15日の阪神戦で今季初の中継ぎで1回0/3を投げた小野が、21日の中日戦で先発する可能性が出てきた。19日にブルペンで70球を投げて最終調整。「みんな調子が良くなっているから、僕も上昇気流に乗っていきたいね」と自身4勝目を目指す。同カードで連勝すればチームとして交流戦の勝率が5割に到達することから「そこは最低限やらないといけない」と気合十分に話した。
2軍調整中のロッテのルーキー唐川が“誕生日登板”をかけて21日のイースタン・ヤクルト戦(ロッテ浦和)に先発する。投球フォームのバランスを崩していた18歳右腕は荘2軍投手コーチとビデオで入念にチェック。「球の質が本来のものに戻れば大丈夫。誕生日に投げられればいいですね」。順調に課題を消化すれば28日西武戦で1軍復帰、さらに中6日で19歳の誕生日を迎える7月5日ソフトバンク戦に先発の可能性が高い。
北京五輪野球の日本代表編成委員会が20日、都内のホテルで行われ、昨年12月のアジア予選組21人を含む最終候補39人(投手16人、野手23人)を決めた。星野仙一監督(61)は故障を抱え、完調には遠い小笠原、高橋由(共に巨人)を選出。昨年のアジア予選で勝った涌井(西武)から先発の特権を剥奪するなど、競争によるレギュラーの選出を打ち出した。実績や経験は問わない方針で、7月中旬まで横一線の競争を勝ち抜いた精鋭24人に、金メダルの夢を託す。
甘えや妥協を一切許さない。星野監督らしいメッセージだった。「基本的には39人に競争してもらって、当選の声を聞くまで最後まで頑張って欲しい」。最終候補が印刷された用紙を穴が開くほど見つめながら、言葉に力を込めた。
思うようなチーム編成ができない危機感が、言葉の端々にのぞいた。「思った以上にけが人が多くて苦労した。全快でない選手も(完治する)見込みで入れている」昨オフに左ひざを手術した影響で本調子とは言えない小笠原や、腰痛から復帰したばかりの高橋由をメンバーに加えたが、復調途上であることを理由に優遇する気はない。
「(2人に)チャンスを与えるということ。発表されたメンバーを見れば、自分が何番目か分かるはず。もう一踏ん張りする自覚が出てくる」。過去の実績や経験は関係ない。横一線の競争を勝ち抜くことを求めた。
競争を課したのは故障組だけではない。昨年のアジア予選(台湾)の初戦となったフィリピン戦で先発し、勝利投手となった涌井からは事実上、先発の座を剥奪した。「田中、岩隈、涌井。これで競争だろうな。とにかく先発を勝ち取って欲しい」。ソフトな口調だったが、内容は今季6勝6敗と波に乗れない4年目右腕を突き放した。左の中継ぎから和田、杉内、岩田のうち1人が先発も兼ねる。三塁は初挑戦の中島と村田が競う。
レギュラーが保証されるのはエース・ダルビッシュと、4番の新井だけ。先発、左右の中継ぎ、内外野…。あらゆるポジションが白紙の状態だ。裏を返せば、代表を決める7月中旬までの約1ヶ月間、成績次第で日の丸を背負う道が開ける。
まさに弱肉強食。1ヶ月間の競争を勝ち抜けば、強豪キューバや米国などのライバルチームにも引けを取らないメンバーを組める。これが闘将の狙いだ。「昨年のアジア予選と新しい名前でバランスよくチーム編成できればいいな」。会見中に、指揮官が7度も連呼した「競争」。このフレーズが、金メダル獲得を狙う星野JAPANの命綱となる。
北京五輪野球の日本代表編成委員会が20日、東京都内のホテルで開かれ、日本ハムのダルビッシュ有投手、巨人の上原浩治投手、ヤクルトの宮本慎也内野手ら最終候補選手39人を決め、発表した。代表24選手は7月中旬に発表される。
19日のスタッフ会議では第1次候補の81人から38人に絞ったが、相川亮二捕手(横浜)を追加した。下半身の故障で4月末から2軍で調整中の上原は救援要員としてメンバーに残したが、昨年12月のアジア予選代表の小林宏之投手(ロッテ)、長谷部康平投手(楽天)、森野将彦内野手(中日)の3人は漏れた。星野仙一監督は「けが人が多く、苦労した中で選んだ。39人はけがをせずに頑張って競争して欲しい」と話した。
リーグ別の内訳はセ21人、パ18人、ポジション別は投手16人、捕手6人、内野手10人、外野手7人。球団別では阪神と中日の6人が最多で、オリックスからは選出がなかった。
日本代表は8月2日から合宿を開始し、8日にパ・リーグ、9日にはセ・リーグの各選抜と強化試合(東京ドーム)を行う。10日に北京へ移動し、13日の1次リーグ初戦では強豪キューバと対戦する。