諸積、藤田が契約交渉で保留した。諸積は昨年は5525万から49%減、今年はさらに2800万円から20%減の2240万円の提示を保留。Bクラスの他球団で自分に近い成績の年俸リストを自ら作成して臨んだが「半分なきました。おかしい。こんなことは許されない」と涙目。藤田は今季5800万円から7000万円の提示を保留し「自費キャンプ?そうなったら行かない。こっちでも練習はできる。それぐらいの覚悟を持っている」と越年も辞さぬ構えだ。
来年3月26日のパ・リーグ開幕戦で、楽天を迎え撃つロッテは、重光オーナー代行が「開幕企画」に参加する。「開幕戦は注目度が高いし、今までの野球にないぐらいの大きなイベントをやりたい」と語った。具体的には今後、煮詰めるが「バレンタインさんとEメールでやり取りしながら、開幕に向けて動きを起こしたい。詳細はお楽しみに」と2トップで取り組む。
選手名 | 年俸 | 前年比 |
---|---|---|
藤田 | 保留 | |
諸積 | 保留 |
24日、戸部が成田春香さん(32歳・元会社員)との入籍を発表した。挙式は年明けの1月13日の予定。昨シーズンは終盤1軍に定着しながら、今シーズンは12試合の登板に終わった。入籍し、心機一転、来シーズンを迎えることになった戸部は、「これからは1人ではないので、これまで以上にチームの勝利に貢献できる様、一生懸命頑張ります」とコメントした。
ロッテのベテランが揃って吠えた。中継ぎでリーグ2位の62試合に登板した32歳の藤田は、1200万円増の7000万円を保留。「やったときに上げてもらわないと。納得するまで何度でも来ます」と怒り心頭。2度目の交渉に臨んだ35歳の諸積も、前回と同じ560万円減の2240万円を再保留。「97試合も出てダウンなら、出なくてもいいんじゃないかと思ってしまう。悪くても現状維持、これは譲れません」。ともに越年辞さずの構えだ。
ロッテは、戸部浩投手が秋田県在住の元会社員、成田光博さん(65)の次女、春香さん(32)=元会社員=と入籍したと発表した。挙式は来年1月13日の予定。
来季から導入されるセ・パ交流戦。球界構造不況に苦しむパ・リーグを救うべく決まった球界史上初の試みは、“ドル箱”巨人戦が赤字の各球団に恩恵をもたらすはずだったが…。
「実に厳しい状況。現時点で放映権料のオファーがゼロの球団もあるほどだ」(球界関係者)。パ各球団の営業担当者が頭を抱えている。
交流戦の導入は今季の再編騒動の副産物。来季以降も12球団2リーグで行うことが決まったが、赤字体質は変わらぬままのパ救済策として交流戦の導入が決定。「1試合の放映権料が1億円」という定説?を持つ巨人戦がパ各球団を救うことになっていた。
来季から実施される交流戦は各チーム36試合が組まれ、うち主催の巨人戦は3試合。定説通りなら、パ各球団は3億円の収入が見込まれた。
だが、現実は甘くはなかった。「とんでもない話。特に厳しいのはロッテ。主催の巨人戦3試合にオファーは現時点でなし。TV各局が巨人戦では視聴率を取れないのを知っているから腰が引けている」(球界関係者)。巨人戦の視聴率低迷に悲鳴をあげているキー局が集中する首都圏の球団という事情も災いしているようだ。
その一方で、来季から参入の新球団楽天は、「TV各局はキー局として仙台の系列局を救おうと楽天にオファーをかけている」(放送関係者)のだとか。それでも「1試合200〜300万円が相場」(同)で、厳冬モードに変わりはない。
金を生むはずの交流戦が、もし空振りに終われば、球界は新たな再編劇へと突っ走る可能性を秘めている。
プロ野球の臨時オーナー会議が24日、東京・港区の新高輪プリンスホテルで開かれ、ダイエーから情報通信大手ソフトバンクへの球団譲渡が全会一致で正式承認された。新球団名は「福岡ソフトバンクホークス」。坂本龍馬の「海援隊」の旗印をモチーフにした新ロゴマークも発表された。福岡市内で会見した同社社長の孫正義新オーナーは、龍馬のごとき大きな志で球界に新風を吹き込むと宣言した。
新生ホークスがパシフィックへ船出した。念願の球団買収。孫オーナーは「ソン・タクロースです」と、王監督と一緒にサンタクロースの帽子をかぶるパフォーマンスまで披露した。イブに誕生した新球団。福岡市内のホテルで会見に臨んだその表情は、自信と決意に満ちあふれていた。
「野球革命を一気に進めていく。知識と情報を武器に新しい時代を読んだ坂本龍馬のように、大きな志を持って野球界に新しい時代を呼びたい」。日本テレコム、ヤフーなど所有企業を統一する新しいブランド名も検討、候補は500以上にのぼったが、球団名は「福岡ソフトバンクホークス」に。
頭髪が薄いオーナー。「(ハゲタカの)コンドルスとの案もあったが、オーナーのヘアスタイルが…。最終的には1番オーソドックスなところに落ち着いた」と笑わせた。「福岡」「ホークス」は残して欲しいというファンの要望にも応えた。同様に応援歌もこれまでのものを採用する。そんな原点を大事にする姿勢の一方で、ロゴマークには熱い思いを込めた。
「私が日本人で1番尊敬する人物。その志と思いをいただいた」。坂本龍馬が率いた「海援隊」の赤、白、赤という3本線の旗印をモチーフに、赤の部分をソフトバンクの企業カラー「黄色」に変えたロゴマークを採用した。目指すは球界維新。インターネットを駆使した野球中継、携帯電話をチケット代わりに使用するサービス。「新しい大胆な取り組みにも挑戦したい」とその決意は揺るぎない。
「本当の意味で歓迎されるには言葉より実行。みんなから愛されている球団を、より立派にするのが責務だ」。球界再編の末に誕生した新生ホークス。孫オーナーが龍馬のごとく、球界に維新の風を吹き込む。
プロ野球の臨時オーナー会議(議長=巨人・滝鼻卓雄オーナー)が24日、都内で開かれ、情報通信大手ソフトバンクのダイエー球団買収が正式承認された。新オーナーとなった孫正義社長は、福岡市内で王貞治監督と共に会見。新球団名『福岡ソフトバンクホークス』と、幕末の志士・坂本龍馬が率いた海援隊の隊旗をモチーフにしたロゴマークを発表した。孫&王の最強タッグで球界維新を目指す。
まさに坂本龍馬のような気分だった。傍らでは黄と白の“海援隊旗”が揺れる。念願だった新生ホークスが、クリスマスイブに誕生。新オーナーとなる孫社長は力強く、第1声を発した。
待ちに待った瞬間だった。臨時オーナー会議で全会一致での譲渡承認を電話で聞いた孫社長は記者会見で「受験生のようだった」と心境を吐露。準備した新ロゴマークは尊敬する坂本龍馬率いる海援隊の隊旗をモチーフにし、企業カラーの黄色に染め上げていた。
常に世界を視野に、日本の未来を考えていた龍馬に憧れてきた。「ちっぽけな男じゃなく、大きな志を持ちたかった」。司馬遼太郎の名著『竜馬がゆく』を読み、16歳での単身渡米を決意。持論の「世界一のチームしたい」という志の原点は、ロゴにも凝縮されていた。
地元・福岡にも最大限の配慮を示した。500もあった候補から検討した結果、球団名は『福岡ソフトバンクホークス』に決定。17日の幹部会で最終決定していた。
「同じ鷹でもオーナー(の頭髪)がそうだから」と、コンドル(ハゲタカ)も候補に挙がっていたと笑わせたが、「名前そのものにファンの強い思いがあった」と地元の熱い要望に配慮。愛唱される応援歌もほぼそのまま引き継ぐことにした。
新生ホークスでGMを兼任する王監督も「クリスマスイブに、大きなプレゼントをいただいた。孫社長は日本一じゃなく、世界一が夢。道のりは長いが、目指せるように頑張りたい」と新たな決意を明かした。
「清く、正しく、みんなに愛される球界になって欲しい」と孫社長。その目は日本球界の先の先までを見据えている。孫社長と王監督。お互い、1つの道を究めた者同士の最強タッグが、球界に維新を呼び込む。
16年の歴史に幕を閉じ、球界から撤退するダイエーは、最後のオーナー会議に、中内正オーナーの代理としてダイエー本社の蓮見敏男社長が出席した。同社長は「16年間、地元や全国のファンに支えられ、福岡で強いチームにつくり上げて誇りに思っている」と感慨深げな様子。中内オーナーが欠席したことについては「株の売買はダイエー自身が当事者だから(自分が)各オーナーに説明するのが筋だと思った」と説明した。
再編問題に揺れたプロ野球界は24日、『福岡ソフトバンクホークス』の誕生で、激動の1年を締めくくった。だが、一連の問題がこれで終わった訳ではない。この日の臨時オーナー会議では、興行権を事実上売り渡していたダイエーと米投資会社コロニーキャピタルとの契約の二の舞を避けるため、球団運営会社と興行会社間との契約に、球界のルール順守を盛り込むことを強く要望。来季も波乱の芽はまだ残っていることを予感させた。
異常契約は2度と許さない。ダイエー問題で苦汁をなめたオーナー会議の決意が、ソフトバンクへの強い要望になって表れた。ホークス球団株式の譲渡は「全員賛成で承認した」(滝鼻議長)という。だがソフトバンクが、ホークスの興行権を球団と別会社で管理する方針が報告されると、強い反応が起こった。
ダイエー球団の興行権は年間30億円で、福岡ドームと隣接するホテルを経営する「ホークスタウン」に譲渡されていた。30年契約と高額な賠償金など、実質的には球団運営にまで踏み込んだ契約で、野球協約を踏みにじる内容でもあった。
この契約に関してソフトバンクの孫社長はこの日のオーナー会議で「解約する」と回答。重ねて球団運営を「福岡ソフトバンクホークス株式会社」、興行を「福岡ソフトバンクホークスマーケティング株式会社(仮称)」と、いずれも100%子会社が握ると回答。
だがこれに「若干の議論があった」と滝鼻議長。オーナー会議はソフトバンクがNPBと交わす誓約書で、『協約など球界のルールの支配下にあること』を明記することを希望。加えて運営会社と興行会社間の契約にもその趣旨を盛り込むことを強く要望した。
再編論議の渦中に、ダイエーとロッテの合併が模索された時には、この異常契約がネックになった。球界の秩序を守る意味合いもある。合併、新規参入、買収と大きく揺れ動いた球界は、秩序回復が、激動の1年の締めくくりになった。
オーナー会議議長を務めた巨人・滝鼻オーナーは「(プロ野球)70年の歴史で今年は変革の年だったとつくづく思う」と激動の1年を振り返った。「プロ野球の人気が議論されたが、視聴率の低迷もその1つだった。従来の人気にあぐらをかいて、球界の運営をしていくべきではない。間断のない改善をすることが必要。(巨人では)チームとファンの距離感を縮めていく」と、人気低下を認めた上で改革を宣言した。
滝鼻議長が永久失格選手の名誉回復を発議した。「失格から20年、30年経過している人の名誉回復の手段がない。本人が(回復を)申し出てくることが前提だが、認めてもいい」と同議長。野球協約第177条で故意の敗退行為や勝敗に関する賭博などを行った者を永久失格選手とする一方で、名誉回復の規定がない。コミッショナー事務局が今後、協約の改訂などを検討し「1月25日の実行委員会には叩き台を出して、7月のオーナー会議で承認を目指したい」(長谷川事務局長)と前向きに取り組む。
新生ホークスが「海援隊」になる。プロ野球の臨時オーナー会議(滝鼻卓雄議長=巨人)は24日、東京・高輪の新高輪プリンスホテルで、全会一致で情報通信大手「ソフトバンク」に福岡ダイエーホークスを譲渡することを正式承認した。オーナーとなったソフトバンク・孫正義社長は福岡市内で会見。新球団名「福岡ソフトバンクホークス」と、坂本竜馬が率いた海援隊の隊旗からイメージした黄色2本線の企業ロゴマークも発表した。
尊敬する竜馬のスライドの前で孫オーナーが胸を張った。球団ロゴマークとして、発表したソフトバンク・グループのCI(コーポレートアイデンティティ)は、赤2本線の「海援隊」の隊旗の色だけを変えたもの。「竜馬は知識と情報を使って新しい時代を呼び込んだ。その志を引き継ぎたい」と改めて球界改革の強い意志を表した。
球団買収構想を発表してから約2ヶ月。インターネットを駆使した試合中継やチケット販売、観客動員の実数発表、ドラフト改革などさまざまな改革案を提案してきたが、いよいよ本格的な“孫流維新”が幕開けする。
この日、地元財界人と会談した後、王監督の案内で初めて福岡ドームを見学。「もっとファンと選手との交流を広められるようなものになれば」と神戸球場のように一、三塁にフィールドシート設置を検討することを明言。IT企業らしく、観客席に無線LANを張り巡らし、携帯端末機に選手データなどを配信するプランも披露した。
新規参入の楽天に負けじと、得意の情報技術を駆使し収益を上げるビジネスモデルの構築を掲げる。だが、同時に孫オーナーは球団を企業知名度やブランド力を向上させる「広告塔」としても考えている。「新規顧客獲得費用が約1000億円。野球で知名度が1割上がれば(100億円の効果があり)球団が赤字でもトータルでプラスになる」と話してきた。
球団赤字を親会社が広告宣伝費の名目で補填してきた時代から自立経営が迫られている今、球団保有による宣伝効果を重視する考えは時代に逆行するが、これもまた、孫オーナーの挑戦だ。
斬新な改革アイデアを出す一方で、ソフトランディングを目指した部分もある。ホークスを継承した球団名と共に、応援歌「いざゆけ若鷹軍団」も若干のアレンジを加えて存続を発表。マスコットキャラクターも存続させるなど、慣れ親しんできた博多っ子の思いに十分、配慮を示した。
変革と踏襲の相反する戦略は「ファン第1」が共通項。「みんなのホークスをより大きくするための支援をしていきたい。いずれはアジアリーグ、真のワールドシリーズを目指せるよう努力していきたい」大荒れだった球界の大海原へ、夢いっぱいの新生ホークスが船出した。
注目の球団名は最もオーソドックスなものとなった。「500以上の名前の候補を出した。専門家に高いお金を出したし、社内でも意見交換した。グループ全体の新しい名前として、会社名ごと変えることも考えたが、360度回転して最後に落ち着いた」と孫社長は説明。中には「ホークス」を新オーナーの薄い頭髪に引っかけた「コンドルズ」という珍プランがあったことも明かし、会場の笑いを誘っていた。
新球団名発表の会見に先立って、孫オーナーは会見場となった福岡市内のホテルで王監督と「新球団と市民の集い」に姿を見せた。会には孫オーナーの母校、福岡市立城南中の生徒や少年野球チームのメンバーら130人以上が参加。サンタクロースの帽子をかぶった孫オーナーは自らを「ソン・タクロース」と呼び、個人で少年野球の大会を開くアイデアを披露。「具体的な方法は今後検討するが、全予選をインターネットで流して、優勝決定戦はドームでやりたい」と話し、子供達を喜ばせた。
「福岡ソフトバンクホークス」が誕生した。24日、都内で12球団オーナー会議が開かれ、通信大手ソフトバンクのダイエーホークス買収が正式に承認された。孫正義社長は福岡市内で記者会見を開き、新球団名と共に新ロゴマークなどを発表。尊敬する坂本竜馬が率いた「海援隊」の隊旗から発想したもので、球界の開拓者となることを宣言した。孫社長の目指す世界一のチームへ、新生ホークスが船出した。
新たなロゴマークが、孫社長の球界参入にかけた思いの強さを表していた。発表されたロゴマークは白地に上下2本の黄色ライン。幕末の開拓者、坂本竜馬が手がけた海援隊の隊旗がヒントだ。黄色の部分を赤色にすれば、そのまま海援隊の隊旗だ。会見場で大型スクリーンに近代国家設立を目指した坂本竜馬を紹介をし、ロゴマーク決定のいきさつを明かした。
球団ロゴマークは、ソフトバンク・グループの新たなC.I.(コーポレートアイデンティティー)ロゴマークでもある。経営母体のロゴを球団誕生と同時に変えるあたりに、ホークスにかける思いの強さを滲ませた。16歳の時、夏休みに米国へ留学したのも竜馬への憧れ。「坂本竜馬がつくった海援隊のように、新しい時代を呼び込む力をつけ、(球界を)明るくしたい。精一杯頑張りたい」。斬新な考え方で改革を目指した坂本竜馬と同じく、球界の開拓者となることを力強く宣言した。
新球団名は「福岡ソフトバンクホークス」とオーソドックスなものとなった。500以上の候補に頭を悩ませたが「勝手に変えて欲しくない気持ちが伝わってきた」。地元密着を目指す孫社長らしい最大限の配慮だった。応援歌「いざゆけ若鷹軍団」も大半の歌詞やメロディーを引き継ぐ。キャラクターのデザインはそのまま採用した。
新オーナーとして、球界改革の大仕事が待っている。「清く、正しく、愛される球界にしたい」。ブロードバンド事業を生かしたチケット、グッズ販売、観客席にLAN回線を引くプランに世界一決定戦とアイデアは数知れない。「福岡ソフトバンクホークス」。04年のクリスマスイブに、球界を変えるべく、新球団は誕生した。
新チーム誕生と共に、王監督が「世界一」を宣言した。福岡市内で行われたイベントに孫社長と出席。「孫さんは日本一ではなく世界一になる、とうかがっている。孫さんと皆さんの支えを受け、日本一、世界一を目指して進むことができれば素晴らしい」と世界一のチームを目指すことを明言した。
この日は福岡入りする孫社長を福岡ドームで待ち受け、自ら場内を案内した。承認後の記者会見では「この10年間でホークスと地元の縁は切っても切れない、ほかの11球団より強い、というのを感じた。ホークスという名前、キャラクターを残してくれたことを嬉しく思う」とソフトバンクへの謝意を示した。17日に市議会で福岡名誉市民に承認されたことも公表された王監督は「結果を出すしかない。それをファンも求めている」と新チームの初優勝を誓った。
ダイエー中内正オーナーは「ホークス」の存続に「素直に嬉しい。地元の希望でもあったし、本当に良かった」と感慨深げだった。「ロゴも球団名も新しくなったが、これも時代の流れ。我々以上にファン、地元に愛されるチームをつくって欲しい」と話した。
新ユニホームのお披露目は、来年1月30日に福岡ドームで開催予定の「発足式」に持ち越された。ただ、新ロゴマークに黄色が入ったことから、新ユニホームにも採用されるのは確実。これまではホームとロード用の2種類だったが、曜日ごとに替える案や、昼夜で使い分ける案もある。関係者は「何種類もあるので、まだ、協議をしている段階です」と話した。
新チーム名について、孫社長は会見の中で「500くらいの候補があった」ことを明かし、その中に「コンドルス」があったことを披露。「同じタカでもヘアスタイルが特殊。オーナーの髪形がこうだとそうなるのかな、と」。ちょっぴり寂しい自らの髪をヒントにしたと思われる名前に苦笑いを浮かべた。ちなみにコンドルは頭や首に毛がないハゲタカのこと。
臨時オーナー会議で、ダイエーからソフトバンクへの株式譲渡は満場一致で承認された。ただ滝鼻議長(巨人オーナー)は「会議内では若干の議論がありました」という。球団運営が「福岡ソフトバンクホークス」、チケットやグッズ販売、放送権管理など興行はソフトバンク100%子会社である「福岡ソフトバンク・マーケティング」と別会社になっている点に質問が出た。同議長は「同グループ内であっても両者に資金の移転があるのか、営業会社が運営会社を支配する危険があるのか、今後も100%子会社でありつづけるのかなど問い合わせがあった」。オーナー会議として、譲渡完了する来年1月28日までに、球団と日本プロ野球組織(NPB)が交わす誓約書の中に「野球協約、アグリーメントなどルールに支配される会社であること」を盛り込む。また、両者間が交わす契約書にも盛り込むなどの要望を出した。同議長は「それは実行されると思います」。
ダイエーにとって最後となるオーナー会議には、本社の蓮見敏男社長が臨時代理人として出席した。「株の売買はダイエー自身が当事者ですから(自分が)各オーナーに説明するのがスジだと思った。中内オーナーの出席は予定になかった」と説明した。
この日、正式に16年間の歴史に幕を下ろし、球界からの撤退が承認された。「地元や全国のファンに支えられ、強いチームをつくり上げたことを誇りに思う」。88年11月に何回からチームを引き継ぎ、パ・リーグNO.1の人気球団にしてみせた。「大阪から(福岡に)行くときはファンづくりをゼロからやった。地域に愛される球団を切に希望しております」。
中内オーナーは引き続き球団株2%を保有するという。ダイエーも球団経営からは離れるが、応援セールなどでかかわりは持っていく。「リレーションは続けさせていただく。強い球団にしてもらいたい」。蓮見社長は、ビジネス面での連携も含めて、強いチームであり続けることを願っていた。
根来コミッショナーが激動の1年を振り返った。この日の承認で、揺れ動いた再編の流れも区切りがついた。記者会見で総括を求められ「一部のマスコミで反省を求められているが、反省することはないと思っています。ただ、みんなが目先だけで右往左往してしまった。外に対する発言は組織的にやった方が良かったのではないかと思う」と語った。ソフトバンクについては「野球協約、その精神に従ってもらいたいというのが私の立場からの最大の感想です」と話していた。
オーナー会議は年2度開かれるのが普通だが球界再編で揺れた今年は6度目の開催となった。近鉄の消滅やソフトバンクの球団買収に加え、不祥事で巨人、阪神、横浜、西武のオーナーが辞任。12球団の半分でオーナーの顔触れが変わった。自らも渡辺前オーナーから議長を引き継いだ巨人の滝鼻オーナーは「70年の歴史の中で、変革の年だったんだなとつくづく思う」と総括した。
ヤクルト堀オーナーはIT技術にたけた2球団の参入に関し「いい面と気を付けなければいけない面が両方ある」と慎重に話した。球界活性化などの「いい面」を挙げた上で「チケットの販売をインターネットでやる場合は、論理性を持ってやらないと値がつり上がって独り歩きする。使い方を考えていかないと」と指摘した。来季に向けては「一緒になっていくことを期待しています」と、「新しい血」に期待を寄せていた。
楽天三木谷オーナーは初参加のオーナー会議でオリックス宮内オーナーの隣に座った。まず「岩隈のことはありがとうございました」と、楽天移籍で決着した「岩隈問題」について感謝の意を伝えた。「お互い頑張ろうと言葉をいただきました。この問題は解決しました。わだかまりはありません。スポーツビジネスですからスポーツマンシップにのっとり、協力していこうということです」と、泥沼を回避した宮内オーナーの決断に感謝した。また、初参加の挨拶で「球界がより良い方向に向くよう協力したい」と抱負を語ると共に、開幕までの本拠地・宮城球場の完成を約束。「できなかったら頭を丸めないとね」と有言実行を誓った。
オリックス小泉球団社長が楽天三木谷オーナーと“和解”した。オーナー会議を1時間で退席した宮内オーナーに代わり、途中から三木谷オーナーの隣の席に。名刺交換し、三木谷オーナーから「(岩隈問題では)ありがとうございました」と挨拶されたという。「三木谷オーナーが『神戸とは関係があるので神戸に行った際にはよろしくお願いします』と言われ私も『今後ともよろしく』とお答えしました」と雪解けを強調していた。
クリスマスイブに決まったソフトバンクの参入を、球界幹部は好意的に受け止めた。
楽天と共に情報技術(IT)関連企業2社が新たに球団経営に参加するパ・リーグの小池唯夫会長は「新球団を含めて、ファンの皆さんの期待に応えられるようにしたい」と歓迎した。
セ・リーグの豊蔵一会長も「新しい感覚で球団経営をされると思う。刺激を与えてくれる。参考になることは見習っていきたい」と期待の大きさを口にした。
オリックスと近鉄の球団合併から大きく揺れた球界再編はひと区切りを迎えたが、さらなる動きを示唆する声も。一時は1リーグ制移行に向け、ダイエーとの合併話が浮上したロッテの重光昭夫オーナー代行は「今年はパが動いたが、来年はセも含めて新しい動きが出てくるんじゃないか」と予測した。