規参入。どんどん提案していきますよ」と米田球団代表。以前なら「まあまあ、監督」となだめにかかるところが、強烈な援護射撃だ。これが楽天的ワシ流。一丸となってプロ野球界に噛み付いた。

◇涼しい顔で田尾監督117球打撃投手

田尾監督がフリー打撃に登板。竜太郎、高須、前田に対し20分間、計117球。「今日はまだまだ(力を)抑えてましたよ」と涼しい顔だった。竜太郎は「ボールが若かった。ビュッ、ビュッといい球がきてました」と舌を巻いた。

◇イースタンでも楽天加入承認

実行委員会終了後、臨時のイースタン・リーグ運営委員会が開かれ、楽天の2軍が同リーグに加入することが承認された。楽天の2軍の開催試合は仙台をベースに、東北地方で行われる。

楽天・吉田球団社長は「仙台で都合がつけば1番いいのですが、(本拠地の宮城球場は)私達の所有物ではないので。山形からも熱心に誘致していただいている」。来年のイースタン・リーグは7球団で開催されることになったが、ヤクルトの倉島常務は「歪になるから、社会人との交流試合もやらないといけない」と語った。

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楽天“乱入”選手よこせ![報知]

◇拡張ドラフト要求

楽天・三木谷浩史オーナーが15日、都内のホテルで開催されたプロ野球実行委員会に“乱入”した。同オーナーは、オリックス以外の10球団から選手の供出を求める拡張ドラフトの実施を改めて文書で要求。「反骨精神と創意工夫で戦う」と宣言した。拡張ドラフトの実施は困難だが、各球団が無償トレードで選手を供出する可能性が出てきた。

報道陣が騒然となった。決意に満ちた表情で突然、現れた三木谷オーナーはそのまま、実行委員会の会場に消えた。午前11時20分。代表者レベルで行われる実行委に球団オーナーが参加するのは極めて異例なこと。有言実行で早速、球界改革に乗り出した。

「新参者なのでご挨拶に来ました。参入の受け入れ、どうもありがとうございます」とまずは各代表に頭を下げた三木谷オーナー。だが、ここからが真骨頂だ。まずは拡張ドラフト実施を強い口調で要求した。

米大リーグで新球団が新規参入した場合に実施される拡張ドラフト。他チームから選手を供給するシステムの導入を訴えた。「戦力を均衡させて、ガチンコ対決を楽しんでもらう方がリーグとして盛り上がる。サッカーのように下部組織から選手が上がってくる訳ではないので、やった方がいい」と語った。

この日、楽天側が文書で申し入れた拡張ドラフトは、オリックス以外の10球団から各1選手を譲り受けるものではなく、10球団がそれぞれ35選手をプロテクトし、その枠外から楽天が1、2選手を指名する方式だった、という。

8日のオリックスとの分配ドラフトについても「(オリックスが)先に上から25人とるのは不平等感がある。どっちが強いかは明らか」と不満を表明。「反骨精神と創意工夫で戦います」と徹底抗戦を誓った。オリックス入りを拒否している岩隈久志投手に関しても「本人の意思を尊重してもらいたい」と楽天入りを勧めた。

この日のメーン議題となったダイエー問題についても「興行権が1番の問題なので、コロニーから完全にソフトバンクに渡ってから手続きを進めた方がスッキリする」と外資系のコントロールがなくなった上での審査を求めた。

さらに、2軍本拠地を仙台で申請したことに対し「遠方、移動」などの理由で数チームから注文があったが「経営は一体化した方がいい。福岡は福岡でやってる訳だし、仙台も(東京から)1時間40分と近い」と反論。「山形からもラブコールがあるので、検討する」と話した。

三木谷オーナーのこの日の行動を吉田球団社長は「(参入して)初めての実行委だし、お願いはしていたが今日、急遽『来られる』という連絡があった」と説明。それでも「振り返ったら、いた、という感じ」と驚きを隠さなかった。

同オーナーは今月中に東北各県を改めて回る。「ニーズをヒアリングして、最低2試合はやりたい。お客さんは満員になるんじゃないかな」と自信を見せた。「投手力が整えば、3位以内を狙える」とも語った。たった1時間の訪問だったが、持ち前の“スピード”で球界を変える。

◇“乱入”反応様々、全然知らなかった、新発想を勉強する

三木谷オーナーの突然の実行委出席に、他球団の代表者は様々な反応。「来ることは全然、知らなかった。外資系企業のことをよく知っておられて、私共の参考になる発言をされていた」と阪神・野崎球団社長。ヤクルト・倉島球団常務は「顔見せだろうが、色々と自分達の前向きな考えを提案したいということだった」、ロッテ・瀬戸山球団代表も「楽天さんの新しい発想を我々も勉強していきたい」と球界に参入した次代のニューリーダーに期待を寄せた。

拡張ドラフトの実施などを熱く語った三木谷オーナー。「ハッキリとものを言う方、との印象を持った」(横浜・田中球団常務)と押しの強さを認める発言もあった。ただ、中には「挨拶に見えただけでしょ?お見えになるのは自由です。基本的には(実行委は)代表、球団社長の出席でしょうから」(巨人・清武球団代表)というクールな感想を話す出席者もいた。

◇他球団は否定的

楽天側が求める拡張ドラフトの実施は難しそうだ。、三木谷オーナーの要望に対して他球団からは否定的な意見が相次いだ。日本ハム・小嶋オーナー代行は「やらない」とキッパリ。また、巨人・清武代表は「バックアップはしたいが異論が多く、取り入れるのは難しい。最低60人を確保したいようだが、エクスパンションでは取り過ぎてしまうのでは?」と話した。

現状ではトレードなどで楽天の戦力補充に協力する形に落ち着きそうだ。ただ、楽天側は「金銭のかからない形でお願いしたい」(吉田球団社長)との希望を持っているが「無償供出はしない」(小嶋代行)、「金銭になると思う」(西武・星野球団代表)との声が多数を占めた。

今後は17日のドラフト会議で各球団の陣容が固まった後に、ポジションなど具体的にどういう人材が欲しいかを楽天から聞き、協力できる球団は協力していくことになりそうだ。

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田尾監督がNPB先送り体質を批判[報知]

楽天・田尾安志監督は15日、秋季キャンプが行われた藤井寺球場で“オーナー公認”のNPB(日本プロ野球組織)批判を繰り広げた。

この日の実行委員会で譲歩案が出たものの、エクスパンションドラフトや供出選手数がこの日に決まらなかったことにイラ立ちを隠せず「僕は三木谷オーナーより過激ですよ。ダメだったらダメで、早く結論を出してもらわないとチーム編成ができない。継続審議というパターンが多すぎる」と不満を爆発させた。

同時にコミッショナーの権限強化も訴えた。「各オーナーの意向を汲んでいたら決まらない。コミッショナーが主導権を握ってもらわないと」これ以上待たされると、トライアウト参加選手に声をかけるタイミングを逸しかねない。声をかけてから決まった場合には、非情の戦力外通告をしなければならなくなるからだ。

これまでなら監督のコミッショナー批判はタブーだったが、米田純球団代表は「問題ないですよ。オーナーも怒っているし、球団としての総意ですから、どんどん主張してもらっていい。50年ぶりに新規参入してるんだから、古いしきたりは度外視して考えたい」と新しい球界をアピールした。

◇指名は6〜8人

楽天は15日、大阪・藤井寺球場で編成会議を開き、10球団からの供出を見込み、支配下選手枠の70人から10人を差し引いた60人以内でのチーム編成を固めた。広野功編成部長は「新人ドラフトは6〜8人で、投手を中心にバランスよく獲るつもり。自由枠で一場くんを獲得できたので既に80点」と自信を見せ、マーティ・キーナートGMは「外国人は投手3人、野手2人。トライアウトから5、6人見ています」と話した。

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楽天2軍のイースタン加入を承認[ニッカン]

イースタン・リーグの運営委員会が15日、実行委員会後に開かれ、楽天の2軍が同リーグに加入することを承認した。本拠地について、吉田球団社長は「仙台を含む東北地方。山形からも熱心な誘致がある」としながらも「基本的には(1軍と同じ)仙台」と話した。

楽天の加入で同リーグは7球団に増える。日程が組みにくい奇数になることに加え、千葉県鎌ケ谷市を本拠地にしている日本ハムを含め関東に集中している既存の球団の遠征費が増すことになる。ヤクルトの倉島球団常務は「7球団で歪になるから、社会人との交流戦もやらないといけない」と話した。

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2軍は7球団、イースタン決定

楽天2軍がイースタン・リーグに所属することが15日、決まった。吉田球団社長がこの日、同リーグに対し所属したい旨の申請書を提出。これを受けて実行委員会を急遽「イースタン・リーグ運営委員会」に切り替え全会一致で決定した。同社長は「仙台を含む東北地区でやらせていただきたい」と話した。

この日はイースタンの監督幹事懇談会も開かれ、7球団となった場合の対応も協議。出席者によれば、東北地区の試合が入ると1球団あたり1000万円の支出増となる。日本ハム小嶋オーナー代行は「お互いが努力していこう、ということです」と言った。7チームになることで日程編成も難しくなるが星野委員長(西武)は「余るチームも何らかの試合を組まなきゃ」と話し今後、煮詰めていくとした。

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岩隈「期待され嬉しい」[ニッカン]

◇「納得できなければトレード」変わらないけど

合併球団オリックス・バファローズ入りに難色を示している岩隈久志投手が15日、大阪市内のホテルで行われた新聞社主催の表彰式に出席。同席した仰木彬監督からあらためてラブコールを送られ「期待されるのは嬉しい」と話した。

2人が顔を合わせるのは10日の結団式以来だったが、頑なだった岩隈の心がわずかに解れた。“仰木マジック”で知られる指揮官ならではの、柔らかアプローチ。「一段落したら、メシか、ゴルフでも行こうやないか」。同席の仰木監督からかけられた言葉に、岩隈が応えた。

もちろん、近鉄への愛着、合併球団入りへのわだかまりが完全に拭い去れた訳ではない。「気持ちの変化は特にありません。まだ球団と話し合ってないので…。納得できなければトレード?そうなるでしょうね」と、これまで通りの繰り返し。しかし、仰木監督から送られたラブコールには「(日米野球を)見ていただいて、期待されるのは素直に嬉しいです」と感謝の言葉が口をついた。さらに「長引いたら悪いのでなるべく早く結論を出したい」とも話した。

仰木監督は、岩隈の心中を察してか、慌てず朗報を待つ構え。「残留要請?というより、彼は我が軍の選手。まあ、いつか一段落するときがくるんだから。その時は彼と遊びたいね」と話した。中村勝広GMもこの日「早ければ早い方がいい」とドラフト会議直後の18日にも直接会談に臨むことを明かした。20日には近鉄OB会で再度、仰木監督が岩隈と顔を合わせる予定で、週明けには着地点が見えてくることになりそうだ。

◇球団社長出馬も

オリックス小泉球団社長が岩隈との会談に、強い意欲を見せた。合併新球団入りを拒み続けるエースの前に、仰木マジックも不発。慰留会談の成果は芳しいものではなかったが、岩隈が社長との話し合いを望んだ場合は「喜んでお会いします」と力をこめた。楽天三木谷オーナーがこの日、あらためて「選手の意思を尊重して欲しい」と語ったことを報道陣から伝えられたが、無言だった。

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仰木監督&岩隈が接触も結論先送り[スポニチ]

オリックス・仰木彬監督が15日、合併球団入りに難色を示している岩隈久志投手と大阪市内で行われたスポーツニッポン新聞社選定の2004年度スーパープレー大賞の表彰式で接触。「生ぐさい話は何もしていないですよ。岩隈から話?なかなか、じいさんに語りかけるというのは難しいだろう。でも、ぜひ大阪ドームでエースとしてやって欲しいというにおわせ方はした」と話した。岩隈は「結論のリミット?考えていないですけど、しっかり話をしていないので、それから考えて決めたい」とし、結論の時期を「できれば今月中」と示した。

また、この日中村GMが人を介して岩隈と連絡。早ければ18日にも会談を持つことになった。「展開が読めない。だが彼を手放す訳にはいかない」と中村GMは意気込む。

「合併球団でプレーしたくない気持ちが強まれば?トレードを求めることになると思います」。揺れる岩隈の心は会談の内容次第でどちらかに傾くことになる。

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岩隈−仰木会談でオリ移籍に軟化も結論持ち越し[サンスポ]

オリックス移籍に難色を示す近鉄・岩隈が15日、大阪市内のホテルで行われた表彰式に出席し、ゲストの仰木監督と会談。岩隈は統合球団でプレーすることに態度を保留したが、今月中には結論を出すことを明言した。「残留への探りとかそういう話はなかった。でも(説得の)空気みたいのは確かにありました。今月中には決めたい」。一方の仰木監督は「直接的な言い方はしなかったが、におわせ方をした」と残留説得に自信満々。軟化の兆しもみせている岩隈と中村GMが今週中にも会談する予定だ。

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イブに誕生!!新ホークス[ニッカン]

◇孫タクロースが福岡にビッグな贈り物

新球団はクリスマスイブに誕生する。プロ野球実行委員会が15日、都内で行われ、ダイエーが通信大手のソフトバンクに球団売却することを報告。大筋で了承された。また承認に向けた12月6日のヒアリング、20日の実行委員会開催が決定。最終承認となるオーナー会議を24日に招集することも決定まった。ソフトバンク側では正式承認と同時に新球団名、新ユニホームを発表する意向。「12・24」が「新ホークス」の船出になる。

プロ野球ファンに、そして博多っ子に、ビッグなクリスマスプレゼントが届く。ソフトバンク関係者も興奮を隠せない。「クリスマスイブですか?今からドキドキしてきました」。12月24日−。街にイルミネーションが輝く中「新生ホークス」は誕生する。

この日の実行委員会で、新球団の“誕生日”が決まった。ダイエー角田球団代表らが、球団株の全株式をソフトバンクに売却することを報告。楽天の新規参入時同様、今回も審査の必要性が確認されたが、ソフトバンクに対する拒否反応はなし。あとは承認までのスケジュールを決めるだけ。12月6日のヒアリング、同20日の実行委員会。そして正式承認となる臨時オーナー会議の招集が12月24日に決まった。

球界参入の「資格」については問題ない。実行委員会の豊蔵議長は、12球団の実行委員会メンバー全員で行われる予定のヒアリングについて「財務状況、球団保有の継続性を調べる」とした。ソフトバンクは総資産2兆円、現預金も約4000億円と資金力は十分。ダイエー本社が「興行権」を米投資会社コロニー・キャピタルに事実上譲渡している契約も、ソフトバンク側は既に興行権の買収にも着手しており、帰属されれば支障はなくなる。

来季参入に必要な参加資格の承認期限も、野球協約上の「11月30日」を「(球団、興行権など)全ての譲渡を前提として」(豊蔵議長)来年1月末まで延期することを決定。よほどの不測の事態が起きない限り、承認は確実で角田球団代表も「大丈夫でしょう」と周囲の反応に手応え十分だ。

球団譲渡の動きも既に進行中だ。17日のドラフト会議に、球団の代表権を持つ佐々木会長、高橋社長は欠席。当面、実務は現ダイエーのスタッフが継続する予定で、新外国人調査を目的に平野渉外担当が渡米中。積極補強を公言するソフトバンクの意向にも、臨機応変な対応が可能だ。

ソフトバンクはこの日、「(球団売却先と挙げられたことは)大変光栄なこと。関係各所との交渉を1歩1歩進めていきたい」とコメントした。正式承認後に新球団名、新ユニホームを披露する方針で、クリスマスイブに満を持して発表する可能性も。「12・24」−。聖夜に新たな球団が産声を上げる。

ダイエー王監督
「すんなりいくのかと思ったのだけど、新しい持ち主に代わるということは、時間のかかることなんだね。」(秋季キャンプ地宮崎で実行委員会の報告を聞き広報を通じてコメント)
ロッテ瀬戸山代表
「11月末までにダイエーから球団譲渡申請書が出るでしょう。ソフトバンクからも譲り受けたいという書面が出る。また、それぞれのコロニーキャピタルとの関係も説明してもらう。」

◇興行権問題、苦しい弁明

15日実行委員会でダイエー本社は、球団売却の経過報告書を提出。初めて報道陣にも公表したが、問題視されてきた「興行権」譲渡については苦しい弁明に終始した。書面では「入場券および物品販売権等がコロニー社側に移転している」ことを認めたが、ダイエー本社IR広報本部の玉虫俊夫本部長はチケット、グッズ販売権は「興行権とは違う」と明言。また球団売却の推薦権をコロニーに与えた契約に関しても明かしているが(新たな)スポンサーが出てくるとは思っていなかった」と見通しの甘さを隠せなかった。承認の道筋こそできたが、この日の実行委員会では、ダイエーとコロニーが交わした契約を問題視する声も出た。

◇根来氏も出席

根来コミッショナーが、実行委員会の冒頭に出席した。ダイエーからソフトバンクへの球団保有変更について「審査があるので期間を延ばすことにした。開幕直前の3月末という訳にもいかないので、1月31日がいいでしょう」。コミッショナーは実行委員会のメンバーではなく、本来は出席しない。

野球協約第6第31条(新たな参加資格の取得、または譲渡、球団保有者の変更)
新たに参加資格を取得しようとする球団は11月30日までに実行委員会およびオーナー会議の承認を得なければならない。ただし特別の事情がある場合は実行委員会は期限を延期することができる。

◇実行委員会その他の審議事項

(1)
月26日の実行委員会で決定したアジアカップについて05年11月の日本開催に韓国、中国と合意し、残るは台湾。
(2)
来季から始める交流試合の日程を16日セパ合同営業者会議で固め、協賛スポンサーを付ける予定。

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ソフトバンク12月6日に公開ヒアリング[報知]

◇実行委でダイエーが売却経過報告

新生ホークスがクリスマスイブに誕生することになった。球団のチケット販売などの興行権を持つ米投資会社コロニー・キャピタルと、ホークス買収に名乗りを上げた情報通信大手ソフトバンクは15日、興行権を約150億円で譲渡することで大筋合意。15日の実行委員会は、ダイエー・角田雅司球団代表が本社のグループ事業担当者とともにソフトバンクへの球団売却に至った経緯の報告を受け、譲渡を大筋で了承した。

ホークス売却をめぐっては、コロニーが実質的な球団売却先の指名権を持ち、さらにチケット販売権などいわゆる興行権もほとんどを握っていたことが問題視されていた。ダイエー側はこの日の実行委で、全株式の50億円での売却と同時に、コロニーが持つ興行権もソフトバンクに完全移行させることを表明。その上で協約で定められた保有者変更の承認期限を延長するよう申し入れた。豊蔵議長も「コロニーから(ソフトバンクへ)全てが委ねられる前提で1月末まで延長した」と話し、売却作業を本格化させることで了承した。

今後は新規参入を決めた楽天と同様、来月6日に売却先のソフトバンクに対する公開ヒアリングを実施。その後、同20日の実行委員会で球団譲渡の可否を論議し、早ければ同24日の臨時オーナー会議の席で承認される運びとなる。豊蔵議長はソフトバンクに対し「申請は今月末までにしてもらいたい」とし、同社からの正式な加盟申請を待って審査手続きに入る考えだ。

「今までの経緯を報告した。(球団売却の)承認を受けるための手続きで、その第1歩です」と角田球団代表は話した。各球団からも一応の理解を得られたことで、公開ヒアリングなどの手続きもスムーズに運ぶ見通し。Xデーとなるクリスマスイブへ、ダイエーの16年間に及んだ球団運営からの完全撤退と「ソフトバンクホークス」の誕生がついに秒読み段階に入った。

◇コロニーの興行権、150億円で譲渡

ソフトバンクはこの日、チケット販売など興行権を約150億円で譲り受けることで合意した。既にダイエーとの間で全球団株式を50億円で取得することで基本合意に達しており、これで球団と興行権を総額約200億円で一括取得することが固まった。

コロニーとソフトバンクの担当者が興行権の譲渡条件などについてこの日協議し、ほぼ合意に達した。今後はコロニーが保有する福岡ドームの使用料などについて引き続き協議する。

また、ダイエー本社もこの日、保有する98%の全球団株式をソフトバンクに譲渡する方向で検討中であることを正式に表明した。これまでの単独継続保有の方針から一転、譲渡に踏み切る決め手となったのはやはり、コロニーとの間で結ばれた“密約”だった。

コロニーが球団売却の際に候補先の推薦ができ、推薦があった際にはダイエーが身売り実現のための最大限の努力義務を負い、これに反した場合には損害賠償が発生するというものだ。損害賠償を回避する形で売却の道を選んだダイエー本社のIR広報本部・玉虫俊夫本部長は「コロニーと契約を結んだ際には球団売却は想定していなかった。買い手が現れるとも思わなかった」と説明。コロニー、ソフトバンク、球団での売却の3者間合意については「なるべく早い時期にと思っている」とした。

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Xmasイブに誕生「ソフトバンクホークス」[サンスポ]

プロ野球の実行委員会が15日、都内で開かれ、ダイエーの角田雅司球団代表から通信大手のソフトバンクへの球団売却が報告され、大筋で了承された。今後はソフトバンクの審査など球団譲渡の手続きが本格化、来月24日の臨時オーナー会議で正式承認される運び。来季参入に必要な参加資格の承認期限は、来年1月末まで延長することも決まった。

クリスマスイブに『ソフトバンクホークス』が誕生する。実行委員会で12月24日に臨時オーナー会議が設定され、ダイエーからソフトバンクへの売却が正式承認される見通しとなった。

実行委では、ダイエーの角田球団代表がソフトバンクへの球団売却を初めて公表。米投資会社コロニー・キャピタルと結ばれていた“秘密契約”にも言及した。コロニーが売却先の事実上の決定権を保有していることも明かし、各球団に理解を求めた。

角田球団代表
「球団株の98%をソフトバンクに譲渡することを検討中であることを報告した。(球団売却の)承認を受けるための手続きで、今日が第1歩です。」

チケットや物品販売権がコロニーに移転していることも認めた上で、98%の球団株を50億円で譲渡することと、チケット販売などの興行権を150億円で売却することを説明。各球団から理解も得られ、「大丈夫だと思う」と正式承認に自信をのぞかせた。

野球協約では11月末が球団譲渡に関する期限とされているが、この日、ダイエーは来年1月末までの延長を申請。来月6日にソフトバンクへの公開ヒアリングを行った上で、同20日の実行委、24日の臨時オーナー会議で審査結果が諮られることになった。

興行権がコロニーに実質的に移っており、外資による球団保有を認めない野球協約に抵触する指摘もあったが、実行委ではコロニーから全ての権利が譲渡されることの確約を条件に、承認期限の延長を了承した。聖夜にソフトバンクホークスが誕生する。

◇ソフトバンクは「光栄です」

ホークス買収に名乗りを上げていたソフトバンクは「買収について当社をご推薦いただく表明がありましたことを、光栄に受け止めております」とコメントした。既にダイエーとの基本合意には達し、早ければ今週中にも最終合意の見通し。「今後も関係各所との交渉を進めていきたいと考えています」と、先月18日の買収表明から着実な交渉の成果に手応え十分だった。

◇高橋球団社長は16日にチームに経過説明

ダイエーの高橋広幸球団社長は、ソフトバンクへの球団売却問題で、16日にキャンプ地の宮崎入りし、王監督や選手らへ経過説明することを明らかにした。16、17日には地元政財界に対して、前球団代表で渉外・特命担当の佐藤賢二取締役が経過を説明。今年4月に就任した高橋社長は「球団が地域を愛し、地域が球団を愛するよう、あり続けて欲しい」と心境を話した。

◇あぶさんも現役続行

ダイエーホークスを舞台に景浦が活躍する漫画「あぶさん」の連載を続けている水島新司さんは15日、譲渡後もソフトバンク球団で「あぶさん」を現役選手として活躍させることを明らかにした。「このドラマは避けては通れない。(あぶさんは)他球団に行く気持ちもない」と水島さん。また、「孫さんはいい感じのキャラクターになってくれると思う」と登場を示唆。ちなみに情報通信大手企業だが、「あぶさん」がパソコンを使ったり、携帯電話のメールを利用することはないという。

ダイエー・王監督
「すんなりいくのかと思っていたけど、新しい持ち主に変わるということは時間のかかることなんだね。」
根来泰周コミッショナー
「ダイエーの話は既に報告を受けている。私の考えでは、承認期限は来年1月31日ぐらいまでの延長でもいいのではないかと思う。今日が第1ステップということだね。」
小池唯夫パ・リーグ会長
「ダイエーがソフトバンクに球団株を売ること、ソフトバンクがコロニーが持つ興行権を買い取ることなどの経過をダイエーが説明した。エクスパンションドラフトについては楽天から要望があったが、各球団が極力、協力しようということになった。」

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「新生ホークス」X'マスイブ誕生[スポニチ]

ダイエーは15日、実行委員会で全球団株を通信大手ソフトバンクに売却、参加資格を譲渡する方針を説明した。他球団から異論はなく、正式申請を受け、審査に入る日本プロ野球組織(NPB)は参加資格の承認期限を11月末から来年1月末に延長。予定通り進めば、12月24日のオーナー会議で承認となる。また、米投資会社コロニー・キャピタルとの興行権譲渡にも基本合意したソフトバンクは球団名にも採用するとみられる新社名の検討に入った。

クリスマス・イブに新生ホークスが誕生する。

実行委員会でダイエーの角田雅司球団代表は本社グループ事業部長を伴い、ソフトバンクへの球団譲渡の経緯に関して文書を配布して説明、他球団の理解を求めた。

ダイエー本社の蓮見敏男社長とソフトバンクの孫正義社長が12日に基本合意した球団譲渡は、ダイエー本社が保有する全球団株(発行済み株式の98%)を50億円で譲渡。残り2%は中内正オーナーが継続保有する方向だ。

また、コロニー・キャピタルが保有する入場券やグッズ販売などの興行権もソフトバンクが買収。この日、両社間で約150億円での譲渡で大筋合意した。ソフトバンクは総額約200億円での買収となる。

実行委員会の豊蔵一議長(セ・リーグ会長)は「大きな異論はなかった」とほぼ全会一致で方針を認めた。球界が問題視したのはコロニー保有の興行権。野球協約で禁じる「外資の保有」に当たるとの声もあったが、興行権も合わせての買収で理解を得た。「今までと同じことがないように、というのが全体の要望」(オリックス・小泉球団社長)と、譲渡後はコロニーが運営に携わらないとの「誓約書」提出を求める。ダイエー側も了承した。

実行委員会は野球協約上の参加資格承認期限を11月30日から来年1月31日に延長することを決めた。今月末日までにダイエーとソフトバンク間で正式契約を交わし、NPBに加盟申請書を提出。新規参入の審査に入る。審査は簡略化され、小委員会を設けず実行委員会で対処。財務状況が中心で、予定では12月6日にソフトバンクのヒアリング、同20日の実行委員会を経て、同24日のオーナー会議で正式承認される見通しだ。

ソフトバンクでは球界参入に向け新設した専門チームで社名変更の検討を始めた。「ヤフー」などの従来のブランドではない新社名は球団名にも反映される予定。関係者は「初年度は球団運営にかなり力を入れる」と大型補強に乗り出す構えを示した。

◇王監督、最後のダイエー・ユニホームに

キャンプ地の宮崎で実行委員会の報告を受けたダイエー・王監督は「すんなりいくのかと思ったんだけど、新しい持ち主に変わるということは時間のかかることなんだね」と話した。秋季キャンプ打ち上げの16日は、王監督は東京での編成会議に出席するため、ダイエーのユニホーム姿はこの日で見納め。「何言っているんだ。まだ正式決定じゃないんだろ?」と話したが、表情には惜別の思いが滲み出ていた。エースの斉藤は「自分が入団してずっとこのユニホームだったから愛着はある」と複雑な表情。和田も「ユニホームは変わるけどファンは変わらない。優勝するためにいいプレーをすることが、僕らの仕事」と話した。

◇「あぶさん」ソフトバンクでも

ホークスを舞台とした漫画「あぶさん」の連載を続けている水島新司さんは15日、ソフトバンク球団でも「あぶさん」を現役選手として活躍させることを明らかにした。合併や新球団誕生といったパ・リーグの現状を水島さんは「このドラマは避けては通れない。(あぶさんは)他球団に行く気持ちもない」と語った。漫画には選手のみならずフロント陣も登場するが、「孫正義さんはいい感じのキャラクターになってくれると思う」と意外な期待も口にした。ちなみに、ソフトバンクは情報通信大手企業だが、無頼派の「あぶさん」がパソコンを使ったり、携帯電話のメールを利用することはないという。

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