1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨人 | 0 | 2 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 |
千葉ロッテ | 4 | 2 | 0 | 5 | 0 | 1 | 0 | 0 | x | 12 |
ロッテ先発の唐川が5回9安打4失点。2回はライアルに中越え2ランを浴びるなど高めに浮いた球が目立った。
それでも「今年初めてマリンで投げるので感覚をつかみたかった。色々と試したので」と意に介さなかった。東日本大震災当日の11日の楽天戦(明石)以来の登板。震災の影響で、ナインに自宅待機の指示が出る日もある中で調整を続けてきた。西村監督は「どこが悪かったか自分で分かっていると思う。次はしっかり投げてくれるでしょう」と話した。
ロッテ4番の大松が3打席連続適時打と存在感を示した。東日本大震災の影響で、主砲の金泰均(キム・テギュン)が韓国に一時帰国。代役4番は初回、2回は左前へ、4回に左中間二塁打。いずれも左腕の藤井から左方向に打球を運び「どの打席も走者を還すことができて良かった」とうなずいた。4番争いのライバル不在の間にアピールし「内容もだけど、結果を求めてやったので良かった」と力強かった。
ロッテ金沢岳捕手(26)が持ち味の打力をアピールした。19日、巨人との合同形式の実戦形式に途中出場。4回2死満塁の好機に走者一掃の中越え適時二塁打を放つなど、3打数3安打3打点と活躍した。4回の打席については「難しい球を打つのは厳しい。甘い球を逃さないことが大事。うまく一発で仕留めることができた」と満足そうに振り返った。
ロッテ大松尚逸外野手(28)が19日、巨人との実戦形式の合同練習で3打数3安打3打点の大活躍を見せた。3安打のいずれもが左腕の藤井から奪った適時打。好調ぶりをアピールし「なかなか左投手で試合に出る機会がなったので、内容よりも結果を求めていた。いずれもランナーをかえせてよかった」と納得の表情だった。
ロッテ唐川侑己投手(21)が19日、QVCマリンで行われた巨人との実戦形式の合同練習に先発した。5回4失点9安打の投球を「色々な球種を試そうと思って投げた。スライダーはよかったが、他の球種がよくなかったので、(スライダーの)球数が多くなった」と振り返った。
ロッテと西武が19日、4月12日の開幕戦をデーゲームで実施する方針を固めた。ロッテはQVCマリン(千葉市)で楽天戦、西武は西武ドーム(埼玉・所沢市)で日本ハム戦を予定しているが、どちらも東京電力の管内。ロッテ瀬戸山球団社長は「(4月12日の)電力状況が今と同じなら、ナイターをやめることを視野に入れるのはやむを得ない」と話した。
QVCの電力消費量はナイターで約1万6000キロワット時、デーゲームなら約1万1000キロワット時。4000〜5000キロワット時を消費する大型スクリーンを使用しなければナイターの半分以下での開催が可能。同社長は「節電をしてやってくださいということだと考えている。代替球場は考えていない。QVCでやる前提で進めている」と説明した。
西武も開始時間を変更する方向だ。飯田専務は「4月12日はナイターではやらない。西武ドームで開催するとしたら、デーゲームでも照明は使用しない」と話した。その一方で、大宮での開催や東京電力の管轄外での開催も視野に、調整を進めていく。
パ・リーグでは21日に臨時オーナー会議を開催し、一連の問題について意見を交換する予定だ。
セ・リーグは19日、都内で臨時理事会を開き、公式戦開幕をすでに発表された3月25日から延期して、同29日に変更することを決めた。18日に文科省が日本野球機構(NPB)に東京電力、東北電力管内での電力需要に鑑みナイターを行わないよう要請したことを受け、協力することで一致。徹底した節電対策を講じ、レギュラーシーズンでは延長戦は行わず、9回で打ち切りとすることなども決まった。
午後2時から始まったセ・リーグ臨時理事会は約5時間にも及んだ。文科省からの節電要請に協力するため「開幕延期」で全球団一致したが、時期については意見が分かれた。
ヤクルトは、被災に見舞われたヤクルトレディも多数いることから、球団の意向として延期を強く要望。パ・リーグと同じ4月12日開幕を訴えたという。ヤクルト新(あたらし)常務取締役は「せめてパ・リーグと同じ開幕にしたかったが、大勢の意見もあって難しかった」と、押し切られたことを明かした。
日程変更については、セ・リーグとして「ファンの皆さまへ」と題した文書で6項目にまとめて発表した。まずは当初の開幕から1カード遅らせて、3月29日開幕とする。次に4月3日までの18試合中、節電地域内で開催されるナイター6試合については、全てデーゲームで開催する。同5日からは節電地域内で行われるナイターを「減灯ナイター」として、大規模停電対策を講じて開催することも決まった。東京ドームの巨人−阪神戦で減灯ナイターの口火を切る。
節電対策の一環として、今季公式戦全試合について延長戦を行わず、9回で打ち切りとすることも決まった。消費電力が増える夏場の試合については、可能な限りデーゲームへの変更を検討するという。
文科省の通知を受け、ようやく重い腰を上げたセ・リーグ。発表した文書の中で「選手の真剣なプレーをお見せしながら復興を全力で支援したい。例年とは大きく異なるプロ野球になるが、節電に配慮した試合開催にご理解頂きますようお願いします」とした。今後も原発問題など不測の事態があれば、再検討するという。
1度は17日に予定通り25日に開幕すると発表した。しかし、前日18日に文科省からナイター開催自粛するよう異例の要請を受け、対応を協議していた。各球団にも抗議が殺到していた。世論や延期を要望したプロ野球選手会、さらには文科省の要請に突き動かされる形で異例の決着となった。
セ・リーグは19日、都内で臨時理事会を開き、公式戦開幕をすでに発表された3月25日から延期して、同29日に変更することを決めた。18日に文科省が日本野球機構(NPB)に東京電力、東北電力管内での電力需要に鑑みナイターを行わないよう要請したことを受け、協力することで一致した。
労組プロ野球選手会会長の新井貴浩内野手(34)が、遠征先の札幌で会見し、「予想はしていなかった。(選手会は)最初からセ、パ同時開幕と言っているので、29日とは思わなかった」と話し、セ・リーグの29日開幕を予想外とした。
選手会は、希望する開幕時期を明示していない。ただ、1カードのみの延期は想定外。新井は「再度、意思を確認して、対応を協議して発表します。時間はないが、すぐに選手会の対応というものがでるか、厳しいと思います」と話した。
新井は、経営側への対抗策として次の段階をストライキの議論としている。ただ、この日はその議論に発展する可能性として「12球団の選手会がどういう反応をするか。この場ではいえない」と話すにとどめた。4日で3度の要望に、文科省の「強権発動」も追い風となって、経営側から譲歩を引き出した。ただセ・リーグの発表は12球団ヒアリングを再度、必要とする決定だった。
ロッテは19日、節電を求める文科省の通達を受けて、当面の間はナイター開催を自粛する方針を固めた。瀬戸山隆三球団社長は「電力の問題は、場合によってはナイターを控えて、デーゲームとなるのはやむをえないと思っていた。そういう対応をすることを視野に入れている」と説明した。
東日本大震災の影響で延期となった楽天との開幕戦は、4月12日に本拠地・QVCで午後6時15分開始の予定だった。しかし千葉市は東京電力管内であり、今後も不安定な電力供給が続く場合は、「4月12日に今と変わらない状況ならば、デーゲームでやることも」と昼間開催に変更する方向だ。
QVCマリンフィールドは、デーゲーム開催時の1万1000キロワット時に比べて、ナイター開催では1万6000キロワット時を消費する。バックスクリーンの映像装置だけでも約4000キロワット時を要するため、試合時の表示はスコアやボールカウントなど最低限必要なものに限り、節電を徹底していく。
また地震の影響による球場施設の修繕は、4月12日の開幕戦に間に合うように急ピッチで進める。下水管の一部が破損したほか、照明などの懸垂物の安全確認が必要となっている。「(下水は)当初は県の方から、何か月かかかると言われた。間に合うように関係各所にお願いして、動いてくださっている」と瀬戸山社長。仮設トイレの設置などの対応策を検討して、開催準備を進めていく。
パ・リーグは19日、東日本大震災による被害拡大を受け、パ6球団による臨時のオーナー会議と理事会を21日に都内で開くと発表した。また、ロッテはこの日、文科省からナイター開催を慎むよう求められたことを受け、4月12日に本拠地QVCマリンフィールドで楽天と行う予定の開幕戦を、デーゲームで行う方針を明らかにした。
すでに4月12日への開幕延期を決めているパ・リーグ。しかし、3・25開幕を発表したセ・リーグに選手、ファン、さらに政府が反発。世論の猛バッシングで延期を余儀なくされた中、オーナーが緊急集合し、プロ野球の在り方や公式戦への対応などを話し合うことになった。
同リーグの花井史朗光統括は「今までにない重大な状況。あらゆることについて話し合いたい」と説明。本来、一方のリーグのオーナーだけの集まりは「懇談会」と称するが、今回あえて「会議」と呼ぶことで、事態の重大さが示された。球団代表ら実務者も出席し、楽天の主催球場を含めた当面の日程も話し合われる。
いち早く反応したのはロッテだ。この日、本拠地・QVCマリンでのナイター開催中止を明らかにした。4月は本拠地での11試合中、ナイターは10試合が予定されているが、石川晃球団運営本部長は「行政からOKが出るまでナイターはやらない。国民感情がありますから」と話し、異例の“平日開幕”を決めた。
石川本部長によると、同球場でナイター1試合を開催する場合、1万6000キロワット時の電力が必要となるが、デーゲームだと1万1000キロワット時となり、5000キロワット時の節電。さらに4000−5000キロワット時を消費する大型ビジョンは使用せず、スコアボードの選手名、カウント表示のみを行う予定だ。
ただ文科省からの通達では、東北・東京両電力管外での試合開催を求められたが、瀬戸山隆三球団社長は「代替は考えていない。やるからには自分の所でやるのが使命。デーゲームなら問題ない」との認識を示した。
セは3・29開幕!セ・リーグは19日、都内で臨時理事会を開き、1度は3月25日とした今季の開幕日を、29日へ延期することを決めた。また、監督官庁の文部科学省から東北・東京電力管轄内でのナイター開催を慎むよう強く求められたのを受け、4月3日までナイターを取りやめ、さらに今季は延長戦を行わず9回打ち切りとするなど、様々な節電策を発表した。
理事会が終了したのは午後9時。7時間に及んだ激論の末、セ・リーグの開幕日が確定した。当初予定の25日を、1カード延期した29日。関東で唯一行われる横浜−ヤクルト(横浜)は、異例の平日デーゲームでスタートを切る。
「文科省と相談、協議しながら決めました。理解を得られたと思っています」と、セ理事長のヤクルト・新常務が説明した。
セは17日に、予定通りの25日開幕を決定した。ところが、同日のほぼ同時刻に海江田経済産業相が「予測不能な大規模停電が発生する恐れがある」と明らかにしたことで、ナイター開幕に対する批判、懸念が一気に高まった。翌18日には、文科省がナイター開催の自粛などを日本野球機構(NPB)に通達。情勢は一変した。
この日は衆議院議員の笠浩史(りゅう・ひろふみ)文部科学政務官に指導を受けながら、節電策を中心に再協議。その結果、29日から4月3日まで、東京・東北電力管内のナイターを取りやめることを決定した。
さらに5日以降の同管内のナイターは「減灯ナイター」として大規模な節電策を講じ、夏場も可能な限りデーゲームで行うことを定めた。
野球も変わる。今季のレギュラーシーズンは延長戦を行わず、9回打ち切りとする。これらの改善策を示したことで、文科省の理解を得た。
一方、“対政府”では一致した6球団だったが、開幕日については最後まで激論が交わされた。ヤクルトは、パと歩調を合わせた4月12日開幕を改めて訴えたが、試合日程堅持にこだわる巨人が29日を主張。途中4月1日案も出るなど、意見が割れた。
決め手は、29日なら3試合のうち2試合が東電管外、残る1試合も、横浜がデーゲームへの変更を了承していること。延期分は当初の開幕3試合に止まり、シーズンの最後に回すだけで大きな日程変更なく144試合を消化できることだった。
「フロント、選手が1つになって開幕に向かえると期待している」と新理事長。紆余曲折を経てようやく見いだした着地点を、選手会、そしてファンは受け入れるだろうか。
ドームで省エネ作戦!?文部科学省からの“節電通告”を受け、巨人は19日、本拠地・東京ドームでの主催試合における具体的な節電案を発表した。ドームの外灯を消し、当面は冷暖房を使わないなど6項目。3・25開幕強行から一転、計画停電に苦しむ世論の猛反発を考慮し、一般家庭3000世帯分とされた電力使用量の約4割減を目指す。
東日本大震災が発生して以降、首都圏での大規模停電を避けるため、日本中が節電に努力している。今回、セ・リーグの3・25開幕強行が世論の猛批判を浴びたのも、東京ドームでの消費電力の大きさゆえ。セ理事会の決定と同時に、巨人は本拠地の節電策を発表した。
東京ドームで巨人がナイターを開催する場合、午後1時の練習から、試合終了の午後10時まで、約4万キロワット時の電力を消費する。これを様々な節電策により、2万3000−2万4000キロワット時まで減らす考えだ。
具体案も提示した。照明を試合および観戦に支障のないレベルまで落とす、ドーム内の冷暖房は当面使用しない、などの6ヶ条だ。
“飛ばない”とされる統一球の使用に続き、ドーム内の空調も切ったら、本塁打数への影響は?といったアンチG党のツッコミは置いといて、巨人と東京ドームは真剣に、節電の問題に向き合っているのだ。
「各種対策を実施することによって、電力使用量を現在より40パーセント程度減らせる見通しです」と球団はコメントを発表。
被災者に、日本に元気を与えるためのプロ野球なら、計画停電で多くの国民が生活に不便を強いられている中、節電に取り組むのは必要不可欠。今後は本来、試合開催とは関係ない飲食店など併設店舗の節電にも着手するなど、さらなる削減を検討していく。
労組・プロ野球選手会の会長を務める阪神・新井貴浩内野手(34)は19日、札幌市内のホテルで会見した。セ・リーグ臨時理事会の決定事項に関して、「12球団の選手会長の意見を聞いて、対応を協議していきたい」と戸惑いながら話すにとどめた。
午後10時30分、まばゆいフラッシュを浴びた新井は、戸惑いの表情を浮かべながら慎重に言葉を選んだ。「さっき事務局から話を聞いたばかりなので、私見をここで申し上げることはできません。12球団の選手会長から再度意見を集めて、対応を協議していきたい」。
前日18日、選手会の総意として開幕延期を再度要望。ナイターゲームの自粛を訴え、デーゲーム開催なら検討の余地を残した。それを受けて行われた理事会での結論は、3・29開幕。さらにナイターゲームのデーゲームへの振り替えも決まった。
だが、選手会の要望が聞き入れられたとは、到底思えなかった。「29日(開幕)という想定はしてませんでした。最初からセ・パ同時開幕で、ということをいっているので、思ってなかった…」。
もちろん、灰色決着を受け入れる訳にはいかない。セ・リーグ強行開幕決定時と同じように、20日に再び全球団の選手会長にヒアリングを実施。早急に意見をまとめ、選手会としての立場を明らかにする。「プロ野球選手会として、できることを全ての面で支援していきたい」。
野球人として、野球で被災者を勇気づけたい、支えたいという熱い思いは、日増しに強くなるばかりだ。球界内でもめている場合ではないかもしれない。だが、グラウンドに立つためには、全員が納得して足並みをそろえる必要がある。
「12球団の選手がどんな風な反応になるのか。この間はかなり強い意見が多数聞かれたので…」。ストライキなどの強硬意見もあるが、そのカードは抜きたくない。新井会長の苦悩は、日々深まっている。
パ・リーグがナイター自粛へ動きだした。18日に文部科学省から節電要請の通達を受けたことで、東京電力管内の地域に本拠地球場を持つ西武、ロッテが19日、ナイター予定の試合をデーゲームに変更する方針を示した。また、同管内以外の地域での試合開催も含めた具体的な対応にも入った。セはあらためて29日に開幕を延期する方針を打ち出したが、パは21日、都内で臨時のオーナー会議と理事会を合同で開くことを決め、リーグとしての結論を急ぐ。
西武、ロッテの判断は早かった。西武ドームは埼玉・所沢、QVCマリンは千葉・幕張と、いずれも文科省通達の対象である東京電力管内の地域に位置する。4月12日に開幕を延期して日程調整は猶予期間がある中で、速やかな対応となった。
西武は飯田則昭球団専務が「厳しい受け止め方をしている」と説明。4・12からの西武ドームでの開幕カード(対日本ハム)については午後6時開始のナイターからデーゲームへ変更する方針を示した。吹き抜け式の西武ドームは、密閉型ドーム球場よりデーゲームの消費電力は低いが、飯田専務は「(デーゲームでも)照明はしばらく使わない」として無照明試合にすることを明言。使用電力は電光掲示板や場内アナウンスなど必要最低限にとどめるという。
さらに、県営大宮球場も代替球場として使用可能かを検討。さらに東京電力、東北電力管内以外での開催も視野に入れており、キャンプ地の宮崎についても飯田専務は「十分に精査していく。いろいろな選択肢がある」と続けた。
一方のロッテも瀬戸山隆三球団社長が「当面はナイターは控えてデーゲームで仕方ない。代替地は考えてない。自分のところでやるのが使命」と、QVCマリンでのデーゲーム開催で対応する。同球場の1試合の消費電力はナイターで約1万6000キロワット、デーゲームは約1万1000キロワットだ。夏場もMAX2万キロワット程度だが、約4000〜5000キロワット消費する大型ビジョンの使用を控える方針で「節電すればこの球場で問題ないと思う」と石川晃球団運営本部長。地震の被害を受けた球場周辺設備などの復旧も急ぐという。
当該2球団の素早い対応を受け、パは21日に臨時オーナー会議を開催。理事会メンバーも入る異例の会議で、楽天の代替本拠地を含めて実務レベルから日程調整を早急に進めていく。
パの臨時オーナー会議について花井史朗光パ・リーグ統括は「今までにない重大な状況。パのオーナーが集まって大所高所から話し合うということ。技術的な話もあるので理事会メンバーが入ります」と説明した。議題は
の3点。パのアグリーメント第18条で議長(今季は楽天・島田亨オーナー)が各球団のオーナーで構成する懇談会を招集でき、同20条で「理事会で特に重要と認めた事項を審議する」とある。懇談会ではなく会議としたのは議題が極めて重大なためという。
やっぱり延期!セは苦心の3・29開幕となった。セ・リーグは19日、都内の巨人球団事務所で臨時理事会を開き、25日の公式戦開幕を29日まで延期すると発表した。17日の開幕日程発表からわずか2日。殺到する批判と、日本野球機構(NPB)の監督官庁である文部科学省から強い節電要請を受けての方針転換となった。パの5カードに対して延期を1カードにとどめ、リーグ独自の節電対策も講じるなど苦肉の延期となった。
午後2時から始まったセの緊急理事会は4時間以上紛糾した。終了後も選手会への説明に手間取り、午後7時前には都心で震度4の地震も。ようやく新純生理事長(ヤクルト球団常務)が声明文を配ったのは午後9時すぎ。球団事務所前の路上が約100人の報道陣で騒然とする中、3月29日への開幕延期が発表された。
声明文には、ファンへ向けて「例年と大きく異なるプロ野球となることでしょう」とあった。そして6項目にわたった節電対策。延期を最小限にとどめようという苦悩ぶりが表れていた。
25日開幕を17日に発表してすぐ批判の声が殺到し、翌18日に文科省からの節電要請が届いた。加藤良三コミッショナーが掲げた開催条件の1つが「政府と監督官庁の指示に従う」。開幕日再考を余儀なくされ、理事会は文科省幹部と連絡しながら異例の形で進んだ。
その中で文科省幹部は特に4月3日までは電力消費を控え、東京電力管内での大規模節電を求めたという。まず節電対策を念頭に置き、6球団は144試合とクライマックス・シリーズをやり抜くことでは一致。ただ、延期の期間については最後の最後までもめた。新理事長は「文科省の指導に沿う形にした」と説明したが、ヤクルト・堀澄也オーナーの強い意向からパと同じ4月12日開幕を断固として主張。新理事長はヤクルト球団の幹部の立場から「ヤクルトグループも東北で被害を受けて時期を遅らせて欲しいと一貫して言ってきた。多数決ではないが、多勢の意見で決まった」と苦渋の表情を見せた。
週明けにはセ、パの代表者が文科省へ節電案を持参し説明する。混乱の中、異例の形で球音が響こうとしている。
日本野球機構(NPB)の監督官庁である文部科学省は18日、加藤良三コミッショナー宛てに試合開催における節電要請を文書で通達。電力の安定供給が確保できるまでの間「可能な限り東京、東北電力管内以外の地域での試合開催」と「同管内でのナイター自粛」を強く求めた。なお球団本拠地ではKスタ宮城(楽天)、東京ドーム(巨人)、神宮(ヤクルト)、横浜(横浜)、西武ドーム(西武)、QVCマリン(ロッテ)の6球場がこれに該当する。
ファンの皆様へ
3月11日に発生した東北・関東大震災に関し、セントラル・リーグ6球団は、観客、選手の安全確保を最優先しながら、開幕に向けて準備を進めて参りました。今季は全て復興を後押しする支援試合とすることを既に決めていますが、この度、文部科学省の節電協力要請を受け、今季の試合開催を次のように変更し、協力していくことで一致いたしました。選手の真剣なプレーをお見せしながら復興を全力で支援したいという気持ちには変わりはありません。例年とは大きく異なるプロ野球になることでしょう。しかし、節電に配慮した試合開催にどうか、ご理解をいただきますようお願いいたします。
2011年3月19日
セントラル野球連盟
巨人は早くも東京ドームと連名で節電対策を発表した。
練習開始の午後1時から試合終了の午後10時まで試合開催に直結する消費電力量を約4万キロワットアワー(kwh)と分析。このうち約40%を節電して2万3000〜2万4000kwh程度での開催を目指すとした。清武代表は「プレーに支障がないように何とか続けていきたいのが希望。選手、監督、コーチも分かりましたと言ってくれた」と話した。
最終的にはむろん全会一致だが、関係者によると、セ・リーグの決定は巨人の姿勢が色濃く反映されていた。他5球団は程度の差こそあれ、さらに延期を提案していた。
ヤクルトなどはパ・リーグと同じ4月12日か、それ以降まで遅らせるよう主張したと聞く。阪神も追随した。4月8日の折衷案もあった。結局、他5球団は折れた。「1対5」で「1」が通る。古くからの巨人依存体質が見えるようだ。
ナイター削減や9回打ち切りなど工夫は評価できるが、延期は3連戦だけで、パとは2週間も差がある。2004年の再編騒動でプロ野球は2リーグ制を維持し、生まれ変わろうとしてきた。日本プロ野球組織(NPB)は「より強固な組織」を目指し、10年にはコミッショナーとセ・パの3事務局を統合。大リーグのように日程編成も含めて一元化すべきだが、セ・パ別個の運営は変わっていない。まだ古い体質のままである。
国難のいまこそ、連帯である。セ・パも労使も超えたプロ野球全体の姿勢が問われている。
一般家庭の1日消費電力量は約9・7キロワットアワー(kwh)。東京ドームは1日5万〜6万kwhを使用するといわれ、5200〜6200世帯分の電力を1日で消費する計算になる。
デーゲームでも消費電力量はほぼ同じと言われている。一方、神宮球場はナイター照明6基、スコアボードなどを含め約5000kwhで約515世帯分の1日の電力量を消費。横浜スタジアムはナイターで約2万1000kwhで2200世帯分となる。
セ・リーグのレギュラーシーズンの試合制限は01年から昨年まで延長12回。90〜00年は延長15回引き分け再試合制を採用。
それ以前は時間の経過で新イニングに入らなかったり、終了時間に制限を設けて打ち切った。9回打ち切りはリーグ発足時の50、51年の夜間試合(昼間は12回)などで、シーズン全試合となるとリーグ史上初だ。パも全試合9回打ち切りはない。唯一1リーグ時代の43年にあるだけで、適用されれば68年ぶり2度目だ。
日本プロ野球選手会の新井貴浩会長(34=阪神)は19日夜、セ・リーグの開幕延期の判断を受け、遠征先の札幌市内の宿舎で会見を行い、「僕達はずっとセ・パ同時開幕を希望していたので、29日は予想していなかった」と戸惑いの表情を浮かべた。
新井会長は東日本大震災による被害拡大、さらに電力事情なども考慮し、15日に加藤良三コミッショナーらNPB側に「開幕延期」を強く訴えた。その中で、セ・リーグは17日に25日の強行開幕を決定し、それを受け「選手会の要望が受け入れられず悔しい」と反発。18日には文科省からの要請に同調し、「NPBには英断を期待したい」と再考を訴えていた。
その中でのわずか4日の延期、さらにナイター自粛も限定的。セの決定後、選手会事務局から連絡を受けたが、「先ほど聞いたばかり。今の段階では私見を申し上げられない」と慎重に言葉を選んだ。また、日本プロ野球選手会前会長のヤクルト・宮本は「最初の考えからすると到底納得できるものではないが、デーゲームで開幕するとか努力している面もある」と一定の理解を示しつつも「努力するなら、もうちょっと頑張ってくれというのもある」と話した。
新井会長は20日から再度、12球団の選手の意見を聞き取り、対応を考えるが、「選手の中で強い(反対)意見が出ているし、明日(20日)すぐに出せるかは分からない」と、意見集約が難航する可能性も示唆した。
セ・リーグが19日、東京・大手町の巨人球団事務所で臨時理事会を開き、東日本大震災の影響を考慮して、25日の公式戦開幕を29日に延期すると発表した。東京電力と東北電力管内の試合は4月3日までデーゲームで行い、4月5日以降は「減灯ナイター」として大規模節電に取り組む。文部科学省から節電要請を受けたセは、ほかにも2リーグ制以後初となるレギュラーシーズン全試合の9回打ち切りなど、対策を打ち出した。
セ6球団の幹部を集めて始まった午後2時からの会議は同9時過ぎ、「ファンの皆様へ」と題する声明の発表で、ひとまず決着した。
声明文は全部で6項目。25日に予定していた公式戦の開幕をあきらめ、29日に延期した。4月3日まで、首都圏でのナイターは全てデーゲームに変更。電力需要が高まる夏場も極力デーゲームを増やし、全ての公式戦で9回打ち切りとする。
4月5日以降も「減灯ナイター」と題して大規模な節電に取り組む。巨人の東京ドーム開幕戦は、5日からの阪神3連戦となった。照明量を減らし、通路や外周ネオンを消灯するなど手を尽くす。
2カード目からの開幕について、セ・リーグの新純生理事長(ヤクルト球団常務)は「29日のほかにも4月1日開幕とか、色んな考え方があった。最終的に大勢の意見で29日となった。(選手は)一緒になってやってくれると期待している」と選手会の協力を求めた。25〜27日の開幕カードはシーズン最後または予備日に組み込み、公式戦全144試合とクライマックスシリーズを消化する方針だ。
セ・リーグは今月17日に3月25日の開幕を発表したものの、同日夜に鉄道の運行本数が削減され、首都圏で混乱が生じた。これが大規模停電への危機感を高めた。翌18日、日本野球機構(NPB)を所管する文部科学省が電力供給が不安定な首都圏でのナイターの自粛などを要請。これを受け入れ、善後策を協議して結論を下した。ファンには「選手の真剣なプレーをお見せしながら復興を全力で支援したいという気持ちには変わりはありません」と節電配慮の開催へ理解を求めた。
新理事長は「監督官庁はクリアした」と文科省の理解を得られたと強調した。選手会からの強い反対がなく、21日のパ・リーグ理事会で承認されれば、実行委員会をへて正式に決定する。
1950年の2リーグ制以降、試合のイニング制限は、50、51年に両リーグともデーゲームは延長12回、ナイターは9回だった。52年以降は時間制限で試合が打ち切られたが、セは88、89、01〜10年が延長12回。90〜00年に15回で行われた。パも88年から延長戦は12回までのイニング制限をしている。ほかにダブルヘッダーの第1試合に9回までの試合制限が付いていたことがある(セでは50、51、74〜88年実施)。昼夜に関係なく、シーズン全試合に延長戦がなかったのは、1リーグ時代の1943年。8チーム総当たりの12回戦制で336試合が行われた。
日本プロ野球選手会会長の阪神・新井貴浩内野手(34)は19日、セ・リーグの決定を受け「29日というのは予想はしていなかった。最初から、セパ同時開幕と言っていましたので」と戸惑いの表情を浮かべた。
遠征先の札幌で一報を聞き、市内ホテルでの会見では「まだ聞いたばかりなので、今の段階で、私見を申し上げることはできない」と今後の対応について明言を避けた。「12球団の選手会の意見を集めて、それから対応を協議したい」と20日に各球団の選手会へヒアリングする意向を示した。
25日の開幕から1カード延期するなど、球団側の決定は前回より譲歩が見られたが、選手の中からはパ・リーグと同時の4月12日に開幕するのがふさわしいという意見も出ている。「前回のヒアリングで、かなり強い意見というのも出ていた。あした(20日)、すぐに(返答を)出せるかどうかもはっきりしない」と慎重に言葉を選んだ。
プロ野球セ・リーグは19日、東京都内で臨時理事会を開き、東日本大震災の影響を考慮して、当初の25日の公式戦開幕を29日に延期することを決めた。東京電力と東北電力管内の試合を4月3日まではデーゲームで行い、5日以降の両管内のナイターを「減灯ナイター」として節電に努める。
当初予定の開幕3連戦、巨人−横浜(東京ドーム)などを、レギュラーシーズンの最後に回す。
このほかに
を決めた。
リーグは「ファンの皆さまへ」と題した文書で「選手の真剣なプレーをお見せしながら復興を全力で支援したい、という気持ちに変わりはありません」とし、節電配慮の開催へ理解を求めた。
開幕カードは横浜−ヤクルト(横浜)阪神−中日(京セラドーム大阪)広島−巨人(マツダスタジアム)となった。
日本野球機構(NPB)は17日にセは予定通り25日に開幕すると発表した。しかし、18日に文部科学省からナイター開催を自粛するよう異例の要請を受け、対応を協議していた。
17日の記者会見でプロ野球の加藤良三コミッショナーは、監督官庁、政府の指示には従う意向を示していた。
セ・リーグは臨時理事会後、以下のメッセージを出した。
ファンの皆様へ
3月11日に発生した東北・関東大震災に関し、セントラル・リーグ6球団は、観客、選手の安全確保を最優先しながら、開幕に向けて準備を進めて参りました。今季は全て復興を後押しする支援試合とすることを既に決めていますが、この度、文部科学省の節電協力要請を受け、今季の試合開催を次のように変更し、協力していくことで一致いたしました。選手の真剣なプレーをお見せしながら復興を全力で支援したいという気持ちには変わりはありません。例年とは大きく異なるプロ野球になることでしょう。しかし、節電に配慮した試合開催にどうか、ご理解いただきますようお願いいたします。
2011年3月19日
セントラル野球連盟
セ・リーグ理事長のヤクルト新常務取締役が19日、都内で行われた約7時間の臨時理事会を終え、取材に応じた。
開幕を3月29日に延期、大規模な節電対策、延長戦を行わずに9回で打ち切り、可能な限りデーゲーム開催を推進することなどを述べ「本拠地の神宮ではアマ野球開催もあってデーゲームにするのは難しいが、ナイターで最大30%の節電をしていく。ヤクルトとしては、パと同じ4月12日開幕にしたかった。選手会も協力してくれると期待しています」と話した。
巨人と東京ドームがセ・リーグの開幕延期を受け、以下のメッセージを出した。
18日付の文部科学省通知を受け、セ・リーグが大規模節電策を講じると決めたことについて、読売巨人軍と東京ドームは、読売巨人軍が主催する東京ドームでの試合で、当面の節電対策を決定しましたので、お知らせいたします。
東京ドームでは現在、読売巨人軍の試合を実施する際、概ね午後1時から練習を開始して試合の終了する午後10時までの間に約4万キロ・ワット時(kWh)の電力を使用しています。これを様々な節電策によって、2万3000〜2万4000kWh程度まで減らしたいと考えています。
主な具体策は以下の通りです。
グラウンドやスタンドの照明のように、なお検証の必要なものもありますが、こうした各種対策を実施することによって、電力使用量を現在より40%程度減らせる見通しです。読売巨人軍と東京ドームでは、さらに削減が可能かどうかを検討しています。
セ・リーグは25日の公式戦開幕を29日に延期することを決めた。当初予定されていたカードは以下のとおり。なお、4月3日まで、東京電力と東北電力管内の試合をデーゲームで行うことを決め、横浜スタジアムや神宮球場で予定されているナイターは全てデーゲームに変更になる予定。
プロ野球セ・リーグは19日、東京都内で臨時理事会を開き、東日本大震災の影響を考慮して、25日の公式戦開幕を29日に延期することを決めた。東京電力と東北電力管内の試合は4月3日までデーゲームで行い、その後も「減灯ナイター」として節電に努める。
レギュラーシーズンの延長戦を実施せず、夏場も可能な限りデーゲームとする。観客および球場の安全確保のために震災対策会議を設置する。
日本野球機構(NPB)は17日にセは予定通り25日に開幕すると発表した。しかし、18日に文部科学省からナイター開催を自粛するよう異例の要請を受け、対応を協議していた。
17日の記者会見でプロ野球の加藤良三コミッショナーは、監督官庁、政府の指示には従う意向を示していた。
セ・リーグの決定事項は次の通り。
ロッテの石川晃球団運営本部長は19日、文部科学省からナイター開催を慎むように求められたことを受け、4月12日に千葉市の本拠地で楽天と行う開幕戦をデーゲームで行う方針を明らかにした。「文科省の方針に従って、粛々とやる。ナイターはしないようにします」と話した。ロッテは4月12日から、東京電力管内の千葉市美浜区の本拠地、QVCマリンフィールドで楽天とのナイター3連戦を予定している。午後6時15分の開始予定を早める。
パ・リーグは19日、東日本大震災への対応などを話し合う6球団の臨時オーナー会議を21日に東京都内で開くと発表した。球団代表者による理事会も同席し、東北電力と東京電力管内でのナイター自粛を強く求める文部科学省通達への対応策も話し合う。花井史朗光リーグ統括は「オーナー会議は文科省通達の出る前から開催を検討していた。今までにない重大な状況について大所高所から話し合ってもらうことになる」と語った。
ロッテは19日、前日18日の文部科学省からの要請を受け、4月12日(火曜日)に本拠地QVCマリンで行われる楽天との開幕戦を、デーゲームで行う方向性を固めた。石川球団本部長が「節電してデーゲームでやっていく。ナイターは自制しないといけない」と話した。