ロッテが4月以来の同一カード3連戦3連勝。3回に大松の2点適時打で逆転し、7回には代打福浦が3ランを放った。来日初登板のペンは直球を軸に5回2安打1失点で初勝利。オリックスは追い上げたが、一歩届かなかった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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千葉ロッテ | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | 3 | 1 | 1 | 8 |
オリックス | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 1 | 0 | 6 |
ロッテ西村徳文監督(50)の采配が的中した。オリックス先発の左腕の山本対策として、4日に1軍昇格した青野を8番DHで起用した。1点リードの6回無死、その青野が3年ぶりの今季1号ソロを放った。続く7回の2死一、三塁。「あそこは勝負なので迷いはなかった」と、青野に代えて左の福浦を送り込むと、福浦は右越え3ランで5点リード。打つ手がズバリとはまった。
今季から就任した西村監督は、1軍に昇格した選手を即起用するケースが多い。4月29日には2年目右腕の香月がプロ初登板初勝利を飾るなど、選手も期待に応えている。「1軍に昇格しても使われないまま2軍に落ちる選手を見てきたので、そういうことはしたくない」と、コーチ時代の経験を生かしている。
1点差まで詰め寄られたが、守護神・小林宏を8回から投入して逃げ切り勝ち。首位西武とは2.5ゲーム差。4月以来の同一カード3連勝にも、西村監督は「問題は明後日千葉に戻ってからですよ」と気を引き締めた。
ロッテの新外国人右腕、ペン(前パイレーツ傘下3Aインディアナポリス)が球団史上3人目となる来日初登板初勝利。1回、後藤にソロアーチを浴びたが、140キロ台後半の直球とキレのあるカーブで5回2安打1失点と好投した。右腕は「点数をつけられないぐらい嬉しい」と満足げ。チームは7連敗で迎えたオリックス戦で3連勝。首位西武に2.5ゲーム差で食らいついている。
球威と切れがあり、制球が良ければ球種は多くなくても抑えられる。ロッテの新外国人・ペンがチームの外国人では97年・フィアリー以来3人目となる来日初登板初先発で初勝利。自身のデータが相手に少ない有利な状況とはいえ、ほぼ直球とカーブだけで5回2安打1失点に抑え込んだ。
「最初の登板でいい投球ができて良かった。直球とカーブは自信がある。いい時はもっといい球が投げられるよ」。全75球の内訳は直球44、カーブ29、チェンジアップ2。持ち球のカットボールは使わず、初回に後藤に本塁打されたチェンジアップも2回以降は1球だけ。T−岡田に対しては2回が直球で投ゴロ、4回はカーブで空振り三振。最速149キロを計測した直球と縦に鋭く曲がり落ちるスライダーに近い120キロ台のカーブと事実上の2球種で翻弄した。
外国人投手が日本で成功する鍵の1つが制球力。四球などで自滅する外国人も多い中、バッテリーを組んだ的場は「球威があって、カーブも切れる。制球もいいし自滅するタイプじゃない」と言い切った。直球とカーブがカウントを整える球にも勝負球にも使えるペンが、ロッテ投手陣の再建を担う可能性は高い。
クールな表情から笑みがこぼれた。7月末に緊急補強したペンが来日初登板初先発。5回を2安打1失点に封じデビュー戦を飾った。「点数がつけられないぐらい嬉しいよ」。ロッテの外国人投手で初登板勝利は53年のカイリー、97年のフィアリーに続いて3人目の快挙になる。
「緊張していた」という初回こそ後藤に一発を浴びたが、2回以降は冷静さを取り戻した。最速149キロの直球に「要所で決まった」という120キロ台のカーブを織り交ぜ5奪三振。与えた四球も1つだけと安定した制球に、西村監督も「十分でしょう」とうなずいた。
「自分は毎日勉強。仲間やコーチ、スタッフが良くしてくれて感謝している」。9回を締めた小林宏からウイニングボールをもらい「アメリカに帰ったときに家族へ渡すよ」と笑顔を見せた。
同一カード3連勝は4月13日からの日本ハム3連戦(札幌D)以来、今季3度目。「次は5回以上投げるよ」。再奪首を狙うロッテに頼もしい助っ人が加わった。
ロッテが手薄だった先発陣を厚くするため、緊急に獲得した新外国人のペンが来日初登板初勝利を挙げ「点数をつけられないくらい嬉しい」と表情を緩めた。
1回に後藤にソロ本塁打を浴びたが、それ以降はゼロに抑えた。直球とカーブの切れが良く、2つの球種でほとんどの打者を抑えていく。5回1失点に「真っ直ぐとカーブには自信を持っている。カーブは調子が良ければもっといい」と頼もしかった。
リードした的場は「コントロールに苦労する感じはしない。自滅の心配がない」。この日も1四球を与えただけ。3回以降は無安打に抑え、5回をテンポ良く75球で投げた。
チームは4月中旬以来の同一カード3連戦3連勝。新戦力の加入に、西村監督も「十分でしょう」とにんまりだった。
ロッテの井口が1回に右ひざに投球を受け、4回の守備から退いた。井口は「最初は大丈夫だったけど、ちょっと腫れが出てきたので」と話した。井口は今季ここまでフルイニング出場を続けていた。病院に行くかどうかは、9日の様子を見て決める。西村監督は「無理はさせたくないので」と話した。
ロッテの大松が0−1の3回に2点適時打を放った。6試合ぶりの打点で「最近、チャンスで打てていなかった。打てて良かった」と胸をなで下ろした。2死二、三塁で4番の金泰均が敬遠気味の四球。満塁となって、5番打者は内角の直球に詰まりながらも右前に落とした。「結果的にはラッキーなヒットになったけど、何としても走者をかえそうという気持ちが通じた」とコメントした。
ロッテ青野毅内野手(27)が1点リードの6回、無死から右中間へ1号ソロを放った。オリックス山本の外角高めの直球をとらえ、先発のペンを援護する貴重な追加点。07年以来3年ぶりの本塁打となり「ホームランなんてずっと打っていなかったので、まさかと思っていた」と本人もビックリの1発だった。
ロッテ大松尚逸外野手(28)が、0−1の3回、逆転の2点適時打を放った。2死満塁からオリックス山本の内角直球に詰まらされたが、二塁後方へのポテンヒットで2者が生還。6試合ぶりの打点に「ここ最近、チャンスで打ててなかったので、打ててよかったです」と胸をなでおろした。