黒木知宏投手が3日、千葉マリン球場で契約交渉を行い、2000万円ダウンの球団提示額から、さらに1000万円を返上し、5000万円でサインした。
今季1勝の成績に「腹は決まっていた」。話し合いは20分。黒木に査定評価の説明は不要だった。今季8000万から限度いっぱい6000万円(25%減)を提示され、ここから昨年同様、黒木流のケジメとばかりに減額を申し出た。約4割ダウンとなった。
昨年も1億3500万円から4割減の8235万円の提示を、自ら8000万円に申し出ている。00年には自己最高の1億8000万円あった年俸は、ついに3分の1以下となった。
今年は「ストレスのたまった1年」という。右肩痛を乗り越え、6月のダイエー戦で01年7月以来、約3年ぶりの白星を飾ったが、最終的には1勝止まり。10月に右ひじを手術した。
前日2日から5メートルのネット投球を開始。「諦めずにやったら良いことはある。来年の僕を見て欲しい」。復活ロードを歩み始めれば、来年こそ年俸アップをつかみ取る。
黒木の年俸推移(金額は推定) | |||||
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年度 | 年俸 | 試 | 勝 | 敗 | 防 |
95 | 1,200 | 20 | 5 | 7 | 3.71 |
96 | 2,400 | 28 | 8 | 7 | 3.58 |
97 | 4,000 | 32 | 12 | 15 | 2.99 |
98 | 6,500 | 31 | 13 | 9 | 3.29 |
99 | 10,000 | 29 | 14 | 10 | 2.50 |
00 | 18,000 | 26 | 10 | 12 | 5.18 |
01 | 16,200 | 17 | 11 | 4 | 3.02 |
02 | 17,500 | 1軍登板なし | |||
03 | 13,500 | 1軍登板なし | |||
04 | 8,000 | 7 | 1 | 3 | 4.41 |
05 | 5,000 | ? |
諸積は黒木とは対照的に「不本意な」大幅ダウン提示に涙目だった。昨年は5525万円から49%ダウンの2800万円で更改。今年も20%減の2240万円を提示され、保留した。「アップだろうと思っていたらダウン。エッ?という感じ。ショックで泣きそうだった。『諸積という選手の価値はこれぐらい』と言われた。帰って泣きたい」と怒りをあらわにした。今年は97試合に出場。「今まで積み上げてきたものは何?スーパーサブ的なものを評価して欲しい」と訴えていた。
選手名 | 年俸 | 前年比 |
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黒木 | 5000 | ▼3000 |
初芝 | 4500 | ▼600 |
諸積 | 保留 |
[注]年俸は推定で単位は万円。
福浦和也内野手、小林宏之投手がチーム初の代理人交渉を行うことになった。福浦は今年3割1分4厘、小林宏は9勝7敗の好成績を残した。福浦は「オフでも野球に専念したい。あやふやな気持ちで自主トレをしたくないから」と1億5500万円から2億円の大台を狙う。
まさかの逆提示だった。黒木知宏投手が3日、千葉マリンで契約更改交渉を行い、自ら年俸5000万円(推定)を提示。約1000万円を球団に“返却”することで男のケジメをつけた。
球団の査定額など耳に入らない。更改に臨む前から、黒木の“自己査定”は完了していた。今季年俸は8000万円。球団の提示は限度(25%減)ギリギリの6000万円前後。だが、黒木は「3年間ろくに働いていない僕と契約してくれただけでありがたい。本当に感謝している」と、さらに1000万円の減俸を願い出た。3000万円ダウンとなる5000万円で更改。「ハラは決まっていた。お金じゃない。野球ができる幸せを感じています」前代未聞の“大減俸逆提示”を敢行し、スッキリとした表情を見せた。
今季は右肩痛から復帰し、6月に1060日ぶりの勝利を挙げた。だが、直後に右ひじの違和感を訴え、白星は結局1勝止まり。「あと1勝でプレーオフに行けた。チームメートに申し訳なかった」と責任を背負い込んだ。1軍登板ゼロに終わった前年は球団に235万円を“返却”。2年連続で男気を見せ、自らを追い込んだ。
復活への道は明るい。10月に右ひじの骨きょく除去手術を受け、既にネットピッチングができるまでに回復。順調なら2週間後にキャッチボールを再開させる。交渉の席で黒木は「恩返しは優勝。1から出直す」と語った。「鍛え直して『黒木』という投手に戻りたい。とにかく僕を見て欲しい」。強く、たくましいジョニーの完全復活を、誰もが待ち望んでいる。
福浦和也内野手、小林宏之投手が契約更改交渉で代理人を起用することが3日、明らかになった。球団側も「個人的には選手と直接話したいが、ルールで認められていますから」(瀬戸山球団代表)と容認する方針で、球団初の代理人交渉が行われることとなった。
福浦の代理人は長坂省弁護士、小林宏は佐藤真太郎弁護士。この日、千葉マリンで自主トレを行った福浦は、代理人起用の理由について「去年から考えていました。野球に専念したかったので」と説明した。
男のケジメだ。右肩痛を克服して3年ぶりの白星を挙げた黒木知宏投手が3日、千葉マリンスタジアムで契約更改に臨み、25%減の6000万円の提示額に対して、さらに1000万円のダウンを自ら申し出て、5000万円でサインした。
昨年も8235万円の提示に対し「端数はいらない」と8000万円で契約。2年連続での減額申し出となった。6月2日に3年ぶりの勝利を挙げたが、右ひじ痛で夏以降は2軍落ちして1勝3敗に終わった。「チームメートに本当に申し訳なかった」。ロッテは1勝差でプレーオフ出場を逃したこともあり、責任を痛感している様子。
ただ、10月に手術した右ひじはネットに向けてボールを投げられるまで回復。キャンプ前半には投球再開の予定で「来年の僕を見ていてください」。返上した大金は、来年倍にして返してもらう。
4年連続3割をマークした福浦が、契約更改で代理人を立てることになった。ロッテとしては初の代理人交渉となる。福浦は「オフとはいえ野球に集中したいですから」と説明。瀬戸山球団代表は「個人的には直接話をしたいけど、ルールにのっとってやっている訳ですから」と理解を示した。
右肩痛を克服し、3年ぶりの白星を挙げた黒木知宏投手が3日、千葉マリンスタジアムで契約更改交渉に臨み、2000万円ダウンの6000万円の提示に対し、自らさらに1000万円の減額を申し出て、5000万円でサインした。
今季1勝に終わった黒木は、昨年に続く減額申し出について「(そのままサインしたら)自分が弱くなるんじゃないかと思った」と説明。10月に行った右ひじ手術の経過も順調で、2日には軽い投球も開始。「とにかく来年の僕を見て欲しい」と抱負を語った。
また、ベテラン初芝清内野手が700万円減の4600万円でサインした。(金額は推定)
黒木は3日、千葉マリンで契約更改交渉に臨み、減額制限の上限25%となる2000万円減の年俸6000万円という提示に対し、自らさらに1000万円の減額を提案。5000万円で更改した。
わずか20分足らずで交渉を終えた黒木はすっきりとした表情を見せ「迷惑をかけたので返させてもらいました。このままでは自分が弱くなる。もう少し厳しい気持ちになろうかな、と…」と話した。
2年間登板なしで迎えた昨年も、8235万円の提示から235万円を返上。今年は3年ぶりの白星も挙げた。が、かつてエースと呼ばれた男は満足していない。6月以降は右ひじに違和感を訴え、登板は7試合止まり。オフには右ひじの手術も受けた。交渉前から自ら金額を決め「もう1度苦しい山を登りたい。重圧をかけながら険しい道に向かいます」と判を押した。
前日から5メートルのネット投球を開始。「開幕メンバーに入るつもり。ファンにはとにかく来年の僕を見て欲しい」。崖っ縁のジョニーが完全復活へ第1歩を踏み出した。
イースタン・リーグの幹事会が3日、都内で行われた。楽天の参入で来季は7球団で運営されるが、試合数は現行の100試合前後で行われることなどを確認。楽天が当初予定した仙台から隣県の山形県に2軍本拠地への変更を模索中で、その場合の交通手段や時間、使用施設などの説明が行われた。
合併球団オリックス・バファローズ入りを拒否、楽天への金銭トレードを希望している岩隈久志投手が3日、大阪市内で仰木彬監督と2度目の会談を行った。前近鉄足高圭亮代表も同席した今回の会談でも岩隈を説得することはできなかった。
仰木監督はなごやかムードだったことを明かしたが、糸口は探っていた。話題は2日の選手会総会の内容。中でもメジャーへのレンタル移籍を要望する案に一筋の望みを託した。仰木監督は「将来のメジャー移籍?まあ適当に書いてください。ただ野球協約があるので順守しないとね」とはぐらかしたが、数年後のメジャー挑戦を許可することで残留の可能性を探ったもようだ。
しかし、岩隈の気持ちは揺れなかった。「状況は進展?それは分かりません。監督が決める訳じゃないので。今日が(監督との)ケジメ?そうですね。監督とは今日が最後のつもりです。監督はもう1度会おうと言われてましたが、僕の気持ちは変わっていません」と、将来の“メジャー手形”も説得材料にはならなかった。
オリックスと選手会との取り決めで説得を断念した時点で楽天への金銭トレードが決まる。仰木監督は「(報道では)断念と取られているが、これからもずっとやっていきたい。直球勝負にならないように、迂回しているところや。10日もたてば状況も変わってくるでしょう」と話した。
労組プロ野球選手会の古田敦也会長が3日、岩隈問題について「(約束と)違うことは起きない」とあらためて本人の意図に沿う結果が出ることを断言した。この日はヤフーBBスタジアムで昭和40年会と昭和48年会のイベントに参加。岩隈・仰木会談などで方針が固まった場合、選手会の行動について「(約束と)違えば起こすけど、違うことは起きないって何度も言っているでしょう。約束したんだって」と強い口調で話した。
あくまで岩隈の去就問題だけに、選手会としては当事者同士の意思を尊重することは変わらない。ただ岩隈の意思が保障されるという結論は、古田会長の中で揺るがない。「(岩隈と球団側は)また会うでしょう。最後に岩隈自身が答えを出すことですからね」。口調は確信に満ちていた。
西武鉄道、コクドなどの事業再生計画を策定する「西武グループ経営改革委員会」が3日、都内のホテルで開かれ、西武ライオンズの話題が初めて議論された。既に球団存続の方向性は出ているが、3回目の同委員会で、あらためて来シーズン前の球団売却はないことが確認された。
今後の方向性について、諸井委員長は「これから細かい調査をして決める」としているが、年間20億円といわれる赤字も、鉄道乗客の集客効果やグループ全体の広告効果、西武鉄道が所有している西武ドームを使用していることなどが報告された。現時点で買収企業のオファーがないことも確認された。
それでも球団の赤字経営の改善は重要な問題で、会見に同席した池田事務局長は「収支構造を含め、パ・リーグの機構そのものがかなり変わっていく。その中で論議して認識していきます」。日本一を達成しながら、保留者続出の厳しい契約更改が続いている。球団存続が確約されるまでは“厳冬更改”は続きそうだ。
再編の舞台裏は常に、読売グループ最高首脳である巨人渡辺オーナーの存在があった。しかし、最大の誤算は世間の反感を買った「たかが発言」だ。
7月8日、ナゴヤドームでの中日戦後「オーナーと直接、話がしたいか」と問われた古田選手会長は「そうですね。いいですね。開かれた感じでいいと思います」と語った。渡辺オーナーの口から前代未聞の失言が飛び出したのは、この後だ。古田の発言を報道陣からの質問で知り、語気を強めて反応した。
「分をわきまえなきゃいかんよ。たかが選手が。たかがといっても、立派な選手もいるけどね。オーナーと対等に話をするなんて協約上根拠は1つもない」。
これより6日前の2日、オリックスと近鉄の合併に伴う諸問題を具体的に話し合う12球団代表者会議は、議論が全く進まなかった。その夜、三山代表から会議の中身の報告を受けた渡辺オーナーは「無理だよ。代表レベルの会議じゃ」と言い放っている。後で月刊誌に「たかが」発言の真意を釈明しているが、選手達が嫌悪感を示し、一部の巨人OBからも反発の声が上がったのは事実だ。労働団体が発言の撤回を求めるなど、合併や球界縮小反対の世論のうねりを巻き起こす結果となった。
8月13日、渡辺オーナーは明大・一場投手への金銭授受問題発覚の責任を取り、96年12月以来務めてきたオーナー職を辞任する。世論の逆風にあい、球界の表舞台から降りざるを得なかったようにみえた。しかし、影響力は残っていた。9月2日。東京・銀座の連盟事務所では、パ・リーグ臨時理事会が開かれていた。会合が終わりに差し掛かったところで、小池パ会長の静かな声が響いた。
「パ・リーグが4つになれば、いいことがあるかもしれませんよ」。
パにとって“おいしい”こと…。「それが『巨人のパ移籍』を示していることは、全員がすぐに分かった」(パ・リーグ首脳)。翌3日付の毎日新聞には、1面トップ扱いで巨人渡辺前オーナーの「巨人、パに行ってもいい」と大見出しのついたインタビュー記事が掲載された。毎日新聞社出身の小池会長が示唆した「おいしいこと」が、仕組まれたかのようにキャンペーンとして扱われた。
パ・リーグは解散の覚悟までして、4つになって1リーグ移行を目指した。風向きが怪しくなったところで、渡辺前オーナーから目の前の新たな果実をぶら下げられた。阪神など従来の2リーグ制維持派は「盲点」を突かれて慌てた。「巨人のパ移籍」は実現しなかった。しかし、渡辺前オーナーの隠然たる力はいまだに否定できない。
イースタン・リーグ幹事会が東京・銀座の連盟事務所で開かれたが、楽天の2軍本拠地を仙台市から山形県内へ変更する問題は結論が出なかった。楽天側は、主な使用球場となる山形県野球場の施設等の資料を提出。各球団担当者は球場へのアクセスなども含めた資料を持ち帰り、20日の実行委員会までに開かれる同リーグ運営委員会に諮ることになった。
イースタンリーグの幹事会が3日、東京・銀座のパ・リーグ連盟で開かれ、楽天は2軍の本拠地を山形としたいとの希望を他球団に伝えた。楽天はこれまで、2軍本拠地を仙台を中心とする東北地域としていたが、施設使用を予定していた地元企業との交渉がまとまらず、誘致に積極的だった山形に変更。幹事会では南営業担当が交通アクセス、施設概要などの資料を提出。協力を求めた。また、ウエスタンリーグとの交流試合や社会人チームとの試合を組み込んでの日程が大筋で決まった。楽天の本拠地変更、リーグ日程は近日中にも開かれるイースタンリーグ運営委員会に諮られ、20日の実行委員会で正式に決定する。
プロ野球イースタン・リーグ幹事会が3日、東京・銀座の連盟事務所で開かれたが、楽天の2軍本拠地を仙台市から山形県内へ変更する問題は結論が出なかった。
楽天側はこの日、主な使用球場となる山形県野球場の施設等の資料を提出した。各球団担当者は球場へのアクセスなども含めた資料を持ち帰り、20日の実行委員会までに開かれる同リーグ運営委員会に諮ることになった。
楽天は当初、仙台市を本拠地として申請し、既に同リーグ運営委員会の合意を得ているが、仙台市内での施設探しが難航し、山形県が誘致に積極的な姿勢を示したため変更の方針を決めた。
宮城県の浅野史郎知事は3日、球場名に「宮城」を入れることを前提に県営宮城球場の命名権(ネーミングライツ)導入を前向きに検討することを明らかにした。
浅野知事は県議会で「球場名称が何でも良いとはいかない。『宮城』がなくなったら、どこの球場か分からない。それは行きすぎだ」と答弁。さらに「命名権を持っているのは県。(命名権収入が)全部楽天とはいかない。比率をどうするかもある」と述べ、関係者の間では「年間2億円」ともいわれる宮城球場の命名権収入の分配方法も、楽天と協議する考えを示した。
命名権をめぐっては、楽天の三木谷浩史社長が「(球団の)健全な財務体質にはネーミングライツが鍵になる」と発言するなど、譲渡を強く要望していた。
“仰木マジック”が不発に終わった。オリックス・仰木彬監督は3日、大阪市内で前近鉄・足高圭亮球団代表を交え、楽天への金銭トレードを希望している岩隈久志投手と2度目の会談を行った。席上、将来のメジャー移籍容認をチラつかせ残留へ引き込もうとしたが、悩める最多勝右腕の心を揺るがすには至らなかった。
「直球勝負ではなく、迂回した。近鉄の選手の今までの心情についてね」指揮官と足高前代表は、88年にあと1歩でリーグVを逃した伝説の「10・19」の戦いなど思い出話に花を咲かせた。
さらに“殺し文句”も用意。「昨日(2日)の選手会総会で出た、メジャーの話もした」オリックスに残留してくれれば2、3年後の米大リーグ挑戦へのバックアップを約束。しかし、仰木監督の必至の説得にも岩隈は「(楽天行きの)気持ちは変わらないです」とキッパリ。現時点でメジャー志向を持っている訳ではなく、見事に“空振り”に終わった。
米国で行われるウインターミーティングに出席するため、9日に渡米する同監督。「(次に会うまで)10日以上もある。彼もちょっとは落ち着くだろう」と取って置きの“変化球”を繰り出して明るい見通しを立てたが、岩隈は「仰木さんに気持ちは分かってもらっている。ケジメ?そうですね。早く小泉(球団)社長と会いたいです」と、近日中にも球団との決別を誓う始末。小泉社長、中村GM、仰木監督が総出であたったオリックスの岩隈説得工作は、これで“5連敗”となってしまった。
労組・日本プロ野球選手会・古田敦也会長は3日、長引くオリックス・岩隈の移籍問題について、引き続き岩隈と球団の交渉を見守る考えを示した。
古田会長はこの日、神戸のヤフーBBで昭和40年会と昭和48年会のテレビ番組の収録に参加。報道陣からの「岩隈からオリックスとの交渉を依頼されていないか?」の問いに、「まだ岩隈がオリックスと会うんでしょ?(結論は)彼が最後に決めることですから」と、当事者間で答えが出るまで、改めて選手会は静観する姿勢を見せた。
一方、岩隈はテレビ番組出演などのため、6日にも埼玉・所沢市内にある義父の楽天・広橋公寿守備走塁コーチの自宅を訪れ、そのまま東京近辺に滞在する。オリックスと自由に交渉できる時間は少ないが、古田会長は「何度も言っているけど、違うこと(オリックス入り)は起きないって。約束しているんだから」と岩隈が希望する楽天への金銭トレードで決着することを強調していた。
合併球団オリックス入りを拒否している岩隈久志投手は3日、大阪市内で仰木彬監督と会談したが、改めて楽天への金銭トレードを要望し、進展はなかった。
話し合いは近鉄の足高前球団代表を交えて、約1時間半に及んだ。岩隈は「慰留というより野球の話。前回会った時の方が説得としての意味合いは強かった」と振り返った。また「社長と会ってしっかり話をしたい。次を最後にしたい」と小泉球団社長との会談でオリックスとの話し合いを打ち切る考えを示した。
話し合いの中では将来的にメジャー移籍の可能性についても言及したという仰木監督は「(説得が)直球勝負にならないようにした。彼も興味深く話を聞いてくれた。これからも粘り強く説得する」と話し、再度会談したい意向を示した。
合併球団オリックス入りを拒否する前近鉄・岩隈久志投手の問題が長期化する可能性が高まってきた。オリックスの仰木彬監督は3日、大阪市内で岩隈と2度目の会談を行った。岩隈が「監督に伝える」と予告していた「金銭トレードで楽天入り」の要望について、仰木監督は「その話は出なかった」と否定し、岩隈も「ご想像にお任せします」と言葉を濁した。
米ウインターミーティング出席などで仰木監督は「今後10日は会えない」と冷却期間を置く考えで「その間に状況が変わるかもしれない」と長期戦をにおわせた。また、この日は仰木監督の要請で近鉄の足高圭亮球団代表も同席。オリックス内には「球団と岩隈の本格交渉は保留者名簿が公示された2日以降」との認識があり、前所属球団の協力も必要と考えたようだ。
2日には小泉隆司球団社長が労組・日本プロ野球選手会の松原徹事務局長に電話し「説得に時間が必要」と申し入れた。早期解決を望む同事務局長も現段階で仲裁は行わず静観する構えで「長くなりそうだ」と長期化を視野に入れていた。
楽天の三木谷浩史オーナーが3日、球団専属のスタイリストを置く構想を明かした。球団の公式スーツはもちろん、服装面全般のコーディネートを任せるもので、球界初の試みとなる。選手のシーズン中の移動日は、全員ジーンズ移動とするプランも披露。ファン層の拡大と共に、グッズ収入への相乗効果も期待したものだが、これまでの球界の常識を吹き飛ばす風を呼ぶのは間違いない。
ベストドレッサー賞を受賞した三木谷オーナーらしいアイデアだった。「球団で専属のスタイリストをつけます。野球界もスタイリッシュにいきたいから」球団専属スタイリストは、これまでの球界にない発想。楽天では公式スーツはもちろん、選手のテレビ出演時などの服装もスタイリストがコーディネートすることになる。
斬新なアイデアの裏には、明確な経営戦略がある。三木谷オーナーは「Jリーグと野球の大きな違いは年齢層。これからの野球界の発展にはいかに10代、20代に目を向けさせるか」と話してきた。普段着から徹底的におしゃれにこだわり、ファッションリーダー化することで、これまで野球界に目を向けなかった新たな若年層のファン獲得につなげたい考えだ。そして、選手が身につけているものに付加価値をつけて販売することで、グッズ収入という直接的収益にもはね返ることになる。
その上でのイメージ戦略第1弾として、三木谷オーナーは「公式な場はスーツだけど、試合の移動はみんな統一されていればいい。全員ジーンズにしようと思っている」と話した。スーツ着用が義務付けられている球団がほとんどで、ジーンズ集団となれば球界の常識を覆すことになる。
田尾監督も「僕が現役の時には星野(仙一)さんとかに怒られました」と話したが「普段ははいていますから。上川(2軍打撃コーチ)の奥さんのお父さんがジーパンの名付け親という話もある」とエピソード付きでオーナー構想に賛同した。スタイリッシュに変身するイヌワシ軍団がグラウンド内外で話題を集めることになる。
楽天はジーンズで移動!?球界改革を目指す楽天・三木谷浩史オーナーが、公式戦の移動時の選手の服装に関して、独創的なプランを持っていることが3日、明らかになった。
公式戦移動時に関しては、スーツ着用を義務づけている球団がほとんどだが、三木谷オーナーは、「別にスーツじゃなくてもいいんじゃないの。下はジーンズでもいいと思う」と言い切った。しかし、好き勝手な格好を許す訳ではなく、球団専属のスタイリストを付けるという。社長を務めるJリーグ・神戸でも、選手らが着るスーツに人気ブランドを採用するなど“おしゃれ改革”に意欲満々の三木谷オーナー。楽天についても「一場はサッカー選手よりもスタイリッシュ。野球選手も捨てたものではない」と指摘した。
具体的なスタイリストや、服装は決まっていないが、三木谷オーナーがよく見せる「ジャケットにノーネクタイ。シャツは胸元はだけ気味」というスタイルが採用される可能性もある。ジーンズをはけば、かなりワイルドなイメージだ。
田尾安志監督は、ジーンズについて「僕らの(選手の)頃は、ジーンズで球場に来たら怒られたものだ。星野(仙一・現阪神SD)さん達は、そういうことに厳しかった」と、時代の変化を感じていた。
ライブドア・堀江社長も新規参入を目指していた際、「選手にはスタイリストを付け、ファッションリーダーにしたい」と話した。新球団は旧態依然の体質を、まず外見から打ち破る。
イースタン・リーグの各球団担当による幹事会が3日、東京・銀座のセ・リーグ連盟事務所で開かれ、楽天のイースタン加盟による7チームでの日程調整などについて討議した。セ・リーグの大越英雄事務局長によれば「総試合数(今季は100試合)はそんなに大きく変わらない」と話し、開幕と閉幕の時期も例年並みになる見込み。社会人やウエスタンとの交流戦も視野に入れて日程を調整する。
また、楽天は改めて「(本拠地誘致に積極的な)山形でやりたい」と、主な使用球場となる山形県野球場の施設など資料を提出した。楽天の南壮一郎2軍担当は他球団が遠征する際の費用負担や受け入れ態勢などを説明したもようで「今日は山形についてのプレゼンテーションを行い、アクセスや施設などについて質問を受けました」と話した。当初は仙台市を本拠地として申請、すでに同リーグ運営委員会の合意を得ているが、施設探しが難航したため誘致に積極的な山形に変更した。イースタンの日程などは近日中の運営委員会を経て、20日の実行委員会で決まる。
楽天イーグルスのプロ野球参入で、宮城県の浅野史郎知事は3日、球場名に「宮城」を入れることを前提に県営宮城球場(仙台市)の命名権(ネーミングライツ)導入を前向きに検討することを明らかにした。
浅野知事は県議会の一般質問で「球場名称が何でも良いとはいかない。『宮城』がなくなったら、どこの球場か分からない。それは行きすぎだ」と答弁。さらに「命名権を持っているのは県。(命名権収入が)全部楽天とはいかない。比率をどうするかもある」と述べ、関係者の間では「年間2億円」ともいわれる宮城球場の命名権収入の分配方法も、楽天と協議する考えを示した。命名権をめぐっては、楽天の三木谷浩史社長が「(球団の)健全な財務体質にはネーミングライツが鍵になる」と発言するなど、譲渡を強く要望していた。
野球選手ならオシャレも大事!!楽天・三木谷浩史オーナーが、日本プロ球界では初となる球団専属スタイリストをつける考えを持っていることが3日、明らかになった。米大リーグなどでは代理人を通じてスタイリストと個人契約している選手はいるが、球団丸ごととなると世界初の快挙?
楽天イーグルス誕生から約1カ月。球界に新風を起こす三木谷オーナーが今度は球団専属スタイリストという仰天プランを打ち明けた。
「サッカー選手の方がスタイリッシュだと思っていたけど、野球選手もなかなかカッコイイ。(自由枠の)一場クンはじめ、この前(仮契約で選手に)会ったとき思ったよ」と三木谷オーナーは目を輝かせた。厚い胸板。隆々とした筋肉。カッコいい素材をさらに輝かせるための策だ。
オシャレに敏感な同氏がオーナーをつとめるJリーグ・ヴィッセル神戸では、今年の球団スーツにニューヨーク生まれの『theory』(セオリー)のブランドをセレクトした。フジテレビで今年1月から3月まで放映された月9の人気ドラマ『プライド』で、木村拓哉が着用していたものを採用。そんなこだわりを楽天にも浸透させる。
球団スーツは現在モデルを模索中で、試合の移動の際はカジュアル路線を目指す。「ジーンズにジャケットとか統一されていればいいんじゃないかな。選手はともかく、オジサンが似合うかどうか心配だけれど…」。
オーナーが言う“オジサン”が誰を指すかはさておき、テレビ出演などあらゆる場面でスタイリストの出番はありそうだ。プランを聞いた田尾監督も「いいですね」と賛同。「ボクらがプロに入ったころは、エナメルのつま先がとんがった靴とかをみんな履いていた時代ですから…」。楽天が球界にスタイリッシュな風を吹き込む。
楽天が本拠地・県営宮城球場(仙台市)の命名権(ネーミングライツ)譲渡を求めている問題で、宮城県の浅野史郎知事は3日、県議会一般質問で「宮城という名前を残すことを条件に前向きに検討したい」と答弁した。さらに「命名権を持っているのは県。(命名権収入が)全部、楽天とはいかない。比率をどうするか(の問題)もある」。年間2億円ともいわれる命名権収入の分配方法を、楽天と協議する考えを示した。
楽天が本拠地とする宮城球場(仙台市)の両翼を、101.5メートルに拡張することが3日、分かった。これまでの日本プロ野球本拠地の最大両翼は、東京ドームなど6球場が100メートルだった。中堅は現行の122メートルも、国内では最大の数字で、球場規格は「日本一」になる。両翼の長さを示す外野フェンスには、メートル単位ではなく「333(フィート)」と表記する。田尾安志監督が目指す機動力野球が「日本一」の球場で展開される。
「黄金のイヌワシ」を愛称とする楽天イーグルスが、その“翼”を目いっぱい広げる。現在改修している宮城球場の両翼を、従来から約10メートル広げ、101.5メートルまで拡張する。プロ本拠地では、東京ドームなど6つのドームが、両翼100メートル×中堅122メートルが最大規格で、両翼100メートルを超える球場はほかにない。古い、狭いと不評だった宮城球場が「日本一」の球場に生まれ変わる。
両翼「101.5メートル」の中途半端な数字には、理由がある。楽天関係者は「333フィートを『メートル』に換算した」とメジャー流の表記であることを明かした。さらに「333は、ごろ合わせもいいので、外野フェンスにはその数字を張りつけて目立たせます。3が並んでスリ(ー)リング?な試合も期待しています」と、しゃれっ気たっぷりに話した。
そもそもは、三木谷浩史オーナーの一声から始まった。当初は両翼98メートルの予定が、方針を変更。「1センチでもいいから、日本で1番大きな球場をつくりたい」と希望した。新球団に「日本一」のシンボルをと考えた。「333」の数字も「3割30発30盗塁」などを田尾監督が目指す機動力野球も想像させ、縁起がいい。
球場が大きければ、本塁打は減る。楽天が分配ドラフトなどで獲得した野手33人の今季本塁打数は、礒部の26本を含めても合計45本。パ三冠王のダイエー松中が1人で44本、12球団最少だった中日でもチーム合計111本だから、その数がいかに少ないかが分かる。
もちろん楽天は、本塁打勝負に持ち込むつもりなどない。逆に1発攻勢の怖さは半減する。本塁打にさえ警戒すれば、投手陣の失点も計算できる。新球場は来年3月20日に改修終了予定。イヌワシ軍団が、自らの「翼」を最大限に活用して、プロ野球新時代に挑む。