パ選抜は2回にオリックス坂口の内野ゴロの間に1点を先制。3回にも日本ハム田中賢の犠飛で加点した。日本代表は3回に里崎のソロで1点を返した。1点を追う5回に日本代表が4連打で逆転。さらに新井の犠飛などでこの回計4点を挙げ突き放した。日本代表は7回途中から藤川、8回岩瀬、9回上原が抑えて逃げ切った。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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パ・リーグ選抜 | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 4 |
日本代表 | 0 | 0 | 1 | 1 | 4 | 0 | 0 | 0 | x | 6 |
里崎が3回に“ジャパン1号”となるバックスクリーン直撃ソロを放った。代わったばかりの楽天永井の初球、真ん中直球をフルスイングした。「完璧もいいところ。シーズン中にもないくらいの飛距離だった」と自画自賛だった。守備では五輪予選に続きダルビッシュの女房役を務めた。「ダルビッシュは球にバラつきがあったけど、台湾の時も修正できたし過程としては良かったんじゃないですか」と冷静に分析していた。
西岡が9回の失策を悔やんだ。2死後に二ゴロを捕球した後にお手玉して送球が遅れた。「上原さんが復帰した試合であのエラーは…。今日は反省ばかりです」とガックリ。だが8回には楽天塩川の一、二塁間への痛烈な打球を横っ跳びキャッチする好プレーも光った。「実戦から離れていたので試合勘が鈍った面もあった。あと1試合あるので結果より感覚を取り戻したい」と急ピッチで仕上げていく。
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 得 | 安 | 点 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 | 6回 | 7回 | 8回 | 9回 |
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1 | 左中 | 栗山 | 4 | 1 | 3 | 0 | 中安 | 左二 | 中飛 | 四球 | 中安 | ||||
2 | 遊 | 塩川 | 2 | 2 | 1 | 0 | 一犠 | 投犠 | 右安 | 四球 | 二ゴ | ||||
3 | 二 | 田中 | 2 | 0 | 1 | 1 | 右飛 | 左犠 | 右安 | ||||||
打二 | 一輝 | 2 | 0 | 1 | 1 | 左二 | 三ゴ | ||||||||
4 | 一 | 中村 | 3 | 0 | 0 | 0 | 三振 | 三振 | 三振 | ||||||
打三 | 今江 | 2 | 0 | 0 | 0 | 一飛 | 右飛 | ||||||||
5 | 右 | 大松 | 5 | 0 | 1 | 0 | 三振 | 遊ゴ | 右安 | 三振 | 一ゴ | ||||
6 | 三一 | 松田 | 3 | 1 | 3 | 1 | 遊安 | 中安 | 中犠 | 左安 | |||||
打 | 長谷川 | 1 | 0 | 0 | 0 | 二失 | |||||||||
7 | 指 | 石井義 | 4 | 0 | 1 | 0 | 右安 | 右飛 | 投ゴ | 三振 | 四球 | ||||
8 | 中 | 坂口 | 1 | 0 | 0 | 1 | 遊ゴ | 四球 | |||||||
打左 | 中島 | 2 | 0 | 0 | 0 | 三振 | 四球 | 三ゴ | |||||||
9 | 捕 | 鶴岡 | 1 | 0 | 0 | 0 | 三ゴ | ||||||||
打捕 | 日高 | 1 | 0 | 0 | 0 | 四球 | 中飛 | ||||||||
打捕 | 嶋 | 1 | 0 | 0 | 0 | 三振 | |||||||||
計 | 34 | 4 | 11 | 4 |
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 得 | 安 | 点 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 | 6回 | 7回 | 8回 | 9回 |
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1 | 二 | 西岡 | 3 | 1 | 1 | 0 | 三振 | 遊ゴ | 右安 | 三犠 | |||||
2 | 三 | 宮本 | 2 | 0 | 0 | 0 | 三ゴ | 遊ゴ | |||||||
三遊 | 中島 | 2 | 1 | 1 | 1 | 左安 | 右飛 | ||||||||
3 | 中 | 青木 | 4 | 1 | 1 | 1 | 投ゴ | 三振 | 中安 | 三ゴ | |||||
4 | 一 | 新井 | 2 | 0 | 0 | 1 | 右飛 | 二飛 | 中犠 | 四球 | |||||
5 | 右 | 稲葉 | 2 | 0 | 2 | 0 | 左安 | 左安 | |||||||
走右 | 荒木 | 2 | 1 | 0 | 0 | 三振 | 右邪 | ||||||||
6 | 左 | G.G.佐藤 | 3 | 0 | 2 | 1 | 三振 | 中安 | 右二 | ||||||
打左 | 森野 | 1 | 0 | 0 | 0 | 三振 | |||||||||
7 | 指 | 阿部 | 1 | 0 | 1 | 1 | 中飛 | 左安 | 二ゴ | 三振 | |||||
8 | 捕 | 里崎 | 3 | 1 | 1 | 1 | 中本 | 左飛 | 三振 | ||||||
捕 | 矢野 | 1 | 0 | 0 | 0 | 三振 | |||||||||
9 | 遊 | 川崎 | 2 | 1 | 1 | 0 | 二ゴ | 左安 | 四球 | ||||||
走三 | 村田 | 1 | 0 | 0 | 0 | 遊飛 | |||||||||
計 | 32 | 6 | 10 | 6 |
名前 | 投球回 | 打者 | 球数 | 安打 | 三振 | 四球 | 死球 | 失点 | 自責 |
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唐川 | 1 | 3 | 11 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 |
藤井 | 1 | 4 | 16 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 |
永井 | 1 | 4 | 12 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 |
宮西 | 1 | 6 | 27 | 3 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 |
甲藤 | 1 | 8 | 21 | 5 | 1 | 0 | 0 | 4 | 4 |
小野寺 | 1 | 4 | 13 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 |
三瀬 | 1 | 4 | 13 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 |
加藤 | 1 | 3 | 11 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 |
名前 | 投球回 | 打者 | 球数 | 安打 | 三振 | 四球 | 死球 | 失点 | 自責 |
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ダルビッシュ | 3 | 13 | 49 | 4 | 3 | 0 | 0 | 2 | 2 |
涌井 | 2 | 12 | 55 | 4 | 1 | 2 | 0 | 1 | 1 |
杉内 | 1 2/3 | 9 | 38 | 2 | 3 | 2 | 0 | 1 | 1 |
藤川 | 0 1/3 | 2 | 11 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 |
岩瀬 | 1 | 3 | 13 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
上原 | 1 | 5 | 25 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 |
ロッテの高卒ルーキー・唐川が、日の丸戦士相手に堂々のピッチングを披露した。パ選抜の先発を任され、予定の1回を3者凡退。「冷静になってみると、もうちょっと投げたかったと思った」わずか11球の貴重な経験を、名残惜しそうに振り返った。
先頭で迎えたのは、チームの先輩、西岡。カウント1−1からの3球目、内角直球のサインに首を振り、外角の直球で空を斬らせた。最後も外の142キロで空振り三振。「当てたらまずいじゃないですか」公式戦とは違う緊張感と“制約”。その中で、結果を残すあたりが19歳の非凡なところだ。
ベンチから、JAPANの投手の一挙手一投足を観察した。「うらやましいし、見ててかっこよかった。五輪は分からないけど、(09年に)WBCもあるので、選ばれるような選手になっていきたい」新たな目標ができたのが、最大の収穫だった。
パ選抜先発を務めたロッテのルーキー唐川が、イキのいい投球で1回を無失点に抑えた。内角へのサインには「僕には無理」と首を振ったが、西岡、宮本、青木をキッチリ3人で仕留め「引き立て役だけど、しっかり投げることができたので自信になった。いずれは代表のユニホームを着られるような選手になりたい」と笑顔。送りバントや盗塁など公式戦さながらの采配だった梨田監督は「いいやられ方だった。星野監督は満足されていないと思うが、守備陣形とか色々試せたと思う」と話していた。
当たりは違ったが、捕手陣2人は持ち味を発揮した。特大の一発を放った里崎が「実戦感覚を取り戻すことと、丁寧にプレーすることを心がけた」と言えば、逆方向に適時打した阿部も「本番に近い状況だったし、タイムリーが出て良かった」と胸を張った。
まずは里崎だ。2点を追う3回先頭で、永井の代わりばな、初球の直球をバックスクリーンへ運んだ。チームに勢いをつける140メートル弾に「本番でもそういうとき(ビハインド)があるし、追い上げの1本になって良かった」とうなずいた。
阿部も続いた。1点を追う4回2死一、二塁で、左腕・宮西の外よりの直球を流した。打球は左前で弾み、一時は同点となる適時打となった。シーズンとは違い、右足をすり足に変え、テークバックも最小限にとどめた。「国際大会では動くボールもあるし、それにどう対応できるかだから。左方向は基本に忠実にね」。G球場の練習から励んでいた左方向への当たりも飛び出し、本番モードにまた一歩近づいた。
昨年12月のアジア予選(台湾)では阿部が2試合で先発マスクをかぶり、指名打者での出場も含め、計13打数10安打で大会のMVPに。2006年のWBCで“世界一捕手”の称号を手にした里崎は3戦目の台湾戦のみの出場にとどまった。北京では、どちらがスタメンマスクでもおかしくない。首脳陣に嬉しい悩みが増えた。
7日のシート打撃で好投した日本代表の成瀬と田中が“中1日”で9日のセ選抜戦登板を首脳陣に直訴した。一時の不振から脱しつつある成瀬は「1番いい時に比べたらまだまだだけど、何とかなる感覚はある。自分の立場が(先発か中継ぎか)分からないから投げておきたい」と意欲十分も登板は微妙。大野投手コーチにカーブのアドバイスを求めた田中は「どう投げれば緩い球が投げられるか聞きました」。こちらは1イニング限定での登板がありそうだ。
日本代表の初得点は3回。里崎の豪快なソロ本塁打だった。パ選抜の3番手・永井(楽天)の初球の直球を思い切りよく振り抜きバックスクリーンへ。「シーズン中にもないくらいの飛距離」という完ぺきな当たりだった。0−2とリードされている状態から、反撃ののろしとなる一撃。「本番でも負けている展開はあると思う。追い上げの本塁打が出たのはよかった」と価値ある一発に気を良くしていた。
国際大会の経験豊富な女房役が特大のアーチを放った。3回、日本代表の里崎(ロッテ)が、パ選抜の永井(楽天)からセンターバックスクリーンへ運ぶ推定飛距離140メートルのソロ。完璧な当たりに「シーズン中もないくらいの飛距離」と自身の五輪モード転換を実感した。
日本代表の先発陣はダルビッシュ(日本ハム)、涌井(西武)、杉内(ソフトバンク)らパ・リーグの選手が多い。代表唯一のパ・リーグ捕手として、先発陣の特徴を最もよく把握する里崎が本番で先発マスクをかぶる可能性は高い。2006年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)では正捕手として活躍し、国際舞台での経験も申し分ない。
今季は開幕直後に右ひじ痛に悩まされ、一時は2軍落ちした。五輪出場も危ぶまれたが、交流戦中の5月25日に復帰し、間に合わせた。
右ひじの状態はまだ完全ではないが、日の丸を背負うからには常に全力を出し切る。「勝てば賞賛してくれる。でも、負ければ犯罪者のように扱われる。五輪はそういう世界」。WBCと北京五輪の“連覇”を狙う。