119試合に出場した35歳のベテラン堀が、1100万円ダウンの8400万円でサインした。「今年はケガせず、満足ではないけど野球をやった感じ」とサバサバと話した。もっとも出来高を全てクリアすれば1億円を超える契約なだけに「まだ若手に負けない?そう思わなかったら、やめてますよ」と来季もレギュラーでチームを引っ張るつもりだ。
橋本が2度目の交渉で前回提示より100万円上積みの2900万円でサイン。「勝負は来年。土台はできた。しっかりやりたい」。中でも交流戦には意欲を見せる。「目立ちたいパの性がある。(宇和島東高の後輩の)ヤクルト岩村とやりたい。44本打ってますから」とセの長距離砲をリードで封じて名を上げるつもりだ。
選手名 | 年俸 | 前年比 |
---|---|---|
堀 | 8400 | ▼1100 |
橋本 | 2900 | △1250 |
[注]年俸は推定で単位は万円。
堀が12%ダウンの提示に一発サインした。
今シーズンは昨シーズンに比べて全ての数字がダウンした。しかし、成績に対する満足感はないが、昨シーズンに比べて充実感を持つことができた。それは、1年間ケガなく野球をやれたからだ。「去年はヒジや足を痛めて、シーズン中に離脱した。終盤はDHとまともに野球ができなかった。それに比べて、休みをもらいながらも大きなケガなくできたことは、去年よりは野球をやったなと思っいる」と今シーズンを振り返った。
大きかったのは、バレンタイン監督の就任だった。ケガなく1年過ごしたことに、「キャンプからこちらから言い出さない限り、特打、特守がなかった。もちろん必要と感じてやったけれど、必要以上の練習をしなかったことが大きかった」と話した。シーズン中にスタメンを外れたことも奏功した。「外れた時は悔しい思いをしたけれど、今考えるとこれが良かった」と笑顔を見せた。
今シーズンは若手の突き上げもあった。それも堀は歓迎する。「そういう動きがないとチームは強くならないし、それが当然の世界。自分は追い越されないように、さらにしっかりやるだけ」と気を引き締めた。
来シーズンの目標は、もちろん優勝。「プレーオフに出るだけではだめ。プレーオフで勝って、日本シリーズに勝つ」と来シーズンを見据える。ファンサービスが話題となっているが、「優勝することことが、ファンへの最高のパフォーマンス」と気持ちを込める。その裏には、現役として優勝に貢献したいという気持ちが強い。「ユニホームを着ているうちに、しっかり貢献して優勝を味わいたい」と来シーズンへの思いを語った。
海外キャンプ復活は優勝したときのご褒美−。ロッテ瀬戸山隆三球団代表が16日、来春のキャンプ地を従来通り、鹿児島市(1軍)薩摩川内市(2軍)と発表。その上で「優勝した暁には、海外も考えないと。夏ぐらいまでバレンタイン監督は米国キャンプを希望してましたし」と話した。候補地は、98年まで行っていた米アリゾナ州ピオリアが有力だ。
瀬戸山代表は、鹿児島市が協議会をつくり千葉マリンへの広告看板設置を検討していることを評価。来春キャンプ地として採用した。だが「契約は単年ですから」と、06年以降は再び複数の候補地から選考を行うことを示唆。「鹿児島を第1候補にしながら、もっと歓迎してくれるところがあれば考えないと」と、条件次第で国内の“移転”も視野に入れている。それだけに、優勝となればバレンタイン監督が希望する米国キャンプ実施に異論はない。
パ・リーグの「東西対抗戦」が消える?来年11月3日に開催予定のパ・リーグ東西対抗戦で千葉が本拠地のロッテが西軍に加わる可能性が高くなった。
仙台を本拠地とする楽天が加入、オリックスと近鉄が統合したことによる「プチ再編」。話し合いの結果、ロッテが西軍に入ることになった。ロッテ側にも特に異論はないようで、東軍は日本ハム、楽天、西武、西軍はロッテ、オリックス、ダイエーと決まった。
しかし、ロッテはあくまで関東の球団。厳密には「東西対抗」とは呼べなくなる。出身地別で東西対抗戦を行う「出身地別東西対抗」も、既に行われており、この名称は使えない。「ロッテが(西軍に)加わることで新鮮味が出るかもしれない」と村田事務局長は期待しているが、ネーミングには頭を抱えていた。
93試合で13本塁打、38打点と自己最高記録を残した橋本が、1250万円増の2900万円で更改。「いい契約ができたと思います。今年だけで終わらないように頑張りたい」と笑顔を見せた。来季から始まる交流試合では「(宇和島東高の後輩)岩村を見てみたい。44本塁打とはすごいですよね」と後輩との対戦を楽しみにしていた。
来季31年ぶりの優勝を目指すバレンタイン監督の前に、母国でキャンプ実施という“にんじん”がぶら下げられた。温暖な気候から米アリゾナでのキャンプを希望していたボビー。来春のキャンプ地は例年通り鹿児島に決まっているが、瀬戸山球団代表は「優勝した暁にはね。現場のニーズがあれば考えますよ」とキャンプ地変更の検討を約束した。
堀幸一内野手が16日、契約更改交渉を行い、1100万円ダウンの8400万円プラス出来高払いでサインした。今季、119試合に出場し打率2割6分1厘、14本塁打。「大きな怪我もなくやれた。ユニホームを着ているうちに優勝したい」と来季への意欲をのぞかせた。2度目交渉の橋本将捕手は2900万円で更改した。(金額は推定)
ロッテに06年からの海外キャンプ復活の可能性が浮上した。瀬戸山球団代表が「来年優勝すればそういう話になるかも…。現場のニーズがあれば考えます」と話した。来年は鹿児島キャンプ継続で決定済みだが、一時は球団が地元に誘致条件の見直しを求めて紛糾。瀬戸山代表は「再来年も鹿児島を第1候補に、もっと歓迎してもらえるところがあれば考えないと」と含みを持たせた。98年の米アリゾナ・キャンプを最後に国内へ撤退したが、バレンタイン監督は以前から海外キャンプに意欲的。鹿児島市の施設分散や気候も懸念材料に挙げており、来季の成績次第で本格的に検討されることになりそうだ。
楽天三木谷浩史オーナーが岩隈問題が長期化した場合に、24日のオーナー会議で直接行動に出ることが16日、明らかになった。同会議への初出席が決まり「やる時には徹底的にやる」の持論から、球界幹部やオリックス側に問題解決を求める。
同問題についてパ・リーグ理事会で小池会長が私案として「1年後トレード案」を要望。この一連の発言に同オーナーは怒りをにじませた。この日、都内の仕事先で取材に応じると「会長は公職。私見はない。開いた口が塞がらないし、ビジネスの世界では許されない」と「小池私案」に厳しく言及した。
また、理事会での発言内容が楽天側とオリックス側で食い違いを見せている部分などにも触れ「議事録はないのか。あるとしたら公表すべき。不透明な部分が多すぎる」と、公平性を求めた。既に球団は公式見解として報道各社に文書で見解を配布。この日、井上球団取締役が小池会長にあらためて電話で文書による球団見解を報告した。
三木谷オーナーは新規参入決定当時から「選手の意思が最優先されるべき」と岩隈がオリックスにプロテクトされたことに警鐘を鳴らしていた。それ以外は、オリックス側に具体的な行動を起こしていなかったが、ついに抗議行動、発言を表面化させ始めた。17日に岩隈がトレード志願を貫けば、長期化は必至。オリックス宮内義彦オーナーの出席も確実視されており、オーナー会議で岩隈の主張の正当性を訴える構えだ。
「強い要望」を出したパ・リーグ小池会長も、緊張の面持ちで岩隈の決断を待つ。報道陣とのやり取りでは「明日の結論を聞いてから」と繰り返した。14日の理事会では、移籍を前提とした1年間のオリックス残留を提案したが、既に「こういう案もあるのでは、という私案にすぎない」とトーンダウンしている。
オリックス仰木監督は岩隈からの朗報を信じて待つのみだ。この日、都内でテレビ収録を行なった同監督は「丸1日経ったばかりで何も変わってないよ。昨日(15日)社長が言うべきことは伝えてくれてるし、僕からは電話もしていない。社長からの連絡を待つだけや」と離した。現時点では諦めの姿勢はなく「まあ、選手も色々やってくれるだろうしね」と、会談に意欲を見せている川越選手会長らの援護にも期待を寄せていた。
オリックスはこの日、楽天がマスコミ各社に抗議文書をファクスしたことに対し慎重な態度を貫いた。前日、反論した小泉球団社長は「文書についてはコメントを差し控えさせていただきます」と広報を通じてコメントしただけ。東京都内でテレビ収録に臨んだ仰木監督、ヤフーで会見した中村GMは共に「会議の中の話なのでよく分からない」と発言を避けた。
根来泰周コミッショナーは16日、混迷する岩隈問題に触れ「対応する機関をつくる」との考えを示した。同コミッショナーは「ニュートラル」と自らの立場を明確にした上で「あくまで球団と選手の間で解決すべき問題」とオリックス側に伝えたコミッショナー事務局見解を強調した。「もし対応してくれというなら今後はしっかり機関を設けて対処していくべきだ」と話した。今回の問題は野球協約で明確な対処法も示されていない。小池唯夫パ・リーグ会長が異例の「強い要望」を出したが解決のめどは立っておらず、機関設置を急務としている。
楽天への金銭トレードを希望している岩隈久志投手が17日、最終結論として「金銭トレードでの楽天入り」をオリックス小泉隆司球団社長に伝える。岩隈はこの日、大阪市内の自宅で報道陣に対応。「明日(17日)の午前中に小泉社長に自分の結論を伝えてから、皆さんにお話しします」と語った。
前日、小泉球団社長を会った際「2日間考えさせて欲しい」と期限を切ったため、この日も「まだ考えている最中ですから」と結論は明かさなかった。1年間の前提オリックス入り−という「強い要望」を出したパ・リーグ小池会長への配慮から回答を先延ばしにしたが、希望は楽天への金銭移籍で変わりはない。
この2日間で楽天の抗議行動という予想外の騒動が起きた。「僕も昨日、小泉社長から『全会一致だった』と聞きました。小池会長がああいった提案をされて、ほかの(球団)社長も『いいんじゃないか』と全会一致で同意されたと聞きました」と小泉球団社長からは「リーグの総意」として伝え聞いたことを明かした。あらためて希望を伝えても、オリックスが折れる可能性は低い。それでも決意は揺るがない。不変の意志から生まれた最終結論として、自身の決断を公表する。
楽天でやりたい!合併によるオリックス入団を拒否し、楽天への金銭トレードを希望している前近鉄の岩隈久志投手は16日、大阪市内の自宅前で取材に応じ「気持ちは変わらない」と断言した。17日、オリックスに最終回答として入団拒否、楽天希望を伝える。岩隈はオリックス入団を促した小池唯夫パ・リーグ会長の「強い要望」を受け、前日15日に小泉隆司球団社長と会談、2日間の再考を約束していた。
迷いはない。岩隈は断固とした口調で言った。
自ら決めた回答期限の17日、オリックス・小泉球団社長に入団拒否と楽天への金銭トレード希望をあらためて伝える。
前日15日、小泉球団社長から「1年間はオリックスでプレーし、来季終了後に再協議する」という小池パ・リーグ会長の折衷案を聞かされた。岩隈も「小池会長の話は重みがある」と2日間の再検討を約束した。「リーグ全体も考え」と再考したが、最後まで意思が揺らぐことはしなかった。
「考える時間をもらえるということは(オリックスか楽天か)絞らせてもらえるということだと思っている」。労組・日本プロ野球選手会の松原徹事務局長にも相談し「松原さんも“うまくいく”と言っていた」と労使合意での意思尊重の原則をあらためて説明されている。オリックス側が希望に応じない場合、選手会に仲介を依頼する考えだ。
面談を希望するオリックス選手会長の川越とは「今週会うことはないと思う」と入団拒否を回答した後に会談。自分の意思を伝え、理解を得る。
問題は長期化し、今年も残り約2週間。年明けから自主トレを始める。「早く落ち着いて体を動かしたい」。楽天の一員としての始動に思いを馳せた。
楽天の三木谷浩史オーナーが16日、岩隈へのタンパリング疑惑をあらためて全面否定した。
異例の声明文発表から一夜明けても怒りは収まらない。東京・六本木の本社で同オーナーは小池パ・リーグ会長の「強い要望」について「会長に私見はないはず。公職なんだから。ビジネスの世界なら許されませんよ」と疑問を投げかけた。
反発を示す会長妥協案に同意したとの一部報道にも「ウチが同意するはずはない。(理事会の)議事録を公表すべき。国連でもそうしている」と提言した。
岩隈の保有権を主張するオリックスの態度にも納得がいかない。小泉球団社長は9月23日の労使合意後に「プロテクト選手の意思を尊重する」と話しているが、「小泉さんの発言が二転三転している。選手会とのやり取りを明らかにすべき」と意思尊重を申し合わせたオリックスと選手会の会談内容の開示を求めた。
24日にはオーナー会議に初出席する。「野球界は不透明なことが多すぎる。今回のことも含めてこれまでと一緒じゃないですか。あきれて開いた口が塞がらない」。今回の騒動に象徴される“密室交渉”改革を訴えていく。
楽天の三木谷浩史オーナーが16日、岩隈久志投手をめぐるパ・リーグ・小池唯夫会長とオリックス・小泉隆司球団社長の対応を徹底批判した。14日のパ・リーグ理事会後の両者の発言に対して、15日に厳重に抗議する見解を文書としてマスコミに送ったが、それについて三木谷オーナーが初めて口を開いた。
まず、議案として決議されていないにもかかわらず、小池会長が私案として岩隈がオリックスで1年間プレーするよう要望したことについて「会長に私見はない。公職なのだから」と指摘した。「ウチがそれに同意したことになっているが、議事録はあるのか。公表するなり、出席者がはんこを押すなり、徹底して欲しい。国連などでもそれが常識」。15日の文書ではオリックスへの抗議がウエートを占めていたが、矛先はパ・リーグ会長にも向いた。
また小泉社長が、楽天がタンパリング問題を謝罪したかのような発言をしたことについて「嘘はよくないよ。開いた口が塞がらない。まるで政治家。ビジネスの世界なら絶対に許されないこと」と憤りを爆発。また球団統合に伴う選手移籍について、「選手会とどんなやり取りをしたのか、オリックスは説明していない。そこを明確にして欲しい」と再度、要求した。
この日、楽天の井上智治取締役が小池会長に15日にマスコミに文書を送ったことを報告する電話を入れたが、そこでのやり取りについても「楽天がオリックスに会いたがっている」と話が膨らみ、報道陣の間でも言った言わないで混乱。それだけに「ウチのように文書にすればはっきりするんだから。不透明なことが多すぎる。このままでは野球界は変わらない」とあきれた様子だった。
パ・リーグの小池唯夫会長は16日、都内の自宅前で三木谷発言を受けて「(だからといって)何もしなければいいというものじゃない」と反論した。
小池会長は「三木谷さんの発言を聞いていないので具体的にコメントすることはできない」としながら、混迷する岩隈問題の解決の長期化を防ぐため「裁定ではなく強い要望」という形で「期限付き残留」という異例の妥協案を提示した。当初は「球団と岩隈君の問題」と介入しない姿勢だっただけに、パ・リーグ会長という立場を考慮し、注意しながら発言した。
昼間は東京・銀座の連盟事務所で楽天の井上球団取締役から電話で「小泉さんの発言が色々(誤解や周囲への影響が)あったんで、小泉さんと話をします」と連絡を受けたことを明かした。小池会長は「お任せします」と返答したという。
17日明らかになる岩隈の結論が「楽天への移籍希望」のままで、なおかつオリックスが引き留めの姿勢を崩さない場合、事態が泥沼化する可能性があるが、その際の対応は「結論が出てみないと分からない」と具体的な発言を控えた。
オリックスでのプレーを拒否し、楽天入りを希望する岩隈久志投手が16日、大阪市内の自宅前で取材に応じ「今まで言ってきた通りです」と、改めて楽天入りの決意が変わらないことを表明。17日の午前中に、オリックス・小泉隆司球団社長に対して「残留拒否」「決別」の最終回答を通告する。
15日に行われた小泉球団社長との3度目の交渉後には「2日間考える」と、冷却期間を設定したが、17日に訪れる最終リミットを前に「もう小泉球団社長と会わない?そうなると思う。連絡は午前中?多分そうなる」と決別を宣言した。この日は妻・まどかさん、義父の楽天・広橋公寿守備走塁コーチと、自宅近くで「家族会議」を開催。内容は明かさなかったが、従来通り、楽天への金銭トレードを求めることで、最終結論に至ったのは間違いない。
「まだ、決めていないですよ。選択肢が2つに絞られた訳ですから、後はしっかり考えて、結論を出したい」と、岩隈は明言は避けたが、胸の内は既に固まっている。17日、ファイナルアンサーは、小泉球団社長に電話で直接伝える。
中村GMが岩隈に牽制球。17日に岩隈から楽天への金銭トレードを要求する最終的な意思が伝えられる見込みだが、展開が紛糾した場合、岩隈が労組選手会に一任する考えも持っていることについて「選手会一任は認められない?基本的にはそういうふうに考えています。それが正論じゃないかな」。当の岩隈は「動きはないです。考え中です」と穏やかな顔だった。
楽天は打撃投手として、今季限りで自由契約となった関口伊織氏(33)=前近鉄、福井強氏(24)=前西武、酒井泰志氏(25)=前ロッテ=の3人と契約した。それぞれスコアラー補佐を兼務する。
パ・リーグ審判部の契約更改交渉が、東京・銀座の連盟事務所で行われ、関東所属の11人全員が更改した。17日には関西所属の審判員が交渉する。セ・リーグ審判部もこの日で全27人が更改を終えた。