わたしはかもめ2004年鴎の便り(12月)

便

12月14日

サブマリン先生太る

渡辺俊が千葉市の作新小学校で1日先生を務めた。体育館でキャッチボールをした後、生徒の質問に答えた。「食べることは大事。僕も太りたい」とサブマリンの増量を目指す。このオフは「体脂肪率アップ」が課題だ。現在7%で、スタミナをつけるため12%が目標。体重も現在の70キロから73キロを目指す。授業後は子供達と給食を共にし、大盛りのご飯をほおばった。「楽しかった。試合も見に来て欲しい」と来年、千葉マリンの公式戦に「俊介シート」として小学生達を招待するつもりだ。

渡辺俊
「給食もご馳走になって楽しかった。これで、野球をやる子供が増えて、マリーンズファンの子供達が増えてくれれば嬉しいですね。」

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来季プレーオフルール変わらず[ニッカン]

来季プレーオフの詳細が決まった。日程は第1ステージが10月8日から、第2ステージは同12日からとなった。アドバンテージについては様々な案が出たものの、シーズンで1位と2位の5ゲーム以上の差がついたら1勝という、今年と同様に行うこととなった。理事会の議長を務めるオリックス小泉社長は「まず2年と考えていたし、今年は3位争いも含めて白熱した。ルールを変えずに、もう1年やってみようということになりました」と説明した。

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小池会長「江川事件」と同じ「強い要望」、岩隈1年間オリックス

◇裁定ではなく

オリックス入りを拒否し、楽天への金銭トレードを希望している岩隈久志投手の問題で、パ・リーグ小池唯夫会長が異例の妥協案を提示した。14日、都内のパ・リーグ連盟事務所で行われた理事会で、混迷する「岩隈問題」を協議。同会長は、来季1年はオリックスでプレーし、1年後にあらためて球団と岩隈で移籍問題を話し合う案を「強い要望」として提示した。しかし、岩隈、労組選手会は早くも反発。事態は、さらに紛糾する可能性が高くなった。

平行線をたどり続ける岩隈問題に、パ・リーグのトップが「強い要望」という苦肉の策を打ち出した。

小池会長
「どこかに妥協点がないか、と色々考えた上で、私からの強い要望を出した。あくまで(野球協約で規定されている)裁定というものではなく、強い要望。現在、オリックスに保有権がある訳だし、1年間はオリックスでプレーして欲しい。1年後…、これは(労使交渉で選手の)意思を尊重するという過程があった訳だから、公式戦終了後にトレードなり、そういうことを誠心誠意、話し合ってはどうか。」

理事会の終盤、予定されていた10件の議題が終わったところで、他球団から岩隈問題についての質問が出された。これをきっかけにオリックス小泉球団社長が「開幕投手に指名」するなどした楽天のタンパリング疑惑を指摘した。「楽天井上球団取締役から、参入当初で分からない部分があったと説明があった」(小泉球団社長)と、これ以上の追及は避けたものの、根本的な問題解決への糸口は見つからないまま。理事会のギクシャクしたムードを収める形で、小池会長が妥協案を提示した。

「他球団の代表も私の意向を理解してもらった」と同会長。今後、岩隈、選手会と会談する小泉球団社長は「会長の権限でおっしゃられたことを伝えたい。1年後の移籍は確約?先行約束は協約で禁止されているので、1年先にまた話し合いましょうということ。将来あるピッチャーですから何とか矛を収めてもらいたい」と残留での着地を期待した。

しかし、交渉がすんなり進む可能性は低い。会長の「強い要望」に野球協約上の強制力はない。『小池案』を伝え聞いた岩隈は即座に拒絶反応を示した。さらに、労組選手会も断固反発する姿勢を明らかにした。「なるべく早く、球団内で円満に解決して欲しい」という小池会長の思惑とは逆に、事態はますます泥沼化する可能性が出てきた。

裁定とは
野球協約の第187条(連盟内の紛争)では「球団、球団役職員、監督、コーチ、選手、連盟役職員、審判員、記録員、統計員は同じ連盟に所属する球団または個人を相手として、所属連盟会長にあらゆる紛争につき裁定を求める提訴をすることができる」と明記されている。

◇協約上の問題点

岩隈は近鉄からオリックスへトレードされた形になっている。1年後に楽天へのトレードが約束されれば、野球協約107条(選手の貸与禁止)「球団は、他の球団に選手を貸与し、または呼戻権を保留し、あるいは条件を付して、選手契約を譲渡することはできない」に抵触する可能性がある。

◇「強い要望」

あの「江川事件」で用いられた表現と同じだ。79年、江川卓投手(作新学院職員)のプロ入りに関して、当時の金子鋭コミッショナーが「強い要望」を出した。巨人がドラフト前日「空白の1日」を主張して江川との契約締結を発表。鈴木セ会長が却下すると巨人はドラフト会議をボイコットした。同会議は11球団で開かれ、阪神が江川を1位指名。すると今度は巨人が契約の承認を求め、ドラフト会議は無効であるとコミッショナーに提訴した。金子コミッショナーはこの訴えを却下する裁定を下したものの、その直後に「強い要望」を出した。「トレードの方法を導入して実質的に終止符を打ちたい」。阪神が江川と契約した後に、巨人小林繁投手とのトレードを認める結果になった。金子コミッショナーは開幕前に辞任した。

◇仰木監督「嬉しい展開」

オリックス仰木監督には、追い風が吹いた。この日、都内での「報知プロスポーツ大賞」の授賞式に出席後、羽田空港に向かう車中でオリックス小泉球団社長から電話で報告を受けた。「膠着状態の中で、嬉しい展開になってきたね」と思わず顔がほころんだ。授賞式会場を出る直前には「ぼちぼち次の展開が必要。岩隈君を来季の開幕投手?少しでもそういうことを思い描けるような状況になればいいんだけど、どうにもこうにも何も手につかない」とこぼしていた。降って湧いた小池会長の「強い要望」に表情も言葉も一転、「岩隈君もそうだが、スムーズに一緒にやれるようにオリックスの選手達も気持ちを切り替えて迎えてやって欲しい」と呼び掛けた。

◇田尾監督???首傾げる

楽天の井上智治球団取締役は、小池会長が要望した案について、静観の態度を貫いた。「基本的にオリックスさんと岩隈さんの問題。それ以上でもそれ以下でもない」と明言。「小池案」を他球団が了承したとされることにも「他球団は意見を言う立場にないし、特に反応は示さなかった。ご報告を受けただけ」と反論した。またタンパリング疑惑についても「タンパリングではないと明確に言いました。謝罪?それは全くないです」と否定した。

また楽天田尾監督は「小池案」が理解できない様子だった。この日はラジオ番組「ニッポン放送ショーアップナイターストライク!」で、日本サッカー協会の川淵三郎キャプテンと対談。放送終了後、「岩隈が吹っ切れて、オリックスで1年プレーできるかな?僕が選手だったら、非常に難しい。会長は岩隈と直接話しをしてくれたのかな?」と首を傾げていた。

楽天米田代表
「(仙台でパ小池会長の要望を伝え聞き)正式な連絡がないので何も言うことはない。どうしてそうなるのか。」
近鉄小林球団社長
「(理事会終了後)小池会長の要望の件については、うちはもう球界から引いた立場なので、申し訳ないがコメントは控えさせてもらいます。今日は送別会をしてもらいました。」

◇その他の決定、検討事項

(1)
小池唯夫会長の再任。3期目となる。
(2)
今年開催を見送ったパ・リーグ東西対抗を11月13日に行う。
(3)
交流試合の際、パ主催試合では指名打者、予告先発などパのルールで行いたい考えを20日の実行委員会で提案する。
(4)
観客の実数発表については今後も継続審議。
(5)
リーグ予算修正。
(6)
楽天、ソフトバンクの新ユニホームは24日までに発表の見通し。

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ロッテ提案、日本人対外国人チャリティー戦

理事会でロッテからあらためて、新潟県中越地震のチャリティー試合の提案があった。バレンタイン監督の呼び掛けで来年3月14日に「日本人選抜対外国人選抜」を予定。20日の実行委員会で議題に上がる見込みだ。ロッテ単独でも来年2月26、27日に鹿児島で韓国ロッテとチャリティー試合を行う。また来季からロッテはユニホームをホームで3種類使い、日替わりも検討していることも報告された。

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西武2軍スポンサー、20日実行委で発表

この日の理事会では、西武黒岩代表から、2軍が西武グループ外企業とスポンサー契約を結ぶ交渉を行っている旨の報告があった。同代表は「今交渉中で、実行委員会(20日)で発表させてもらいます。ネーミングライツ(命名権)ではなく、スポンサー契約。経営努力の第1歩です」と話した。相手を通信の1企業に絞り交渉中。かつてオリックス2軍が穴吹工務店とスポンサー契約を結び、サーパスになった例などを参考に、今月20日までには契約したいとしている。

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岩隈、強い決意「可能性ゼロです」

小池会長の「強い要望」を伝え聞いた岩隈は、困惑を隠せなかった。この日夜、大阪市内の自宅で「どうして、そういう話になるのか。そう言われてもオリックスでプレーする気には絶対になれません。可能性はゼロです」と話した。

さらに膨らんだ不信感はオリックス小泉球団社長に向いた。「選手の希望を聞くということをオリックスが認めてストライキを回避したんですから、それが優先されるはず。実際に礒部さんが(オリックスにプロテクトされず楽天行きを)認められているし、僕が認められないのはおかしいと思う」。オリックス側に配慮し、ここ数日は極力発言を控えてきたが、我慢ならないとばかりに小泉社長の言い分の矛盾点を口にした。

同社長とは早ければ15日にも会談を行うが、気持ちは断固、変わらないことを強調。「次が最後です。あらためて自分の気持ちを伝えます」とキッパリ。なおも平行線をたどれば労組選手会に交渉を委ねることが確実になった。

◇選手会、断固拒否

選手会側は、小池会長の強い要望に対して断固拒否の考えを示した。会長発言を伝え聞いた松原事務局長は「野球界に混乱を招くだけですよ。なぜ、そんなことを言うのか。1年後の契約なんかできる訳がない。分配ドラフトの原点に戻れば分かること。本人も不幸だし、チームメートも喜ばないでしょう」と、強い口調で語った。また、古田会長(ヤクルト)は、自主トレのためハワイへ出発する成田空港で「どう発言されようが、そういうふうにはならないでしょう」と話すだけだった。

分配ドラフト直前に岩隈が合併球団にプロテクトされる際、オリックス小泉球団社長と選手会間で、入団を説得できない場合は早期解決を図るという「取り決め」があったという。松原事務局長は「今はオリックスが説得する時間を与えているだけで、岩隈君次第なんです。それに代わりはありませんよ」と話していた。

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孫社長、今週中にも福岡挨拶回り

ダイエーホークスを買収し、24日のオーナー会議での正式承認を待つ通信大手ソフトバンクの孫正義社長が、今週中に福岡入りする。14日、明かした。地元財界への挨拶回りが目的で、球団買収を表明した10月18日以降、初の福岡入りとなる。孫社長は「できるだけコミュニケーションを図りたい」と、17日にも地元財界と積極的に意見交換する考えだ。

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ロッテがチャリティー試合…韓国ロッテと2・26、27[サンスポ]

ロッテの瀬戸山球団代表は14日、来年2月26、27日に新潟県中越地震の被災者のためにチャリティー試合を韓国ロッテと行うことを明かした。26日が鹿児島県立鴨池球場、27日は薩摩川内市野球場。同代表は「今日相手から試合が組めるとの連絡が入った。有料試合にするか、無料で寄付を募るかなど、細かいところはこれから詰める」と話した。

◇渡辺俊が小学校で1日臨時講師

サブマリン・渡辺俊が1日臨時講師として千葉・作新小学校を訪れた。球威を増すために体重、体脂肪アップを目指している渡辺俊は用意された大盛りの給食を児童の前でペロリ。「(体重70キロを)増やすために、今はとにかく何でも食べているんです」と話し、子供達にも「皆さんも残さず食べましょう」と教えていた。

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交流試合、パ主催ならDH制採用を[ニッカン]

来季から行われるセ、パの交流試合について、パ主催試合では指名打者制と予告先発を採用する方針を14日、パ・リーグ理事会が決めた。20日の実行委員会でセに提案し、協議する。さらに、今年は中止されたパの東西対抗(静岡)を来季は開催することを確認した。

また、西武が来季から2軍を対象に、ネーミングライツ(命名権)売却を含めたスポンサー契約について他企業と交渉していることが報告された。

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交流戦「DH、予告先発」をセに提案[スポニチ]

パ・リーグの理事会では、今年いっぱいで2年間の任期が切れる小池唯夫会長の再任を決めた。小池会長は1月1日付で3期目に入り、同じく再任が内定しているセ・リーグの豊蔵一会長に代わって来年は実行委員会議長も務める。

プレーオフの日程も話し合われ、2位・3位が対戦する第1ステージ(3回戦制)を10月8日から、1位と第1ステージ勝者が対戦する第2ステージ(5回戦制)を10月12日から実施することを決めた。ダイエーから1位チームに対しゲーム差に関係なく1勝のアドバンテージを与えて欲しいとの提案があったが、今季同様に1位・2位チームのゲーム差が5ゲーム差以上でなければアドバンテージを与えないことになった。交流試合の実施方法も検討され、パ本拠地で開催される試合ではDH制、予告先発を導入するようセ・リーグに申し入れることになった。来年のパ東西対抗を11月3日に静岡・草薙球場で開催することも決まった。

また西武、オリックスが2軍のチーム名を変更する意向を伝えた。

◇孫社長が不快感

パ理事会でホークスが提案した「1位チームに無条件1勝のアドバンテージ」が受け入れられなかったことにソフトバンクの孫社長が不快感を示した。この日都内で行われた携帯電話事業参入のための検討会に出席した同社長は「(1勝のアドバンテージは)当然のことだと思う。そうしないと何のためにワンシーズンを戦ったのか。最後の何試合かでひっくり返るというのはおかしなこと」と理事会の決定を批判した。「2番目は負けと同じ」という人生哲学を持つ同社長だけに「5ゲーム差以上を付けられるチームづくり」のため、大補強を展開する可能性もある。

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ライブドア、仙台でありがとうイベント[スポニチ]

ライブドアが仙台に帰ってくる。14日、宮城県庁でライブドアの小島克典GMが会見を行い、19日に宮城県総合運動公園「グランディ・21」で幻のチームとなった「ライブドア・フェニックス」を応援してくれたファンへの感謝イベントを開催すると発表した。

小島GM
「落選してから励ましのメール、電話などが多数あった。そんなファンのために1日だけ場を設けようと考えました。」

小島GMは「ゴールデンイーグルスを応援しようというのが立案した経緯です」と説明。イベントには堀江社長が参加し、ライバルの楽天も協賛。堀江社長とのキャッチボールや会場限定のグッズ販売、写真撮影会などが行われる。

堀江社長は「来年から仙台にはゴールデンイーグルスが誕生します。地元の皆様に感謝の意を込めて1日だけライブドア・フェニックスが誕生します」とメッセージを送った。

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岩隈問題、パ小池会長が異例の「要望」[スポニチ]

前近鉄の岩隈久志投手の移籍問題について14日、パ・リーグ理事会で小池唯夫会長が異例の“要望”を出した。岩隈は統合球団オリックス入りを拒否し楽天入りを希望。これに対し小池会長は「強い要望」として、岩隈にオリックスに入団し、1年後に希望を受け入れる解決策を提案した。15日にもオリックス・小泉隆司球団社長と会談する岩隈をはじめ労組・日本プロ野球選手会は猛反発。問題は再び混迷の度を深めてきた。

小池会長は理事会の席上、混迷を極める岩隈問題で自ら口を開き、異例の提案に及んだ。「それぞれに主張があり平行線。妥協点はないか考えた。何とか円満に年内に決着して欲しい」。オリックスには歓迎すべき、楽天には受け入れ難い“提案”に会場は異様な空気が流れたという。

小池会長
「岩隈投手はパ・リーグを代表するエースで、まだ若い。とにかく1年間はオリックスの一員として公式戦を戦い、1年後に意思を尊重して、トレードなどで希望を聞くようにオリックスと話し合ってもらいたい。」

提案は、拘束力のある野球協約上の会長権限である「裁定」ではなく「会長としての強い要望と受け取って欲しい」と6球団に了承を求め、小池会長は「楽天を含め、私の意向を理解していただいたと思う」と語った。

小泉球団社長は「非常に重い発言と受け止めている。岩隈投手にも伝え、誠心誠意話し合いたい」と、15日にも大阪で行われる3度目の岩隈との直接会談に意欲を見せた。だが「強い要望」は移籍を前提とした契約で野球協約や、その精神に違反するとの見方が強い。政治的に玉虫色の決着を促した格好だ。

「非常に日本的なやり方と言える」と玉虫性を認める小泉社長は「協約の問題は理解している。岩隈投手と話をする時には非常に慎重に言葉を選びたい」と説明。1年後の楽天移籍を確約するかどうかは「その辺は難しい」と言葉を濁した。

異例ともいえる会長提案は、金子鋭コミッショナーが「強い要望」を発した78年の江川事件同様に、各方面からの反発は必至だ。理事会に出席した楽天の井上智治球団取締役は「賛同や決議といった問題ではないと理解している」と反論はせずに静観することを強調。岩隈は提案を聞いて拒否反応を示し、選手会の松原徹事務局長は「野球界を混乱させるだけではないか。小池会長の意図が分からない。労使交渉で小泉社長とは“選手の意思を尊重する”と確認している」と主張。スト第2波を回避した9月23日の労使合意に反するとした。

小池会長は「今から悲観的なことを言っても」と「要望」の遂行と実現を望み、小泉社長は「選手会とも話し合う」と語った。だが、収拾の見通しは立っていない。

◇岩隈、募る不信感

大阪市内の自宅前でパ・リーグ小池会長の発言を伝え聞いた岩隈は、風邪で疲れ気味の表情をさらに曇らせた。

岩隈
「会長が言うからといってオリックスでやろうという意思は1つもない。今の段階では分かりました、という気持ちには絶対にならない。選手会にも相談します。」

これまで一貫して楽天への金銭トレードを訴えてきただけに簡単に引き下がる気持ちにはなれない。「(小泉球団社長は)選手の意思を尊重すると言ったはず。それを優先して欲しい。自分で言ったことを覆そうとしているのが嫌ですね。それがなかったら自分も要求していない」と不快感をあらわにした。

移籍問題が長引いたことで心身とも疲れ切っており「昨日(13日)は背筋が寒かった。熱があったと思います」。この日は点滴治療を受けるなど岩隈の疲労はピークに達している。15日に小泉球団社長と3度目の会談を行うが「向こうの作戦のような気がする」と小池会長の後押しを受けるために、この日のパ・リーグ理事会を待っていたと推測。オリックスに対する不信感をより募らせていた。

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岩隅「1年間オリックスで頑張って」[報知]

◇パ小池会長異例の提言

オリックスの岩隈久志投手が楽天へのトレードを希望し暗礁に乗り上げている問題で、パ・リーグの小池唯夫会長が来オフの移籍を視野に入れた解決案を提示した。14日、東京・銀座の連盟事務所で行われたパ・リーグ理事会で、小泉隆司球団社長に「岩隈君には1年間オリックスで戦って欲しい。1年後にトレードなどを考える方向で誠心誠意、話し合って欲しい」と年内決着を強く要望し、楽天を含むパの他球団も理解を示した。球団のトレード問題に対して、連盟会長が要望を出すのは極めて異例。岩隈問題は新たな局面を迎える。

混迷する岩隈問題の収拾へ、小池会長が自ら乗り出した。「会長裁定ではなく要望」と強調した上で打開策を提示した。「岩隈君はパ・リーグを代表する投手。身分的立場はオリックスに(野球協約上)保有権がある。1年間オリックスで頑張り、1年たったあと、本人の意思を尊重してトレードなり何なり話し合う。年内解決が1番いい」。

公的な議題には上らなかったものの、岩隈問題は理事会の最後に「他球団も心配していたから出た」(小池会長)という。小池案には岩隈獲得を希望する楽天を含め、他球団も「そういう形しかないだろう」と理解を示したという。

球界のトップが球団のトレード問題に「要望」を出すのは78年の「江川問題」以来、極めて異例。要望の対象は小泉社長だが事実上、岩隈に向けたもので、解決への強い期待がうかがえる。

岩隈問題が泥沼化した理由は争点の違い。岩隈側は9月23日の協議交渉委員会で小泉社長と近鉄(当時)の礒部、オリックスの三輪両選手会長が「他球団への移籍の際は本人の意思を尊重する」ことに同意したと主張。これに対し、球団側は分配ドラフトでのトレードにより岩隈の保有権は近鉄からオリックスへ移ったと主張。両者の話し合いは平行線をたどった。

困ったオリックスは7日に中村GMが東京・内幸町のコミッショナー事務局を訪れ、参考意見として長谷川事務局長に理事会などへの提案を示された。それでも小池会長は「球団と選手の問題」として介入しない姿勢だった。態度を翻した背景には、早期決着への強い希望がある。理事会で要望することによって、小泉社長はパの総意として岩隈の説得に当たれる。楽天への牽制の意味もあると見られる。

小池会長は「1年後のトレードということになる。会長の話を重く受け止めてくれるだろう。1年後に(移籍の)希望があればオリックスも聞いてあげないといけない」と事態の収拾へ強い自信を見せた。近日中と見られる岩隈−小泉会談の行方が注目される。

◇「そんなルールあるのか」松原選手会事務局長怒った

労組・プロ野球選手会の松原徹事務局長は岩隈問題に関する小池会長の発言に「混乱を招くだけではないか。パ(リーグ)で決めていい問題なのか」と強い不快感を示した。

「(小池発言は)聞きました。でも、そういうルールはあるんですか?ないでしょう?」と松原事務局長。1年間、オリックスでプレーした後、他球団へのトレードという異例の提案をしたリーグトップに不信感を隠さなかった。

事前に選手会に話がなかったことも不信感に拍車をかけた。「先に新聞報道で知っても、いい気はしない。岩隈が受けるといえば別だが、こじれるだけ」と納得のいく説明を求めるように語気を強めた。

◇楽天・田尾監督「吹っ切ってやるの難しい」

この日、球団として初の理事会に出席した楽天の井上智治取締役は岩隈問題について「正式な議題ではなく、議事が終わったあとに、できるだけ年内に解決するのが球界のためになるという話になった。(小池発言は)賛同する、しないではなく報告を受けました」と淡々と説明し、オリックスと岩隈の話し合いの結果を待つという方針を変えなかった。

田尾安志監督はニッポン放送出演後に「これまでコミッショナー、セ・パ会長は権限が出せなかったが」と小池発言を評価しつつも「小池会長は1回でも岩隈とじっくり話してくれたのかな。選手サイドから見て、岩隈が吹っ切れてやれるのか。難しいと思う」と釈然としない様子だった。また、米田純球団代表は「特に何もない。私共は静観していますので、今後も静観するだけです」と多くを語らなかった。

◇仰木監督嬉しい

オリックス・仰木監督はパ・リーグ、小池会長の提案に手放しで喜んだ。理事会後に小泉球団社長から電話で報告を受けた指揮官は「嬉しい展開になってきた」と、膠着状態からの進展に光が見えたことに満足そうな表情を浮かべた。だが、エース右腕の心情を気遣う指揮官は「オリックスの選手も(岩隈が)気持ちを切り替えられるように迎えないとね」と今後、受け入れ態勢を整えるようにナインに号令をかける方針だ。

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岩隈問題でパ・小池会長が妥協案…1年間はオリックスで[サンスポ]

オリックス入りを拒否する岩隈久志投手の問題で、パ・リーグの小池唯夫会長が14日、都内で開かれた理事会で「強い要望」という形で“裁定”を下した。来年1年間、オリックスでプレーした後、岩隈の意思を尊重する妥協案を提示。オリックスの小泉隆司球団社長は小池案を受け、15日、大阪市内で岩隈と会談する。

着地点の見えない岩隈問題に小池会長が動いた。理事会の最後で議題に挙がった際、「会長としての強い要望」と前置きした上で、独自の妥協案を示した。

小池会長
「岩隈くんの身分はオリックスが保有している。まだ若いので、とにかく1年間、オリックスで公式戦を戦って、1年後には本人の意思を尊重して、トレードも頭において球団と話し合って欲しい。」

7日にオリックス中村GMが、コミッショナー事務局を訪れて見解を求めた。コミッショナーの返答は、「パ・リーグの問題」。ボールを投げられた形の小池会長はようやく、解決策を提示した訳だ。

「円満解決がお互いのプラス。越年してキャンプに入って続くのは問題だ」。年内決着のために、互いの言い分を配慮した妥協案。それが1年後の移籍という掟破りのプランだった。トレードを確約した上での契約は、野球協約百九条の『譲渡の強要』に抵触する可能性がある。小池会長は、「誠意を持ってやってくれると思う。協約違反?これは要望であり提案」と語った。

強い要望という形の提案…。78年の『江川事件』のケースと酷似する異例の裁定に、理事会で反対した球団はなかったという。

小池案を受け、小泉社長は「会長の言葉を重く受け止めている。先行約束は(野球協約で)禁止されているので、話し方は難しい」と明言を避けたものの、1年後にトレードを約束する方向での解決を示唆した。

これまで感情と主張がぶつかり合い、解決の糸口さえ見えなかった岩隈問題。しかし、リーグの最高責任者がやっと重い腰をあげたことで、事態収拾の契機となる可能性が出てきた。

“アドバイス”を得た小泉社長は15日、大阪市内で岩隈と交渉する。“超法規的処置”での解決となるのか。注目の会談となる。

江川事件VTR
78年11月20日、前年のドラフト会議で、クラウンライター・ライオンズ(現西武)の指名を蹴って米国に野球留学していた前法政大の江川卓投手が帰国。ドラフト会議前日の21日、巨人が江川との契約を電撃発表した。当時の野球協約に交渉権はドラフト会議の前々日と決められていたため、「空白の1日」だと巨人は主張したが、連盟は却下。それに対し巨人は金子鋭コミッショナー(当時)に提訴、さらにドラフト会議をボイコットした。結果、阪神が抽選で交渉権を獲得。巨人側は契約は正当だと主張し、連盟からの脱退を示唆した。12月22日、金子コミッショナーが「要望」という形で阪神とのトレードを提案。翌79年1月31日、阪神は江川の阪神入団をいったん発表。2月1日、巨人・小林繁とのトレードが成立した。

◇仰木監督「嬉しい展開になってきた」

都内で行われた表彰式に特別賞を受賞したイチローの代理で出席したオリックス・仰木監督は帰りのタクシーの中で小泉社長から連絡を受けた。「社長からパ・リーグ理事会の報告を受けました。嬉しい展開になってきたね」。膠着状態に陥っていただけに、歓迎すべき“追い風”が吹いた。「岩隈くんがスムーズに一緒にやれるようにオリックスの選手も気持ちを入れ替えて、迎えるようにしたい」。新たな局面に指揮官は声を弾ませていた。

◇楽天がタンパリング行為を否定

この日の理事会では楽天のタンパリング疑惑に、西武の黒岩球団代表が「協約を遵守することがお互いの信頼関係ができる。それに抵触する言動はよくない」とチクリ。これに対して、楽天の井上取締役は「問題ないと思っているのが、我々の見解。オリックスにはオリックスの意見がある。平行線です」と、あくまでタンパリング行為を否定していた。

楽天・田尾監督
「(小池会長は)野球界のことを考えての発言であれば真剣に受け止めなければならない。ただ、岩隈くんが吹っ切ってできるのかなぁ。選手サイドは、考えてくれているのかなあと思うでしょう。」

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岩隈があらためて拒否姿勢「オリックスではやりたくない」[サンスポ]

岩隈久志投手は14日、東京から帰阪。大阪市内の自宅で、パ・リーグの小池会長の強い要望に対して、「(オリックスでは)やりたくないです。オリックス球団でやろうという気持ちにならないですから」とあらためて拒否の姿勢を打ち出した。

「今回に限れば選手の意見を尊重するという約束をしたじゃないですか。最初から約束がなくて、ダメということなら違いますけど」。岩隈にとって9月23日のスト回避を決定した労使交渉でオリックス・小泉球団社長と近鉄の礒部選手会長との間で交わされた「選手の意見を最大限に尊重する」という“約束”が今回の主張のバックボーンになっている。

オリックス対して、不信感が芽生えている。どんなに球団の良さを小泉球団社長から聞いても心に響いてこない。「球団がやる気を出すようにしてくれるならいいですけど、これまでの交渉の経過を考えると、そういう風にはならないですね」。今後は労組・選手会と相談しながら対応を検討する。パ・リーグ会長から異例のコメントが飛び出しても、岩隈の決意が揺らぐことはない。

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小池会長の再任決める…パ・リーグ理事会[サンスポ]

パ・リーグは14日の理事会で今年いっぱいで2年間の任期が切れる小池唯夫会長の再任を決めた。小池会長は1月1日付で3期目に入り、来年はセ・リーグの豊蔵一会長に代わって実行委員会議長も務める。小池会長は「今年は球界は揺れ動いた。雨降って地固まるというが、来季は新規参入もあるし、いい形で公式戦が迎えられるだろう。プロ野球、パの発展のためにも、ファンの期待に応えていきたい」と話した。

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ライブドアが宮城で感謝イベント…ライバル楽天も協賛[サンスポ]

宮城県を本拠地にプロ野球の新規参入を楽天と争ったライブドアは14日、幻のチームとなった「ライブドアフェニックス」を応援してくれた人達への感謝イベントを19日に県総合運動公園体育館(同県利府町)で開催すると発表した。

イベントには堀江貴文社長が参加し、ライバルの楽天も協賛する。会場ではフェニックスのロゴが入ったTシャツ、ステッカー、パーカなどのグッズ販売や、ライブドアスタッフがファンとキャッチボールをしたり、全員参加のミニゲームなどを行う。

ライブドアは「このイベントを最後にフェニックスはフェードアウト(次第に消える)。これからは楽天イーグルスをみんなで応援しようとファンに伝えたい」と話している。

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