千葉ロッテのキャンプは13日、今キャンプ初の紅白戦を行った。各打者が右方向に鋭い打球を放ち、仕上がりの良さを感じさせた。投手陣は紅組先発の服部が好投。新外国人の左腕マーフィーも力のある球を投げ込み、順調な調整ぶりを示した。新人の荻野貴は左前打で出塁すると、初球から二盗を試み悠々と成功。西村監督を「彼の足の速さが特に目についた。収穫です」と喜ばせた。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
紅組 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 3 |
白組 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 7 | 9 |
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 遊 | 西岡 | 5 | 1 | 0 |
2 | 中 | 荻野貴 | 4 | 1 | 0 |
3 | 右 | 南 | 4 | 2 | 1 |
4 | 一 | 金泰均 | 4 | 2 | 1 |
5 | 三 | 今岡 | 4 | 0 | 0 |
6 | 左 | 竹原 | 4 | 3 | 1 |
7 | 二 | 根元 | 3 | 0 | 0 |
8 | 捕指 | 田中 | 4 | 1 | 0 |
9 | 指捕 | 的場 | 4 | 0 | 0 |
計 | 36 | 10 | 3 |
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 中 | 早坂 | 5 | 2 | 2 |
2 | 遊 | 塀内 | 5 | 1 | 2 |
3 | 二 | 井口 | 5 | 2 | 2 |
4 | 左 | 大松 | 5 | 1 | 0 |
5 | 三 | 今江 | 5 | 3 | 2 |
6 | 一 | 福浦 | 5 | 2 | 1 |
7 | 捕指 | 里崎 | 4 | 2 | 0 |
8 | 右 | ムニス | 3 | 1 | 0 |
9 | 指捕 | 斉藤 | 4 | 1 | 0 |
計 | 41 | 15 | 9 |
名前 | 回 | 打 | 安 | 責 |
---|---|---|---|---|
服部 | 3 | 11 | 1 | 0 |
大谷 | 3 | 13 | 4 | 1 |
松本 | 3 | 19 | 10 | 8 |
名前 | 回 | 打 | 安 | 責 |
---|---|---|---|---|
小林 | 2 | 9 | 2 | 0 |
マーフィー | 2 | 4 | 1 | 1 |
木村 | 3 | 10 | 2 | 0 |
テヘラ | 2 | 11 | 5 | 2 |
右打ちのテギュンだ。ロッテ金泰均(キム・テギュン)内野手(27=ハンファ)が13日、石垣島キャンプ初の紅白戦で自慢のライトバッティングを披露した。紅組の「4番一塁」で先発し、2回にいきなり持ち味を発揮した。カウント2−2からの外角直球を逆らわずに右前に運んだ。打たれた小林は「右に打ってくるとは思ってなかった。外角低めの変化球にはバットが止まるし、選球眼がいい。大振りしてこないし、相手にしたら嫌な打者」と、好打者の雰囲気を感じたと明かした。
続く2打席は連続三振だったが、8回にまたもや右前打を放った。前日までは体調不良を訴え、2日連続で「半ドン」で早退していたが、不安をぬぐう2安打だった。金も「イメージしたライトヒットが打てて良かったよ。紅白戦は体を作る過程の1つ。体ができたら内角も打つよ」と意識的な右打ちと話した。西村監督は「金が追い込まれてから右前にヒットを打ったね。しっかり考えてくれている」と満足そう。主砲にベンチが求めるのは、本塁打ばかりではない。
新守護神の小林が紅白戦で先発し、2回を無失点に抑えた。2回は2安打1四球で1死満塁のピンチを招いたが、落ち着いた投球で切り抜けた。西村監督は「初っぱなで投げられるだけで、去年とは違う。気持ちも伝わりました」と高く評価。小林は「(大嶺と唐川)2人に重圧をかけないと。先発狙おうかな」と新リーダーの自覚十分だった。
ロッテの3年目左腕・服部が今キャンプ初の紅白戦で先発。3回無失点に抑えて開幕ローテーション入りを猛アピールした。「忍者ハットリくん」にちなんで命名した手裏剣スライダーの切れが抜群で、今江の中前にポトリと落ちる1安打のみ。井口、大松も完璧に封じ込めるとムニス、斉藤からは空振り三振を奪ってみせた。
07年大学・社会人ドラフト1巡目で入団も、ここまで1軍登板はない。チェンジアップ、スライダーなど緩急で勝負するタイプだが、昨季まで結果を求めるあまりに力みが目立ち、直球がシュート回転。甘く入って痛打され、また力んで体の開きが早くなる悪循環に加え、投げ込み禁止のチーム方針もあって投球フォームが安定しなかった。
しかし、昨秋は西本投手兼バッテリーチーフコーチの指導の下、右打者の内角へ直球を1500球以上投げ込み。今キャンプも1300球以上を投げ、躍動感あるフォームを取り戻した。現在チームの先発陣で左腕は成瀬1人。木村、新外国人らと先発6番目の椅子を争うが、首脳陣の期待は高い。
「1、2年目は結果が出なくて非常に悔しい思いをした。今年に懸ける思いは誰にも負けないくらい強い」。ロッテのハットリくんが本来の力を取り戻した。
服部は新人だった08年も先発候補と期待されてキャンプ1軍スタート。2月23日の日本ハムとの練習試合(名護)で先発に抜擢されたが、同じ新人だった中田に2ランを浴びるなど2回4失点。その後は開幕1軍も登板機会がないまま2軍落ち。以来1軍昇格すら果たせていない。中田に喫した2ランは「今も覚えています。でも過去のこと」と言い、因縁の再対決に向け「頑張りたい」と意気込んでいた。
先発6番目の座を狙うロッテの木村は3回2安打無失点と結果はまずまずだったが内容は今一つ。6回1死二、三塁は今岡の痛烈な二直で二塁走者が飛び出して併殺と、何とか抑えた形だった。
先発として獲得を目指すドジャースのスタルツとの交渉は難航中。テスト生のテヘラは2回2失点と不安定な内容で、西村監督は「テヘラはもう1度投げさせてから合否を決めたい。先発6人目は今いる中から出てくるのがベスト」とした。
紅組の4番に座ったロッテの金泰均が2安打。前日まで2日間、体調不良で一部別メニューだった不安を払拭した。2回に小林から右翼へ二塁打すると、8回はテヘラから右前適時打。「今は体をつくっている段階で、とにかく右打ち。イメージ通りの打撃ができた」と巧打に満足げ。「キム・ヨナ?もちろん注目している」と開幕したバンクーバー五輪に出場するフィギュアスケートの母国のヒロインも気になる様子だった。
ロッテ期待の大砲・金泰均(キム・テギュン)内野手(27)が13日、今キャンプ初の紅白戦に紅組の「4番・一塁」で先発出場。本塁打こそなかったが、右方向に痛烈な2安打をマークし、視察したパ・リーグのスコアラー陣を震え上がらせた。
鋭い打球があっという間に一、二塁間を抜けた。8回2死二塁。メジャー11勝左腕のテスト生・テヘラの直球を右前適時打。「イメージ通りに右打ちできた」。2回無死では小林の直球を右前にライナーで運ぶと、右翼のムニスがもたつく間に、104キロの巨体を揺らして二塁を陥れた。「足は遅いけど積極的なんです」と笑顔だった。
ネット裏の楽天・安田スコアラーは「左脇が開かないから内角もさばける。3割、30本は打てる」と警戒。西武・根本スコアラーも「選球眼がいいし、振り回さずコンパクトに打ってくる。相当手強いね」と戦々恐々だ。
11、12日と体調不良で練習を半日で切り上げたが、フル出場で完全復活を印象づけた。「自分のペースでつくっていけばいいと思う」。09年WBC韓国代表の4番が、思う存分暴れまくる。
ロッテの竹原直隆外野手(29)が、今キャンプ初の紅白戦でチーム1号となる右越え先制ソロを含む3安打。外野の定位置獲りに向け、確かな手応えをつかんだ。
2回に小林から右前打すると、4回は新外国人左腕・マーフィーから一発。9回にはテスト生の左腕・テヘラから左前打を放ち、二盗も決めた。右の和製大砲候補も6年目。昨季は井口に弟子入りして、ギリギリまで球を引きつけて右腰付近で打つ新打法に取り組み、飛躍のきっかけをつかんだ。今季は井口の師匠、金森打撃兼野手チーフコーチも加わり、着実にステップアップしている。
「去年からやっている打ち方を継続できるのは大きい。分からなかったら井口さん、金森さんの2人に聞けますから」。井口の助言で、昨季970グラムだったバットを930グラムまで軽量化。スイングスピードが上がったことで確実性も増してきた。この日は井口も右中間に一発、今季から“金森打法”に取り組む今江も右翼にアーチ。チーム全体が右打ちの意識を強める中、竹原のバットも一際輝きを放っている。
同期入団で同じ外野手の大松は左の大砲に成長。俊足の新人・荻野貴も加わり外野のレギュラー争いは激しいが、竹原も負けてはいられない。
ロッテ那須野巧投手(27=横浜)が、14日の紅白戦に紅組先発として登板する。練習前の那須野は「フリー打撃には投げていますが、初めての実戦なので、ブルペンで投げていることを、しっかりと、できるようにしたい。打者が相手だと力んでしまうので、力まず投げたいですね」と話した。
ロッテ今キャンプ初の紅白戦が沖縄・石垣島で行われた。白組が1点を追う9回、先頭の福浦和也内野手(34)が右越え同点本塁打を放った。「風、風!」と謙遜しながら笑顔でベンチに帰ると、白組打線は大爆発。今江敏晃内野手(26)の2ラン本塁打など、この回一気に8長短打で7得点を奪った(特別ルール)。今江は「今日は4打席目の見逃し三振の時に、テーマにしていたいい見逃し方ができたのが収穫。本塁打はオマケです」と、課題にしているボール見極めに収穫があったと笑顔で話した。
ロッテ唐川侑己投手(20)が13日、右手中指にマメができたためブルペン投球を行わなかった。12日に75球のブルペン投球を行った際にできた。唐川は「明日もノースローになると思います」と話した。
ロッテ竹原直隆外野手(29)が13日、「西村ロッテ1号アーチ」を放った。紅白戦の4回、新外国人左腕のビル・マーフィー投手(28)の外角シュートを右越え本塁打とした。2回と9回にも単打を放ち、4打数3安打の大当たり。「出だしとしては良かった。引きつけながらも詰まらない打球をテーマにしているのですが、本塁打以外の2安打も、それができたと思います」と話した。
ロッテのドラフト1位ルーキー荻野貴司外野手(24=トヨタ自動車)が足で魅せた。13日、紅白戦に紅組2番中堅で先発出場し、6回に初安打を放って出塁すると、初球で二盗に成功した。試合後の西村監督は「一発で初球から走れた。初球から走ってくれるといいなと思っていたところ、走ってくれた。僕にとっては、嬉しいというか、収穫」と話した。荻野貴は「積極的に行こうと意識しました」と笑顔をのぞかせた。ただ、第1打席から2打席連続で左飛だったことを「簡単にフライを上げてしまいました。何とか転がさないと」と打撃面では反省していた。
ロッテ・唐川が今キャンプ初のノースロー調整となった。12日のブルペン投球中に右手中指のマメを潰したためで「大事を取って2、3日様子を見ることになりました。シーズン中にできるマメと同じだし大丈夫です」と説明。患部をテーピングし、指先に負担がかからないノックなどに汗を流した。12日は今キャンプ最少75球で切り上げたものの、既にここまで1351球を投げている。投げようと思えば投げられる状態だが、肩のいい休養と前向きにとらえていた。