わたしはかもめ2004年鴎の便り(11月)

便

11月30日

千葉マリン広告スペース拡大[報知]

◇収入底上げ

千葉マリンの球場広告スペースが、大幅に拡大されることが30日、分かった。これまで広告がなかった外野、内野フェンスまで拡大することで広告収入の大幅アップを目指すもので、既に地元・千葉を中心に営業活動も開始している。

千葉マリンは千葉市の第3セクターが運営。「公的性格が強い球場」という理由から、広告が出ているのはベンチ周辺と外野席の壁面だけだったが、瀬戸山球団代表は「行政や企業には物心両面での支援をいただきたい」と改革に踏み切った。広告収入についても、現在は収入総額に関係なく「選手強化費」の名目で年間3000万円が支払われていたが、これについても行政側と協議していく方針だ。

バレンタイン監督の提案で、来季からはトイレや内野フェンスの改修を計画。球団はロッテ本社とタッグを組み「女性や子供も楽しめる球場」を目指している最中でもある。看板広告を増やし、収入全体の底上げを図ることで、よりサービスを提供していく考えだ。

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岩隈が金銭トレードでの楽天入りを改めて要求へ[サンスポ]

近鉄からオリックスへの移籍を拒否している岩隈久志投手は11月30日、他球団へのトレードでなく、改めて金銭で楽天入りを要求していくことを明かした。近日中にも行われるオリックス・小泉隆司球団社長や仰木彬監督との会談で強く訴える方針だ。

岩隈
「自分としては他球団へのトレードは考えていません。希望はあくまで楽天です。」

前日(11月29日)、都内で小泉球団社長と会談。オリックスは放出もやむなしの結論を近日中にも下す模様で阪神、巨人、中日との争奪戦が予想される。しかし、岩隈は移籍先を楽天1本に絞り、トレード方法は金銭を訴えるつもりだ。「交換トレードの相手になる方に迷惑はかけたくないんですよね。今度、会う時はそのことをきっちりと言いたい」と強い口調で語っていた。

◇小泉球団社長はジョークで煙幕

前日(29日)の2度目の直接会談でも、残留拒否の岩隈の心を、翻意させられなかったオリックス・小泉球団社長は、帰神した前夜、仰木監督と緊急会談したことを認めた上で「ご縁(5円)の話も、2度すれば10円になるんで、私としてはご縁で終わっておきます」と、ジョークで煙幕を張った。中村GMも「引き留め?説得は社長にお任せ。短期で決着することは考えにくい」と表情は冴えなかった。

◇仰木監督「年を越しちゃいかん」

オリックス・仰木監督は、大阪市内のホテルで開かれた故・金森茂一郎近鉄本社相談役(前オーナー)の「お別れの会」に出席後、岩隈問題に言及した。「年を越しちゃいかん。(自主トレもままならないと)プレーヤーとして大きなハンデになる。ボクは2回でも、3回でも会うつもり。今度は監督として、突っ込んだ話をしてみたい」再度の会談を申し込むのはもちろん、オリックス選手会からのアプローチにも期待し、総力戦で挑む。

◇川越選手会長が岩隈の残留説得に

統合球団への残留に難色を示し、トレード志願している岩隈に対し、川越選手会長が、近日中にも残留説得に当たりたいという意向を示した。

「優勝したい。そのためには彼の力がどうしても必要。僕の気持ち、チームみんなの気持ちを伝えたい。来てもらえるなら歓迎したい。(残留拒否での)わだかまりは全くない。それで気を遣うのなら、気にしなくていいと言いたい」。ナインの総意は、岩隈の心に届くか、どうか。

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岩隈、移籍先「楽天」1本に絞った[スポニチ]

合併球団オリックス入りを拒否している近鉄・岩隈久志投手は30日、オリックス・小泉隆司球団社長に希望を楽天への金銭トレード1本に絞ったと伝えた。労働組合・日本プロ野球選手会の古田敦也会長も楽天以外への移籍はありえないとの見解を示したが、オリックスは楽天以外の球団との交換トレードを模索。問題は長期化の様相を呈してきた。

岩隈が希望する楽天入りを、より鮮明に打ち出した。大阪市内の自宅前で報道陣に対応。強い口調で話した。

岩隈
「楽天への金銭トレード1本で行きたい。交換トレードだと交換要員の人に迷惑がかかる。」

楽天以外の球団との交換トレードはオリックス側の妥協案であり、今回の移籍問題の解決策でもあった。前日に会談した小泉社長から打診されたが、岩隈はその会談後に選手会の顧問弁護士に相談。「楽天以外ならどこでも一緒」と他球団移籍もやむなしの姿勢から態度を硬化させ、この日の午後に電話があった小泉社長に「楽天以外はノー」の結論を伝えた。小泉社長は「色々なアイデアがあるので話し合おう」と答えたという。 今後は、近日中に小泉社長、仰木監督と会談を持つ予定だが「仰木さんにも“楽天に金銭で”と伝える。次回を最後にしたい。会っても話は進みませんから。それで駄目なら選手会に出てもらうかも」と説明した。

岩隈の支援を約束する選手会の古田会長は千葉・袖ケ浦で行われた球団野手会ゴルフに参加。「他球団への移籍はない。最初に小泉さんは選手の意思を尊重すると言っているんだから」と強調し「岩隈君は楽天以外に行きたいと言ってます?言っていないでしょ。オリックスのファイナルアンサーが我々の考えと違うなら、対応します」と仲裁の準備があることを示した。

交換トレードならば、獲得姿勢を示す中日、阪神に加え巨人の参戦も濃厚。争奪戦も予想される中、妥協案を否定されたオリックスは対応に苦慮しており、解決の糸口は見えなくなってきた。

◇4番最後の砦はアリアス

楽天が今季限りで阪神を退団するジョージ・アリアス内野手の獲得に乗り出していることが30日、分かった。関係者の話を総合すると、既にキーナートGMが水面下でアリアスの代理人であるダン・ホーウィッツ氏と接触を開始したという。この日、ニッポン放送でのラジオ出演後、田尾監督も「4番を打てる三塁手が第1志望です」と語った。 日本在籍5年で159本塁打とそのパワーに加え、00、01年とオリックスでプレーし、パ・リーグの野球を熟知している点を楽天は評価。今季年俸3億円には及ばないものの、単年2億円を用意し、交渉を進める。

ヤクルト・ラミレス、広島・シーツの獲得交渉が決裂し、もう失敗は許されない。田尾監督も「開幕まで長引くかも」とも話しているだけに、4番外国人構想の最後の砦として、アリアスの交渉状況から目が離せなくなった。

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仰木監督、岩隈絶対トレードない[報知]

◇球団に猛反発

オリックス・仰木彬監督は球団が画策する岩隈久志投手のトレードに猛反発した。同監督は30日、既にフロントが巨人・高橋尚成投手らをターゲットに、岩隈の交換トレードに動き始めていることに対し、トレードの可能性を「一切ない」と否定。現場、フロントに早くも亀裂が生じ始め、近日中に「岩隈問題」で意思統一を図るトップ会談が行われる異常事態に発展した。また、岩隈はこの日、自身の去就について、楽天への金銭トレードに絞るように、あらためて小泉隆司球団社長に伝えた。

自宅前で会見した岩隈。改めて楽天行きを志望した  エース残留を信じて疑わないのは、もはや史上最高齢監督ただ1人となった。この日、故金森茂一郎・元近鉄オーナーのお別れ会に参列した仰木監督は「トレード?聞いてない。そんなのあるはずがない」と断言。現場の長として、やむなしのムードとなりつつある2年連続15勝右腕のトレードを断固拒否した。

産声をあげたばかりの合併球団に、早くも不協和音が聞こえ始めた。球団サイドではこれまで岩隈と通算4度の残留交渉を行っているが、いずれも不調。本人の移籍希望が強く、翻意は困難との判断に傾いた。

指揮官が放出を完全否定したこの日も、小泉隆司球団社長は「トレード?難しい質問ですね。どうお答えしていいか分かりません」と放出の可能性を否定せず、中村勝広GMも「若さと実績を考えたら、どこ(の球団)でも欲しいでしょ」と発言。もし交換トレードに踏み切った場合でも、ターゲットとする巨人・高橋尚ら「大物」の見返りが期待できるとの計算がある。あくまで戦力としてこだわる現場とミゾが生じつつあるのが現状だ。

既に、11月23日に岩隈と初めての会食を終えた仰木監督は「2回でも3回でも会うつもり。彼自身、(トレード志願は)無理を言っていると分かっているんじゃないか」と本人と一両日中にも再度、会談したい意向を示すなど、逆転残留の望みを捨てていない。だが、本人の強い拒否反応や、これ以上の長期化を避けたい球団の姿勢もあり、ベテラン監督は孤立無援の状態に陥りつつある。

この事態にオリックスは近日中にもエースの処遇について小泉社長、中村GM、仰木監督の3者会談を開催。岩隈の方針を正式に決定するが、今回の問題が仰木監督とフロントの対立にまで波及する可能性も出てきた。

◇岩隈あくまで「金銭で楽天」

オリックスでのプレーを拒む岩隈は30日、小泉球団社長との電話会談で、楽天への金銭トレードに、あくまでもこわだる意思を伝えた。午後6時すぎ、小泉社長からの電話で、都内で行われた前日(11月29日)に続く、2日連続の話し合いがスタート。最初は仰木監督らとの会談実現に向けた日程確認だったが、岩隈は「僕からは『楽天1本でお願いします。その他の球団は希望しません』と伝えました。(交換トレードだと)新聞で色々な選手の名前が出て、迷惑をかけてしまいますから」と前日に続いて、金銭トレードにより、義父の広橋守備走塁コーチが在籍する新規球団入りを強く要望した。

最多勝右腕の決意を耳にし、小泉球団社長は「色々なアイデアがある。また話し合いましょう」と返答。前日の会談と同じように、交換トレードを視野に入れた発言を繰り返したという。

既に保留選手名簿にも記載されている岩隈は、この日、近鉄・足高球団代表から正式にオリックスへのトレード通告を受けた。「(日本プロ野球)選手会にも(楽天行きを)働きかけてもらおうと思ってます」エース右腕の気持ちは仙台行きで固まった。

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近鉄最後の日に…社長が報道陣にキレた![ニッカン]

「近鉄最後の日」となった11月30日、山口昌紀・近鉄本社社長が報道陣を一喝した。55年の球団史に幕を閉じたこの日、大阪市天王寺区の本社前で取材に対し「私はあなたら(報道陣)が生まれる前から、バファローズを見てきたんです。私が野球を嫌いやから球団を手放したというような論調には、腹が立っているんだ!」と怒声を上げた。最後は「野球を育てようとしないマスコミに話はしない」と言い放ち社内に消えた。一方、球団事務所では夕方、足高球団代表が球団職員約20人を集めて締めの乾杯。「色々と心配や迷惑をかけた。申し訳なかった」と職員の労をねぎらった。

◇統合手続き完了

オリックス・バファローズは30日、ヤフーBBスタジアムで球団統合に伴う取締役会、臨時株主総会を行い、新会社設立の諸手続きを完了した。新役員として近鉄から斎藤賢氏が出向、常務取締役に就任。同氏は大阪での営業部門を担当する。さらに近鉄から受け入れるスタッフ(約25人)の人事もほぼ完了。小泉球団社長は「手続きは無事終わりました。人と人の出会いはご縁のもの。近鉄さんとのご縁を大切にして、いい球団をつくりたい」。

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「岩隈トレードが楽天以外のファイナルアンサーだったら」古田会長行動起こす

労組プロ野球選手会の古田敦也会長は11月30日、合併球団オリックスでのプレーを拒み、楽天入りを希望している岩隈久志投手の意向が早期に受け入れられる、との見通しを示した。その上で岩隈の意思が尊重されなかった場合には、何らかのアクションを起こす強い姿勢も見せた。

古田はこの日、千葉・木更津市内でのゴルフコンペに参加。岩隈の処遇問題は長期化の様相さえ呈してきたが「長引かせることは、お互い良いことだとは思ってない。どこかでファイナルアンサーを出す時期がくるでしょう。その時は約束通りにことが進むと思います」と、岩隈の早期の楽天入りを予測。さらに報道陣からの「オリックスは、楽天以外の球団にも岩隈をトレードに出せますよね?」との質問に「ないですね、それは。岩隈は楽天以外に行きたいって言ってる?」と返した。本人が希望していない楽天以外へのトレードの可能性に、釘を刺すことも忘れなかった。

岩隈は11月29日に、オリックス小泉社長と都内で会談。楽天へのトレード移籍を拒否された。金銭トレードともなれば戦力ダウンは免れないため、オリックス側も慰留に必死だ。だが古田は「今は小泉さんが説得したい時期だということですから。でも本人の意思を尊重するって約束したからね」と意に介さない。そして最後に「ファイナルアンサーで約束と違うことが起きたら行動を起こします」と明言。岩隈の楽天入りが叶わなかった場合に、選手会としてアクションを起こすことを再度、確認した。

◇岩隈「とにかく金銭で楽天」

岩隈はこの日、あらためて「オリックスにはいくつもりはありません。希望は楽天。とにかく楽天への金銭トレードでお願いしたい」と熱望した。「他の選手に迷惑をかけたくない」が理由。楽天以外の場合、各チーム主力級との交換トレードが確実。意に反してプロテクトされた岩隈だけに、同じような「痛み」を味わわせたくない−ということだ。また楽天以外へのトレード希望は「ただのワガママになる」との認識もある。またこの日、近鉄足高球団代表からオリックスへのトレード通告を“形式的”に受けた。近鉄から合併球団に入る選手にとられる手続きで8500万円増の1億5000万円の来季年俸(推定)も提示されたが、あくまでも楽天行きの希望を貫く。

◇仰木監督、川越に協力要請

一方、オリックスは仰木監督を中心に現場、フロントいったいで岩隈説得にあたる方針を再確認した。仰木監督はこの日「他球団へトレード?そういう考えはない。説得する。年内決着を目指します」と明言。調整次第で1日にも岩隈と会談する。「うちの選手達も(岩隈に)会いたいと言ってるようだ」と川越らの協力にも期待。川越も「近いうちに会って『一緒にやろう』と伝えたい。騒ぎにはなっているけど僕らは気にしていない」と話した。

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孫はさせない!!球界IT改革で収益伸ばす[ニッカン]

「新生ホークス」は、球界革命を目指す。通信大手ソフトバンクの孫正義社長とダイエーの蓮見敏男社長が11月30日、都内で会見し、福岡ダイエーホークスのソフトバンク譲渡を正式発表した。球団株式譲渡について基本合意の契約を締結、買収額は総額200億円。両社は日本プロ野球組織(NPB)に申請書などを提出した。孫社長は球界再編の原因となった構造の打破を宣言。インターネット事業を駆使した“IT革命”で、収支面を含めた球界の発展に尽力する決意を披露した。

総資産2兆円の企業を築き上げた孫社長の言葉には、節目の1歩を踏み出した感慨と、壮大な夢にチャレンジする力強さが溢れた。球団株の98%(中内オーナー所有2%を除く)を保有する基本合意を交わして会見に臨んだ。

孫社長
「プロスポーツとは何か。ビジネスモデルとは何か。人は常人をはるかに超えた技術を見たときに、感動し、ときには涙する。その感動に対し、対価を払う。構造問題で国民を巻き込んだ騒動があった。(球界には)様々な弊害があった。(2リーグ分裂後)50年間の膿を出すような議論がされた。参加する以上、私は球界の歴史を変える一助になることに価値を見いだす。悪弊を受け継ぐようでは意味がない。」

47歳の若き「新オーナー」の決意表明だった。オリックスと近鉄の合併を発端にした球界再編問題。球界の、特にパ・リーグの赤字体質が根本的に変わらなければ、再編第2弾が起きかねない。だが、孫社長は球界の収支構造への改革に名乗りを上げた。持論の「クラブ世界一決定戦」が実現すれば、メジャーを含めた世界一を争う「真のワールドシリーズ」には放映権やスポンサー料などで最低でも100億円の収益は下らないと考えている。

本業のインターネット事業を生かした球界全体の収入増プランもある。自球団だけでなく、他球団のチケット、グッズも付加価値をつけ販売することで収益増を見込む。ホークスに限れば、野球関連170億円の収入も「2、3割は増やすことはできる」と断言した。「ヤフージャパンは1日で約10億ページが見られている」の言葉が自信を裏付けた。各球団行脚では、ブロードバンド事業での他球団の試合放映も理解を求めてきた。

孫社長
「ちまちまとした小さな考えはない。自分さえよければ、ということはない。」

孫社長はこの日も、あらためて球界改革案を提示した。24日のオーナー会議での正式承認を経て、孫ホークスの改革が本格的に始まる。

◇正式発表事項

(1)球団株
ダイエー本社保有の全株式(約98%)を50億円で取得。
(2)興行権
米投資会社コロニー・キャピタルの子会社ホークスタウンから、150億円でチケット、グッズ販売権など「興行権」を買い取る。
(3)球場使用料
ホークスタウンと30年間の福岡ドーム使用契約を結び、1年間の球場使用料は48億円で調整。
(4)申請
NPB側に株式譲渡承認申請書、参加申請書、ホークスタウンとの新たな覚書提出。
(5)今後
ソフトバンクとダイエー本社の正式な株式譲渡実行と、ホークスタウンとの契約実行は、共に来年1月28日からとなる。

◇中内オーナー残って

孫社長は中内オーナーの今後の処遇に柔軟な考えを示した。同オーナーは球団株式2%を保有。孫社長は「お会いした上、決めたい。オーナーとしては残らないが、何らかの形で残るのは歓迎」と話した。

王監督
「(球団譲渡の正式調印を受け)NPBに(加盟)申請されたということで、第1歩を踏み出したと受け止めています。あとは手続きを経て、最終決定を見守りたいと思います。」
孫正義(そん・まさよし)
1957年(昭32)8月12日、佐賀県鳥栖市生まれ。久留米大付高1年の夏休みに米留学。75年、ホーリーネームズカレッジに入学し、77年にカリフォルニア大バークレー校経済学部に編入。80年同校卒業後、帰国。81年に日本ソフトバンクを設立し、90年にソフトバンクと改称。米経済誌フォーブスの04年世界長者番付では216位、純資産約24億ドル(約2520億円)。ゴルフはハンディ2の腕前。

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補強費は25億円!仰天“孫マネー”でメジャー大物獲り[サンスポ]

『新生ホークス』の補強費が破格の総額25億円であることが30日、サンケイスポーツの取材でわかった。この日、日本プロ野球組織(NPB)に加盟申請書を提出したソフトバンクの孫正義社長は都内で記者会見し「メジャーから日本に来てもいい」「世界選手権を狙えるチームにしたい」と宣言。仰天の“孫マネー”で、メジャーの大物獲りを進める。

子供のように目を輝かせた。都内のホテルで開かれた球団譲渡の記者会見に出席した孫社長。1時間半を越える会見も、理想を語るときは自然と声を弾ませた。

「国宝といわれる選手がメジャーに挑戦しているのはいいが、日本の球団がメジャーから獲得することもあっていい」「経費を増やしても強く、愛される、世界選手権が狙えるチームしたい」。

狙うは持論の“クラブチーム世界一”。夢物語とも取られかねないが、口だけじゃない。ベールに包まれていた“孫マネー”と呼ばれる補強費は総額25億円! この日、仰天の輪郭が浮かび上がった。

関係者によれば、26日の王監督との初会談で、孫社長はGM兼任を受諾した指揮官に“支度金”を披露していた。そこには、かつて積極補強を打ち出していたダイエーが捻出していた15億円より、10億円も上の数字が…。「イチロー、松井でも獲って欲しい」とまでいわれた王監督は、驚がくの数字に戸惑いを隠せなかったという。

異例の高額だ。阪神が一昨年オフに金本、ノリ、ペタジーニを獲得するため史上最大規模の補強費を用意したが、それでも20億円。しかも、ノリ、ペタジーニに振られ、使い切れなかった。孫社長は保有資産2兆円、現有預金5000億円という豊富な資金力をバックに「経費は増えても売り上げを伸ばせばいいし、野球だけで帳尻を合わせる必要もない」と強気に言い切る。

球団もこれまでのリストを白紙に戻し、FAの大物選手を含めたリストの作成に着手しているが、25億円なら獲得も十分可能。常識を覆す“孫マネー”が、夢を現実に変えるかもしれない。

根来泰周コミッショナー
「今日は申請書をいただき、挨拶をしただけ。後は実行委員会、オーナー会議の裁量にかかっている。」

◇今後の球界の日程

12月2日
選手会定期大会
12月6日
ソフトバンクへの公開ヒアリング
12月20日
実行委員会
12月24日
臨時オーナー会議
1月25日
プロ野球改革協議会(予定)

◇“ソン様”が仰天のITプラン

ヨン様ならぬ“ソン様”が『冬のソナタ』をヒントに、仰天のITプランを披露した。ファンがインターネットを通じて、投手交代の時期や投手などをリアルタイムで投票。集計結果をベンチのパソコンで王監督も参考にできるようにするというものだ。

「『冬ソナ』は監督がITで寄せられるファンの意見を聞いて、シナリオを変えているからおもしろい。ファンを飽きさせない」。でも、グラウンド外部からベンチへの情報伝達は禁じられてますから〜残念!

◇王監督「理想を追える環境が整った」

球団譲渡が正式発表されたこの日、プライベートでゴルフを楽しんだ王監督は「NPBに申請書を出されたということで、第1歩を踏み出したと受け止めています。後は手続きを経て最終決定を見守りたい」と広報を通じてコメントを出した。

既にGM兼任として全権を委任されている指揮官は25億円の補強費で「ハナから考えてなかった選手も対象になる。理想を追える環境が整った」。FAも含めてメジャーの一流選手の獲得に意欲を燃やしているが、王GMの手腕には大きな期待もかかる。

◇ダイエー球団の譲渡発表…ソフトバンクへ200億円で

通信大手ソフトバンクの孫正義社長とダイエー本社の蓮見敏男社長が30日、都内のホテルで記者会見し、ソフトバンクへの球団譲渡を正式発表した。買収額は総額200億円で、同日、日本プロ野球組織(NPB)に球団譲渡の申請書を提出した。

ソフトバンクはダイエーが所有する全球団株98%を50億円で取得。また、チケット販売や放映権などの興行権を、ドームを保有する米投資会社コロニー・キャピタルから150億円で買収することで合意した。

福岡ドームについては、ソフトバンクが20年以上の長期のリース契約を締結。ダイエーに対しても「優勝・応援セール」で球団を最低3年間は無償活用することを認めた。 また、孫社長は球団名に企業名を入れる方針を明言。中内正オーナーの保有する2%の球団株については「名誉顧問などとしてやってもらうと思う」と継続保有に歓迎の意向を示していた。

◇クリスマス・イブに『新生ホークス』誕生

球団譲渡についての申請書をNPBに提出したソフトバンクは、6日に行われる公開ヒアリングで審査を受けた後、20日の実行委員会と24日のオーナー会議で承認を受けることになる。

既にNPB側は大筋で了承しており、孫社長も各球団を精力的に挨拶回りしているが、感触は良好。実行委、オーナー会議で承認されるとみられ、クリスマス・イブに『新生ホークス』が正式に誕生することになる。

◇孫社長らが阪神・手塚オーナーらと2日に会談

ソフトバンク・孫社長らが2日、大阪・野田の阪神電鉄本社を訪問。手塚オーナー、野崎球団社長と会談を行う。球界全般における意見交換が目的で、野崎社長も「既存球団にとっては、刺激になる」と心待ちにしている。また、この日は楽天広報部の下田優子マネジャーが甲子園を訪問。室内練習場を視察し、広報体制などの意見交換を行った。西の老舗球団もいよいよ、新興IT球団との交流を深めていく。

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孫氏の兵法IT駆使しファン獲得[報知]

◇ダイエー買収正式発表

ソフトバンク・孫正義社長と、ダイエー・蓮見敏男社長が30日、東京都内のホテルで記者会見し、福岡ダイエーホークスをソフトバンクへ譲渡すると正式発表した。両社は日本プロ野球組織(NPB)へ球団譲渡に関する申請書を提出。24日のオーナー会議で正式に誕生するが、孫社長は球界改革への思いを語ると共に、IT企業らしいユニークなファン獲得プランを披露した。

孫社長が球界改革の旗振り役となることを宣言した。「単に参加することに意義があるのでなく、球界の歴史を変えていく。やる以上は清く正しく、正々堂々と。オーナー会議でも発言していきたい」と言い切った。

まず襟を正すべきと考えているのは、慣習となっている観客動員数の水増し発表だ。「正しいことなんだろうか」と異議を申し立てた。4年連続300万人突破をうたい文句にするホークスでも、空席がありながら超満員の4万8000人の発表をすることがあった事実を踏まえての発言だ。

さらに、巨人、阪神、横浜のオーナー辞任に発展した新人獲得の際の裏金問題にも言及。「国民へ、心からの感動を与えることへの妨げとなっていると思うので、原点に戻って新しい時代を呼び戻す」ときっぱり。1リーグ制、2リーグ制の議論に関しても「小さな世界の話」と切り捨て、メジャーと世界選手権を開催することを模索すべきと訴えた。

IT企業らしいファン獲得戦略も持っている。「双方向で多くの人々と情報のやりとりが出来るようにしたい」と胸を張った、インターネットでの試合中継では、20〜30台のカメラを設置し、ファンが見たい映像を自ら取捨選択。例えば、ずっと王監督のベンチでの動きや表情だけを楽しむことも可能だという。

次の球種をファン同士で投票し合うプランを既に明かしていたが、今回はさらに指揮官の采配に関しても、投票の対象にする案を披露した。「監督がベンチのノートパソコンを開いて、ファンの意見を参考にすることもいいのでは」と目を輝かせた。ベンチと外部との接触は禁止されているため、実現不可能であるもののアイデアは無限に広がっているようだ。

球団運営に関しては年間約170億円の売り上げで、約10億円の赤字を予測。それでも「10億や20億はグループ全体の波及効果を考えると小さい」と断言した。財力と情熱を兼ね備えた孫ホークスが新時代の球界を引っ張っていきそうだ。

◇球団株式50億興行権150億で売却

産業再生機構に支援要請したダイエー本社は30日、東京都内で役員会を開き、所有するホークス球団の全株式98%をブロードバンド通信大手のソフトバンクに約50億円で売却することを正式に承認。ダイエー・蓮見敏男社長、ソフトバンク・孫正義社長が基本合意書に調印すると、同日午後、NPBに譲渡、加盟申請を行った。

ソフトバンクは米投資会社「コロニー・キャピタル」の100%子会社のホークスタウンとも、チケット販売などの興行権を150億円で譲り受けることと、球場使用料を1年間48億円で基本合意に達した。

また、球団株の2%を保有する中内正オーナーに関してソフトバンク・孫社長は、近日中に直接会談を行い、本人の意思を尊重する考えを明かした。

NPB側はソフトバンクの参入に大筋で了承しており、6日の公開ヒアリング、20日の実行委員会を経て、24のオーナー会議で「新生ホークス」が正式決定する運びだ。1988年に南海ホークスを買収し、福岡で人気球団となったダイエーは16年間で幕を閉じることになった。

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孫サマ、チームづくりは「冬ソナ」式[スポニチ]

ソフトバンクの孫正義社長は30日、都内のホテルで記者会見し、ダイエー球団買収を正式に発表。ファンがシナリオを変えた人気の韓国ドラマ「冬のソナタ」方式をチームづくりに採用する考えで、インターネットを通じてファンの声を反映させるプランを披露した。球団買収額は総額200億円で、ダイエーとソフトバンク両社は日本プロ野球組織(NPB)に株式譲渡、加盟の申請書を提出、審査を経て12月24日のオーナー会議で正式承認される。

新生ホークスは「ヨン様」ブームに乗る。

総額200億円で球団譲渡の基本合意書に調印し、コミッショナー事務局へ申請を終えた孫社長が都内ホテルで行った会見は1時間半の独演会だった。キーワードは「冬ソナ」だった。

孫社長
「新聞など旧来のメディアは1人の記者が100万人に発信していたが、これからは双方向で意見交換がリアルタイムにできるようになる。」

本業ブロードバンドの持ち味を生かす。球場内に20〜30台のカメラを配置、インターネットで中継する。「例えば監督だけを見たい人、投手を見たい人もいる。自分が見たいカメラを見る。テレビ局にあった編集権がユーザーに委ねられる」。

さらに話は広がる。「監督が投手交代を考えコーチに相談する。同時にファンが出して欲しい投手を投票し、ベンチに置いたパソコンで監督も見られるようにする。最終判断は監督だが、参加できるだけでファンの意識は違ったものになる」。ベンチへのパソコン持ち込みはスパイ行為の疑いにつながり実現性は薄いが、訴えたいのはファンの声を生かしたチームづくりだった。

この方法で成功したのが、韓流ブームの火付け役となったドラマ「冬のソナタ」だった。孫社長は自ら「冬ソナは」とエピソードを引用して説明した。「冬ソナのスタッフの睡眠時間は2〜4時間。それは毎回シナリオが変わるから。インターネットを通じて寄せられるファンの声でストーリーが変わる。多くのファンの心をつかむような脚本に変化した」。

王監督も「これからはホームページでファンの質問に答えていきたい」と語るなど、交流には積極的。獲得したい選手など戦力補強、ファンサービスのあり方など、ファンの声を球団運営に生かす方法はいくらもある。

嵐のように来日した本家・ヨン様は29日に帰国したが、球界に参入する“ソン様”の改革が新しい風を起こすことは間違いない。

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12月1日に「オリックス・バファローズ」正式発足[サンスポ]

オリックスは30日、神戸市内の球団事務所で臨時株主総会、臨時取締役会を開き、近鉄球団からの営業譲渡の手続きを全て完了。12月1日に統合球団「オリックス・バファローズ」が正式発足する。

資本比率は、オリックスが80%、近鉄が20%。オリックス球団は、これまでの組織図は変えず、近鉄から移ってくる20人前後の職員を、各部門に配置する形を取る。

小泉隆司球団社長ら、現行のフロント首脳陣の変更はないが、これまで、近鉄球団で営業部門を担当していた斎藤賢氏が、常務取締役として派遣される。斎藤氏は大阪営業担当として、主に大阪ドームのマーケティングを管掌する。

小泉球団社長は「近鉄とのご縁があって、1つの会社になったことにすごく責任を感じる。これからいい会社、いい球団にしていきたい」と抱負を語った。これで、1949年(昭和24年)に創設された近鉄球団は、55年の歴史に幕を閉じた。

◇球団全職員を集めて“発足式”

12月1日に、統合球団が正式発足。これに伴い、午前中に神戸市内で、球団全職員を集めての“発足式”が行われる。また、近鉄から“移籍”する職員には、メールで辞令が送付される。

午後からは、ダブルフランチャイズ制を取る神戸、大阪の各市役所を小泉球団社長が表敬訪問する予定。なお、球団事務所は当面、神戸市のヤフーBBスタジアム内に置かれる。

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近鉄、55年の歴史に幕[スポニチ]

大阪近鉄バファローズが55年の歴史に幕を下ろした。大阪・中央区の球団事務所では、歴代ユニホームやリーグ優勝旗が飾られていた棚が片付けられ、職員が整理に追われた。夕方には足高球団代表が職員を集めて「明日からばらばらになるけど、それぞれの場所で実力を十分に発揮して欲しい」と挨拶。球団は「オリックス・バファローズが大阪近鉄バファローズの伝統を引き継ぎ素晴らしいチームとなることを期待いたしております」とコメントを発表した。

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球界再編検証-3

◇「パ移籍」武器に

加速する1リーグ制導入の動きに、反対姿勢をとったのは、阪神だった。7月13日。大阪市福島区の電鉄本社で行われたオーナー報告。野崎球団社長が1リーグ制の回避を訴えた。「何とか2リーグを保てないものか」。

1リーグ制を訴え、久万オーナー(当時)を「盟友」と称する巨人渡辺オーナー(当時)は、阪神の本社相談役室へ直接電話を掛けてくる間柄。巨人主導の球界で、阪神が対立姿勢を明確にしたのは意外だった。

1リーグでは1試合1億円とされるテレビ放送権料が見込まれる巨人戦が減れば減収を強いられる。言い出しっぺの阪神を盾に、巨人を除くセ・リーグ4球団は敏感に反応。企業エゴも絡み、1リーグへの動きに「NO」を唱えた。

その後、野崎社長は4球団に根回しを行うなど「巨人包囲網」を敷いたかにみえた。しかし、7月23日に都内で開催された巨人との会談では、阪神への追い風は一変、たちまち不穏な空気が流れた。

ヤクルト、横浜首脳と会談し賛同を得た阪神。巨人土井球団社長、三山代表(いずれも当時)にも理解を得ようとしたが、強烈な“ブラフ”にある。巨人、阪神を含めた球界関係者の情報を統合して両者間の会談を再現してみた。

野崎社長
「来年からの1リーグは性急すぎる。2リーグを維持しながら、もっと議論を尽くすべきだ。」
巨人首脳
「それは阪神の総意ですか。それともあなたの私案か…。」
野崎社長
「もちろん阪神球団としての総意だ。」

実はこの会談を前に「来季から1リーグ、巨人渡辺−阪神久万密約」という報道も流れていた。「巨人は、連絡と取り合う仲のオーナー同士で話をしているのに、なぜ野崎社長が2リーグを訴えるのか不思議だったはず。巨人は阪神の足元をみるかのように上段に構えた」(読売関係者)。

その後の会談は極めて険悪で、重苦しい雰囲気に包まれた。

巨人首脳
「阪神はどうなってもいいんですか。」
阪神
「というと…。」
巨人首脳
「そう受け取ってください。」

巨人首脳は密室の中で「パ・リーグ移籍」をちらつかせたようだ。そして、2リーグ制を主張する阪神の態度を強硬に、しかも力づくで覆しにかかった。

「さらに巨人は広島、ヤクルトなどにも(賛同を求めようとした)阪神に先んじて電話を入れたふしがある」(球界関係者)。広島の球団関係者は巨人からの連絡の有無について「想像にお任せする」と否定はしなかった。

結果的に、野崎社長の大立ち回りは球界の流れに一石を投じる形となった。ただ、是が非でも1リーグ制に持ち込みたいパ・リーグが巻き返しを図るかのように執念をみせる。ある重大な決意を持って。

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