わたしはかもめ2004年鴎の便り(12月)

便

12月28日

契約更改

選手名年俸前年比
諸積2700▼100
藤田保留

[注]年俸は推定で単位は万円。

諸積
「白旗です。サインしました。提示は前回と同じだったのですが、10%ダウンでサインしました。言いたいことは言ったし、スッキリと新年を迎えたいと思ったので。31日の12時まで飲んだくれて、グテングテンになります。31日の12時を過ぎたら、全てを忘れて、優勝のために気持ちを切り替えるつもり。球団に言ったのは、野手の控えの評価をしっかりやって欲しいということ。ピッチャーは、先発の他、中継ぎ、抑えとそれぞれしっかり評価されているが、野手はレギュラー以外評価されにくい。しっかり見て欲しいとお願いしました。何かが必要とされているから、1軍にいると思う。もちろん、自分だけではなく、チーム全体の思いもある。しっかり受け止めてくれると思います。来シーズンは、ボビーを胴上げしたい。千葉をパレードしたい。ずっとロッテでやっている人間。このチームで優勝したいです。それに向けてやるだけ。」
藤田
「提示は変わりませんでした。サインしていません。次回は年明けになります。自分としては、金額を下げたので、譲歩があれば押そうとハンコは持ってきていたけれど…。先発は長いイニングの中で、ピッチングを組み立てることができるけれど、中継ぎは出たとこ勝負。ミスが許されない切羽詰った場面で、相手の様子を見ながらボールを投げている。そういうところで先発よりも評価が低いと、中継ぎ陣は苦しいですね。時間はある。ゆっくり納得するまで話し合いたい。きっかけはつかめると思います。」

ページトップ

諸積が300万円減の2700万円で更改[サンスポ]

ロッテの諸積が28日、3度目の契約更改に臨み、300万円ダウンの2700万円で更改した。諸積は、今季守備固めなどで97試合に出場して打率2割6分7厘だった。同じく3度目の交渉となった藤田は前回提示と同額の7200万円を保留し、越年が決定した。

ページトップ

藤田鉄腕ぶりアピールも越年[報知]

藤田宗一投手が28日、千葉マリンで3度目の契約更改交渉に臨み、前回提示と同じ1400万円増の7200万円(推定)を保留した。藤田の希望年俸は1億円超で、提示額との差が大きすぎ、越年となった。

球団側は出来高提示などで打開策を見いだそうとしたが「先に年俸をしっかりして欲しい」と藤田は拒否。チーム内の査定の甘い選手を指摘したり、7年間で391試合登板という自らの鉄腕ぶりを必死にアピールした。自身初の越年にも「最初からそのつもりでいた。また来年頑張る」と対決姿勢は崩れていない。

球団側も折れるつもりはない。手塚康二運営部長は、今季62試合登板も44イニングという投球回の少なさや、対右打者への被打率4割を挙げて「ある程度の年俸までいけば中身も要求される」と話した。

ロッテは藤田に加え、代理人交渉が継続中の福浦、小林宏と3選手の越年交渉が決定的となった。95年に4選手が越年して以来の異例の事態にも「別に喧嘩した訳じゃないし、相手のスケジュールだってある。じっくり時間かけてやりますよ」と手塚運営部長。着地点はまだまだ見えない。

ページトップ

3度目交渉でロッテ諸積更改、藤田は越年[ニッカン]

ロッテの諸積兼司外野手が28日、3度目の契約更改に臨み、300万円ダウンの2700万円で更改した。諸積は、今季守備固めなどで97試合に出場して打率2割6分7厘だった。

同じく3度目の交渉となった藤田宗一投手は前回提示と同額の7200万円を保留し、越年が決定した。(金額は推定)

ページトップ

孫オーナー、改革私案を渡辺氏に熱弁[ニッカン]

改革の志士が、本丸に攻め込んだ。ソフトバンクの孫正義オーナーが28日、都内のホテルで巨人渡辺恒雄前オーナーと会食。オーナー会議の公開などの持論をぶつけ、改革の先陣に立つことを渡辺氏に対して表明し“仁義を切った”格好だ。

孫オーナーは、報道陣を前に「オーナー会議ももっとオープンにすればいい。マスコミも入れてみんなに見てもらえばいい。正々堂々と議論すればいいんです。密室でやるから疑心暗鬼になるんです」と、渡辺氏に熱く語ったという。「オーナー会議に出席することがあれば堂々と提案します」とも語り、来年のオーナー会議では、オープン化も含めた改革私案を旧オーナー陣にぶつける構えだ。

渡辺氏も、帰宅の車に乗るまで笑顔で孫オーナーと談笑するなど、異論のある様子はなかった。サラリーキャップ制反対、ドラフトの完全ウエーバー制反対、世界一決定戦によるメジャーとの対決…。孫オーナーは、既にぶち上げている数々の球界改革プランを、この日の会談でも披露したものとみられる。

ちなみ、終身GMとした王監督を巨人に戻す意思がないことは、この日の話題にならなかったという。「血湧き肉踊る球界にしたい」と繰り返す孫オーナーの情熱が、渡辺氏に伝わったのは間違いなさそうだ。

ページトップ

「じっくり改革」コミッショナー事務局

今年の仕事納めが行われ、激動の1年を締めくくった。根来コミッショナーは報道陣の前で、球界改革は慎重に進めるべきという考えを示した。各球団で改革が叫ばれていることを「喜ばしい」としながらも、球界改革については「大事だが、慌ててやるものではない。こういう改革をしたら、こうなって、こうなるといった議論を重ね、じっくりと取り組んでいく必要がある」と慎重に語った。また、かねて訴えていた野球協約の改正に関し「過去の協約も含めて研究し、既に問題点、矛盾点を書き出しています。正月休も協約を読んで過ごします」と、新たな年へ強い意欲を見せていた。同コミッショナーはスト突入時に辞任する意向を示しているが、オーナー陣の要望で後任が決定するまで職務を続けることになっている。

ページトップ

「雨降って地固まる」セ・パ事務局

セ豊蔵会長が1年間を振り返り「紆余曲折がありましたが、雨降って地固まるともいいます。みんながプロ野球はどうあるべきか考えて、こうなった。来年は改革への大きな1歩を踏み出す年になると思う」と語った。自らの役目については「変わろうとする各球団を、どうバックアップするかだと思っています」と話した。パ小池会長は「今年は色々な問題が山積して一気に噴出した年」と振り返り「パとしては日本ハムは北海道で新庄で成功したし、福岡がソフトバンク、仙台は楽天と全国展開できる。いい転機になる」と前向きに来年を見据えていた。

ページトップ

プロ野球どこへ-3

◇異常な年俸高騰、許してきた経営者の責任

プロ野球選手の年俸は高い?球団経営の悪化を招いているのは、選手の年俸高騰が大きな要因になっているという声は多い。経済学博士の大阪府立大・宮本勝浩教授は「選手の年俸は高い」と断言した上で、サラリーキャップ、ボーナス制度などの導入を提案した。球界の構造改革のテーマとなっている選手年俸の在り方は、さらに論議が必要だ。

◇平均3806万

プロ野球選手の年俸は、日本の他の給与所職者と比較すれば高いといわざるを得ない。平成16年度の球界の平均年俸は3806万円。一般企業の重役らと比較しても高い。野球選手の場合、この20年で4.2倍になった。サラリーマンは1.2倍だから以上に高騰している。球団の収入が4倍になったかといえば、そうではない。イチロー、王、長嶋がいくら高額なサラリーをもらっても価値のある時代があったように、今でも高額年俸に見合った選手はいるだろう。だが、それにつられてたの選手も同じように上がっていく正しくない傾向がある。

1軍の試合に出て、お客さんに球場に足を運んでもなって、テレビに映って初めて給料が上がる訳だが、ファームで売上げに貢献しないのに何千万円ももらっている選手がいるのも辻褄が合わない。

こういう現状を許しているのは赤字を看過してきた経営者の責任だ。経済学には、その人が実質的に稼いだ金額に匹敵する報酬をもらうべきという「限界生産力」という理論がある。イチローのメジャー流出でオリックスの収入が10億円減だったとすると、彼に10億円の値打ちがあったというのが限界生産力による賃金の決定法だ。この理論に基づいて計算すれば赤字は出ないはずだ。

特にパ・リーグは、総収入とほぼ同額を選手の年俸として出しているような球団もある。プロ野球選手は、選手寿命が短いから一定の契約金、年俸をもらわないと生活できないという。だが一般社会でも会社が倒産したり、上司とソリが合わないとか、経営悪化で退社するケースはある。野球選手だけが、最前線で働いている間に一生分を稼がなければという理屈は通らない。

とにかく選手の高年俸は避けて通れない問題。現状を考えれば、様々な新しいシステムを検討、採用していくべきだろう。

サラリーキャップ制
これは、売上げの何割かを人件費と決め、核選手の年俸をトータルで抑えるシステムだ。A選手の年俸が上がれば、その分は他の選手の年俸を抑えるというような方法だ。米メジャースポーツではNBA(バスケットボール)NFL(アメリカンフットボール)が採用し、その多くのチームは黒字だ。だが採用していないMLB(大リーグ)は、30球団のうち放送権、広告収入の多い数球団だけが黒字で、大半は日本同様赤字に苦しんでいる。
ボーナス制度
例えば給与の上限は2億円に設定し、タイトルを獲得すれば2億点のボーナスを支給する。日本は2億円プレーヤーがタイトル獲得で年俸4億円に跳ね上がると、その4億円が基本ベースになる。翌年、不振で成績が下がってもせいぜい3億5000万円に減俸されるくらい。そうでなく給与の上限を2億円とし、インセンティブの形でボーナス支給する。基本ベースを設定し、ボーナスを厚くするのが得策だ。
放送権のセット販売
放送権はコミッショナーが決定権をもつべきだと考えるが、これにもアイデアが必要だ。例えば、巨人−阪神戦の放送権料をA局に売る際に、ロッテ−オリックス戦の3試合もセット販売する訳だ。米国映画の上映権は「タイタニック」1本だけを売らない。人気のあるなしにかかわらず、他の数十本の映画もセットでセールスする。基本的に放送権料は主催球団に入るが、その5割はコミッショナーの管轄とし、オフに12球団に分配すればいい。

今オフの契約更改交渉をみていると、あれだけ経営が圧迫していると言いながら、前年と同じように上昇傾向にある。球界にはまだ親会社から金を出してもらう甘え体質がしみついているのだろう。新規参入の楽天、ソフトバンクは球界の常識を打ち破り、今までの収入以外の、別の視点から収入を得る“儲け”を考えていくべきだろう。

◇孫オーナーは「安すぎる!!」

ソフトバンクの孫オーナーは26日にテレビ出演した際、チームの年俸総額を将来的にメジャーに匹敵する100億円まで引き上げるプランをぶち上げている。04年は巨人の約40億円(日本選手のみ)が最高。それでも「メジャーには100億円のチームもある。国力からいっても、向こうのトップと十分に戦える力があってもおかしくない」などと語った。「安すぎる。日本の選手がメジャーに行ってしまう」と危機感も口にしている。

◇Jは削減

プロ野球と並ぶ日本の人気スポーツ、サッカーのJリーグは、1度高騰した年俸を大幅に削減している。J発足から数年は急激にアップ。95、96年頃にはカズ(V川崎=当時)の2億4000万円を頂点に1億円プレーヤーが10人以上もいた。しかし、98年に経営難から横浜Fが消滅。同じ年に読売新聞社がV川崎のスポンサーから撤退するなど各クラブの経営難が深刻な問題となった。J創生期に高額年俸で他のクラブを圧倒していたV川崎は、選手年俸を平均で約30%カット。他チームも次々と削減した。リーグは99年に経営諮問委員会を設置。選手の年俸に関する規約を設け、出場時間などによって契約できる年俸の上限を細か定めた。今は1億円選手は名古屋GK楢崎しかいない。(金額は推定)

労組日本プロ野球選手会・松原徹事務局長
「“選手の年俸が高いか安いか”という議論は、球団経営の目的や意義、経営構造による改善の検討、野球という興行の価値向上への努力の余地、可能性の検討まで踏み込まなければ答えを導き出せない問題である。こうした面がオープンになり、選手も同じ球界の一員として現状を把握していくことが重要になる。その上で野球というスポーツの頂点に立つ選手の価値は一体どれほどであるのか、決まっていくべきであろう。平均選手寿命の短さ。野球という広い裾野を持つジャンルの頂点として、後に続くものへの夢や憧れを演出していく必要性。海外のプロ野球市場とのバランス。こうした要因も密接に絡んでくるはず。いずれにしても、選手会では、球界の現状や可能性を知り、その一員として責任を果たしていく必要があると考えている。また今回の近鉄のように、選手年俸がゼロであっても、なお20億円近い赤字が存在する状態について、何を根本的に改革すべきかの議論も不可欠である。」
選手年俸に対する12球団の意見
球団年俸は経営に対して減額制限
中日高い圧迫している減額制限
ヤクルト高い圧迫している制限なし
巨人
阪神高い圧迫している30%(50%)
広島高い総費用で圧迫制限なし
横浜
西武高い制限なし
ソフトバンク
日本ハム高い圧迫している制限なし
ロッテ一部高い圧迫している工夫が必要
オリックス
楽天高い明らかに圧迫現行通り

[注]現行の減額制度は25%(1億円以上は30%)

西武星野オーナー代行
「色々なケースがあり、制限はつくれないはず。ケガなど不慮の事故もあるし、社会的な問題を起こすケースもある。選手を守るために制限を設けているが、場合によっては選手を雇用するために年俸を維持するのが球団にとっても選手にとってもいいはずで、制限はない方が臨機応変に対応できるし、適切である。」
楽天島田球団社長
「(高いの意見は)高い選手に払い過ぎているという意味ではない。個々に見て高い選手も安い選手もいるものだから、同じ1億5000万円でも、細かい指標を用いて評価した値段ならいいのだが、そうでないなら高いということ。野球ビジネスの売上げは100円単位なのに、片一方のコスト(年俸)は100万円単位。いくら100円を積み重ねても100万円が動くと簡単に吹き飛んでしまう。グロス(総額)で払う仕組みが緩いから経営を圧迫する。今の減額制限は適正と思う。選手が落ち着いて仕事できる環境も必要。」
日本ハム小嶋オーナー代行
「年俸の上がり幅にも上限があればいいが、ないのなら(減額限度は)いらないでしょう。例えばチケットは1枚2000円、そのうち選手にいくら入るのか明確にしなければならない。球団の収入に見合わない総年俸を払っている。選手に対しての年俸配分がいくらが妥当か、設定する必要はある。」
ロッテ瀬戸山球団代表
「(減額制度は)具体的に何%という考えはない。年俸が上がった分は下がるとか、上がる割合に比べて下がる部分にもう一工夫があっていい。上がる時だけ青天井という感じがする。全く出場機会のなかった選手に限度があるというのはキツい。年俸の(高騰による)経営圧迫は企業努力の域を超えている。」
ヤクルト多菊球団社長
「例えば3年契約でもケガで出られなかったら(額を)落とすとか。基本給を与えた上で『働いたら』の成果配分がいい。つまりインセンティブをどういう形で組むか。基本給は限界を設けないといけない。ウチは平成5年と13年に優勝したが、人件費が10億円も違った。ここ4〜5年でメチャクチャになった。考え方がインフレのまま。(一般)企業はみんなリストラしているのに。価値がなければ年俸は半分でもいい。みんな弁護士を連れてくるけど価値というのは実績給だ。」
巨人清武球団代表
「(選手会と)合宿みたいのを開いてワーワーやって、言質を取らない話はしなければいけないと思う。査定の方法はそれぞれマル秘なんですよ。ボクは、うちの査定はまあまあだと思いますよ。そういう、うちの手法に従っても今のままではどんどん上がっていきますよ。だって1億円の人は30%しか下がらないから、グンと上がってちょっと下がる。(右上がりの急勾配を示して)こうなるに決まっているじゃないですか。そりゃあ矛盾ですよ。矛盾のシステムを抱えている訳ですから。」(インタビューから抜粋)
阪神野崎球団社長
「選手の総年俸が、経営を圧迫している。減額の限度は30%(年俸1億円以上の選手は50%)にするべき。上がる時には2倍、3倍になって上がるんだから。減額制度の緩和は選手会サイドも理解していることだ。」
広島鈴木副本部長
「年俸だけでなく、付帯する総費用も含めて球団経営を圧迫している。減額制限はない方がいい。制限を設けるのなら50%が妥当と思うが根拠のない数字とも思う。」
横浜峰岸球団社長
「球団売上げの半分が選手の総年俸、が理想だ。現在の総年俸は12球団中2位だが、会社の収益は減少している。現状は利益還元が適正とはいえないし、球団経営を圧迫しているのも事実。しかし、1度上げた年俸を簡単に下げる訳にもいかない。絞りすぎると優秀な人材が海外にいきなり、となってしまう。仮に年俸減額の下限を50%に決めても、選手が首を縦に振らなければ成立しない。」(インタビューから抜粋)

ページトップ

渡辺孫極秘会談 12球団再編成[報知]

◇「世界一目指すリーグ」と「小さく固まるリーグ」

 ホークスを正式に買収したばかりのソフトバンク・孫正義オーナーと、巨人・渡辺恒雄前オーナー(読売新聞グループ本社会長)が28日夜、東京都内のホテルで極秘会談を行った。今後の球界再生について約3時間、意見を交換した後、孫オーナーは12球団2リーグを維持した上で、数年ごとに球団をシャッフルする独自の新プランを披露した。今後のオーナー会議でも積極的に提案していくとした。球界に大きな影響力を持つ2人の“合意”だけに、今後、実現へ向けて球界が急速に動く可能性が出てきた。

◇孫オーナー、50分独演会「血わき、肉躍るぜ」

激しく交わされたであろう意見交換は、帰り際まで続いていた。午後9時半すぎ。都内ホテルで会食を終え、姿を見せた渡辺前オーナーの横に、何と孫オーナーがいた。球界実力者の異色のツーショット。「オーナー会議も、もっとオープンにやればいい。密室だと誤解されます」孫オーナーの会話に、渡辺前オーナーはうなずきながら帰りの車に乗り込んだ。

孫オーナーが渡辺前オーナーを見送り、別れた後だ。報道陣を見るなり「何でおるの?情報早いね。すごいね」と苦笑いを浮かべ、それからは独演会だ。寒風を吹き飛ばす勢いで約50分間、独自の球界再生論をまくし立てた。「低い次元でお互い、傷をなめあうようなルールはよくないですよ」と、完全ウエーバー制について異を唱え、人気選手のメジャー流失による日本球界の危機を熱く唱えた。

独演会のクライマックスは、球界再編に新たな一石を投じる、あっと驚く持論だった。「12球団全部黒字になると考えるのは、ある意味おかしい。企業努力ですよ。1番赤字になった企業に条件を合わせようというのは低い次元の調和だ」球界を再生し、活性化させるための意欲と努力のない球団を牽制した上で、さらに続けた。

「志を高く持って世界一決定戦(を目指すの)も1つの定義。力の均衡、ムラ社会の調和(を重視するの)も1つの定義。でも、そう思うなら、そう思うばかりの球団が1つのリーグを作ればええねん。やる気のあるリーグと、小さく固まろうというリーグと、仮にできたらファンはどっちが見たい?ガチンコ勝負見たいと思わんか。世界一を争うチームを見たいと思わんか。何年かに1回、セ・リーグ、パ・リーグでガラガラポンしたらええねん」突然、関西弁に変わると、勢いを増した激白は止まらない。2度も「ガラガラポン」を口にし、12球団2リーグを維持した上での“シャッフル理論”を訴えた。

球界を再生するために何ができるか。活性化に向けてどうすべきか。メジャーとの世界一決定戦構想を以前から唱えている孫オーナーは「何年かに(日本の球団に)世界一が生まれる。躍るぜ。血わき、肉躍るぜ。そう思わんか」と熱く語った。独自の球界再編に向け、今後のオーナー会議でも積極的に提案していくとし、公開議論していく考えも示した。「違う考えがあっていい。一致してたら出来レースだ」立ち通しでふるった熱弁。最後に「今日はだいぶ飲んだ。過激になったけど、本音だ。頭はすっきりしているがね」とニヤリ。新たな球界の盟主へ、イニシアチブを握るであろう孫オーナーの言動に目が離せなくなってきた。

◇孫流改革メモ

裏金にはペナルティー
スカウト活動などで裏金が発覚した場合は、球団の経営から撤退させるなど強い処分を科す。
完全ウエーバー制は反対
ドラフト改革が叫ばれ、完全ウエーバー制を求める声が多くなっているが「最下位になれば自動的に優秀な選手が獲れる。最下位にレベルを合わせると競争するのがばからしくなる」と、入札くじ引き制への移行。
観衆の実数発表
福岡ドームが消防署に届け出ている観客席が3万6509席にもかかわらず、超満員で4万8000人の発表を行っていることに疑問を呈し、1けた台まで可能な限り発表。
インターネットの駆使
ファン参加型の双方向の中継にするための一例として提案。さらに、球場に20〜30台のインターネット中継用のカメラを設置し、視聴者が自由にアングルを選べるプラン。
年俸総額100億円プラン
日米間で大きい年俸のギャップをなくすことで、スター選手の流出に歯止めを。
コミッショナーを国民投票に
権限強化と球界の信頼回復へ、立候補で国民投票。
オーナー会議のテレビ中継
密室の中での論議を廃止するため、会議にテレビカメラを入れて公開する。
降格制の導入
「10年も20年も5位、6位が続けばオーナー自体に代わってもらう方がいい」と長期低迷チームには“退場勧告”をする。

◇世界一へ執念、次々独自プラン披露

孫オーナーはこの日、12球団再編成以外にも独自のプランを披露した。

(1)MLBのセリグ・コミッショナーに直談判
世界一決定戦実現に向け、来春にも孫オーナー自ら米国に飛ぶ。「会いたくないのか、何だボケと。堂々と会話しようじゃないかと。米国内だけでやってて何がワールドシリーズか。名前を変えるか、真のワールドチャンピオンシップやるか、向こうの池に石を投げにいく」。
(2)世界一決定戦での「選手補強制度」導入
決勝戦のシード権をメジャーのWシリーズ優勝チームに与え、日本は準決勝のシード権、その相手チームをアジア他国で争うとし、日本のチームには日本のメジャー選手を3人まで補強できるとする。例えばホークスが日本代表となったら、「王監督がイチロー、松井を選んで、石井かな」。
(3)王監督の終身GM要請へ
「復帰を望む巨人ファンの気持ちも分かるけど、王監督には健康の続く限り頑張ってもらいたい。体動かなくなっても頭は健康でしょうから、ぜひ(GMでも)頑張ってやってもらいたい」。

ページトップ

激動の04年…発展誓い球界「仕事納め」[スポニチ]

コミッショナー事務局、セ、パ両リーグにソフトバンク、巨人、中日など6球団が28日、それぞれの事務所で仕事納めをした。オリックスと近鉄の球団合併に端を発した球界再編問題や史上初のストライキなど激動の1年。29日は楽天や日本一の西武など4球団が仕事を納め、球界の今年の業務が終了する。

根来泰周コミッショナーは激動の04年シーズンを「ごたごたが続いたことでじっくり議論する時間がなかった。事を急ぎすぎた感がある」と総括。その上で来年の課題として野球協約の見直しを挙げた。

「これまでは協調の時代、これからは競争の時代になる。協約もそれに見合ったものに変えていかなくてはいけない」と説明。年明け早々に協約改正に着手する方針で「問題点をいくつも書き出してある。これからは(改正に向け)どう形にしていくか。できるところからやっていく」。

また1月1日付でコンプライアンス(法令順守)のコミッショナー顧問に就任する元東京地検特捜部長の熊崎勝彦氏について「外部から身ぎれいな人を入れたかった。こちらが動けないところで動いて欲しい」と期待を寄せていた。

◇セ・パ連盟「意義のある1年」

セ・パ両リーグも東京・銀座の連盟事務所で激動の1年の業務を終了した。オリックスと近鉄の統合、楽天の新規参入、ソフトバンクのダイエー買収など激動のシーズンについて、パ・リーグ小池会長は「振り返ると意義のある1年だった。来年は交流試合もあるし、ファンを大いに盛り上げて欲しい」と話した。セ・リーグ豊蔵会長も「紆余曲折はあったが、雨降って地は固まった。来年は新しい改革の第1歩へ大きく踏み出す気がする」と期待を込めていた。

ページトップ

球団消滅も…近鉄30日まで残務処理[ニッカン]

11月30日で消滅した近鉄が、球界で最も遅い仕事納めを迎える。30日に最後の球団社長だった小林電鉄常務が大阪市内の球団事務所を訪れ、残務処理を行っている球団職員に挨拶をする。近鉄は中村のポスティング申請を残しており、足高球団代表らが業務を続けている。関係者は「例年ならコミッショナー事務局が閉まるころに球団も仕事納めなんですが」と苦笑いだった。

ページトップ