千葉ロッテのキャンプは14日、2日続けての紅白戦を行い、投手陣は明暗が分かれた。伊藤はボークで得点圏に走者を進めたものの、その後は落ち着いた投球で2回無失点。直球が145キロを記録した内は今岡、竹原のバットを連続でへし折った。コーリーは2回を打者6人で片付け、2年目の上野は2回を1安打に抑え「楽しんで投げられた」と充実の表情を浮かべた。
反対に、3回を投げた両軍先発の大嶺と那須野は制球が定まらなかった。大嶺は初球の入りが甘く6失点。那須野は4四死球に悪送球と散々な内容で「最悪。次で結果を残さないとまずい」と危機感を募らせた。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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紅組 | 1 | 5 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 8 |
白組 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 中 | 早坂 | 4 | 2 | 0 |
2 | 遊 | 塀内 | 2 | 1 | 1 |
3 | 二 | 井口 | 4 | 1 | 3 |
4 | 左 | 大松 | 4 | 1 | 2 |
5 | 三 | 今江 | 3 | 1 | 1 |
6 | 一 | 福浦 | 4 | 0 | 0 |
7 | 捕指 | 里崎 | 4 | 1 | 0 |
8 | 右 | ムニス | 4 | 1 | 0 |
9 | 指捕 | 斉藤 | 4 | 1 | 1 |
計 | 33 | 9 | 8 |
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 遊 | 西岡 | 3 | 1 | 0 |
2 | 中 | 荻野貴 | 3 | 1 | 0 |
3 | 右 | 南 | 3 | 0 | 0 |
4 | 一 | 金泰均 | 3 | 0 | 0 |
5 | 三 | 今岡 | 4 | 1 | 0 |
6 | 左 | 竹原 | 4 | 1 | 0 |
7 | 二 | 根元 | 3 | 0 | 0 |
8 | 捕指 | 田中 | 3 | 1 | 0 |
9 | 指捕 | 的場 | 2 | 0 | 1 |
計 | 28 | 5 | 1 |
名前 | 回 | 打 | 安 | 責 |
---|---|---|---|---|
那須野 | 3 | 13 | 0 | 0 |
伊藤 | 2 | 8 | 3 | 0 |
コーリー | 2 | 6 | 0 | 0 |
内 | 2 | 8 | 2 | 0 |
名前 | 回 | 打 | 安 | 責 |
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大嶺 | 3 | 18 | 5 | 6 |
荻野忠 | 2 | 13 | 2 | 2 |
上野 | 2 | 7 | 1 | 0 |
テヘラ | 2 | 8 | 1 | 0 |
先発ローテの一角に期待されるロッテ大嶺祐太投手(21)が紅白戦に先発し、3回を5安打6失点と大炎上した。2回、先頭の里崎に初球の直球を右中間へ二塁打とされると、初球被安打のオンパレード。5点を失った2回の4安打は全てが初球、しかも甘いコースだった。西本投手兼バッテリーチーフコーチは「カウント1−3からやっているのかと思ったよ」と大嶺に落胆。怒りを隠してニッコリ笑って、「ふざけんなよ」とボヤいた。
唐川と2人で、将来的に若き先発2枚看板をつくるのが西本コーチの構想だ。だからボヤキが過熱する。試合前、大嶺は低めに投げるテーマを宣言していたため、「言うだけじゃな。反省はだれでもできる。話にならないどころじゃない」とボヤキは止まらなかった。大嶺も「下半身が高かった。もっと沈んで投げないと」と反省の弁ばかり。次回登板で信頼回復につなげたいところだ。
今岡が歓喜の初安打を放った。前日同様5番三塁で先発し、3打席凡打後の9回。内の内角直球にバットを根元で折られながら、左翼手の足元に打球を落とした。試合後は「最高!4打数無安打と1安打は違う。打球が落ちるのと、捕られるのでは全然違う。今の立場の僕にとっては大きなヒットです。試合に出るためには、アピールしないといけないですから」。喜びが心の底からあふれるようだった。
ロッテ石川晃球団副代表は14日、入団テストを受けたキューバ出身左腕マイケル・テヘラ投手(33=元レンジャーズ)の合否を保留した。2日連続で紅白戦に登板させたが「ちょっとボールに威力がないので難しいかな」と不合格を示唆。ただし先発左腕は必要なため「もう何人かリストがあるので17日か18日に(報道陣に)お話しします」と他の候補と比較検討してから発表する意向を示した。西村監督は「考えはフロントにお話ししています」と一任する姿勢を示した。
ロッテ・大嶺祐太投手(21)の先発ローテ入りに黄色信号がともった。14日、紅白戦に白組の先発で登板し、3回5安打6失点と打ち込まれた。西本聖投手コーチ(53)ら首脳陣は、第4クールに予定されている紅白戦などで“追試”を行う方針だ。
西本コーチの怒りは頂点に達していた。報道陣に大嶺について聞かれると、「ふざけるなと言いたい。話にならない。ちょっと悪かった?ちょっとどころじゃない」とまくしたてた。
初回に1点を奪われ、2回には3連打を含む、4安打1四球で5失点。高めに浮いた直球を次々外野に運ばれた。「重心が高かった。(下半身が)もっと沈んで投げないと」と大嶺。最速も138キロ止まりだった。
今キャンプでは西本コーチから「2000球指令」が下され、連日100球以上投げ込んできた。球威アップのため、昨年までセットポジションから投げていたが、ワインドアップにも挑戦中。右腕は「試しながら投げている」と試行錯誤を続けている。
西本コーチは「競争は甘くない。次?もうワンチャンスかツーチャンスになるかは大嶺本人が決めること。低めは意識すれば投げられる」と次回に期待。幸い、この日も3回は低めを突き、3者凡退。修正の兆しは見せた。「何球かいい球もあった。次はもっと指で押し込んで投げたい」。21歳のエース候補に、立ち止まっている時間はない。
紅白戦に先発したロッテ大嶺が3回6失点。有力だった開幕ローテーション入りが白紙となった。
最悪だったのは2回だ。先頭・里崎から全て初球の直球を3連続長短打されて1点を失うと、犠打と四球でなお1死満塁。続く井口に再び初球の直球を走者一掃三塁打された。
西本投手兼バッテリーチーフコーチは「ふざけるな、ですよ。話にならない。カウント1−3でもないのに、直球をど真ん中ばかりに投げて。何も考えて投球していない」とバッサリ。先発5人目として期待は大きいが「甘くはない。他の投手がいい投球をすれば、そっちを使う。いい投手に投げさせることだけ決まっている」と強調した。
低めへの制球をテーマに登板しながら高く浮いてばかりだった大嶺は「下半身の使い方が悪かった」と反省しきり。最速138キロ止まりと本来の球威には程遠く、課題ばかりが残った。
ロッテのテスト生として参加中の左腕テヘラが2日連続で紅白戦に登板。2回無失点も内容は今一つで、不合格が濃厚となった。西村監督の意向を伝え聞いた石川球団副代表は「球に力がないし厳しい感じ」と説明。先発左腕として獲得を目指すドジャースのスタルツは交渉が難航中でもあり最終結論は17日まで先延ばししたが、大嶺の不調もあって先発5番手以降の見通しが立たない苦しい状況となっている。
ロッテ井口資仁内野手(35)が、紅白戦の2回1死満塁から走者一掃の3点適時三塁打を放った。立ち上がりに苦しむ大嶺の初球、高めの直球を、逆らわずに弾き右中間を破った。右方向への打球だったことに「今年のチームの課題は、そこにあるからね。年寄りからやっていかないと。細かいところで、去年との違いを出していかないと」と話した。
ロッテ7年目右腕の内竜也投手(24)が紅白戦に登板し、2回を2安打1奪三振無失点に抑えた。直球は最速145キロと、仕上がりの早さをアピールした。西村監督は「あとは、追い込んでからの1球だよね」と、評価しながら、さらなる飛躍のために具体的なアドバイスを送っていた。
ロッテ早坂圭介内野手(25)が、武器の足をアピールした。紅白戦の4回だ。先頭打者で左前打を放ち出塁すると、あっさり初球で二盗を決めた。さらに同じ打者(2番・塀内)へのワンバウンドを、捕手が前に弾いたのに反応し、三塁に進んだ。そして、塀内の浅い左飛で、快足を飛ばしタッチアップを敢行。ギリギリのタイミングだったが間一髪セーフ。試合後の西村監督は「今日は前の塁へ行く姿勢をみせて、浅い飛球でも積極的に走った場面、あそこが収穫でした。去年までとは違っているのかな」と、西村イズムが浸透していると喜んだ。早坂は「1点が大きいんですよ。1点が。ああいうプレーが僕の持ち味だし、自分の中では当たり前のプレーです」。
登録は内野手だが、この日も中堅で出場。レギュラー獲得には、新人の荻野貴司外野手(24=トヨタ自動車)との争いとなる。「開幕スタメンを目指したい。サブ的なのは嫌。相手のことは気にしませんが、負ける気はない」と、プロ8年目の意地をのぞかせた。
ロッテ・井口が紅白戦の2回1死満塁から三塁打。初回の中堅への大飛球は強い逆風に押し戻されたが、本塁打と二塁打を放った13日に続いて好調ぶりを示した。「(打撃としては)初回の方が良かったかな。順調に来ているし、いい感じ」。三塁打の直後には、大松が前進守備の二塁正面へのゴロを放った際に本塁を陥れる好走塁。「細かいプレーで差が出てくる。今年のテーマですから」と語った。
ロッテ那須野巧投手(27=横浜)が紅白戦で先発し、3回を無安打1奪三振4四球で1失点だった。安打こそなかったものの、1回先頭打者、2回、3回は1死からと要所要所で四球を出した。「最悪でした。ブルペンでは良かったのですが、四球が…」と制球難を猛省していた。西本投手コーチは「ブルペンでは投げられているのだから、もう少し、自分に自信を持っていかないと。いいものを持っているのだから」と才能の開花を期待した。
ロッテ・那須野が紅白戦に先発し、3回無安打に抑えたが4四球と制球難を露呈。2回には自らの失策も絡んで1点を失った。昨オフ、横浜からトレード移籍し、先発候補の1人として期待される左腕は「制球が最悪っス。ひどい…、本当にひどかった。ブルペンではメチャクチャいいのに」。西本投手兼バッテリーチーフコーチは「もっと自信を持って投げれば大丈夫。いいものを持っているんだから」と精神面の成長を促した。
石垣島キャンプに抜擢されているロッテの新人右腕・大谷が25歳の誕生日を迎えた。毎年、バレンタインデーと誕生日が重なるが「お祝い?特にないですよ」。キャンプイン後は2度の休日以外は連日投げ込み。夜もシャドーピッチングやプールでの練習と野球漬けの日々が続いている。14日もブルペン入りし、ノースローの日がないことにも「休んでいる暇はありません」と開幕1軍生き残りへ懸命にアピールを続ける。
ロッテの外野手レギュラー争いが激化している。早坂圭介外野手(25)が紅白戦で2試合連続の2安打。盗塁や好走塁でも存在感を示した。「自分が求められるのは細かいプレー。まずは塁に出ること。出たら、常に次の塁を勇気を持って狙っています」。
俊足で売り出し中の新人・荻野貴に負けられない。初回に三塁ベースを直撃する安打で出塁。続く塀内の一塁前への強めバントを処理した金泰均は迷わず二塁送球したが、早坂の足が勝って野選となり、先制のホームインにつなげた。2回は犠打をキッチリ成功。4回は左前打を放ち、すかさず塀内の初球に二盗を決めた。さらに3球目には捕手・田中がわずかに前にはじいたスキを見逃さず三塁へ(記録は暴投)。4球目を叩いた塀内の浅い左飛でタッチアップから本塁を陥れた。
西村監督は「4回の早坂の出塁から生還、あれが今日1番の収穫」と絶賛。5回の四球など4出塁の早坂は「結果が出ると、やっぱり気持ちも乗ってきます」と連日の居残り特打、夜間の素振りでも気持ち良さそうに汗を流した。
昨季は自己最多103試合に出場。自分以上の俊足と評判の高く、中堅で競い合っている荻野貴の加入にも「絶対に負ける気はしない。オレがレギュラーだとしか考えない」と言い切る。チームの外野レギュラー3枠はサブロー、大松は決定。残る1枠を荻野貴、強打の竹原、ムニス、強肩の南らと争うが、早坂は一歩も譲らない覚悟で猛練習に明け暮れている。