わたしはかもめ2004年鴎の便り(11月)

便

11月29日

渡辺俊「連敗ストップ査定を」[ニッカン]

◇自身初2ケタ勝利

サブマリンの渡辺俊介投手が「連敗ストップ査定」で年俸急上昇を狙う。4年目の今季は自身初の2ケタとなるチームトップの12勝(6杯)、防御率3.59の好成績を残した。この日は千葉・成田後援会に出席。「(契約交渉は)楽しみですね。倍増?それはもちろん」と今季推定3000万円から6000万円が最低ラインだ。

12勝のうち5勝が、チームの連敗を止めた白星だ。4月18日(日本ハム戦)は10連敗、5月17日(日本ハム戦)は6連敗、6月16日(日本ハム戦)、7月20日(近鉄戦)、9月5日(オリックス戦)は3連敗でチームの連敗を止めた。価値ある白星に「そういうものも(年俸アップの)材料になると思う。自分の役割が果たせたと思う」と胸を張った。さらに「来年は大台(1億円)に届けば」と目標を語った。下手投げの右腕から、年俸上昇カーブを描き続けるつもりだ。

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ドラフト指名選手交渉状況

選手名所属交渉経過と契約金、年俸
久保康友松下電器12月4日に契約
手嶌智新日本石油契約金1億円、年俸1500万円
竹原直隆三菱自動車岡崎契約金8000万円、年俸1300万円
大松尚逸東海大契約金8000万円、年俸1200万円
木興拓哉北海道栄契約金3000万円、年俸450万円
青松敬鎔上宮太子契約金3000万円、年俸450万円

◇久保と12月4日に契約へ

自由獲得枠で指名した久保康友投手(松下電器)の契約が12月4日に行われることになった。既にドラフトで指名した6選手のうち、5選手と契約が完了。残るは久保1人となっていた。久保には、18日に指名挨拶を行っていたが、28日まで行われていた、社会人の日本選手権に松下電器が出場していたため契約日が未定になっていた。なお、契約、会見は久保の出身地である、奈良県のホテルで行われる予定。

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岩隈、楽天かオリか延長戦

◇小泉社長と会談で正式に移籍志願も「NO」

合併球団オリックス・バファローズが「岩隈問題」の結論を先送りした。小泉隆司球団社長と、同球団への入団に難色を示している岩隈久志投手が29日、東京都内で会談した。岩隈は楽天へのトレード志願を初めて球団首脳に直接伝えたが、現時点での答えは「NO」。この日夜、神戸に戻り会見した小泉社長は、岩隈の翻意を期待して今後も球団を挙げて説得する方針を強調した。

結論は先送りされた。東京都内で岩隈と会談した小泉社長は神戸に移動後、ホテルで会見した。「お互いに思っていることを話せた。彼なりに考えていることはあるが、これで最後ということはない。今後も球団を挙げて説得していきたい」と決意を表明した。

岩隈の気持ちには全く変化が見られなかった。トレード志願も本人から直接聞かされた。状況は限りなく厳しいが、簡単に引き下がることはできなかった。会談では合併球団の経営理念、グループそのものの概要、チームの強化策などを説明。球団経営に対する熱意を訴えた上で、オリックス入りを促した。

球団内で、トレードに踏み切るにはまだ慎重に検討する必要があると判断された。もし交換トレードとなれば相手は相当の大物となるのは間違いない。交渉成立はそれだけ難航することが予想され、最終的に新規参入球団の楽天への金銭トレードで落ち着く可能性は高くなる。しかし、オリックスとしては大きな戦力ダウンは必至。そのため現時点では岩隈の翻意の可能性を探ることを選択した。

30日、小泉球団社長、中村GM、仰木監督の3首脳が顔を揃え「岩隈問題」を協議する予定。岩隈との話し合いは平行線が続くが、小泉社長は「彼は自分が無理を言っている、我儘を言っているということを知ってる人。これからも必要な選手であることを説明していく」と、まだまだ時間をかける方針だ。

◇古田会長は静観

労組プロ野球選手会の古田敦也会長は岩隈問題に関して慎重な対応を貫いた。29日、千葉・袖ヶ浦市で行われたヤクルト選手会のゴルフに参加。三者会談などの動きを報道陣から伝え聞いたが「まだ聞いてないから確認しておきます」と話すにとどめた。25日の構造改革小委員会終了後にはオリックス小泉球団社長に直談判するなど、選手会長として岩隈の全面バックアップを続けている。必要ならば再度のアクションも辞さない構えだが、とりあえずは慎重に状況を見守るようだ。

◇交換トレードなら中日出馬

岩隈の去就問題が交換トレードという形で決着した場合、中日も即座に交渉に乗り出す。この日、井手編成担当が「今はまだ様子を見るしかない。向こうから『困った』って言ってこないかな」と間接的ながら熱烈ラブコール。球団関係者も「のどから手が出るほど欲しいと言っている」と明かした。交換要員として99年MVP左腕の野口を用意。さらに遠藤、平松ら実績ある投手を加えての交換トレード成立を目指す。

◇戸惑い隠せず

岩隈は「延長戦」の様相に戸惑いを隠せなかった。小泉社長との会談を終え「できれば今日(29日)結論を出していただきたいと思っていたが長引きそうです」と話した。会談では、移籍先として「楽天」の名前を直接では初めて口にした。「会社として残って欲しいと繰り返し言われたが、できれば楽天に期待ということを伝えた」と振り返った。

合併球団にかかわる選手の意思を尊重するとした労使間の取り決めについても確認した。しかし「新規参入が決まる前の分配ドラフトのこと、と言われた」という。「トレードに出して欲しいと言ったら、社長から『代わりにくる選手のことを考えてみなさい』と言われました」と、最後まで議論が噛み合わなかったようだ。

◇岩隈問題経過

10月8日
岩隈が合併新球団でのプレーについて「そのままハイ、ハイとはいえない部分もある」と難色を示す。
10月22日
小泉社長が岩隈と会い、プロテクトを示唆。
11月7日
岩隈がテレビの生放送で「やっぱり楽天でという気持ちはある」と発言。
11月8日
合併球団が分配ドラフトで岩隈をプロテクト。岩隈は「して欲しくなかったですけど」としつつ「今は我儘言っているだけなんで」。
11月10日
岩隈が新合併新球団の結団式に出席。
11月12日
合併新チームがヤフーBBスタジアムでスタート。岩隈は日米野球終了後の合流を要請されたが断った。
11月15日
仰木監督が岩隈に直接ラブコール。岩隈も「期待されるのは嬉しい」と発言。
11月19日
小泉社長が2度目の会談を行う意向を示し「残って欲しいというより、彼はウチの選手」とオリックス入りが動かないことを強調。
11月20日
近鉄OB会に出席した岩隈が、引退覚悟でトレード志願する姿勢を示す。
11月21日
労組選手会の古田会長が岩隈全面支援を約束。
11月25日
都内でのプロ野球構造改革小委員会後に、小泉社長と労組選手会の古田会長が会談。今後の小泉−岩隈会談で説得できなければ本人の意思を尊重する方向性を確認。

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王監督、ソフトバンク改革

◇自ら登場、HP質問コーナー新設

「新生ホークス」のGMを兼任するダイエー王貞治監督が、さらなる野球ファン開拓と球界改革の「旗振り役」となる。29日、都内のホテルで世界少年野球推進財団の理事会に出席。チームの新オーナー企業、通信大手ソフトバンクとのタッグで球界発展に全力を注ぐ考えを披露した。

王貞治
「これまで球界はある意味、ファンを第1に考えていなかった。球場に来るなら、どうぞという感じ。でもそれではダメ。ファンが来るのを待つのではなく、ファンに投げかけていかないと。これまでダメだったことでも(ソフトバンク社長の)孫さんであれば、やれることがある。」

アイデアは多い。ソフトバンクは「本業」のインターネット事業で投手、野手の動作解析画像の配信を検討しているが、ファンを大事にする王監督らしい案がある。「これからはホームページでファンの質問に答えるような形になるかな」と、自らが答える質問コーナーの新設を発案した。

球界改革プランでは28日のOB戦の際にコミッショナー事務局側に公式戦使用球を国際試合の使用規格に統一するように提案した。さらにこの日は本拠地福岡ドームの改修案まで話は発展した。「ホームベースを前に出し、ファウルグラウンドを狭くする感じで、観客席を広げてはどうだろうか。ネットも下げることはできるだろう。(ファンと)一体感が出てくる」。脳裏にあるのは観客席がフェアゾーンの近くまでせり出しているメジャー式球場。ファンの視線に立った提案を連発した。

今季球界を揺るがした再編問題で、だれよりもファン離れを危惧してきた。「実現可能かどうかは分からないが、理想を追える環境にはなってきたし、色々なことを検討することが大事」。王監督の様々な提案は、球界発展への願いが根底にある。

◇孫社長ドタキャン

巨人、ヤクルト、横浜など各球団オーナーとの会談を続けてきたソフトバンク孫正義社長の“球団行脚”が29日、急用のため見送られた。ダイエー本社の蓮見敏男社長とロッテ、西武、オリックスを回る予定だったが、孫社長はこの日朝になって挨拶回りをキャンセル。蓮見社長は予定通りに3球団を回ったが、孫社長も訪問すると聞いていた球団関係者から「どうなっているのですかね。かといって、突然来られても困るのですが…」と、困惑の声も漏れていた。

◇基本合意書に調印

ダイエーホークスを買収する通信大手のソフトバンクが30日、日本プロ野球組織(NPB)に新規加盟の申請を行う。ダイエーが午前中に取締役会を開き球団売却を正式承認。その後、ソフトバンク、ダイエーの実務者レベルで基本合意書に調印し、ソフトバンク孫社長ダイエー蓮見敏男社長が東京・内幸町のコミッショナー事務局を訪れ、申請の手続きを行う。木村球団広報部長は「正式な契約としてはオーナー会議の承認後になると思います。年内か1月かはまだ分かりません」と語った。

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楽天2軍は山形濃厚

2軍本拠地争いは「山形県」に軍配が上がりそうだ。仙台市のJT球場と一騎打ちの様相だったが定例会見で「宮城で2軍を持つには出費がかかる」と発言。JT関連野球施設の買収には数十億円が必要で、今後も誘致に動く気配は見られないため、事実上の撤退宣言となった。

◇こだわりのユニホーム

都内で編成会議を開き、ユニホームの選定作業を行った。田尾監督は両足の脇に入ったラインの太さにこだわり「細すぎるのも良くない。腰から足首にかけて細くする」と明かした。また外国人選手の獲得へ野手5人、投手5人のリストづくりに着手した。同監督は「4番を打てる三塁手をとりたい。投手は先発2人、抑え1人。投手中心にしたいので、投手コーチを中南米のウインターリーグに派遣したい」と話した。

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オリックスが岩隈引き留め断念…巨人トレード大本命[サンスポ]

近鉄からオリックスへの移籍に難色を示している岩隈久志投手が29日、オリックスの小泉隆司球団社長と都内で会談。岩隈は楽天への金銭トレードを直訴した。ただ、報告を受けた宮内義彦オーナーは早期決着を示唆し、放出やむなしの結論を近日中に下す見通し。今後、オリックス側は巨人を大本命に、阪神、中日も含め、大型トレードの道を模索することになりそうだ。

新生オリックス入りをかたくなに拒んでいる岩隈の処遇が、最終局面を迎えた。この日、都内で前触れなく行われたオリックス・小泉球団社長との2度目の会談。午前11時から2時間の話し合いで、岩隈は予告通り、トレードを直訴した。

岩隈
「今回は、はっきり言いました。(意中の球団が)楽天だということも伝えました。今日も具体的な話は出なかったです。期待外れでした。」

相手の腹のうちが読めず岩隈の不信感は高まったようだが、会談後の小泉球団社長は慌しく動いた。午後に都内のオリックス本社を訪れ、宮内オーナーに現状報告。中村勝広GMも出張先の千葉市内で「野球界全体にかかわることになるかもしれないので、慎重に対応したい。近々に方向性を出したい」と注目発言を行った。

宮内オーナーもこの日朝、都内の自宅前で「問題の長期化?そういう感じはないけど」と早期の事態収拾を示唆した。岩隈自身は極秘会談した仰木監督に残留拒否を念押ししており「監督は説得に弱気になっている」と明かす関係者もいる。小泉社長はこの日夜、神戸に戻り説得継続の方針を明かしたが、12月に入れば岩隈問題は大きく展開しそうな雲行きだ。

保留者名簿の提出期限の30日には、球団の取締役会が開かれる。神戸市内で仰木監督、小泉球団社長、中村GMが再び会談する予定。宮内オーナーの判断をふまえて、岩隈の扱いはトレードに向かうことが確実な情勢となった。

だが、労組選手会も支持する岩隈の希望を聞き入れた楽天へのトレードは叶いそうにない。分配ドラフトで戦力を分け合った新規球団へ、今季も15勝(2敗)したエースまで譲渡するのは抵抗がある。大阪ドームという新本拠地の観客動員を考えても、トレード先としては全国区の人気選手が揃う巨人が最有力視される。当初1リーグ制へ向かった球界再編の流れでも、宮内オーナーと読売首脳は良好な密接な関係を保ってきた。

しかし、巨人が岩隈獲りに動けば、阪神、中日を巻き込んだ争奪戦に発展するのは必至。既に中日は興味を示しているが、阪神のフロント幹部も「まずは出すという前提がないことには動けないが、それを待ってから…」と参戦の構えだ。

統合新球団の船出は12月1日。スケジュールが詰まる中、岩隈争奪戦は師走とともに開戦する。

岩隈久志(いわくま・ひさし)
昭和56年4月12日、東京都生まれ、23歳。堀越高から平成12年ドラフト5位で近鉄入団。今季は21試合で15勝2敗0S、防御率3.01。パ・リーグ勝率1位(.882)で最優秀投手、最多勝を獲得、ベストナインにも選ばれた。8月に日本代表でアテネ五輪に出場し、銅メダルを獲得。通算成績は80試合で42勝21敗0S、防御率3.47。家族は夫人のまどかさんと1女。1メートル89、74キロ。右投げ右打ち。背番号21。年俸6500万円。
岩隈久志・年度別成績
年度所属S防御率
平13近鉄942043 2/3462516224.53
1423870141 1/313213150583.69
152715100195 2/320114951753.45
1621※1520158 2/314912338533.01
通算4年8042210539 1/35284281552083.47

[注]※はタイトル。平成16年は最優秀投手、ベストナインに選出

◇巨人「足りない部分の選手」1番手

巨人は今オフの補強でFA選手を封印し、外国人に絞ってきた。堀内監督は「ポジションがダブったり、実力以上の評価をしてまで選手を補強する必要はない」と大型補強を繰り返す方針からの脱却を図った。

ただし「どうしてもウチに足りない部分の選手なら別」とも付け加える。その最大の重点ポイントが先発投手だ。外国人を1人獲得する予定だが、それでも上原、工藤に次ぐ3番手以降が不安定な現状。今季15勝2敗の岩隈が「足りない部分の選手」の1番手であることは、球団関係者も否定しない。

それでもトレードとなると、交換要員が難しい。上原、木佐貫クラスは放出できず、どうしても中堅投手が中心の大型トレードしかない。投手なら高橋尚、河原ら、野手なら江藤、斉藤らが候補に挙がる可能性はあるが、人気と実力、年俸との兼ね合いで交渉は難航するものとみられる。

◇楽天田尾監督「欲しいという気持ちはある」

岩隈自身が移籍を希望する楽天は、獲得のスタンスを変えていない。田尾監督はこの日、改めて「欲しいという気持ちはある」と述べ、「他に動いている球団もあるようだが、楽天としては金銭トレードによる獲得しかない。そのための金銭はある」と説明した。楽天には岩隈が信頼する義父の広橋1軍守備走塁コーチがいる。だが、田尾監督は「こちらから今、広橋コーチに(事情を)聴くのはどうか。動きがあった場合は考える」と話した。

◇岩隈問題の経緯

10-22
オリックス・小泉球団社長と会談。「プロテクト枠の25人に入れる」と告げられて困惑
10-30
近鉄・足高球団代表と会談。「プロテクトされたくない」と本音をぶつける
11-08
分配ドラフトでオリックス入り後、「できればプロテクトはしてもらいたくなかった」と心中を吐露。「(オリックスでやる)可能性はある」と発言
11-10
「オリックス・バファローズ」の結団式に出席
11-18
オリックス・中村GMと初会談
11-20
近鉄OB会で「トレード(希望)を伝えたいと思います。それが今の結論」
11-22
小泉球団社長、中村GM、仰木監督が神戸で三者会談
11-23
仰木監督と大阪市内で極秘会談
11-25
金銭トレードでの楽天入りの希望を明かす

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楽天以外なら岩隅の移籍容認[スポニチ]

合併球団オリックス入りを拒む近鉄・岩隈久志投手は29日、オリックス・小泉隆司球団社長と東京・丸の内で極秘に会談。交渉は決裂し、移籍は確実となった。岩隈は金銭トレードでの楽天入りを希望したが、小泉社長は交換トレードを打診。問題の早期解決に向け、岩隈は労働組合・日本プロ野球選手会への協力を要請する意向も示した。

昼食を交え、3時間の会談で岩隈は揺るがぬ移籍希望を伝えた。第1希望はやはり楽天。義父の広橋公寿守備走塁コーチが所属する愛着と新天地としての魅力を感じていた。

岩隅
「できるなら楽天でやりたいと言いました。新しいチームだし知っている選手もいる。合併をしたチームでやる気にはどうしてもなれません。」

岩隈によると小泉社長の口から初めて「トレード」という言葉が出た。楽天希望の岩隈に「他のチームではいけないのか?」と返してきた。楽天以外の10球団との交換トレードの打診で「交換要員となる人(のこと)を考えると金銭トレードがいい」と言う岩隈に対し、小泉社長は「オリックス(の立場)を理解して欲しい。こちらにもメンツがある」と拒んだという。金銭放出には小泉社長が難色を示しており、交渉は決裂した。

「話が進まないんです。僕としてはこれで終わりにしたい」。最後通告を行った岩隈は早期解決へ選手会に仲裁を申し入れる考えも明かした。「選手会からは“選手の意思を通せる”と聞いています。僕は最後の最後まで希望を通したい。このままだと長引くので、選手会に相談します。トレードしてもらいたいですから」と話し、近く選手会顧問弁護士の石渡進介氏に電話する。

9月23日の労使合意で「合併球団の選手には本人の意思を尊重する」と申し合わせた。また商法上、合併形態は近鉄からの営業権の譲渡。このため労働法上、譲り渡し球団(近鉄)にも譲り受け球団(オリックス)にも選手拘束権はないとの法的判断が定着している。既に複数の関係者が「交換要員を手にするトレードが現実的な解決策」と語り、球界内では「交換トレードで決着」との見方が広まっている。

10月22日以来2度目の会談で岩隈の固い意志を確認した小泉社長は東京・芝のオリックス本社を訪ね、宮内義彦オーナー(本社グループCEO)に報告。慰留断念、移籍容認もやむを得ない状況となり、今後は移籍先が注目されることになった。

◇岩隈と1問1答

≫会談を終えて。
岩隈
「状況は一緒です。気持ちは分かってもらってると思う。」
≫どんな内容か。
岩隈
「オリックスの会社の話が多かった。条件の話もなかった。本当に残って欲しいのなら条件の話もして欲しかった。熱意は感じなかった。」
≫他には。
岩隈
「清原さん(巨人)を獲りにいくとか、ノリさん(中村)が残るかもしれないとか、外国人を獲るとか。選手の魅力でファンをつくっていくと。」
≫次はいつ会うのか。
岩隈
「僕はこれっきりにしたいと伝えました。ただ、川越さんや赤堀さんも話をしたがってると聞きました。(2人の)話を聞くのは問題ないです。」
≫トレードの話は。
岩隈
「ルールがどうとか言ってたけど分かりにくかった。僕はできるなら楽天でやりたいと言った。」
≫反応は。
岩隈
「交換要員のことも考えないといけないと言われました。それは分かるんで金銭でと要求しました。他のチームでもいいのかとも聞かれました。でも交換トレードはちょっと…。」
≫オリックスでプレーする可能性はないのか。
岩隈
「現段階はゼロです。」

◇小泉社長、会談内容明かさず

小泉球団社長はこの日夜、神戸市内のホテルで「東京で昼食を挟んで有意義な話ができた」と岩隈と会談したことを認めた。「前回(10月22日)とは違い、お互い思っていることを話し合った。非常にいい2時間だった」と話し、成果があったと強調。早い時期に3度目の会談を持ちたい意向も示したが、岩隈との会談内容は一切明かさず、岩隈の要求についても「お答えできない」と答えただけだった。

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田尾監督、金銭トレードで岩隅獲り[スポニチ]

岩隈が移籍先の第1志望に挙げたことに、楽天・田尾安志監督も金銭トレードでの獲得に全力を尽くす考えを示した。この日、ニッポン放送でのラジオ出演後「オリックスさんが出すということになるなら」と前置きした上で「ウチは選手がいないし、金銭でトレードを申し入れることになる」と話した。

田尾監督は米田球団代表、キーナートGM、広野編成部長と都内で約2時間30分、編成会議を行ったことを明かし「いくら用意できるという準備の話もしました。オーナーのポケットマネー?必要ならお願いすることになる」と総額10億円を超える三木谷オーナーのポケットマネー使用も辞さない構えだ。

「外国人1人を獲るということとは全く意味合いが違う。岩隈君は松坂君に匹敵する投手ですから」と田尾監督。オリックス側はあくまで交換トレードを目指す方針だけに、今後は楽天の攻勢が注目される。

◇阪神に続き中日も岩隅獲得へ

中日も岩隈獲得の検討に入った。球団幹部が「現時点では何もできないが、(放出なら)欲しい投手。様子を見ている段階です」と話した。99年のMVP左腕・野口を筆頭とした交換要員も豊富でオリックスが同一リーグ放出を渋れば、成立の可能性十分だ。また阪神の球団首脳は「相手(オリックス)から打診があれば検討する」と前向き。「残留が1番」と慎重発言の岡田監督も22日には「トレードが決まった場合は検討に値する」と明言している。

◇古田「選手会も対応します」

労組・日本プロ野球選手会の古田敦也会長は29日、千葉・袖ケ浦市内のゴルフ場で球団選手会ゴルフに参加。岩隈問題の早期解決に向けて選手会として対応策を講じる考えを明らかにした。岩隈の「今後は選手会に相談」との発言を伝え聞いた古田会長は「本人がそう言っているのなら当然対応はします」と話した。

25日にはオリックス・小泉球団社長に「問題が長引いて双方にメリットはない。最終的に本人の希望に沿うようにしてもらいたい」と自ら早期解決を訴えている。労使交渉で申し合わせた「選手の意思に配慮する」の原則にもかかわらず、泥沼状態の現状打破に選手会が支援に立ち上がる。

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楽天、鳴り物やめて「大リーグ方式」応援[ニッカン]

ラッパ、太鼓をやめて「大リーグ方式」に−。仙台に誕生するプロ野球楽天イーグルスの応援を考える市民団体「東北のプロ野球を応援する市民の会・宮城」が、選手と観客が試合に集中できるように既存球団にはない新しい観戦スタイルを目指している。

「鳴り物」がない大リーグを参考に、選手にも応援についてアンケートし「宮城球場方式」をつくり出す。

本拠地となる県営宮城球場は周辺が住宅街。近くには病院もある。会合でメンバーから「鳴り物の応援は一部の人しか楽しめない」「打つ瞬間、捕球の瞬間の音が聞きたい」といった意見のほか、東北弁を使うエールなどのアイデアが出た。

「鳴り物は慎む」「相手チームにも拍手を」など8項目の「応援のしおり」も作成、スタンドで一般のファンに協力を呼び掛けることを決めた。

問題は対戦チーム。相手の応援団が協力してくれるか課題も残るが、楽天サイドや球場を管理する県などとも協議して共通のルール作りができないか検討する。

竹内健二代表は「周辺住民からもどんな応援が迷惑かを聞き、地域から愛される球団になる手助けができれば」と話している。

市民の会は会社員を中心に20代から60代までの男女約80人が加入。ファンサービスの方法や球場改修で楽天への提言をまとめたり、ボランティア活動の検討をしている。

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楽天が飯田、関川、小山を無償トレードで獲得[サンスポ]

楽天は29日、ヤクルトから飯田哲也外野手、中日から関川浩一外野手、小山伸一郎投手をいずれも無償トレードで獲得したと発表した。

飯田は昭和62年、千葉・拓大紅陵高から捕手として入団。外野手転向後に頭角を現し、平成3年から7年連続でゴールデングラブ賞を獲得するなど、俊足、好守の外野手として5度のリーグ制覇に貢献した。

関川は3年に駒大からドラフト2位で阪神へ入団。10年に中日へ移籍、11年のリーグ優勝に貢献した。中日からはこのほか、紀藤真琴投手と酒井忠晴内野手の楽天入りも内定している。

飯田
「選手は野球をやってなんぼ。一からのスタートだし、新鮮な気持ちで頑張りたい。(楽天では)若い選手のお手本になりたい。」

◇首脳陣がユニホームのデザインを相談

楽天の田尾監督、キーナートGMら首脳陣が都内の楽天オフィスに集合。新球団のユニホームのデザインについて話し合った。田尾監督によると、数種類のサンプルを見ながら、ズボン横のラインをエンジと黄・金色のミックスとすることを確認。12月7日に予定する新人選手の入団発表までに公表できるとの見通しを明かした。

◇島田副社長が社長に

楽天は、12月1日付で島田亨副社長が社長に就任する球団役員人事を発表した。現球団社長の吉田敬氏は本社業務に専念する。

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楽天がヤクルトから飯田を獲得[ニッカン]

楽天は29日、ヤクルトから飯田哲也外野手、中日から関川浩一外野手、小山伸一郎投手をいずれも無償トレードで獲得したと発表した。

飯田は87年、千葉・拓大紅陵から捕手として入団。外野手転向後に頭角を現し、5度のリーグ制覇に貢献した。18年目の今季は左手の骨折などで出場3試合で、来季の戦力構想から外れていた。

関川は91年に駒大からドラフト2位で阪神へ入団。98年に中日に移籍し、99年のリーグ優勝に貢献した。今季は12試合に出場したが無安打に終わった。

中日からは、このほかに、紀藤真琴投手と酒井忠晴内野手の楽天入りも内定している。

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ダイエー球団譲渡、基本合意へ[スポニチ]

ダイエー本社は30日、都内でソフトバンクとの球団譲渡基本合意書に調印。日本プロ野球組織(NPB)に球団譲渡を申請する。29日、ダイエー本社の蓮見社長が都内のロッテ、オリックスの本社を訪問。球団譲渡の方針を伝え、承認への協力を要請した。またダイエー球団の高橋社長も所沢の西武球団事務所に星野オーナー代行を訪ね、本社の意向を伝えた。

基本合意書調印後、ダイエー幹部が東京・内幸町のコミッショナー事務局を訪れ、申請書を提出する予定。NPBでは申請書を精査した上で、12月6日にソフトバンク・孫社長らを呼び、公開のヒアリングを行い、永続的な球団保有の意思を確認する。同20日に実行委員会でソフトバンクへの球団譲渡を議決し、同24日の臨時オーナー会議で正式承認の運びとなる見込みだ。

◇王監督、メジャーFA市場参入へ

王監督が大リーグのFA市場への参戦を表明した。自らが理事長を務める世界少年野球推進財団の会議に出席し「フリーエージェントのロースター落ちの選手をもう1度、調査し直さなきゃいけない」と明言。今月中旬にリストアップし、平野外国人渉外担当兼通訳を渡米させることを決めた。ソフトバンクの孫社長からは10億円規模の補強費を提示されており「3打席三振しても4打席目に1発の打てる打者。強力な選手を連れてきたい」と大物大砲獲りを目指す。

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30日に基本合意書調印へ…ダイエーとソフトバンク[サンスポ]

福岡ダイエーホークスを所有する大手スーパーのダイエーと情報通信大手のソフトバンクは、30日に球団株98%を約50億円で譲渡することについて基本合意書に調印する。同日午後にも発表される。

最終合意を受け、同日中にダイエーは日本プロ野球組織(NPB)に対し球団株のソフトバンクへの譲渡を申請。ソフトバンクは新規加盟の申請を行う。

申請を受け、NPBでは12月6日にソフトバンクへの公開ヒアリングを開催し、財務状況などを審査。20日の実行委員会を経て、24日のオーナー会議で承認されれば、球団譲渡が正式に決定する。

ソフトバンクは福岡ドームのチケット販売など興行権を米投資会社コロニー・キャピタルから約150億円で買収することで大筋合意。球団と興行権を総額約200億円で取得する見通しとなった。

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王監督“飛ばないボール”使用提言…国際化戦略の一環[サンスポ]

ダイエーの王貞治監督が29日“飛ばないボール”の統一使用を強く提言した。既に日本プロ野球組織(NPB)に直訴。国際化戦略の一環であり、さらには福岡ドームの観客席の改修もにらんだファンサービスにもなるという。

世界への道、そしてファンサービスも、まずは“飛ばないボール”から…。868本塁打の世界記録を持つ王監督だからこそ、国際球への統一を訴えた。

王監督
「本塁打の記録もそうだけど『(ボールが)飛ぶから』と言われないようにしないとね。うちだけじゃなく、日本球界として前向きに話し合って欲しい。」

この日、都内のホテルで自らが主催する世界少年野球大会の会議に出席した指揮官。前日28日に、NPBの長谷川事務局長に直訴していたことも明かした。

今月上旬には日米野球で全日本の指揮を執り「日本の選手は『飛ばない』と力んでいた」。不慣れな球に実力を発揮できない。球団を買収するソフトバンクの孫社長も世界一決定戦を提唱する中、世界で戦うためには公式戦での使用が大事と考える。

国際戦略だけじゃない。本拠地の改装も視野に入れている。福岡ドームの外野フェンスは高さ5.8メートル。「ボールが飛ばないとフェンスを低くして、観客席もグラウンドレベルにできる」。国際球にすれば、打球のスピードが抑えられて安全性が増す。観客席も低くでき、ファンとの距離も近くなるという訳だ。

「実現するかどうかは分からないが、提案できる環境になっているのは確か」。球場改修にも頼もしい“孫マネー”もある。まずは直径約7.3センチの改革から、王GMの世界戦略が始まる。

◇大物獲得は米国FA市場も視野に

メジャーの大物獲得を検討しているダイエーだが、GMを兼務する王監督は米国のFA市場にまで視野を広げる考えを明かした。

王監督
「FAとかロースターから外れた選手とか、色々ある。去年ならハナから(獲得に)参戦できない人も対象になる。」

ソフトバンクの孫社長からもGOサインが出ており、外国人リストを白紙に戻して再検討中。近く平野渉外担当が再渡米する予定だ。

◇FA・大村と12月9日に2度目の交渉

近鉄からFA宣言した大村直之外野手の獲得を目指すダイエーが、12月9日に大阪市内で大村の代理人と2度目の交渉を行うことが、分かった。また、獲得に名乗りを上げている日本ハムも12月2日に高田GMらが大阪市内で初交渉する予定。

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球団ホームページに王コーナー[報知]

◇ソフトバンク正式調印

ブロードバンド通信王手、ソフトバンクが30日、ダイエーと球団買収の正式調印を済ませ、プロ野球機構に参入申請を行う。新生ホークスのGM兼任監督に就任するダイエーの王貞治監督は29日、少年ファン開拓のため、球団ホームページ内に自身のコーナーを設置するプランを披露した。

IT企業がスポンサーになるだけに、指揮官も新しいファンサービスを積極的に行うつもりだ。「(野球に関する)質問にオレが答えるというようなものになるのかな。自分で書き込むのは大変だから、話した内容を書き込んでもらうようになるだろうね」と、球団ホームページにファンとの質疑応答を中心とした“王コーナー”を作る考えを説明した。

ソフトバンクの孫社長も、自軍投手をモデルとした動作解析のコーナーなどを作る案を検討中。新生ホークスのサイトは、ファン必見となりそうだ。

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藤井寺球場が1月で閉鎖[ニッカン]

プロ野球近鉄の本拠地だった藤井寺球場(大阪府藤井寺市)が、来年1月いっぱいで閉鎖されることになった。近鉄球団の小林哲也球団社長が29日、明らかにした。

同球団社長は閉鎖の理由として「施設の老朽化が進み、危険であること。(オリックスとの合併で)球団がなくなり、使用目的がなくなったこと」の2点を挙げた。球場の取り壊しを含め、跡地の用途については未定という。また併設されている合宿所も、1月いっぱいで閉鎖となる。

藤井寺球場は1928年にオープン。近鉄は球団創設の50年から長年フランチャイズ球場として使用してきたが、97年に大阪ドームに本拠地を移した。その後は2軍のホームグラウンド、シーズンオフの練習場となっていた。しかしオリックスとの合併によって球団の消滅が決まり、閉鎖が検討されていた。

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近鉄の本拠地だった藤井寺球場が来年1月で閉鎖[サンスポ]

近鉄の本拠地だった藤井寺球場(大阪府藤井寺市)が、来年1月いっぱいで閉鎖されることになった。近鉄の小林哲也球団社長が29日、明らかにした。

同社長は閉鎖の理由として「施設の老朽化が進み、危険であること。(オリックスとの合併で)球団がなくなり、使用目的がなくなったこと」の2点を挙げた。取り壊しを含め、跡地の用途については未定。併設されている合宿所も、1月いっぱいで閉鎖となる。

藤井寺球場は昭和3年にオープン。近鉄は球団創設の25年から長年フランチャイズ球場として使用してきたが、平成9年に大阪ドームに本拠地を移した。

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球界再編検証-2

◇楽天は断った

再編騒動のさなか、近鉄小林球団社長が、オフレコとして、ある球団の理事に漏らした。「もうちょっと早くライブドアが手を挙げてくれれば…」。

球界再編のきっかけは近鉄の経営難だった。本業の鉄道は苦戦し、球団経営は広告塔の役目を果たさず。毎年40億円の赤字で、企業の丸抱え経営は限界だった。「関西の財界を中心に売却も考えたが…」(小林球団社長)。

大手の関西電力、大阪ガス、松下電器産業に売却を提案したが、最終的に断られた。実は、後で参入意向を示す前の楽天にも譲渡を持ちかけた。「三木谷さんは野球は商売にならないと、サッカーの経営を決めた。野球の球団は買えないということだった」(近鉄本社山口社長)。

もし、身売りが成立していればその後の展開は全く違うものになっただろう。袋小路にはまったところ、オリックス宮内オーナーが直接、近鉄本社の山口社長に合併交渉を持ち込んだ。「渡りに船だった」(近鉄本社首脳)。

この話が6月13日に表面化して、球界再編への火蓋が切られた。「多くの関心を得たのをみて、日本人は野球が好きなんだと感じた。これに火をつけなくては…」。

宮内オーナーは巨人渡辺オーナー(当時)を味方につけていた。当初、2人は犬猿の仲だった。98年、新聞、出版物にかかわる再販問題でも対立。渡辺オーナーが「おれの天敵は宮内だ」と言えば、宮内オーナーは「巨人にぶらさがっていては球界の発展はない」と反発した。その2人が政治関連は別にして球界再編をめぐっては急接近。それは互いに1リーグ制の“果実”があったからだ。オリックスには、巨人、阪神戦を組むことで赤字軽減、ビジネス成立の思惑があった。人気が相対的に低下していた巨人も、目新しいカードを増やし、人気回復の起爆剤があった。

◇影には宮内オーナー

元祖ベンチャーで、ソフトバンク、楽天と親密な宮内オーナーは、舞台裏で再編に深くかかわった。楽天三木谷社長を最初に渡辺オーナーのもとに紹介したのも宮内オーナーだ。今回の再編では巨人渡辺オーナー、西武堤オーナー(当時)、そして常に宮内オーナーの影があった。6月30日。近鉄買収に名乗りを上げたライブドアを真っ先に批判したのも宮内オーナーだ。選手会の顧問弁護士が絡んだことを明らかにして「古田会長は何を考えているのか。顧問弁護士が球界の健全化を阻害しようとしている」と突っぱねた。

ライブドアの近鉄買収が実現すれば2リーグは維持できた。しかし、既に水面下では宮内オーナーらの再編構想が進行。1リーグへの動きは加速するかにみえた。が…。

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