ロッテの選手会長に就任した守護神・小林雅英投手が“チームの顔”として年俸ダウンを免れた。17日、現状維持の2億3000万円で更改。「セーブ失敗が02年から1個、3個、7個と増えた。評価は若干ダウン」(瀬戸山球団代表)だったが、「ロッテの顔だし、来年は選手会長としてファンサービスを協力してもらう」(同代表)ということで据え置きとなった。
小林雅も「僕の失敗が1つでもなければ、プレーオフに出られた。年俸を上げてという材料はなかった」とすんなり白旗を揚げた。バレンタイン監督が就任した今季は、これまでの“勝ち試合1イニング限定”ではなく51試合に登板。「今までが当たり前だと考えてしまった。もう少しボビーに確認していれば。来年は大丈夫だと思う」と反省した。
小林雅は交渉の中で、千葉の各駅にポスターを張っての球団アピールや、大リーグ流に球場の名物アナウンサーを雇うなどのファンサービスを提案。「日本一しかない」という新リーダーが、変わりつつあるロッテの象徴となる。
中継ぎ左腕の川井が“珍要求”を行なった。600万円減の4600万円で更改した交渉の席で「優勝したらヨーロッパにV旅行に行きたい」と瀬戸山代表に訴えた。川井は「欧州ならマスコミに注目されると思って。代表とは暗い話ばかりしたので、最後に明るい話題と思ったんです」と苦笑いで明かしていた。
選手名 | 年俸 | 前年比 |
---|---|---|
小林雅 | 23000 | 0 |
川井 | 4600 | ▼600 |
[注]年俸は推定で単位は万円。
夢の連投プランが浮上した。ロッテが、来年6月の韓国開催2連戦(対ダイエー)での始球式登板を、俳優のペ・ヨンジュンに加えて、韓国人気女優のチェ・ジウにも正式打診することが17日、分かった。
日本プロ野球初の韓国開催は、アジア進出に積極的なロッテにとって是が非でも成功させたい興行。「冬のソナタ」の主役2人を同時に投入し、2日連続の満員を狙っている。
球団側は、釜山(プサン)での開催が有力視される6月28日の第1戦にペ・ヨンジュン、仁川(インチョン)が濃厚な同29日の第2戦にチェ・ジウを招く方向でロッテ本社に依頼済み。重光オーナー代行ら本社サイドもヨン様、ジウ姫の招待に賛同している。今後、本社プロジェクトチームから韓国ロッテを通じ、本格交渉に入る。
一見無謀な“連投プラン”だが、ロッテにはCM契約期間中という大きな後ろ盾があり、実現する可能性は高い。球団関係者は「第1戦と第2戦は(相手のスケジュール次第で)逆になるかもしれないが、本社には強くお願いしているので期待して欲しい」と自信を見せた。
“冬ソナコンビ”の登板となれば、日本から多数のファンが詰めかけることは必至。ロッテには韓国の国民的英雄・李承Yがおり、韓国人の集客も期待できる。スン様、ヨン様にジウ姫まで。初の韓国開催は、日韓両国で大きな話題を集めそうだ。
小林雅英投手が17日、千葉マリンで、現状維持の2億3000万円で契約更改した。来季から選手会長を務める守護神は“マリーンズ宣伝部長”として、次々と新アイデアを提案した。
今季序盤は不調に苦しみ、7度救援に失敗。8勝5敗20セーブ、防御率3.90に終わり「僕の失敗が1つでもなければプレーオフに行けた」と責任を負った。査定はダウンも、球団は五輪で離脱しながらも展開を問わず、51試合に登板した鉄腕を評価。「チームの顔だし、選手会長としてファンサービスもお願いしたい」(瀬戸山代表)と“宣伝部長”としての働きも期待して現状維持を提示した。
球団の期待にアイデア連発で応えた。中でも名物アナによる「ロッテえこひいき番組」の創設を力説。「本当にロッテを好きになって欲しい」メジャー同様、球団専属アナウンサーが選手の素顔を伝え、ファン獲得に結びつける考えだ。
さらに「千葉主要エリア周辺に球団ロゴを増加させる」など、矢継ぎ早に提案を続けた。本業では「救援失敗ゼロ」を来季の目標に設定。「野球の勝ち負けだけでなくプラスアルファは必要」と意欲満々の新選手会長。2005年は、グラウンド内外で獅子奮迅の活躍を見せてくれそうだ。
ロッテの選手会長に就任した守護神・小林雅英投手が“チームの顔”として年俸ダウンを免れた。17日、現状維持の2億3000万円で更改。「セーブ失敗が02年から1個、3個、7個と増えた。評価は若干ダウン」(瀬戸山球団代表)だったが、「ロッテの顔だし、来年は選手会長としてファンサービスを協力してもらう」(同代表)ということで据え置きとなった。
小林雅も「僕の失敗が1つでもなければ、プレーオフに出られた。年俸を上げてという材料はなかった」とすんなり白旗を揚げた。バレンタイン監督が就任した今季は、これまでの“勝ち試合1イニング限定”ではなく51試合に登板。「今までが当たり前だと考えてしまった。もう少しボビーに確認していれば。来年は大丈夫だと思う」と反省した。
小林雅は交渉の中で、千葉の各駅にポスターを張っての球団アピールや、大リーグ流に球場の名物アナウンサーを雇うなどのファンサービスを提案。「日本一しかない」という新リーダーが、変わりつつあるロッテの象徴となる。
今季序盤の救援失敗が響き8勝5敗20セーブに終わった小林雅は17日、現状維持の2億3000万円で更改=写真。「1つでもボクの失敗がなければプレーオフに出られた。この悔しさを忘れないようにしたい」とリベンジを誓った。また今オフから新選手会長として
を提案。「野球をやるだけでなく、どうやったら球場に足を運んでもらえるか考えていかないと」と訴えた。
川井が2度目の契約更改交渉に臨み、600万円減の4600万円でサインした。今季47試合に登板して防御率は7点台。前回より100万円増の提示に「成績自体はよくないので納得した」と気持ちを切り替えていた。
ロッテのリリーフエース、小林雅英投手が17日、千葉マリンスタジアムで契約更改交渉を行い、現状維持の2億3000万円でサインした。小林は今季、序盤の不調に加え、アテネ五輪でチームを離れた時期もあり、51試合登板で8勝5敗20セーブにとどまった。チームが4位でプレーオフ進出を逃したことについては「自分があと1つでも勝っていればという思いはある。この悔しさを忘れないようにしたい。来季の目標は優勝。個人的には(救援の)失敗をゼロにすること」と話した。(金額は推定)
ロッテ川井貴志投手が17日、2度目の契約更改交渉を行い、600万円ダウンの4600万円でサインした。今季47試合に登板し、防御率は7点台。前回より100万円増の提示に「成績自体はよくないので納得した」と、気持ちを切り替えていた。(金額は推定)
ソフトバンクが「福岡」と「ホークス」の名称を継承することが、決定的となった。孫正義社長は17日、福岡で地元財界関係者と意見交換。球団名存続などの強い要望を受け、最大限の配慮を約束した。
「これほど球団歌、名前、場所に、強い思いを持っていると認識していなかった。相当に配慮しないとまずい。愛されているということを痛感しました」と孫社長は話した。24日のオーナー会議でダイエー買収が正式承認され、発表される球団名はヤフーBBなど、ソフトバンクのブランド名を間に挟んだ「福岡○○ホークス」となる見込みで、応援歌の「いざゆけ若鷹軍団」も若干のアレンジを加え、存続の方向となった。
新ユニホームのお披露目には「専門家に色々な案を出してもらっている段階」と年明けの発表を示唆。ダイエーがキャンプ地として使用してきた宮崎市の「生目の杜運動公園」での来春以降のキャンプ実施に「うまくいっていると聞いているので、その方向で考える」と言明。
さらに、孫社長は2%の球団株を保有する中内正オーナーと、15日に都内で会談。非常勤のアドバイザー的な役職の就任を要請し、一時は球団からの撤退を考えていた同オーナーから、前向きな回答を得たことも明らかにした。
情報通信大手ソフトバンクの孫正義社長は17日、プロ野球のダイエー買収を正式承認された後に誕生する新球団名について「(オーナー会議が開かれる)24日に発表します」と明言した。
この日、地元財界との意見交換のため福岡市を訪れた孫社長は、もう1つの注目である新ユニホームのお披露目について「専門家に色々案を出してもらっている段階」と話し、年明けの発表となる見込みを明らかにした。
さらに同社長は、ダイエーの中内正オーナーと数日前に東京都内で会談したことを明かし、ダイエー球団株を2%保有している中内氏の新球団での処遇について「常勤で公式的なものにはならないかもしれないが、アドバイザー的な方向で検討している」と柔軟に対応する姿勢を示した。
情報通信大手ソフトバンクの孫正義社長は17日、プロ野球のダイエー買収を正式承認された後に誕生する新球団名について「(オーナー会議が開かれる)24日に発表します」と明言した。
この日、地元財界との意見交換のため福岡市を訪れた孫社長は、もう1つの注目である新ユニホームのお披露目について「専門家に色々案を出してもらっている段階」と話し、年明けの発表を示唆した。このほか、ダイエーがキャンプで使用してきた宮崎市の「生目の杜運動公園」での来春以降のキャンプ実施について「うまくいっていると聞いているので、その方向で考える」と継続使用する方針を明らかにした。
さらに、ダイエー球団株を2%保有しているダイエーの中内正オーナーの新球団での処遇については「常勤で公式的なものにはならないかもしれないが、アドバイザー的な方向で検討している」と柔軟に対応する姿勢を示した。
「ホークス」が残る。情報通信大手ソフトバンクの孫正義社長は17日、地元財界の代表者らと球団の運営方法について意見交換するため、福岡市を訪れた。意見交換会に出席した「福岡ホークスを支援する会」「市民球団ホークス後援会」の2団体から「ホークス存続」などを求める要望書を受け取った孫社長は「下手をすると暴動が起きるんじゃないかと思うぐらいに熱い思いが伝わってきていますので、その点については十分に配慮していかないといけない」と存続の意向を示し、また応援歌「いざゆけ若鷹軍団」の存続の要望についても前向きに検討することを伝えた。
新球団名はソフトバンクの球界参入が正式に承認される見込みの今月24日のオーナー会議で発表される予定になっている。
孫社長は福岡ドームの名称に関しては変更を示唆した。「福岡何とかかんとかドームという形で残して欲しいという話はいただいたので検討したい」と孫社長。既に福岡ドームを所有するコロニー・キャピタルとの話し合いで、命名権はソフトバンク側にあることが確認されている。「やるとしても私共のファミリー企業になる」(孫社長)と「ヤフーBB」などの名が「福岡」と「ドーム」の間に入ることになりそうだ。
岩隈問題の結論がまた先送りされた。オリックス入りを拒否している岩隈久志投手と小泉隆司球団社長が17日、神戸市内で4度目の会談を行った。前回会談から2日間の熟考期間を経て岩隈が出した最終結論は、やはり楽天への金銭トレードだった。しかし小泉球団社長は“最後通告”を即座には受け入れず。今後は労組選手会、楽天などと会談することを示唆した。
2日間待った岩隈の答えを聞いても、オリックスは最終決断を下さなかった。神戸市内での4度目の会談を終え、ヤフーBBスタジアムで会見した小泉球団社長は、再度の延長戦突入を明言した。「彼の答えはこれまでと同じ楽天です。しかし我々も変わらない。平行線をたどったままだが、これからも協約にのっとって正論をはいていきたい」と譲る意向がないことを強調した。
岩隈がつかんだ年内決着の感触についても、小泉社長は明言を避けた。「大事な選手ですから配慮はしたい。ただうまく着地点を見つけたい。その日が早く来るように考えたい」と配慮を強調しつつ、具体的期限については言及せぬまま。また、小池パ・リーグ会長が示した「1年間オリックスでプレーし、その後トレードなどを話し合う」とした強い要望≠熬地にはつながらない。「小池会長の言葉を斟酌して彼が『分かりました』と言えばいいが、うまくいかない」とお手上げ状態であることを認めた。
これ以上、話し合っても岩隈の気持ちが変わらないことは確実だ。しかし小泉社長は「交渉事は何が起こるか分からない。今後も本人と何度でも話し合いたい」とした上で「例えば選手会や楽天といった岩隈君に関係する人々と話し合うこともあるかもしれない」と交渉の窓口を広げていくことを示唆して、粘りの姿勢を強調した。
もっとも、これも打開策となる可能性は限りなく低い。選手会側は、ストライキ回避に向けた9月23日の労使交渉の際に確認された「プロテクトは選手の希望を尊重する」という「約束」を強調している。楽天に対しては再度、タンパリングを指摘する可能性はあるものの、オリックス入りへのアシストを受けられるはずがない相手。事態が進むとは考えづらい状況だ。
また、一方でオーナー裁定も小泉球団社長は否定。「これまで通り進めることに間違いはない。オーナー指令でやっていることでも何でもないですから」と話すように、岩隈のコメントとの食い違いも多く、溝は埋まる気配はない。この日も「オリックス入り以外の選択肢は考えていない」とした小泉社長の「答え」が1つしかない以上、年内着地は見えてこないが…。
オリックス仰木監督は岩隈問題の進展には2、3日の冷却期間が必要−との見方を示した。残留を拒否された小泉球団社長と電話で対応策を協議した上で、大阪市内のホテルで会見。「冷却期間が非地用。これからも引き続いて説得、努力するとしかいいようがないが2、3日は動きが取れないんじゃないかな」と話した。その上で「(着地点が)出るのは間違いないが、今のところは判断がつきかねる」と泥沼化した問題に頭を抱えていた。
一方、オリックス宮内オーナーはこの日、岩隈問題に口を閉ざした。大阪市内のホテルで開催された母校・関学大のイベントに出席。企業経営に関する講演では熱っぽかったが、終了後に長期化した岩隈問題について突っ込まれると「いえっ、僕は…」と言ったきり。岩隈と球団の会談終了前のこととはいえ、素っ気ない反応だった。
オリックス選手会長の川越も岩隈説得に乗り出した。これまで「選手にわだかまりはないし、一緒にやりたいと伝えたい。なかなか日程が合いませんが…」と話していたが、この日、小泉球団社長に先立ち神戸市内で岩隈と初会談した。選手にもバックアップを要請していた小泉球団社長は「頑張ってやります、と言ってくれてます」と話したが、それも実らなかった。
パ・リーグ小池会長がオリックス、楽天両球団のトップ会談の必要性を述べた。都内の自宅前で取材に応じ14日の理事会で示した「強い要望」以上のアクシデントについて「裁定になれば岩隈君のためによくない。1番大事なのは彼が活躍することなんだから」と語った。ただ、平行線の状況打破のため「宮内さんと三木谷さんが話すことになるのではないか。本人との話し合いは限界でしょう」と述べた。長期化の可能性もあるが「年内は難しいだろうが、なるべく早く円満解決して欲しい」と早期決着を望んでいた。
楽天三木谷オーナーは「岩隈問題」について静観する姿勢だ。「基本的には選手会とオリックスさんとの問題だと思う。前々から言っている通り、どういう経緯でどういう約束がなされたのかがベースにある」。岩隈個人についての発言は避け、タンパリング疑惑をかけられた問題についても「今後の状況次第ですが、先般球団から出したファクス(抗議文)でひとます終わっている」と落ち着いた口調で話した。
それでも、球界再編問題全体の流れの中で感じてきた旧態依然の体質とは戦い続ける覚悟だ。この日はラジオの収録で日本サッカー協会の川淵キャプテンから「オーナー会議でいじめられても世論はあなたを支持するはず。(球界改革を)やっていってください」とエールを送られると「タブーを破っていきたい。若い人達のためにも正面からぶつかっていく」と力強く話していた。
岩隈問題が長期化することに楽天田尾監督は、本人の精神的疲労を心配した。この日、ニッポン放送の「ショウアップナイターストライク!」に出演後「僕らは、そういう(待ちの)立場でいるしかないんで。結論は出ないだろうとは思っていました」と話した。問題が長引いていることに「(岩隈の)心労っていうのはあると思いますよね。早くスッキリとした中で練習してもらいたいと思いますけどね」と気遣っていた。
従来通りの意志を貫いた岩隈は、オリックス小泉球団社長、川越選手会長との会談を終え、午後5時半に旧近鉄球団事務所内の会見場に姿を現した。「楽天でやりたいと思っています」とファイナルアンサーを明かした上で、熟慮の末の決断であることも強調した。
オリックスへのかたくなな拒否反応から出た結論ではない−。だが結論は変わらなかった。
小泉社長からは「楽天に今すぐに出すことはできない。宮内オーナーに相談したり、小池会長に連絡してオリックスとして考える」と言われたという。だが岩隈の考えでは、直接会談はこの日が最後。今後は労組プロ野球選手会に委ねる。「社長も年内には決めたいと言われました」。その言葉を信じ年内決着を待つ。
岩隈は労組選手会の公式ホームページにもメッセージを寄せた。オリックスからの期待を受け止め謝意を示した上で、楽天に思い入れを持った大きな理由として「楽天が、自分達の取り組んだ運動(オリックス、近鉄の合併反対署名活動など)の結果、誕生したチーム」とした。今の心境として「1日も早く新たな岩隈久志のスタートを皆様に見守っていただける日がくることを望むばかりです」と結んでいる。
球団統合によるオリックス入団を拒否する岩隈久志投手は17日、神戸市内でオリックス・小泉隆司球団社長と会談し、最終回答として楽天入り希望を伝えたが、オリックス側は継続交渉で譲らず、平行線をたどった。岩隈は労組・日本プロ野球選手会(古田敦也会長=ヤクルト)に交渉を委ねる考えで、オリックス側は法廷闘争も辞さない強硬姿勢。問題は越年となる可能性が濃厚となった。
岩隈が突きつけた最後通告をオリックスがはねのけた。「入団拒否」と「残留説得」で平行線のまま、混迷が極まった。
岩隈は神戸市内のホテルでオリックス選手会長・川越に続き小泉社長と会談。大阪・難波の近鉄球団事務所で会見し、変わらぬオリックス拒否、楽天希望を明かした。
小池パ・リーグ会長が14日の理事会で「強い要望」で出した「来季オリックスでプレーした後に再協議」の折衷案を小泉社長から聞いたのが15日。自ら求めた再考だった。「小池会長の配慮も含め僕としては最後の結論」。最終回答だった。
「球団として考える」と答えた小泉社長はヤフーBBスタジアム内球団事務所に戻り中村勝広GMと善後策を検討、交渉継続を宣言した。「今までと全く一緒。話し合いを続ける。協約にのっとって正論を吐いていきたい」。またも希望を受け入れなかった。
小泉社長は「いつまで決着とは思っていない」と長期化を覚悟。東京で報告を受けた小池会長も希望する「年内解決」に関し「難しいだろう」と漏らし、越年となる可能性が高まった。
今後、岩隈は「あとは選手会が立ち上がる。連絡を取りながらやる」と交渉役に労組・選手会を代理人に立てる構え。この日、顧問弁護士の石渡進介氏に電話を入れた。
オリックス内部では宮内義彦オーナー以下、1歩も譲らぬ姿勢。本社顧問弁護士とも連絡を取り、今後は弁護士間の交渉、さらには法廷闘争も辞さない強硬姿勢を見せている。
球団内では岩隈が慕う、義父の楽天・広橋公寿守備走塁コーチに相談する意見も出ている。
9月23日の労使交渉で該当関係者間で申し合わせた「プロテクトにあたっては選手の意思を尊重する」との原則には両者に温度差がある。岩隈は同僚の礒部、福盛らが希望通り枠から外れたと認識。「感覚にずれ」と言う小泉社長は「どんな選手でもプロテクトできると実行委で決めた」と協約手続き上、近鉄からトレードで獲得したと認識。出口は見えていない。
岩隈支援を打ち出しているプロ野球選手会の公式HPが17日付で、岩隈本人のメッセージを掲載した。仰木監督、小泉社長らオリックス球団関係者と個別に話す機会があったことに「期待の大きさも十分感じ取ることができました」と言及。その上で「自分のチームがなくなることを知らされたことは大きな衝撃だった。楽天というチームが自分達の取り組んだ運動の結果、誕生したチームというのも思い入れを持った1つの大きな理由」などと心境を吐露した。
楽天の三木谷浩史オーナーは17日、岩隈問題について、9月23日の労使交渉でオリックス・小泉球団社長と選手会の間で行われた会談内容の情報開示をあらためて求めた。日本サッカー協会でのラジオ番組収録後「基本的には選手会とオリックスさんの問題だということ。どういう経緯でどういう約束をされたのか。言った言わないの議論になっているが、約束を守るというのがビジネスの原則」と話した。小泉球団社長は9月23日の労使合意後に「プロテクト選手の意思を尊重する」としている。
さらに、小池パ・リーグ会長の「強い要望」について「承認されていないこと、正式な議題にないこと。恣意的な発言はやめるべきだと思う」とピシャリ。今後の成り行き次第では24日のオーナー会議で小池会長に発言の真意を聞く可能性も示唆した。
「(野球は)人気商売なんだからしらけちゃいかんということ。不信感を生むことはやめた方がいい」と選手会とオリックスの公開交渉での決着を主張した。
14日の理事会で提案した「強い要望」が叶わぬ結果となった小池パ・リーグ会長は、東京・銀座の連盟事務所で「残念ですが今後は関係者で話し合い、善処してもらいたい」と話した。連絡を受けた相手はオリックスではなく、岩隈が会見した近鉄球団事務所にいた足高前球団代表からで「小泉社長とは実行委員会で会うから」と週明け20日にも直接事情を聴く。「当事者間で解決するのが1番との見解は変わらない」と当面は静観する。
田尾監督があらためて岩隈問題の早期解決を訴えた。会談で岩隈が最終回答を出しながら結論が先送りされたことに「今までの経緯からしても、今日は結論が出ないと思っていた。だから予想通りといえば予想通り」。その上で「本人に心労というものがある。意外と(来季への)影響は大きいと思うので、早くすっきりして練習をさせてあげたい」と“親心”をのぞかせていた。
パ・リーグの小池唯夫会長は17日、岩隈投手がオリックス入り拒否を回答したことについて「本人も真剣に考えて伝えたと思う。パにとってもエース級の選手。関係者の間でいい解決方法を見つけて欲しい。年内解決?難しいだろうな」と語った。
同会長は14日に「来季はオリックスでプレーし、1年後にあらためて移籍問題を話し合う」との“強い要望”を出したが、岩隈の気持ちを変えることはできなかった。「双方によかれと思って発言したが、それぞれに立場がある」と岩隈に理解を示し、今後については「できることがあればもちろんやりますが、当事者同士で納得いくまで話して欲しい」と話した。
合併球団オリックス入りを拒否している岩隈久志投手は17日、神戸市内のホテルで小泉隆司球団社長と話し合い、あらためて入団を拒否し、楽天へのトレード移籍を希望する意向を伝えたが、オリックス側からは明確な回答は得られなかった。
岩隈は大阪市内で記者会見し「(合併が決まり)この6ヶ月間野球をやってきて辛かった。オリックスではできませんと伝えた。僕の方の最後の結論」と話した。
一方、岩隈に再度残留を要請した小泉社長は、ヤフーBBスタジアム内で記者会見し「オリックス側としては考えを曲げることはない。何度でも会いたいし、引き続き説得したい。期限は設けない」と話した。ただし、岩隈は今後についてプロ野球選手会に一任するとしており、球団側と直接話し合う考えのないことを示した。
オリックス入りを拒否している岩隈久志投手が17日、神戸市内のホテルでオリックス・小泉隆司球団社長と会談。小池パ・リーグ会長が要望した『オリックスで1年間プレーする』案ではなく、楽天への金銭トレード希望を最終決断として伝えた。今後はプロ野球選手会に一任して年内の吉報を待つ岩隈だが、小泉球団社長は交渉続行を強調した。
会見場に現れた岩隈は“初志貫徹”を口にした。
オリックスで1年間プレーするという小池会長の『強い要望』を受けて、2日間の熟考。結論は、やはり「楽天への移籍希望」だった。この日、午後1時に小泉球団社長に電話をして、ケジメの会談を要望。神戸市内のホテルで2時間。球団に最後通告を突きつけた。
岩隈が移籍の可能性の根拠に挙げているのが9月23日、労使交渉の妥結の際に結ばれた「プロテクト(優先保有)にあたっては選手の意思を尊重する」という申し合わせの存在。同僚の礒部らが希望通りプロテクトから外れた事実が、岩隈をかたくなにしている。
「僕は気持ちで投げる投手ですから。割り切れないまま投げるのは無理」。小池案の重みも承知しているが、心がオリックスのマウンドに向かうことはなかった。
「もう僕が会談することはないです。選手会に任せます。年内に決まると思います」。今後は労組・選手会に一任することを明らかにした。ただし、オリックス側としても容認できる回答ではない。交渉の場に選手会が介入すれば、泥沼化は避けられない。23歳は1つの区切りをつけたが、問題の結論は先送りとなった。
岩隈の回答に対し小泉球団社長はあくまで「交渉続行」の強い意向を打ち出した。
統合に伴うプロテクトの後、保有者名簿に岩隈を記載しており、保有権はオリックスにある。ただし、9月のスト回避交渉の際、小泉社長が選手会に「選手の希望を最大限聞く」と約束したのも確か。オリックスも正論だが、岩隈も正論だ。
この日、神戸市内で行われた4度目の交渉では小池案を持ち出し「会長の言葉は重い」と説得した。岩隈に突っぱねられ万策尽きた感のある説得工作も「ウチの姿勢は変わらない」。しかし、小泉社長がそう言い続ける限り、問題の終着点は見えてこない。
パ・リーグの小池唯夫会長は、岩隈のオリックス入り拒否を受け、「残念…。今後はオリックスと岩隈くん、選手会など当事者間で話し合って欲しい」と要望した。同会長は14日の理事会で、岩隈が来季1年間はオリックスでプレー後、本人の意思を尊重する妥協案を提示。メンツをつぶされた格好になったが「岩隈くんは真剣に考えた。年内解決は難しくなった」と分析。コミッショナー裁定に委ねるべきではないとし、週明けに小泉球団社長の考えを聞く方針を示した。
労組・日本プロ野球選手会の松原事務局長はこの日、滞在先のハワイで岩隈の発言を伝え聞いた後に会見に応じ「これ以上混乱を招かず、岩隈君を苦しめずに判断していただきたい。オリックスだけでなく、球界全体で(問題解決に)あたってもらいたい」と改めてオリックスに理解を求めた。「あまり時間がないから帰ってからすぐやります」と帰国後、即座に岩隈と対応を協議する考えを示した。
振り出しに戻った岩隈問題について、楽天・三木谷浩史オーナーは「選手会とオリックスさんの問題」としながらも「不信感を生むことはやめた方がいい。約束を守るのはビジネスの原則」とオリックス・小泉球団社長の姿勢を痛烈批判した。1年間オリックスでプレーした後、岩隈の意思を尊重するという小池私案にも前日、不快感を示していた同オーナーは「不透明な中で物事が進められている」とした上で「どういう経緯でどういう約束をされたのか」と情報開示を求めた。
楽天三木谷浩史オーナーは「岩隈問題」について静観する姿勢だ。「基本的には選手会とオリックスさんとの問題だと思う。前々から言っている通り、どういう経緯でどういう約束がなされたのかがベースにある」。岩隈個人についての発言は避け、タンパリング疑惑をかけられた問題についても「今後の状況次第ですが、先般球団から出したファクス(抗議文)でひとまず終わっている」と落ち着いた口調で話した。
それでも、球界再編問題全体の流れの中で感じてきた旧態依然の体質とは戦い続ける覚悟だ。この日はラジオの収録で日本サッカー協会の川淵キャプテンと対談。24日のオーナー会議を前に、川淵キャプテンから「オーナー会議でいじめられても世論は貴方を支持するはず。(球界改革を)やっていってください」とエールを送られると「今までのタブーを破っていきたい。若い人達のためにも正面からぶつかっていく」と力強く話していた。