1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
松下電器 | 2 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 7 |
トヨタ自動車 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 |
ネット裏の観客席で視察していたバレンタイン監督が、思わず身を乗り出した。久保が6回から2番手として登板。いきなり安打と四球で2死満塁の危機を迎えた。だがフォークで空振り三振。7回も1死一、二塁としたが、併殺打で切り抜け、点は与えない。8、9回も後続を断ち、強豪のトヨタ自動車を相手に4回を3安打無失点。指揮官の目の前で、自由獲得枠の貫禄を見せ付けた。久し振りの公式戦で「感覚が戻らなかった。でも勝つのが大事。チームに貢献したい」と社会人最後の大会で結果重視だった。
バレンタイン監督の視察は、期待の表れでもある。試合後はロッカー室を訪れ、握手をして「ガンバリマショウ」と異例の激励だ。「バランスがいい。ロッテでもいい働きをしてくれると思う」と語った。既に球団として自由枠での獲得を目指していた5月にも、松下電器と湘南(横浜ファーム)のプロアマ交流戦を見守っている。
この日は最速144キロで、3死球に奪三振2と本調子ではなかった。だが常にセットポジションで「走者が出てから修正できた。監督が視察?スタンドを見る余裕はなかった」と集中していた。関大一3年時にセンパツ決勝で現西武の横浜松坂を投げ合った。「松坂世代の最後の大物」と呼ばれるが、今大会の優勝を手土産にプロでも本領を発揮するつもりだ。
出世番号である「63」を着けて将来の正捕手を狙う。25日、高校で契約金3000万円、年俸450万円で契約した。投手経験もある異色の強肩捕手。「63」は投手の小野が背負って活躍した番号で「肩と打撃をアピールしていきたい」と抱負を語った。宮田編成部長代行は「投手と捕手の違いはあるが、縁起のいい番号だと思う。大型だし、将来が楽しみ」と話した。
選手名 | 所属 | 交渉経過と契約金、年俸 |
---|---|---|
久保康友 | 松下電器 | 18日に指名挨拶 |
手嶌智 | 新日本石油 | 契約金1億円、年俸1500万円 |
竹原直隆 | 三菱自動車岡崎 | 契約金8000万円、年俸1300万円 |
大松尚逸 | 東海大 | 19日に指名挨拶 |
木興拓哉 | 北海道栄 | 契約金3000万円、年俸450万円 |
青松敬鎔 | 上宮太子 | 契約金3000万円、年俸450万円 |
ロッテのボビー・バレンタイン監督が25日、社会人日本選手権(大阪ドーム)を視察、自由獲得枠で得た即戦力右腕・久保康友投手(松下電器)を直接チェックした。トヨタ自動車との2回戦で6回から登板した右腕は、4イニングを3安打無失点2奪三振で勝利に貢献。異例の“御前登板”で貫録を見せ、バレンタイン監督も開幕1軍に“太鼓判”を押した。
ネット裏に陣取ったバレンタイン監督が、宮田編成部長代行を伴ってさらに前方へと席を移した。ドラフト会議後とはいえ指揮官が直接、入団前のルーキーを視察するのは異例のこと。6回、3点リードのマウンドに久保が上がると、送る視線に熱がこもった。将来のエース候補、いや即戦力ローテ候補の、セットポジションから投げ込む1球1球に目を凝らした。
久保は、登板した直後に自らつくった2死満塁のピンチも慌てずフォークで空振り三振。直球もMAX144キロをマークし、フォークとのコンビネーションで9回まで無失点で投げ切ると、ベンチ裏にやってきた指揮官と初対面。日本語で「ガンバリマショウ」と差し伸べた指揮官の手をガッチリ握った。
何よりも朝5時半に起きて大阪にやってきた熱意こそが、期待を表すパフォーマンスだ。バレンタイン監督は「いい投手だ。バランスがいい。来季のロッテで活躍する投手になる」と、開幕1軍も示唆。内角を突いた3死球さえも強気の証拠と判断した。起用法は「投手として起用するよ」とおどけて見せたが、既に5月にも1度視察し「中継ぎならこのままでも通用する」と高評価。自らは直後に帰京する“弾丸ツアー”にもかかわらず、「点差が離れているのだし、私のために登板の必要はないのでは」と気遣いすら見せた。
「来ているのは知っていましたが、監督を見る余裕はなかった。走者が出てから修正できましたけど、今日に関しては(激励も)痛い言葉ですね…」と、久保は力みもあった内容に不満げ。だが、6年間在籍した松下電器の投手として最後の公式戦。「今は、この大会に集中したい」と優勝を置き土産にする決意は固い。そしてそれは、そのままロッテへの手土産にもなる。
松下電器(大阪)、JFE西日本(広島)、サンワード貿易(北海道)が8強に進出した。松下電器は自由獲得枠でロッテ入りする久保康友投手が、視察したロッテのボビー・バレンタイン監督の前で救援。トヨタ自動車(愛知)の反撃を断ち7−3で勝った。JFE西日本は10−4で三菱重工神戸(兵庫)を、サンワード貿易は5−1で優勝候補の日本生命(大阪)を下した。
プロでお世話になるボスに、苦笑いのお披露目ピッチ。久保がバレンタイン監督の熱視線の中、6回から登板。4回を3安打で3四死球。8回以外は得点圏に走者を背負う苦しい内容だった。
7回1死一塁で楽天のD7巡目・平石に対したときは「変な色気が出ました。当ててしまうと、ちょっと…」。ロッテvs楽天は来季開幕カードだけに、意識して初球に死球。しかし「強気に攻める姿勢は崩したくないですから」とのポリシー通り、無失点で投げ終え、“松坂世代”最後の大物ぶりをアピールした。
「最高の状態ではなかったようだが、ロッテの中でもいい働きをしてくれると思う」というバレンタイン監督の期待に、久保はアマ最後の大会を優勝という形で応えるつもりだ。
社会人野球の日本選手権は25日、2回戦3試合が行われた。自由獲得枠でロッテに入団が決まった松下電器(大阪)の久保康友投手はトヨタ自動車(愛知)戦に2番手で登板して4回無失点。ネット裏からはロッテのボビー・バレンタイン監督が視察し、試合後は久保にゲキを飛ばした。第2試合はJFE西日本(広島)が三菱重工神戸(兵庫)を下した。第3試合はサンワード貿易(北海道)が日本生命(大阪)を下して8強入りを決めた。
バレンタイン監督がネット裏から見つめる中、久保は6回から登板。4回を無失点に抑えたが、3安打3死球で毎回のように走者を背負った。試合後、ベンチ裏に姿を見せた指揮官は開口1番「ダイジョブ?」。思わぬ挨拶に久保は「大丈夫です。また、明日(26日)頑張ります」と苦笑いを浮かべた。
4球団による争奪戦が展開されていた5月、松下電器−湘南の交流戦を視察した指揮官は「すぐにでもうちで投げて欲しい」と久保を絶賛。2度目の視察となったこの日は「最高の状態じゃなかっただけ。ロッテでもいい働きをしてくれると思う」と話した。だが、久保は「今日の内容じゃ、痛い言葉です。もっと丁寧な投球を心がけたい」と反省しきりだった。
合併球団オリックス・バファローズの小泉隆司球団社長は25日、同球団入りを拒否している岩隈久志投手の問題で譲歩の姿勢を示した。近く行う直接会談で説得が不調に終わった場合、他球団へのトレードも視野に入れた解決策を探ることになる。同日、東京・内幸町のコミッショナー事務局で開かれた構造改革協議会・小委員会で対面した労働組合・日本プロ野球選手会の古田敦也会長との会談で「本人の意向尊重」の基本姿勢を確認した。
小委員会を終え、小泉球団社長と約20分間の会談を終えた選手会会長の古田は「最終的に岩隈選手の希望に沿う形になればいいですねと伝えた」と話した。
古田の談話を伝え聞いた小泉社長も「その通りです」と認めた。軟化姿勢が滲み出ていた。同席した選手会の松原徹事務局長も「小泉さんはしっかり考えてくれていた。きっちりした決意を持ってやってくれている」と語った。
「結論」は説得断念でのトレードとなる可能性が高い。既に球界内では複数の関係者が「他球団へのトレードが現実的な解決策かもしれない」と語る。岩隈は義父の広橋公寿守備走塁コーチが所属する楽天が希望球団と伝わるが、全球団を対象に交換トレードを模索することになる。
9月23日の労使合意で「合併球団の移籍では選手の意思を配慮、尊重する」と申し合わせた。労働法など法的解釈からも労働者である選手の意思は無視はできない。
小泉社長は「必要な選手。全力を挙げて説得、誠心誠意話をしたい」と週明けの29日にも岩隈と面談する。10月22日以来の面談だが、この1ヶ月で岩隈の拒否姿勢は硬化。今月20日には「トレード志願?はい。(小泉社長に)伝えます。考える時間があったんで」と語り、直訴する構え。既に中村勝広GM仰木彬監督の説得は不調に終わった。次回会談が節目になる。
古田も小泉社長も「早期解決」の思いは一致。手続き上、近鉄が近く岩隈にオリックスへのトレードを通告。オリックスは30日提出の保留選手名簿に記載する方針で、1度は支配下選手とした岩隈の放出先を探る苦渋の決断を下す時が訪れる。
近鉄からオリックスへの移籍に難色を示している岩隈久志投手が金銭トレードで楽天入りを希望していることが25日、わかった。分配ドラフトで新球団に移った同僚が犠牲を払うことを案じたもので、来週にも行われるオリックス・小泉隆司球団社長との2度目の会談では強い意思を伝える。
自分の進むべき道がはっきりと見えてきた。新生オリックス入りを拒み、他球団へのトレードを要求している岩隈の意中の球団が新球団の楽天であることが分かった。
複数の関係者によると、仙台行きの思いは強く、『合併騒動を忘れてゼロからスタートできる』という点に魅力を感じているという。さらに、トレードが容認された場合、交換ではなく金銭での移籍を希望。「どなたかとトレードということになると、その方に迷惑がかかりますから。できれば、金銭トレードになればいいんですけど」と話している。オリックス側は慰留に懸命だが、岩隈の気持ちはもう1つ先に進んでいた。
この日、都内のコミッショナー事務局で労組プロ野球選手会の古田会長がオリックス・小泉球団社長にトレードの要望を叶えて欲しいと直訴。それを伝え聞いた岩隈は「バックアップしてくれるのは嬉しい」。松原徹事務局長には電話でサポートを約束してもらったことも明かした。
スト中止が決まった9月23日の労使交渉で小泉社長と近鉄の選手会長だった礒部との間で交わされた「本人の意思を最大限に尊重する」という取り決めが心を支えになっていることも認めた。
来週にも行われる小泉球団社長との会談ではトレード形態を含めた本音を伝える。「次で方向性は出したい。(小泉球団社長と)会っても気持ちは変わらないと思うので…。次に会って、決まるのが1番いいんですけどね」と早期決着を迫るつもりだ。
闘う選手会長は立ち止まらない。労組・日本プロ野球選手会の古田敦也会長は25日、前近鉄・岩隈久志投手が合併球団オリックス・バファローズ入りを拒否している問題で、オリックス・小泉隆司球団社長に直談判。プロ野球構造改革協議会の小委員会終了後、約20分間にわたり「最終的には岩隈の意思に沿うようにして欲しい」と強く求めた。同球団社長は長期化も示唆したが、その場合には選手会として対抗する考えも明かした。
疲労の色もみせず、にじり寄った。約3時間に及んだ構造改革協議会の小委員会終了後、古田が小泉社長に1対1の直談判。合併球団入りを拒否している岩隈の処遇について、問いただした。「最終的には岩隈の意思に沿うようにして欲しい。選手の立場ですから長引いたり、年を越したりするのはよくない」。
移籍にしろ、残留にしろ、あくまで岩隈が納得する形での決着を強く訴えた。その上で、問題の長期化を警戒。早期解決も重ねて求めた。
問題の根底には近鉄、オリックスの合併に関して、9月23日の協議交渉委員会での“口頭合意”がある。経営側は『選手本人の希望をよく聞いて(各球団に)分配する』約束だっただけに、話が違う。
「合意があった、ないではなく、選手の話をよく聞いてやります、という話はあった」。一方で、小泉球団社長は“口頭合意”の拘束力を否定。早期解決の求めには「期限は必要ないと考えている。うちに来てくれると信じている」と長期化も辞さない構えだ。
今月末には12球団の保留者名簿が提出される。選手会側の望みは今月中の決着。「選手会の立場は困った選手を助けること。『困った状況になった』といわれれば出ます」と古田は長期化にクギを刺し、最悪の場合、紛争解決に乗り出すことを宣言した。
新球団の加盟承認でも球界史上初のストライキを断行し、闘う姿勢を前面に打ち出した。その姿がファンの共感を呼び、世論を後ろ盾に経営者側に対する“勝利”を収めた。球界の透明性が問われる今、“口頭合意”をもとに選手会が動けば、再び世論が岩隈・選手会側を支持する可能性が高い。
不意を突く直談判で宣戦布告をした古田。ファン離れを食い止める構造改革小委の直後に求めたのは、そのために何より必要な公明性。“闘う選手会長”にオフはない。
日本プロ野球組織(NPB)と労働組合・日本プロ野球選手会が球界の諸問題を話し合うプロ野球構造改革協議会の小委員会が25日、東京・内幸町のコミッショナー事務局で開かれた。
早急な改革実現のために設置された小委員会には、NPB側は巨人の清武英利、ロッテの瀬戸山隆三両球団代表ら、選手会側は古田敦也会長、宮本慎也内野手(ともにヤクルト)らが出席。(1)移籍の活性化(2)ドラフト制度改革(3)減額制限緩和を含む年俸問題−を主テーマに議論した。
古田会長は「球界を変えていかなければいけないという(NPB側の)強い意志を感じた」と話した。選手会側は12月2日の選手会定期大会、NPB側は同20日の実行委員会で意見をまとめ、来年1月25日の構造改革協議会の初会合に備える。
労組プロ野球選手会の古田敦也会長は25日、都内で開かれた構造改革協議会の小委員会後、オリックス・小泉隆司球団社長と会談。合併球団のオリックス入りを拒否し他球団移籍を希望する近鉄・岩隈久志投手をバックアップする考えを示した。
古田は20分以上にわたって小泉社長に“直談判”した。現状の説明を受けた上で「最終的に本人の希望に沿うようにして欲しい。ある程度の時間で結論を出して欲しい」と訴えた。両者は結論を出す期限こそ明かさなかったが、近鉄の保留期間が切れる11月30日とみられる。岩隈は合併球団のプロテクト選手とあって、同社長は合併球団の支配下選手として登録する意向。「残留は当然です。これから何度でも話し合います」と説得を続けていく考えだが、岩隈の移籍の意思は固く、11月中の決着は微妙だ。
古田は「岩隈君が納得いけば、どうこう言うことはないが、困った状況だと言われれば出ていきます」と具体的な手段こそ明かさなかったが、選手会長として何らかのバックアップをしていく姿勢を強調した。
古田は「困った状況と岩隈に言われれば、出ます」とバックアップの方針を示したが、具体的な法は多くはなく、選手会が後ろ盾になって、オリックス側に岩隈のトレードを働きかけていくことなどが考えられる。
岩隈が野球協約に沿って救済策を求めていくのであれば、協約の第187条(連盟内の紛争)に道を探っていくことになる。岩隈はオリックスを相手として、パ・リーグの小池会長に裁定を求める提訴をすることができる。期限は提訴の原因が発生した日から30日以内で、書面に提訴の理由、および要求する解決方法を記述し、その証拠を挙げて証明しなければならない。提訴を受けた会長は書面を受理し、提訴の相手に、指定期限までに答弁書およびその証拠を提出するよう指令することになる。
岩隈は25日、大阪市内の自宅前で取材に応じ、日本プロ野球選手会の支援に感謝した。 合併問題に続き、個人の去就でも選手会の強力な支援を受けることになった。「(会長の)古田さんには自分のことでもバックアップしてもらい、すごく嬉しいです」と岩隈。今後も、同会の松原事務局長と連絡を取り合い、今回の問題を乗り切る構えだ。
オリックス・仰木監督とは23日に初めて会食した。中村勝広GM、小泉球団社長の球団トップ3人と1度ずつ会談したが、「気持ちは揺るぎない?そうですね」と意思は固い。29日以降にずれ込みそうな小泉社長との2度目の会談で、トレード志願することしか今は頭にない。
日本プロ野球組織(NPB)と労組・日本プロ野球選手会(古田敦也会長)が球界の抱える問題点について話し合う「構造改革協議会」の小委員会が25日、東京・内幸町のコミッショナー事務局会議室で開催された。NPB側は阪神・野崎、オリックス・小泉両球団社長、巨人・清武、ロッテ・瀬戸山両球団代表、選手会側は古田会長、ヤクルト・宮本慎也選手会長、選手会・松原徹事務局長らが出席。3時間を超える話し合いに、双方が「有意義な話し合いだった」と好感触を抱いた。
この日は今後、議論を進めていくために10項目のテーマを設定。中でもドラフト制度改革、年俸の減額制限緩和、移籍の活性化に関して時間を割いて話し合った。「具体的なものはないが、考え方としてこういう方向で行こう、ということを絞り込んだ。入り口としてはいい話し合いができた」と古田会長。また清武代表も「フリートーキングで論点を整理し、話し合いの枠を固めた。活発な意見交換ができた」と説明した。
15日には第1回目の協議会が予定されていたが、選手の出席が4人と少なく「準備会」に変更された。この日の会議では協議会は6人以上、小委員会は3人以上の選手が出席することを「努力目標」(清武代表)として確認した。今後は1月25日に改革協議会を、その後に小委員会を行う予定。月に1度ペースで労使が話し合いを進め、来秋には改革案を固める方針だ。
楽天の三木谷浩史オーナーは25日、岩隈を労組・選手会が援護したのを受け「いいね。楽天にきてほしい」とラブコールを送った。その上でオリックス・小泉社長の対応に「あんまりせこいことをいわないで、選手の意思を尊重して欲しい」。一方、田尾安志監督もラジオ番組出演後「岩隈のためにも結論を長びかせるべきではない」と主張。楽天入りした場合は、「トレードに見合う選手がいないので金銭になるだろう」との見通しを語った。
楽天の三木谷オーナーが25日、オリックス・バファローズ入りに難色を示している岩隈にラブコールを送った。「日本イノベーター大賞2004」の大賞受賞のため、都内ホテルで行われた表彰式に出席。労組・日本プロ野球選手会の古田会長が、オリックスの小泉球団社長に岩隈の移籍を訴えたことに「選手の意思を尊重していただけるとありがたい。岩隈には来て欲しい。チームワークが1番なんだから、すっきりした方がいい」と早期決着を訴えた。
また今回の移籍をめぐる問題をはじめとする球界の現状について「不思議なことはいっぱいある。色々とグレーな問題が多い」とあらためて言及していた。
日本プロ野球組織(NPB)と労働組合・日本プロ野球選手会によるプロ野球構造改革協議会の小委員会にはNPB側は巨人・清武球団代表、ロッテ・瀬戸山球団代表、阪神・野崎球団社長、オリックス・小泉球団社長、選手会側は古田会長、ヤクルト・宮本らが出席。(1)ドラフト制度改革(2)減額制限緩和を含む年俸問題(3)移籍の活性化−などを議論した。ドラフト改革では完全ウエーバー制移行などの意見が出され、年俸問題では、サラリーキャップ(年俸総額制限)制度、ラグジュアリー・タックス(贅沢税)の導入なども検討課題としてあげられた。
古田会長は「ドラフト、移籍問題、年俸減額問題とか方向性を絞り込んでいきたい。例えば完全ウエーバー、自由獲得枠は両極にあるのだけど球界全体としてどの方向に進めばいいのか今後詰めていきたい」と話した。選手会側は12月2日の選手会定期大会、NPB側は同20日の実行委員会で意見をまとめ、来年1月25日の構造改革協議会の初会合に備える。
近畿日本鉄道は25日、今年9月中間連結決算を発表し、近鉄バファローズの球団整理で37億円の特別損失を計上した。「収入は減っているものの、費用を圧縮、赤字幅は若干小さくなった」と説明している。近鉄は今年5月の決算会見で、球団の赤字を「約40億円」としていた。近鉄は今年9月末時点で37億円を球団に貸しており、同額を特損に計上。「通期の見通しも大きく上下はしない」としている。
台湾プロ野球「LA NEWベアーズ」の呉偲佑投手に対するタンパリング(事前交渉)疑惑で「中華大連盟」からの抗議をコミッショナー事務局から通知された西武・星野好男球団代表は25日、「こっちは何もしていないから何の問題もないよ」と改めて疑惑を完全否定した。
西武は張誌家、許銘傑両投手が所属するなど、台湾球界とは深い関係を持つが、この日、埼玉・飯能市内で行われたゴルフコンペに参加した同代表は「うちには台湾選手も多いし、向こうの勘違いでしょ」と突き放した。
台湾球界関係者の証言では、西武と呉投手の間の仲介人が、同投手とその父親に総額5000万円を提示したと見られているが、これを受けて同代表は「知らない。よく分からん」と答えるにとどまった。
労組日本プロ野球選手会と日本プロ野球組織(NPB)が球界問題について話し合う、構造改革協議会の小委員会が25日、都内のコミッショナー事務局で行われた。何かと対立してきた両者だが、この日はフリートーキングの形で活発な意見が飛び交ったという。最初に今後議論していく10項目を挙げ、その中からドラフト改革、年俸問題、レンタルなど移籍の活性化という3項目について意見を交わした。
古田会長は「今日は具体的な部分より理念について語り合った。変えていかなければ、という強い意志を感じました」と話した。NPB側もロッテ瀬戸山代表が「まとまりはなかったけど、色んな意見が出ました」と満足感を漂わせた。今後は選手会側が12月2日の選手総会、NPB側は同20日の実行委員会を経て、来年1月25日に本格的な「構造改革協議会」を行う。
NPB側からは、出席する選手の人数について要望が出された。この日は古田会長、ヤクルト宮元の2人だが、今後は小委員会でもセ・パ含めて3人以上。構造改革協議会では12球団が原則も、6人以上が原則と確認された。15日の準備会でも選手の多数参加を強く希望した巨人清武代表は「これだけの大きな改革をする訳だから、現場の意見を聞きたいですから」。また、この日の話し合いについて同代表は「どんな問題が改革のために必要かという話をした」と語った。
近鉄と合併した新球団オリックス・バファローズ入りに難色を示している岩隈久志投手の問題が今月中にも決着する可能性が出てきた。25日、都内で行われたプロ野球構造改革協議会の小委員会後に、オリックス小泉隆司球団社長と労組プロ野球選手会の古田敦也会長が会談。来週にも行われる小泉−岩隈会談で説得できなければ本人の意思を尊重する方向性を確認したもようだ。合併球団拒否で気持ちが固まっている岩隈は楽天入りを希望しており、金銭トレードで移籍することが濃厚となった。
混沌としていた「岩隈問題」に決着が見えてきた。この日の小委員会後、小泉球団社長と岩隈の処遇について会談した古田から、これまでの強硬姿勢は消えていた。
松原選手会事務局長も同じだった。「小泉さんはしっかり考えてくれていた。(来季の契約の前提となる)保留者名簿に載せるかどうか、ということでしょう。(提出前日の)29日までに結論?そうなるんじゃないでしょうか」と、早期決着を示唆した。
現時点で岩隈説得を試みるオリックスの姿勢に変わりはない。ただ、近日中に行われる小泉−岩隈会談である程度の方向性を出すことが、オリックスと選手会で確認されたのは確実。最後の機会とも言える会談を控えているだけに、小泉球団社長は「絶対に必要な戦力。何度でも話をしたいと思ってます。保留者名簿には載せますし、特に期限は考えていません」と、これまで同様のコメントに終始したが、そこで感触がなければ説得を断念せざるを得ない状況だ。
注目される移籍先は楽天が決定的。岩隈は「オリックス以外ならどこでもいいです」としながらも、当初から「ゼロからのスタートというところに魅力を感じている」と話し、楽天入りの希望をほのめかしてきた。オリックス内には同一リーグへの流出に拒絶感があり、トレードなら楽天以外で相応の交換要員を求めていく声があるのも事実。今後、球団内で意見調整が必要になってくるが、できるだけ本人の意思に沿うとした分配ドラフトの経緯がある。また、これ以上の問題長期化で球界、チームのイメージダウンも避けなくてはならない。移籍なら楽天への金銭トレードで落ち着く可能性が高い。
「大阪で一緒にやろう」とメッセージを送り続けている仰木監督をはじめ、小泉球団社長も最後まで翻意を期待して交渉するが、岩隈の決意を崩すのは難しい状況。早ければ今月中にも楽天へのトレードに向けて動きだすことになる。
岩隈はこの日、来週に予定されている小泉社長との会談で、去就問題を決着させると明言した。この日の動きを選手会の松原事務局長から伝え聞き「古田さんにはバックアップしていただき嬉しい」。交渉の展望について「その次(の会談があって)も変わらない。次で方向性?そうですね。オリックス入りの可能性?ないですね」と決意を固めている。小泉社長から「本音」を聞きたいと言われているが、「真剣に伝えます」と言い切った。
楽天の三木谷浩史オーナーは「岩隈問題」に対して押せ押せムードだ。古田会長と小泉球団社長の会談が行われたことを知ると、「いいねえ」とニヤリ。楽天への移籍願望が強い岩隈の現状を思いやり「チームワークが1番じゃないかな。スッキリした方がいい」と、オリックスに残っても野球に打ち込める心境ではないことを指摘した。
小泉球団社長が以前の選手会との交渉で「選手の希望に沿いたい」と了承したことを、「当初は10球団での分配ドラフトが前提。新規参入があって対象球団が1つになった」と前言が選手の意思を受け入れる理由にならないと説明している。ただし、楽天とすれば、球団数減少が前提で制度化された分配ドラフトを、減少のないまま強いられた経緯がある。三木谷オーナーが「選手の意思が尊重されるべき」と繰り返し力説する根拠もそこにある。
「不思議なことが多いよね。あまりせこいこと言わない方がいい。うちは(岩隈に)来てもらえないなら、それは仕方がないと思っている。正々堂々とやる方がいい」と、あらためて選手の意思に任せるべきとの持論を強調した。
ダイエーホークスを買収する通信大手ソフトバンクの孫正義社長が25日、王貞治監督との26日のトップ会談で、“無期限”の長期政権を要請する考えを明らかにした。王監督とダイエーでは来季1年間の契約延長が決まっていたが、孫社長が「長期契約したい。できるだけ長く頑張っていただきたい」と話した。孫社長は補強に関する決定権も王監督に委ねる意向を示した。「孫&王」の長期タッグで、チームを新たな球界の盟主へと導くつもりだ。
孫社長はこの日、都内の総務省を訪れ、新規参入を目指している携帯電話事業の検討会に出席。多忙なスケジュールを抱えながら、次なるビッグプロジェクトとなる野球事業の構想は、しっかり脳裏に描かれていた。検討会後、報道陣から球団についての質問が飛ぶと、よどみなく答えた。
26日、都内のホテルで王監督と直接会談し、来季以降の続投を正式要請する。王監督とダイエー間では来季1年間の契約延長が決まっていたが、孫社長の思いは違う。“無期限”とも言える長期政権を、初めて実現したトップ会談で王監督に要請するつもりだ。
孫社長は本気だ。本来であれば球団フロントが持つ権限を、大幅に王監督へ委任する考えを持っている。「基本的には(補強面で)個別の選手は監督にお任せする。(王監督を)非常に信頼している。現場の権限を委任?かなり権限をお渡ししたい」と断言した。王監督は95年からダイエーの指揮を執り、福岡住まいも10年間に及んだ。誰よりもチーム事情を把握し、地元政財界はもちろん、台湾を含むアジアや世界的な人脈もある。孫社長は自らの役割を「トータルの枠(運営費)、トータルの考え方(球団方針)」を示すこととし、補強などに関わる現場の“全権”を王監督に委ねるというのだ。
将来的にはGM制度の設置も検討しているが、今オフは新外国人補強も捗っていない。12月24日の正式承認まではオブザーバーとしてチーム運営に携わるが、実質的な「空白の1ヶ月」がV逸の要因ともなりかねないだけに、王監督に判断を委ねることが重要だと思ったに違いない。
先月18日の買収表明会見で、孫社長は小学校時代に野球チームに所属していたことを語り、王監督を「ヒーロー」と称した。「これから新しい第2幕のスタート。新しい黄金時代をつくっていただきたい」。新たな球界の盟主へ、世界一へ、ビッグな夢を達成させるため、「孫オーナー」は王監督に全てを託す。
孫社長は週明けの29日にも、ダイエー本社、米投資会社コロニー・キャピタルと球団譲渡に関して最終合意することを示唆した。「(最終合意は)近いです。来週中?そうですね」と話した。日本プロ野球組織には30日までに球団譲渡の申請をすることになっている。申請前にダイエー、コロニーと最終合意する方向で調整を進めており、申請後は12月6日の公開ヒアリング、同20日の実行委員会、同24日のオーナー会議を待つことになる。また、孫社長は年年内に選手会との顔合わせを検討していることも明かした。
一方の王監督はこの日、初顔合わせとなる孫社長に「大物外国人獲得」を直談判する、。26日、王監督は高橋球団社長らと共に都内のホテルで孫社長と対面する。王監督は「井口も抜けるし、今までより高いレベルの外国人が必要になる。こちらからもそのことは言えると思う」と語った。王監督としては、現場の意見を率直に伝えることで、新球団の補強方針を決定し、獲得作業を円滑に進めたいところだ。孫社長が長期政権を熱望していることには「そう言っていただけるのはありがたい。ただ、1年経てば全く違った話になることもある。あくまで1年、1年が勝負」。ソフトバンク1年目の来季を優勝で飾るためにも、退路を断ち勝負を賭ける。
ダイエーと通信大手ソフトバンクがホークス球団の全株売却で30日に最終合意することが25日、分かった。ソフトバンクは同日中にプロ野球機構(NPB)に加盟の申請手続きを行う。
ダイエーの蓮見敏男社長とソフトバンクの孫正義社長は12日に会談し、保有する98%の球団株を譲渡することで基本合意。売却額は球団株式が50億円。米投資会社コロニー・キャピタルが保有する興行権を含めると総額200億円となる。
既に契約の細部についての詰めの作業を終え、最終合意のための書面も出来上がっている状態。ただ、承認は来月24日の臨時オーナー会議となるため、『正式承認された場合』という条件付きでの最終合意となる。
ソフトバンクは最終合意後、すぐに都内のコミッショナー事務局を訪れ加盟申請する方針。30日に申請されることは、この日の構造改革協議会の小委員会でも報告された。来月6日には公開ヒアリングが行われ、クリスマス・イブの承認を待つ。『ソフトバンクホークス』が誕生に向けて、さらに前進する。
ダイエーを買収するソフトバンクの孫社長が、東新橋のヤクルト本社を訪問し、堀オーナーと会談した。会談にはヤクルトの多菊球団社長、ダイエーの蓮見球団社長も同席。約1時間20分、話し合った堀オーナーは「インターネットの話など、勉強になる話を幅広くした。謙虚で立派な方。参入に関し、反対する気はない」と歓迎していた。
ダイエーの球団売却問題で、親会社である大手スーパー、ダイエーと情報通信大手のソフトバンクが30日に正式契約を結ぶことが25日、明らかになった。この日、ソフトバンク・孫正義社長が契約の時期について「もう近い」と明かし、ダイエー本社のホークス管掌役員・土谷忠彦常務も「30日になると聞いている」と認めた。
今回締結するのは、ダイエーが保有する全球団株式98%(残り2%は中内正オーナーが保有)を50億円でソフトバンクに譲渡することを軸にした球団譲渡にかかわる基本契約。既に球団売却については実行委員会で大筋の了承が得られており、実際の株式売却は12月24日に開かれるオーナー会議で正式に承認された後に行われる。
なおソフトバンクは今月中にも、福岡ドームや球団の興行権を保有する米投資会社コロニー・キャピタルとの間で、興行権を約150億円で取得するなどの正式契約を結ぶ見通しだ。
ソフトバンク・孫正義社長は25日、東京・東新橋のヤクルト本社を訪問し、ヤクルト・堀澄也オーナー、多菊善和球団社長と意見交換を行った。
堀オーナーはこの日、都内で行われた球団納会の席で、孫社長とダイエー本社の蓮見敏男社長の表敬訪問を受けたことを明かした。孫社長は約1時間20分にわたり、インターネットを使った球界改革や、自らが展開するビジネスについて説明。堀オーナーは「お若いのに低姿勢で立派な方。参入?反対する気はありませんよ」と好印象を受けた様子だった。
孫社長は今後も12球団のオーナーに挨拶回りを行う予定で、前日の巨人に続く表敬訪問となった。同社長は各オーナーに対して、買収が正式承認される予定の12月24日のオーナー会議に出席する意向を伝えている。
ダイエー球団買収に基本合意している情報通信大手ソフトバンクの孫正義社長は25日、総務省での会議に出席後、26日に予定しているダイエー・王貞治監督との会談で「永久政権」を打診する意向を明らかにした。
「王監督にはできるだけ長く続けていただきたい。私共としては期限をあまり短くしたくない。長期政権で頑張ってもらいたい」。孫社長は会談で3年以上の長期契約を打診する考え。ただし、王監督が望めば永久的に監督職を任せる方針だ。
そのためのチームづくりも全権委任する。「できるだけ現場の状況をお聞きして意見交換をさせていただきたい。私はトータルの(予算などの)枠や考え方について申し上げるつもり。非常に高い信頼をしているということです」と王監督の希望に添ったチーム編成に全面協力する姿勢を示した。
ダイエー球団の譲渡に関する正式調印が30日にも行われることになった。ソフトバンクの孫社長は「正式調印は来週になる」と明言。98%の球団株式を保有するダイエー本社、興行権を持つ米投資会社コロニー・キャピタルとソフトバンクの3者間では、既に球団譲渡について基本合意。30日にはコミッショナー事務局に対し、球団譲渡申請も行われることになりそうだ。