わたしはかもめ2004年鴎の便り(12月)

便

12月20日

ロッテ売り上げ増へフロントも補強[報知]

ロッテがヘッドハンティングによるフロントの戦力強化に乗り出すことが20日、明らかになった。来年1月をメドに企画、営業、広報などの各部署に経験者を外部から招聘する。

10億円の売り上げ増へ、球団の中枢を強化する。ロッテの今季の総収入は20億7000万円。「来季は30億円に伸ばす」と瀬戸山代表は、各部門に専門家を招聘することを決めた。企画部長にはインターネットビジネス、地方自治法に詳しい人材を抜擢。IT企業が進出する球界にあって、同代表は「楽天、ソフトバンクには負けられない」と対抗心をのぞかせた。

企画以外にも営業、広報などに合計4、5人を雇用する見込みで、ロッテ本社からでなく、外部からのヘッドハンティングになる。「それぞれの分野のプロフェッショナルを集めます」と瀬戸山代表。売り上げ10億円アップ作戦は、フロント改革からスタートする。

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ロッテ、球団企画部長をIT企業からヘッドハントへ[サンスポ]

楽天、ソフトバンクに負けるな!ロッテが球団企画部長としてIT関連企業から人材をヘッドハンティングすることになった。年明けに正式発表される予定で「ネット中継などITビジネスで活躍してもらえると思う」と瀬戸山球団代表。今後も営業、企画、広報部門で外部から人材登用する方針。「フロントの戦力強化です」(同代表)と球団改革を進める。

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外部人材登用

ロッテが球団フロント強化のため、外部からスペシャリストを招聘することが20日、分かった。来年から企画、営業、広報部にブレーンを置き、観客動員の増加、PR活動を補強する狙いだ。瀬戸山球団代表は「フロントの戦力強化。楽天、ソフトバンクに負けられないからね」と語った。特に企画部長にはIBMなど外資系企業で辣腕を振るった人物が就任する予定だ。加えて各部門の役割を見直し、スムーズな運営を目指す。

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オリ孤立[ニッカン]

◇岩隈問題、実行委で言及も他球団援護なし

プロ野球の実行委員会が20日、都内のホテルで行われた。日本プロ野球組織(NPB)にダイエーからの球団譲渡を申請した通信大手ソフトバンク(孫正義社長)の参入の了承が主な議題だったが、オリックスの小泉隆司球団社長が、楽天への金銭トレードを希望している岩隈久志投手について問題提起。こう着状態の打開へ各球団の援護射撃を求めたが、楽天側から反撃を受け、委員会からも突き放され孤立する形となった。オリックスが窮地に追い込まれた。

ソフトバンクの参入案件を筆頭に、アジアチャンピオンズカップ(仮称)、来季からの交流戦の統一ルールについてなど、様々な議案が話し合われた後だった。小泉球団社長が岩隈問題について切り出した。岩隈問題は、この日の議題ではない。岩隈は合併球団のオリックス入りを拒否し楽天移籍を熱望。話し合いは、膠着状態となっていた。他球団からの“援護射撃”を求めた形ともとれた。

「岩隈問題?出ました。私の方からタンパリングなどの意見を伺った。内容は言えません。他球団の代表に聞いてください」。会議後の小泉球団社長は硬い表情で口をつぐんだ。

突破口として持ち出したのは岩隈に対する楽天のタンパリング問題だった。14日のパ・リーグ理事会で「楽天から謝罪があった」とした小泉社長の発言に対し、楽天側は謝罪した事実はないと「抗議文」を送る騒動に発展した。小泉球団社長はこの日の実行委で「不愉快な思いをした」とあらためて問題視したが、強気な楽天側に押し切られた格好となった。

楽天井上取締役
「タンパリングとして提訴するんですか?」
小泉球団社長
「そのつもりはありません。」
井上取締役
「それでは協約違反なのですか?」
小泉社長
「その証拠を持っている訳ではありません。」

井上取締役は会議でのやりとりを明かし「この件は一件落着」と話した。実行委としてもこれ以上、問題を大きくするつもりはない。セ・リーグ会長の豊蔵一議長が「(交渉の)途中で他球団から声を掛けることがないように、議事録にきちっと残しました」と話すにとどめ、事態の収拾を図った。

「(入団を説得する)オリックスの方向はこれからも一緒です」と小泉球団社長は話したが、岩隈の翻意の可能性は皆無に近い。豊蔵議長は「オリックスと岩隈君の問題。誠意を持って解決して欲しい」とし、実行委からも突き放された形となった。労組・日本プロ野球選手会も今後、問題解決に乗り出す姿勢を示しており、オリックスはますます窮地に追い込まれた。

ロッテ瀬戸山代表
「(岩隈問題について)他球団の保留選手だから、人のところの選手に対してコメントするのは一切やめましょうということになった。9月23日(労使交渉)で、オリックスと近鉄と選手会で別室で話をされたところは(中身は)僕らも分からない。小泉社長は、実行委員会として方向だけでも決めて欲しいようなお気持ちは、おありだったと思う。でも、それは無理。オリックスと岩隈の問題としかいいようがない。」
ヤクルト倉島常務
「岩隈君の話は出ましたけど、楽天さんに譲渡という話になるならほかの球団にも権利はある。(本人の意思に配慮するという合意は)当事者以外は聞いていないから分からないが、現実として譲渡の字にプロテクトの中に入った訳だから、保有選手になっているものを、協約をまげてという訳にはいかないでしょう。選手とオリックスで解決してもらいたい。」
中日伊藤修球団参与
「岩隈個人を特定するんじゃなくて、12球団は、保留選手の契約にかかわるような発言は慎むことにした。(楽天から)タンパリングではないという発言はありました。(オリックスが)タンパリングというなら提訴しろということになるが、そんな問題ではないでしょう。」

◇中村GM、年内更改の勧め

オリックス中村GMがこの日、岩隈問題の決着を契約更改の条件とする谷、川越に対し、年内更改を促す考えを示した。両選手とは既に条件面で合意しており、他選手の問題にこれ以上巻き込むことを避けるのが狙い。「彼らの気持ちはありがたいがスッキリした形で新年を迎えて欲しい」と説明。岩隈問題の年内決着を想定しての動きかという問いには「それは別問題」と話した。

◇選手会松原事務局長、小泉社長と会談へ

労組プロ野球選手会の松原徹事務局長が、近日中にも小泉社長と会談を行う意向を示した。この日、米ハワイから帰国。成田空港で「(球団の)説得が効かなかったということで、岩隈の意思を尊重したい。まず小泉さんとお話をさせてもらいます。いきなり法廷闘争とかはない」と説明。また同事務局長は「小池会長の1年限定案で『そういうもんじゃない』という(岩隈)の気持ちが強くなった印象」と小池私案を真っ向否定。「25人のプロテクトを認めたのも説得をする期間ということだったから。喉元過ぎたら忘れるじゃ困る」と、岩隈の要望を受け入れるように訴えた。

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楽天モー反撃、選手は「岩隈来て」大合唱[ニッカン]

◇タンパリング指摘され「提訴しますか」

岩隈こそがマンパワーだ! 楽天は20日、都内で人気グループ「モーニング娘。」が歌う公式応援歌「THE マンパワー!!!」の発表会を行った。この曲を最後に卒業するリーダー飯田圭織らメンバー12人がキュートなガッツポーズを連発する。特別参加した戸叶、小倉、森谷、近沢の4選手も興奮気味。戸叶は「高橋愛ちゃんもヨッシーもミキティーもみんな好き。優勝して合コンもいいですね!」と、気合を漲らせた。

その楽天にとって、首脳陣も選手も気になるのは岩隈の去就だ。戸叶は「来てくれたら、マンパワーです」とキッパリ。「同じですよ」という小倉も戸叶も恒と尚で文字こそ違えど、岩隈久志と同じ「ヒサシ」。これに愛敬尚史も加えて投手陣に「チーム・ヒサシ」を結成したいだけに力が入る。捕手の近沢(ちなみに昌志)も「年齢も近いしバッテリーを組みたい」と希望した。この4時間後、実行委員会で「他球団の保留選手を『欲しい』と口にするのはやめよう」との申し合わせ事項が成立する前の話だから、ラブコールも仕方ない。

新規参入球団の注目度や本拠地仙台はもちろん、全国の野球ファンの期待の高さを肌で感じる場面が続く。野球ファンの期待が集まって結成された新球団で、なんとか勝ちたい。応援歌「マンパワー」には、球団名は一切出てこない。プロデュースしたつんく♂は「情熱的な人々が集まって生まれた球団をイメージした」と説明した。再編問題を見守り続けたファンの力、耐えた各選手の力で生まれた球団。現段階で戦力的に優勝が厳しいのはプロだから分かっている。だが、戸叶は「優勝する」と、3度も言った。そのためにはマンパワーの核となるエースが欲しい。

戸叶に「楽天のアイドル」と任命される森谷は歌姫達のステージ後「ぜひ一緒に歌いたいです」と遠くをみつめた。一緒に歌うのは、ファンとナインとモー娘と…。マンパワーを待っている。

◇三木谷氏困惑「政治みたい」

楽天の三木谷オーナーはこの日の実行委員会の内容を伝え聞き、困惑の表情を浮かべた。「政治みたいなことはやめようよ。野球なんだから。ただ、僕らが発言して岩隈君を苦しめるのは良くない。岩隈君がかわいそうだよね」と気遣った。14日のパ・リーグ理事会で、井上取締役がタンパリングで謝罪したとされた件が、いまだに納得いかない様子。「名誉毀損だよね。そんな訴えはしないけど、信頼関係でやてるんだから」と漏らした。オリックス宮内オーナーと直接交渉については「公式の場で話す。隠れて会うことはしない」と話すにとどめた。

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交流戦DH、予告先発は結論出ず

来年から導入されるセ・パ交流戦の運営法については継続審議となった。これまでパ・リーグ側から提案されたDH制、予告先発の導入について話し合われたが結論は出ず。阪神野崎球団社長も「セ・リーグは方向性が出ているが、パは色々要望があるようだ」と誤差があったことを示唆。長谷川コミッショナー事務局長は「(両リーグ間で)解釈の違いがあるため1本化を図りたい」と説明、来年1月25日に実行委員会を招集して意見を再調整する。その後、同27日に都内で12球団監督会議(座長=ダイエー王監督予定)を開催し、交流戦のルールなどを決めることになった。

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ボビーが指揮

実行委員会で、来年3月14日に新潟県中越地震のチャリティー試合を行うことが固まった。「日本人選抜対外国人選抜」を予定。東京ドームが有力だ。ロッテのバレンタイン監督の呼び掛けがきっかけだっただけに、瀬戸山代表が「こちらが言い出したことだから」と言うように、外国人選抜はバレンタイン監督が指揮を執る見込み。出場選手は今後、話し合って決める。

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実数発表継続審議

楽天が口火を切り、巨人も賛同している観客の実数発表については継続審議となった。豊蔵座長は「12球団が揃ってというのは難しい」と話し、現状では球団間で「実数」の解釈に誤差があることが明らかになった。公式戦は年間予約席を設けており、空席でも入場者とする球団が多い。有料人員なのか入場者数なのかなどの問題があり、結論は持ち越された。

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オリックス本拠地名称「ヤフー」消滅決定[ニッカン]

オリックスの本拠地「YAHOO!(ヤフー)BBスタジアム」の名称が今季限りで使われなくなることが20日、決まった。施設命名権を持つソフトバンクグループ関係者が神戸市須磨区の球団事務所を訪れ、契約更新しない方針を伝えたもの。今後は神戸市がスポンサーを募集。なおソフトバンク側との契約が残る来年3月31日までは「暫定呼称」が使われる見通し。

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楽天戦力補強に協力申し合わせ

実行委員会では楽天への戦力補強に協力する申し合わせも行われた。楽天は11月の実行委員会でエクスパンションドラフトの実施を主張。しかし、時期的に困難なため見送られた。井上取締役によると、その代替案として、機構側から各球団へ移籍などによる協力が呼び掛けられた。井上取締役は「今後、必要なら各球団に個別にお願いします」。既に、中日、ヤクルトから無償トレードで数選手を譲り受けている。

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ソフトバンク効果、球界もIT時代[ニッカン]

ソフトバンクが早くも球界に新風を吹き込んだ。この日の実行委員会で、ソフトバンクの参入に向け、野球協約が改正されることになった。豊蔵議長が「44条を手直しすることになった」と話した。野球協約44条は放送許可権について定められているが、ラジオ放送、テレビ放送しか想定されていない。ソフトバンクは“本業”のブロードバンド事業を生かし、インターネット上での試合配信を目指している。球界も新時代に対応すべく、IT配信の権利を文面に入れる方向となった。

正式承認を目前にして、「孫改革」が始まった格好だ。この日の最初の議題はソフトバンクの新規参入について。正式承認の場となる24日のオーナー会議で、新チーム名、新ロゴマーク、球団の運営形態を明確に要求されたが、異議なく了承された。ダイエー角田球団代表も「(正式承認に向け)大きな問題はないと思う」と言い切った。観客動員数の発表方法についても、継続審議となったが、孫社長が求めている実数発表の流れだという。

角田代表が孫社長の思いを代弁するかのように言った。「新しいアイデアが色々ある。プロ野球の振興のためにやります」。新生ホークスが今後も球界改革の旗手となる。

◇24日オーナー会議、ダイエー社長出席

ソフトバンクのダイエー買収が正式承認される24日のオーナー会議には、ダイエー本社の蓮見社長が出席する。ダイエー角田球団代表が「ダイエーから蓮見さんが出て、話をすることになる。(球団)株のこともあるので」と語ったもの。既に手続きも終えており、蓮見社長から新球団のチーム名、ロゴ、興行形態などを各球団に伝える。

◇監督会議、王座長

この日の実行委員会では来年1月27日の12球団監督会議で、ダイエー王監督に「座長」を依頼する案が浮上した。交流試合のルール統一が主な議題で、ユニホーム組の意見を尊重すること、両リーグ共に監督経験があることなどから、コミッショナー事務局が候補に挙げた。今後、同事務局が正式に依頼を行う。王監督はこの日、名球界の一員として滞在していたハワイから帰国。実行委員会でソフトバンクの参入が了承されたと聞き「正式決定じゃないけど、少しずつ進んでいるということ」と話していた。

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実行委員会決定事項

(1)ソフトバンク
参入を基本的了承。最終議決は24日オーナー会議で。
(2)楽天のファーム本拠地球場
山形県野球場にする。
(3)西武のファーム命名権
「インボイズ」に売却。興行権は西武。オリックスのサーパス神戸と同方式。
(4)アジアクラブチャンピオンカップ
05年11月10日から4日間東京ドーム。参加は韓国、中国、台湾、日本で、総当りリーグ戦後3位決定戦、決勝を行う。
(5)観客数実数発表
導入の方向で、有料人員か単純入場者数かなど継続審議。
(6)交流戦の試合方式
両リーグ案を事務局レベルで擦り合わせ来年1月25日の実行委員会、同27日の12球団監督会議で取り決める。
(7)新潟県中越地震チャリティー試合
05年3月14日東京ドームで開催。
(8)05年コンベンション
札幌で開催。日本ハムの申し入れ。日時は未定。
(9)野球協約44条
放送許可権にインターネット配信権を加える方向で検討。
(10)プロ野球暴力団等排除協議会小委員会
巨人、阪神、中日、日本ハム、オリックス、ダイエーの6球団担当者で構成。

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岩隈問題進展なし…オリックス孤立無援[報知]

◇実行委突き放す

プロ野球の実行委員会(豊蔵一議長=セ・リーグ会長)が20日、東京・高輪の新高輪プリンスホテルで行われた。オリックスの小泉隆司球団社長が、岩隈問題でタンパリングを疑わせる楽天発言があったことを議題にあげたが、他球団の反応は「当事者の問題」で一致し、“助け舟”は得られず。楽天の井上智治取締役に対しては「不愉快だ」と挑んだものの、反対に「証拠はあるのか?提訴するのか?」と反撃されるなど、会議では岩隈問題の解決は見いだせないままだった。

会議終了間際、小泉球団社長が切り出した。「楽天に来て欲しい、と言っていることが問題になっている」楽天の井上取締役に対し、オリックスが保留権を持つ岩隈へのラブコールはタンパリングにあたるのではないか、と問いただした。

混迷を極める岩隈問題。打開の道を探るため、小泉社長は12球団の代表者が集まる場で問題提起を図った。しかし、やり玉に挙げた相手からは思わぬ逆襲を受けた。

井上取締役
「タンパリングの証拠はあるんですか?」
小泉社長
「証拠がある訳ではない。」
井上取締役
「提訴するんですか?」
小泉社長
「提訴する意向を持っている訳ではない。」

楽天を糾弾し、自身の正当性を訴えようとしたオリックスだったが、真っ向から反論を受ける形となった。

岩隈残留へ、球界世論の後押しを受けたかったオリックスの意向に反して、他球団の反応は冷ややかなものだった。「オリックスと岩隈の問題」(ホークス・角田代表)、「球団と個人の問題」(ロッテ・瀬戸山代表)と各球団は口を揃え、唯一出された“助言”も後押しされるものではなかった。「協約上、オリックスがダメだからといって、楽天に行くのはおかしい。トレード譲渡となったら、他球団にも権利がある」(ヤクルト・倉島常務)と新たな権利を主張する球団も現れた。

結局、今回の件はタンパリングにはあたらない、というのが会議での総意となり、コミッショナー事務局からの提案を受け「保留選手に対して『欲しい』という発言は自粛する」と、申し合わせをするにとどまった。

会議後、パ・リーグの小池会長が「球団、岩隈の間で話し合って解決すべき」と従来の意見を繰り返せば、根来コミッショナーも「当事者間で話しあうべき」と問題の当事者解決を望んだ。孤立したオリックスは、苦しい立場に立たされた。

◇コミッショナー事務局「法律の専門家」常任へ

実行委の豊蔵議長は「政界捜査のプロ」と呼ばれた元東京地検特捜部長の熊崎勝彦弁護士を、企業コンプライアンス(法令順守)の専門家として、1月1日付でコミッショナー事務局に置くことを発表した。任期は未定。

以前から根来泰周コミッショナーが腹案として「(法律の)専門家を置きたい」と明かしていたもので、いわばコミッショナーのアドバイザー。プロ野球暴力団等排除対策協議会や、例えば明大・一場投手への金銭授受問題などに対応し、コミッショナーを助け、場合によっては直接、問題解決に対応する。

熊崎勝彦(くまざき・かつひこ)
1942年1月24日、岐阜県生まれ。62歳。明大法学部卒業。69年に司法試験合格後、72年に検事に。故金丸信・元自民党副総裁の脱税事件や、ゼネコン汚職の捜査指揮で知られ「政界捜査のプロ」と呼ばれる。東京地検特捜部長、最高検察庁公安部長を務めた。現在は開業し、弁護士として活躍中。

◇ソフトバンクダイエー買収24日承認へ

ソフトバンクによるダイエーホークス買収、日本プロ野球組織(NPB)への加盟申請がこの日の実行委員会で大筋了承され、24日のオーナー会議で正式に承認される運びとなった。

同社は既に6日の公開ヒアリングで参入資格に障害なし、との判断を下されており、満場一致での了承だった。ただ、現時点ではチーム名や、ソフトバンク本社が球団を運営するか、新たな子会社を設立するかなどの点が公表されていないこともあって、豊蔵議長は「球団名と球団の形態が明確になっていないので、24日のオーナー会議で決定するとの前提で了承する」と一部条件をつけた。

24日のオーナー会議にはダイエー本社から蓮見敏男社長が出席し、ソフトバンク球団の詳細や球団株式の譲渡などについて報告を行う。ダイエー・角田雅司球団代表は「私の私観としては確実に承認されると思っている」と手応えを口にしていた。

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小泉社長「楽天以外との交換」に固執[報知]

◇球団メンツかけ残留説得続行も

もくろみは、もろくも崩れ去った。オリックス・小泉球団社長は、「岩隈問題」の解決へ、この日の実行委員会で機構サイドや他球団に“援助”を求めたが、現実は厳しかった。会見では「今までと同じということです」と表情をこわばらせた。

実行委員会の終了後、都内港区のオリックス本社近くのビルで待つ宮内義彦オーナーのもとへ走り、善後策を練った。球団内では、既に「残留しなくても、楽天だけにはいかせてはならない。悪い前例になってしまう」という声もあがっていることから「楽天以外の放出やむなし」との意思確認がなされたと見られる。

宮内オーナーは公務のため、24日のオーナー会議を欠席予定。小泉社長が代理出席し、再び他球団に共闘を呼びかけても、苦戦は必至だろう。球団のメンツを保つために表面上は「残留説得を続ける」としているが、同社長はプロ野球選手会や、楽天首脳との交渉も視野に入れ始めている。その席で「楽天以外でもOK」という妥協点を導き出し、交換トレードに持ち込みたい構えだ。

◇松原事務局長21日小泉社長と会談

選手会の松原事務局長は、岩隈がオリックス入団を正式に拒否したことを受けて「明日(21日)にも(オリックスの)小泉さんと話をしたい。岩隈の意思を尊重してあげたい」と今後の交渉を選手会が引き受ける考えを明かした。

これまでは「オリックスが岩隈君を説得している時期」と推移を見守ってきたが、17日に岩隈が小泉社長に対し「楽天希望」の最終結論を伝え、選手会に交渉を一任することを希望。ついに事態収拾へ動き出すことになった。

解決の方法について、同事務局長は「とにかく小泉さんと話し合います。岩隈もオリックスも傷つけたくない」と円満解決を目指すことを強調。オリックスが協約上の正当性を主張していることにも「あえて反論はしないが、そもそも合併が協約になかったこと」と話した。

また、古田敦也選手会会長はハワイで自主トレ中のため、交渉にはタッチしないという。

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楽天以外の他球団も!急展開…「岩隈争奪戦」勃発も[サンスポ]

プロ野球の実行委員会が20日、都内のホテルで開かれ、オリックス入りを拒否する岩隈久志投手の移籍問題が急展開だ。放出が決定した場合、岩隈が希望する楽天以外の他球団も獲得のチャンスがある、と複数の球団が声をあげ、争奪戦に発展する可能性が出てきた。また、日本プロ野球組織(NPB)は、オリックスと岩隈の話し合いが終わるまで、他球団はこの問題に関する発言を控えるよう指示した。

パ・リーグ最多勝右腕をめぐり、複数球団による争奪戦が勃発する可能性が出てきた。

実行委員会の終盤、オリックスの小泉球団社長が混迷する岩隈問題を議題にあげた。「マスコミ報道では、楽天関係者が岩隈を欲しいといっているように思うが…」。岩隈が入団を希望する楽天に対する“口撃”。会場は静まり返った。だが、タンパリング(事前交渉)疑惑をかけられた楽天の井上球団取締役も黙ってはいない。

「オリックスが、タンパリングで(楽天を)提訴するということですか?」。小泉社長はタンパリングの証拠や提訴はないと説明、両者の言い合いは収まった。

ところが、ここから事態は急展開した。席上、日本ハムなど2球団から「オリックスがダメなら、岩隈(の獲得)を申し込む」との発言が出たという。ヤクルトの倉島常務も実行委後、「オリックスと選手の話し合い」としながらも、「岩隈のトレード譲渡になれば、他球団の“参戦権”はある」と持論を展開した。

岩隈の「楽天希望」は揺るぎない。9月のスト回避交渉の際、小泉社長が選手会に「選手の希望を最大限に聞く」と約束しているからだ。NPBと他球団の代表は混乱を避けるため、移籍問題はオリックスと岩隈、さらに本人が交渉を一任する労組・選手会の3者間で話し合うことで一致。実行委議長を務める豊蔵セ会長は議事録に、「特定球団に保有権のある(岩隈)選手は、他球団が欲しいといわない」と残したことを明かした。

ただ、岩隈の放出が決まれば、数球団が獲得へ名乗りを上げるのは必至。移籍問題は解決するどころか、混迷を深めるばかりだ。

岩隈
「選手会に任せることに変わりはありません。年内に解決して欲しいし、僕もオリックスにしても、お互い早く決めてスッキリした形で新年を迎えられればいいと思います。これからは選手会と連絡をとります。」(実行委の内容を伝え聞いて)

◇調整役に王監督

この日の実行委では、来季からの交流試合でのセ・パのルール一本化に向けて、12球団の監督の調整役をダイエー・王貞治監督に委任することになった。DH制、予告先発などのルール調整は機構側だけで決めるのではなく、現場の声も取り入れる方針。そこで巨人、ダイエーと両リーグ通算で15年間、監督を務めている王監督に白羽の矢が立った。長谷川コミッショナー事務局長は「ユニホームを着ている人の中でのまとめ役をやってもらいたい」と期待を寄せている。

◇オリックス・小泉球団社長「私からは話せない」

オリックスの小泉球団社長は、実行委員会の議題ではなかった岩隈問題を、あえてテーブルに上げた。

一連の騒動に関する他球団からの発言に、「(タンパリングの)疑念をもたれるようなことは自粛すべき」と、楽天の岩隈への発言に改めて不快感を示した。会議後にコメントしたのもこの件だけ。複数の球団から、岩隈をリリースすることになった場合、獲得に名乗りを上げる権利はあるという意見が出たことについても、会議の内容を語ろうとはしなかった。「他の代表に聞いてください。私から話をすると、誤解があるといけないので。どういう中身だったかは答えられない」。岩隈本人、労組・選手会側との会談についても「分からない」の一点張り。今後の対応策も明かそうとはしなかった。

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岩隈に「第3の道」、他球団へトレードも[スポニチ]

プロ野球実行委員会が20日、東京・港区の新高輪プリンスホテルで開かれ、合併によるオリックス入団を拒否する岩隈久志投手の問題が話題となり、野球協約上、オリックスの保有選手であり、岩隈が希望する楽天をはじめ、全球団とトレード可能との解釈を確認した。当事者間で解決すべきとの前提はあるが、オリックス残留か楽天移籍かで平行線をたどる問題に、他球団へのトレードという「第3の道」も見えた格好となった。

実行委員会が一通りの議題を終え「その他」に移った時、オリックスの小泉隆司球団社長が「岩隈投手の問題を議題として取り上げてもらいたい」と切り出した。

小泉社長は岩隈を説得中だが平行線との現状、楽天のタンパリング疑惑について報告。「皆さんの意見をお聞かせください」と問題提起した。実行委員会は「オリックスと岩隈との問題」として、議題としては受け付けなかったが、野球協約上の解釈をあらためて確認する作業を行った。

ヤクルト・倉島球団常務が説明する。「基本的には岩隈の保留権はオリックスにある。オリックスと岩隈が話し合う問題なのだが、野球協約を曲げてまでどうこうするのはいかがなものか。楽天に移るとしても協約上は契約の譲渡、トレードになる。その場合、他球団にも(トレードで獲得する)権利があるというのが各球団の見解です」。

今月7日、オリックスの中村勝広GMが長谷川一雄コミッショナー事務局長を訪問して確認した内容と同じで、協約順守の視点は実行委員会としては至極当然の見解といえる。

問題の焦点となる9月23日労使合意での「プロテクトにあたっては選手の意思を尊重する」の申し合わせは当事者だけが「密室」で行った。オリックス・小泉社長、近鉄・足高代表と労組・日本プロ野球選手会の古田会長、松原事務局長、近鉄の礒部選手会長、双方の弁護士らが別室で行った。ロッテ・瀬戸山代表は「別室の話で文書もない。具体的には分からない」と話す。

「他球団とのトレード可能」の見解に「岩隈との交渉が決着し放出となれば」の前提で、複数球団から獲得名乗りの声も上がったという。楽天の井上取締役は「冗談と認識している」と語るが、オリックス残留、楽天移籍に加え「他球団移籍」も理論上は可能。現にオリックス球団内部で既に案が出たこともある。長期化する問題は岩隈が選手会に協力要請し新局面を迎える。「どうなるか分からない」と苦悩する小泉社長の頭に「第3の道」も映っているかもしれない。

◇選手会は反発

実行委員会の解釈に、選手会は真っ向から反発した。ハワイでの選手会イベントを終え20日、帰国した松原徹選手会事務局長は成田空港で「原点は野球協約にない営業権譲渡から始まっている。そこで25人をプロテクトし分配ドラフトにかけると話し合った。野球協約うんぬんを論じるのはおかしい」と“選手の意思尊重”に至った9・23労使合意を順守すべきと再度訴えた。

その上で「小泉さんと話をさせてもらう。いきなり法廷闘争はないし、どちらも傷つけたくはない。ただ互いが決めたルールは守っていかないと泥沼化してしまう。年内には解決したい」と語った。

まず双方の顧問弁護士が解決策を話し合った上で、21日にも「小泉−松原会談」が実現する。

◇岩隈「年内に」

渦中の岩隈は従来通りのスタンスを崩さなかった。「僕は最終判断したし、選手会に任せることには変わりありません。年内に解決して欲しいし、僕もオリックスにしても、すっきりした形で新年を迎えられればいいと思います」とコメント。17日に「楽天へ金銭トレードして欲しい」とオリックス・小泉球団社長に最終回答しており、解決策は選手会に一任している状況だ。

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実行委、ソフトバンク参入を了承−24日に正式承認[サンスポ]

20日、都内のホテルで開かれたプロ野球の実行委員会は、日本プロ野球組織(NPB)にダイエーからの球団譲渡を申請していた情報通信大手ソフトバンク(孫正義社長)の参入を了承した。24日に予定されるオーナー会議で正式承認される見通し。新球団名、新しいロゴ、新球団の運営形態などは発表されなかった。

また、既に巨人、阪神など一部の球団が導入する方向の観衆の実数発表は12球団が一致して行う方針を確認するとともに、野球協約第44条を改正、球団が持つ放送許可権を従来のテレビとラジオにインターネットも加えることを決めた。

さらに日本、韓国、台湾、中国の4ヶ国の国内覇者によるアジアクラブチャンピオンズカップを11月10日から4日間、東京ドームで行うことを内定。また日本人選抜と外国人選抜選手による、新潟県中越地震被災地チャリティー試合を3月14日に東京ドームで開催する方針を固めた。

◇コミッショナー顧問に元特捜エース、熊崎氏を招聘

球界、各球団のコンプライアンス(規範順守)を進めるため、根来泰周コミッショナーの顧問として、元最高検公安部長の熊崎勝彦氏を招聘することが決まった。同氏は故金丸信・元自民党副総裁の脱税事件や、ゼネコン汚職など、東京地検特捜部で多くの捜査を指揮した「特捜のエース」。来年1月の定年を前に今年9月に勇退。母校の明大法科大学院で教壇に立つほか、弁護士として企業のコンプライアンスに取り組むとしていた。

◇ヤフーBBスタジアムの命名権契約は来年3月で終了

ソフトバンクBB(本社・東京)とヤフーはこの日、「ヤフーBBスタジアム」(神戸市)の命名権(ネーミングライツ)契約を、来年3月末で終了すると発表。オリックス側はこれを受け、「命名権はもう募集しない」と表明した。来季からは以前の「グリーンスタジアム神戸」に戻るとみられるが、スタジアムを所有する神戸市は命名権のセールスチームを設置。新スポンサー探しに乗り出す方針。オリックスは08年以降、本拠地を大阪ドームに1本化する意向を示しており、新スポンサー獲得は難航しそうだ。

◇西武が2軍命名権を売却

西武が2軍の命名権(ネーミングライツ)売却を含めたスポンサー契約を情報通信サービス会社「インボイス」と結ぶことで大筋合意し、実行委で全球団から承認された。「独自の経営方針の第1歩と考えている。これからもずっと契約できれば」と黒岩彰球団代表。2年4億円程度の契約とみられ、24日のオーナー会議後に正式に契約。チーム名や新ユニホームについては近日中に発表される。

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来年11月にプロ野球のアジア杯開催[スポニチ]

実行委員会では日本、韓国、台湾、中国の各プロリーグ王者による「アジアチャンピオンズカップ(仮称)」を来年11月10日から13日まで東京ドームで開催する案を固めた。今後は各国・地域と調整して決定される。

新潟県中越地震のチャリティー試合として、来年3月14日に東京ドームで日本人選抜―外国人選抜を開催することで合意。新規参入する楽天の2軍本拠地を山形県野球場(同県中山町)とし、西武2軍の来季からのインボイス社へのネーミングライツ(命名権)売却も承認した。また、観客動員数は実数に近い数字で発表する方向で検討することになった。さらにテレビ、ラジオなどの放送許可権を定めた野球協約44条を改正。有線放送、インターネット・携帯電話などを利用した送信を加えた。

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楽天が2軍命名権の売却を検討[スポニチ]

楽天が来季からの2軍のネーミングライツ(命名権)売却を検討していることが20日、分かった。既に14日のパ・リーグ理事会で報告しており、この日の実行委員会では2軍の本拠地が山形に正式承認され、売却先について機構側から「1月の早い時期をメドに売却先を決定して欲しい」との要望が出された。

井上智治球団取締役は「現在3、4社と交渉を行っている。機構側の要望に沿って1月上旬までには売却先を決定したい」と説明。命名権売却はオリックスが00年から2軍の命名権を穴吹工務店(本社・高松市)に3年6億円で売却したほか、西武も情報通信サービス会社「インボイス」への命名権売却が実行委員会で承認された。楽天関係者によると複数年契約を結ぶ予定で、地元・山形の企業を中心に選定している。

既に県営宮城球場の命名権についても、三木谷オーナーが7日に宮城県・浅野知事と会談し導入することで合意。三木谷オーナーは「4年後と言わず早期黒字化を目指す」と話している。2軍命名権売却と共に、球団の貴重な収入源となるのは間違いない。

◇初のスカウト会議

仙台市内の球団事務所でキーナートGM、広野編成部長を中心に球団として初めてのスカウト会議を開いた。韓国、中国を中心とするアジア担当を置くほか、北海道から沖縄までの7地区で完全駐在制とすることを決定。キーナートGMが「全国各地のスカウト網だけでなく、アジアにも目を向けていく」と話す通り幅広くスカウト活動することになった。

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