選手名 | 年俸 | 前年比 |
---|---|---|
諸積 | 2700 | ▼100 |
藤田 | 保留 |
[注]年俸は推定で単位は万円。
ロッテの諸積が28日、3度目の契約更改に臨み、300万円ダウンの2700万円で更改した。諸積は、今季守備固めなどで97試合に出場して打率2割6分7厘だった。同じく3度目の交渉となった藤田は前回提示と同額の7200万円を保留し、越年が決定した。
藤田宗一投手が28日、千葉マリンで3度目の契約更改交渉に臨み、前回提示と同じ1400万円増の7200万円(推定)を保留した。藤田の希望年俸は1億円超で、提示額との差が大きすぎ、越年となった。
球団側は出来高提示などで打開策を見いだそうとしたが「先に年俸をしっかりして欲しい」と藤田は拒否。チーム内の査定の甘い選手を指摘したり、7年間で391試合登板という自らの鉄腕ぶりを必死にアピールした。自身初の越年にも「最初からそのつもりでいた。また来年頑張る」と対決姿勢は崩れていない。
球団側も折れるつもりはない。手塚康二運営部長は、今季62試合登板も44イニングという投球回の少なさや、対右打者への被打率4割を挙げて「ある程度の年俸までいけば中身も要求される」と話した。
ロッテは藤田に加え、代理人交渉が継続中の福浦、小林宏と3選手の越年交渉が決定的となった。95年に4選手が越年して以来の異例の事態にも「別に喧嘩した訳じゃないし、相手のスケジュールだってある。じっくり時間かけてやりますよ」と手塚運営部長。着地点はまだまだ見えない。
ロッテの諸積兼司外野手が28日、3度目の契約更改に臨み、300万円ダウンの2700万円で更改した。諸積は、今季守備固めなどで97試合に出場して打率2割6分7厘だった。
同じく3度目の交渉となった藤田宗一投手は前回提示と同額の7200万円を保留し、越年が決定した。(金額は推定)
改革の志士が、本丸に攻め込んだ。ソフトバンクの孫正義オーナーが28日、都内のホテルで巨人渡辺恒雄前オーナーと会食。オーナー会議の公開などの持論をぶつけ、改革の先陣に立つことを渡辺氏に対して表明し“仁義を切った”格好だ。
孫オーナーは、報道陣を前に「オーナー会議ももっとオープンにすればいい。マスコミも入れてみんなに見てもらえばいい。正々堂々と議論すればいいんです。密室でやるから疑心暗鬼になるんです」と、渡辺氏に熱く語ったという。「オーナー会議に出席することがあれば堂々と提案します」とも語り、来年のオーナー会議では、オープン化も含めた改革私案を旧オーナー陣にぶつける構えだ。
渡辺氏も、帰宅の車に乗るまで笑顔で孫オーナーと談笑するなど、異論のある様子はなかった。サラリーキャップ制反対、ドラフトの完全ウエーバー制反対、世界一決定戦によるメジャーとの対決…。孫オーナーは、既にぶち上げている数々の球界改革プランを、この日の会談でも披露したものとみられる。
ちなみ、終身GMとした王監督を巨人に戻す意思がないことは、この日の話題にならなかったという。「血湧き肉踊る球界にしたい」と繰り返す孫オーナーの情熱が、渡辺氏に伝わったのは間違いなさそうだ。
今年の仕事納めが行われ、激動の1年を締めくくった。根来コミッショナーは報道陣の前で、球界改革は慎重に進めるべきという考えを示した。各球団で改革が叫ばれていることを「喜ばしい」としながらも、球界改革については「大事だが、慌ててやるものではない。こういう改革をしたら、こうなって、こうなるといった議論を重ね、じっくりと取り組んでいく必要がある」と慎重に語った。また、かねて訴えていた野球協約の改正に関し「過去の協約も含めて研究し、既に問題点、矛盾点を書き出しています。正月休も協約を読んで過ごします」と、新たな年へ強い意欲を見せていた。同コミッショナーはスト突入時に辞任する意向を示しているが、オーナー陣の要望で後任が決定するまで職務を続けることになっている。
セ豊蔵会長が1年間を振り返り「紆余曲折がありましたが、雨降って地固まるともいいます。みんながプロ野球はどうあるべきか考えて、こうなった。来年は改革への大きな1歩を踏み出す年になると思う」と語った。自らの役目については「変わろうとする各球団を、どうバックアップするかだと思っています」と話した。パ小池会長は「今年は色々な問題が山積して一気に噴出した年」と振り返り「パとしては日本ハムは北海道で新庄で成功したし、福岡がソフトバンク、仙台は楽天と全国展開できる。いい転機になる」と前向きに来年を見据えていた。
プロ野球選手の年俸は高い?球団経営の悪化を招いているのは、選手の年俸高騰が大きな要因になっているという声は多い。経済学博士の大阪府立大・宮本勝浩教授は「選手の年俸は高い」と断言した上で、サラリーキャップ、ボーナス制度などの導入を提案した。球界の構造改革のテーマとなっている選手年俸の在り方は、さらに論議が必要だ。
プロ野球選手の年俸は、日本の他の給与所職者と比較すれば高いといわざるを得ない。平成16年度の球界の平均年俸は3806万円。一般企業の重役らと比較しても高い。野球選手の場合、この20年で4.2倍になった。サラリーマンは1.2倍だから以上に高騰している。球団の収入が4倍になったかといえば、そうではない。イチロー、王、長嶋がいくら高額なサラリーをもらっても価値のある時代があったように、今でも高額年俸に見合った選手はいるだろう。だが、それにつられてたの選手も同じように上がっていく正しくない傾向がある。
1軍の試合に出て、お客さんに球場に足を運んでもなって、テレビに映って初めて給料が上がる訳だが、ファームで売上げに貢献しないのに何千万円ももらっている選手がいるのも辻褄が合わない。
こういう現状を許しているのは赤字を看過してきた経営者の責任だ。経済学には、その人が実質的に稼いだ金額に匹敵する報酬をもらうべきという「限界生産力」という理論がある。イチローのメジャー流出でオリックスの収入が10億円減だったとすると、彼に10億円の値打ちがあったというのが限界生産力による賃金の決定法だ。この理論に基づいて計算すれば赤字は出ないはずだ。
特にパ・リーグは、総収入とほぼ同額を選手の年俸として出しているような球団もある。プロ野球選手は、選手寿命が短いから一定の契約金、年俸をもらわないと生活できないという。だが一般社会でも会社が倒産したり、上司とソリが合わないとか、経営悪化で退社するケースはある。野球選手だけが、最前線で働いている間に一生分を稼がなければという理屈は通らない。
とにかく選手の高年俸は避けて通れない問題。現状を考えれば、様々な新しいシステムを検討、採用していくべきだろう。
今オフの契約更改交渉をみていると、あれだけ経営が圧迫していると言いながら、前年と同じように上昇傾向にある。球界にはまだ親会社から金を出してもらう甘え体質がしみついているのだろう。新規参入の楽天、ソフトバンクは球界の常識を打ち破り、今までの収入以外の、別の視点から収入を得る“儲け”を考えていくべきだろう。
ソフトバンクの孫オーナーは26日にテレビ出演した際、チームの年俸総額を将来的にメジャーに匹敵する100億円まで引き上げるプランをぶち上げている。04年は巨人の約40億円(日本選手のみ)が最高。それでも「メジャーには100億円のチームもある。国力からいっても、向こうのトップと十分に戦える力があってもおかしくない」などと語った。「安すぎる。日本の選手がメジャーに行ってしまう」と危機感も口にしている。
プロ野球と並ぶ日本の人気スポーツ、サッカーのJリーグは、1度高騰した年俸を大幅に削減している。J発足から数年は急激にアップ。95、96年頃にはカズ(V川崎=当時)の2億4000万円を頂点に1億円プレーヤーが10人以上もいた。しかし、98年に経営難から横浜Fが消滅。同じ年に読売新聞社がV川崎のスポンサーから撤退するなど各クラブの経営難が深刻な問題となった。J創生期に高額年俸で他のクラブを圧倒していたV川崎は、選手年俸を平均で約30%カット。他チームも次々と削減した。リーグは99年に経営諮問委員会を設置。選手の年俸に関する規約を設け、出場時間などによって契約できる年俸の上限を細か定めた。今は1億円選手は名古屋GK楢崎しかいない。(金額は推定)
選手年俸に対する12球団の意見 | |||
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球団 | 年俸は | 経営に対して | 減額制限 |
中日 | 高い | 圧迫している | 減額制限 |
ヤクルト | 高い | 圧迫している | 制限なし |
巨人 | − | − | − |
阪神 | 高い | 圧迫している | 30%(50%) |
広島 | 高い | 総費用で圧迫 | 制限なし |
横浜 | − | − | − |
西武 | 高い | − | 制限なし |
ソフトバンク | − | − | − |
日本ハム | 高い | 圧迫している | 制限なし |
ロッテ | 一部高い | 圧迫している | 工夫が必要 |
オリックス | − | − | − |
楽天 | 高い | 明らかに圧迫 | 現行通り |
[注]現行の減額制度は25%(1億円以上は30%)
ホークスを正式に買収したばかりのソフトバンク・孫正義オーナーと、巨人・渡辺恒雄前オーナー(読売新聞グループ本社会長)が28日夜、東京都内のホテルで極秘会談を行った。今後の球界再生について約3時間、意見を交換した後、孫オーナーは12球団2リーグを維持した上で、数年ごとに球団をシャッフルする独自の新プランを披露した。今後のオーナー会議でも積極的に提案していくとした。球界に大きな影響力を持つ2人の“合意”だけに、今後、実現へ向けて球界が急速に動く可能性が出てきた。
激しく交わされたであろう意見交換は、帰り際まで続いていた。午後9時半すぎ。都内ホテルで会食を終え、姿を見せた渡辺前オーナーの横に、何と孫オーナーがいた。球界実力者の異色のツーショット。「オーナー会議も、もっとオープンにやればいい。密室だと誤解されます」孫オーナーの会話に、渡辺前オーナーはうなずきながら帰りの車に乗り込んだ。
孫オーナーが渡辺前オーナーを見送り、別れた後だ。報道陣を見るなり「何でおるの?情報早いね。すごいね」と苦笑いを浮かべ、それからは独演会だ。寒風を吹き飛ばす勢いで約50分間、独自の球界再生論をまくし立てた。「低い次元でお互い、傷をなめあうようなルールはよくないですよ」と、完全ウエーバー制について異を唱え、人気選手のメジャー流失による日本球界の危機を熱く唱えた。
独演会のクライマックスは、球界再編に新たな一石を投じる、あっと驚く持論だった。「12球団全部黒字になると考えるのは、ある意味おかしい。企業努力ですよ。1番赤字になった企業に条件を合わせようというのは低い次元の調和だ」球界を再生し、活性化させるための意欲と努力のない球団を牽制した上で、さらに続けた。
「志を高く持って世界一決定戦(を目指すの)も1つの定義。力の均衡、ムラ社会の調和(を重視するの)も1つの定義。でも、そう思うなら、そう思うばかりの球団が1つのリーグを作ればええねん。やる気のあるリーグと、小さく固まろうというリーグと、仮にできたらファンはどっちが見たい?ガチンコ勝負見たいと思わんか。世界一を争うチームを見たいと思わんか。何年かに1回、セ・リーグ、パ・リーグでガラガラポンしたらええねん」突然、関西弁に変わると、勢いを増した激白は止まらない。2度も「ガラガラポン」を口にし、12球団2リーグを維持した上での“シャッフル理論”を訴えた。
球界を再生するために何ができるか。活性化に向けてどうすべきか。メジャーとの世界一決定戦構想を以前から唱えている孫オーナーは「何年かに(日本の球団に)世界一が生まれる。躍るぜ。血わき、肉躍るぜ。そう思わんか」と熱く語った。独自の球界再編に向け、今後のオーナー会議でも積極的に提案していくとし、公開議論していく考えも示した。「違う考えがあっていい。一致してたら出来レースだ」立ち通しでふるった熱弁。最後に「今日はだいぶ飲んだ。過激になったけど、本音だ。頭はすっきりしているがね」とニヤリ。新たな球界の盟主へ、イニシアチブを握るであろう孫オーナーの言動に目が離せなくなってきた。
孫オーナーはこの日、12球団再編成以外にも独自のプランを披露した。
コミッショナー事務局、セ、パ両リーグにソフトバンク、巨人、中日など6球団が28日、それぞれの事務所で仕事納めをした。オリックスと近鉄の球団合併に端を発した球界再編問題や史上初のストライキなど激動の1年。29日は楽天や日本一の西武など4球団が仕事を納め、球界の今年の業務が終了する。
根来泰周コミッショナーは激動の04年シーズンを「ごたごたが続いたことでじっくり議論する時間がなかった。事を急ぎすぎた感がある」と総括。その上で来年の課題として野球協約の見直しを挙げた。
「これまでは協調の時代、これからは競争の時代になる。協約もそれに見合ったものに変えていかなくてはいけない」と説明。年明け早々に協約改正に着手する方針で「問題点をいくつも書き出してある。これからは(改正に向け)どう形にしていくか。できるところからやっていく」。
また1月1日付でコンプライアンス(法令順守)のコミッショナー顧問に就任する元東京地検特捜部長の熊崎勝彦氏について「外部から身ぎれいな人を入れたかった。こちらが動けないところで動いて欲しい」と期待を寄せていた。
セ・パ両リーグも東京・銀座の連盟事務所で激動の1年の業務を終了した。オリックスと近鉄の統合、楽天の新規参入、ソフトバンクのダイエー買収など激動のシーズンについて、パ・リーグ小池会長は「振り返ると意義のある1年だった。来年は交流試合もあるし、ファンを大いに盛り上げて欲しい」と話した。セ・リーグ豊蔵会長も「紆余曲折はあったが、雨降って地は固まった。来年は新しい改革の第1歩へ大きく踏み出す気がする」と期待を込めていた。
11月30日で消滅した近鉄が、球界で最も遅い仕事納めを迎える。30日に最後の球団社長だった小林電鉄常務が大阪市内の球団事務所を訪れ、残務処理を行っている球団職員に挨拶をする。近鉄は中村のポスティング申請を残しており、足高球団代表らが業務を続けている。関係者は「例年ならコミッショナー事務局が閉まるころに球団も仕事納めなんですが」と苦笑いだった。