ロッテは1回に福浦の中前打で1点を先制し、2回は西岡の適時二塁打で2点を加えるなど小刻みに得点を重ね、4回までに5点を奪った。コーリーが3勝目。6回以降は4投手が無失点でつないだ。日本ハムの連勝は4でストップ。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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北海道日本ハム | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
千葉ロッテ | 1 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | x | 5 |
勝利の瞬間、ロッテ西岡剛内野手(26)は、グラブをはめたまま両手を頭の上で合わせた。2連敗で迎えた日本ハムとの今季最終戦。「絶対に負けることが許されないゲームだった」。その緊迫感から解き放たれたかのように、合わせた手の下で笑顔を見せた。
勝つために重ねた安打は今季173本に達した。2回、試合の流れを大きく呼び込んだ2点適時二塁打が今季172安打目。そして、4回、追加点のホームを踏んだ二塁打が173安打目だった。西岡が入団した03年に福浦がマークした球団3位のシーズン172安打を抜いた。
西岡が絶対に勝たないといけないと位置づけたこの日の試合で、先制打を放ったのは福浦だった。目標にしてきた先輩打者の存在感はまだまだ大きい。その福浦が言う。「今年の(西岡)剛はすごい。フルイニングで出続けて、疲れている中での成績。どんどん安打を重ねて200安打を目指して欲しいね」。積み重ねた数字は、西岡だけでなく、奮闘を知る仲間の励みになっている。
小野が好救援を見せた。7回1死満塁から、二岡と中田を連続三振で切り抜けると、8回にも1安打を許しながら3三振で抑えた。打ち気にはやる中田には全てボールのコースで勝負するしたたかさも見せた。「打者とのかねあいもあって的場がうまくリードしてくれた。自分は三振をとる投手ではないので、気持ちがそうさせてくれたのかなって思います」。前日は延長12回に勝ち越し犠飛を許し敗戦投手となったが、その悔しさを1日で晴らした。
3連敗の危機を主将が救った。西岡が2安打2打点1得点。ベンチの中の温度計が43度を記録したデーゲームにもかかわらず、右翼席を埋めたロッテファンを酔わせた。「絶対に負けられない試合。めちゃめちゃ暑かったけど、最後まで集中してプレーしました」。
1点リードの2回1死二、三塁から左中間へ2点二塁打を放ち、2003年に福浦が記録したシーズン172安打に並んだ。4回にも左中間二塁打し、金泰均(キム・テギュン)の左犠飛で5点目のホームを踏んだ。これで173安打とし、球団史上単独3位に。03年に入団し、首位打者に輝いたことがある福浦の打撃を手本にしてきただけに、感慨もひとしおだ。「入団当時から福浦さんを尊敬し、目標としてきた。その記録を抜いて素直に嬉しいし、これから少しでも近づけるように頑張っていきたい」。
このペースでいくと、最終的に198安打。1961年に榎本喜八がマークした球団記録の180安打はもちろん、パでは94年のイチロー(オリックス、210本=プロ野球記録)以来となる200安打も夢ではなくなってきた。田中(日本ハム)、川崎(ソフトバンク)との最多安打争いを制し、リーグ優勝もタイトルもいただくつもりだ。
先発のコーリーが5回6安打1失点で3勝目(3敗)。1回に3四死球で招いた2死満塁のピンチを断ち切り、リズムに乗った。「幸運にも1回を無失点で切り抜けたのが大きかった」。04年に巨人に在籍した経験もある36歳は外国人枠の関係で、この日が1ヶ月ぶりのマウンド。登板機会がないため6日に再び出場選手登録を抹消されるが、チームに貴重な1勝をもたらした。
ロッテの小野は最大の武器であるシュートを軸に、打たせて取るタイプというイメージを逆手に取った。出番は4点リードの7回1死満塁。シュートで詰まらせて内野ゴロ、が理想の形だ。打者もシュートを想定している中で小野が選択したのは、外角へのカットボールとスライダーだった。
「外角中心でも弱気な投球じゃない。攻めていったつもり」。二岡はカットボールで空振り3球三振。中田もスライダー、カットボールの連投で2ストライク2ボールと追い込んだ。6球目にこの試合初めてシュートを投じて空振り三振。ピンチを切り抜けた。前日は0−0の延長12回にシュートが抜けて連続死球。ピンチを招いて決勝点を許したが、この試合は相手の頭にあるデータを逆利用した。
背部痛から復帰した8月10日から一時的にセットアッパーを務める。先発ではチェンジアップなどを駆使して緩急をつけるが、1点も許されない状況では自信のある球を多投する。8回も続投してアウト5つは全て三振に仕留めた。連敗を2で止める好救援。抑えの小林宏につなぐ、小野の存在は逆転優勝のカギを握る。
ロッテの西岡が2安打2打点。今季173安打としてシーズン安打数が球団単独3位となった。
03年・福浦の172安打を抜いて「プロに入った時から福浦さんを尊敬し、ああいう選手になりたいと思っていた。大先輩の記録を抜けて素直に嬉しい」。先制打を放った福浦は「今年の剛(西岡)は本当に凄い。200本安打を目指して欲しい」とエールを送った。
ロッテは1回に福浦の中前打で1点を先制、2回には西岡の適時二塁打で2点を加えるなど4回までに5点を奪った。コーリーが5回1失点で3勝目。6回以降は4投手が無失点で抑えた。
ロッテ先発コーリーが5回1失点と粘り、6回から継投に入った。5−1の7回。古谷が1死満塁のピンチを招くと、前日の延長12回に決勝点を献上した小野が登板した。「昨日の悔しい思いをぶつけた。全力を尽くした」。
当初は「経験もないし、自分でいいのかと思う」と言っていたセットアッパーを見事に務めている。
残り18試合。「中継ぎ陣が頑張れは、勝ち試合をつくっていける」と、小野の言葉に責任感がにじんだ。
ロッテ小野晋吾投手(35)が、4日の汚名を返上する好投を見せた。7回1死満塁から、二岡、中田を連続三振。8回にも3つの三振を奪い、全てのアウトを三振で片付けた。前日は延長12回に登板したが、2つの死球などで満塁のピンチを招くと、飯山に決勝犠飛を許していた。「昨日のことがあったので全力でいった。悔しかったのでね…。残り18試合。ここからは中継ぎの重要度が増す。しっかり仕事ができれば勝てる」と、最終局面での奮闘を誓った。
ロッテの西岡は好調が続く。2回1死二、三塁で「1点ずつ積み重ねないと」と2点二塁打。4回にも二塁打で出塁し、金泰均の犠飛で5点目のホームを踏んだ。
早くも今季173安打。2003年の福浦を抜き、球団史上3位となった。「入団当初から福浦さんを尊敬し、何とかあのような選手になりたいと目指してきた。抜くことができたのは素直に嬉しい」と喜んでいた。
猛暑のマウンドで、冷静にピンチを脱していった。負ければ、4位日本ハムに1.5ゲーム差に迫られる一戦。ロッテは投手陣が踏んばった。
先発コーリーが5回1失点と粘り、6回から継投に入った。5−1の7回。古谷が1死満塁のピンチを招くと、前日の延長12回に決勝点を献上した小野が登板した。「昨日の悔しい思いをぶつけた。全力を尽くした」。
二岡、中田と外角一辺倒の攻めで、ともに空振り三振。7回を無失点で切り抜け、8回も3三振を奪った。前日は内角攻めのあまり、2死球が絡んで失点。この日は一転、決め球のシュートを見せ球にした老練な投球だった。当初は「経験もないし、自分でいいのかと思う」と言っていたセットアッパーを見事に務めている。
残り18試合。「中継ぎ陣が頑張れは、勝ち試合をつくっていける」と、小野の言葉に責任感がにじんだ。
ロッテ福浦和也内野手(34)が1回、先制適時打を放った。2死一、二塁のチャンスに、フルカウントからのフォークを中前へはじき返した。「昨日、延長12回まで無得点で負けたので、どんな形でもいいから早い回に先制したいと思っていた。それにしても暑い。こんな中投げている投手のためにも、1点でも多く援護してあげたいね」と、汗をぬぐった。