ロッテが3連勝で5位に浮上。1−1の延長10回に大松の二塁打などで一死一、三塁とし、代打の金泰均が勝ち越しの中犠飛を放った。9回から好救援の薮田が今季初勝利。巨人は大谷を攻めきれず、最後は救援陣が力尽きた。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
千葉ロッテ | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 |
巨人 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
最高の場面で、切り札が残っていた。同点の延長10回1死一、三塁、ロッテ西村監督は満を持して代打金泰均内野手(29)を告げた。この期待に金が応えた。「ホームランを狙っていたが、ちょっと足りなかった」と悔しがりながらも、犠飛には飛距離十分だった。「最後はいい場面で使えた。よく打ってくれたよ」。西村監督の表情がほころんだ。
ベンチと選手の歯車がかみ合い、今季2度目の3連勝。6月6日以来の5位に浮上した。西村監督も「敵地で競った試合を勝てたのは大きい」と収穫を口にした。
延長10回。とっておきの代打が控えていた。金泰均(キム・テギュン)だ。一死一、三塁から塀内に代わって登場し、決勝の中犠飛で試合を決めた。
「ホームランを打たないといけないのに、(距離が)足りなかった」。4日の横浜戦(横浜)で3−5の9回2死から1号逆転3ランを放った男は、2匹目のどじょうを逃したことを悔やしがった。
不振から3試合連続でスタメンを外れたが、「チームが勝つためなら何でもいい」と与えられた役割を果たすことだけを考えている。
チームは今季2度目の3連勝でリーグ最下位脱出だ。西村監督も「状態はよくなっている」と手応え。遅まきながらエンジンがかかってきた。
2年目右腕の大谷が、自己最長の7回を投げ5安打1失点、無四球と好投した。過去2度の先発では6回に勝ち越しを許してきたが、この日は岡田の好守に2度救われた。同点のまま降板し先発初勝利は逃したためか、「先発としてまだ勝っていないので、自信とまではいえません」とあくまで謙虚だった。
指揮官の信頼を意気に感じ、ロッテの薮田は延長10回を3者凡退に仕留めて今季初勝利を挙げた。
同点の9回から登板し、2イニングを無安打無失点。1点を勝ち越した直後の10回2死一、二塁では、日米通じプロ16年目で2度目の打席に立った。「初めてバットに当たった」と一ゴロに苦笑いしたが、5日の中日戦(ナゴヤドーム)で平田にサヨナラ本塁打を浴びただけに「同じ失敗を繰り返したくなかった」と振り返った。
「あそこは1点リードで薮田しかない」と西村監督。その裏で時間を読む冷静な采配も光った。今季採用される3時間半ルール。9回1死一塁では「まだ後にチャンスが来る」と代打・金泰均(キムテギュン)の起用を我慢し、10回1死一、三塁で満を持して送り出した。初球がボールになると開始から3時間15分が経過し11回には入らないと読み、「時間と、相手が中間守備だったので併殺崩しも狙って」(青山総合コーチ)と一塁に代走・高口も起用。そして金泰均が決勝中犠飛。西村監督は「待って、最高の場面で使えた」と、2ヶ月ぶりの3連勝に相好を崩した。
ロッテの大谷が、7回5安打1失点と好投したが、打線の援護が間に合わず先発での初勝利は逃した。
過去2度の先発も5回以上を2失点と健闘したが無援に泣かされている。それでもカットボールを軸に重量打線を手玉に取り「最少失点で続けていけば、勝ちにつながると思うので」と自信は深めた様子。西村監督もローテーションに定着しつつある2年目右腕を「勝ちを付けてあげたかったけどね」とねぎらった。
巨人戦初登板の大谷が、勝利につながる好投で踏ん張った。自身の今季初勝利はお預けとなったが、自身最多の103球で7回を5安打1失点。「7回まで投げて、チームがこういう形で勝てたので収穫はあった」と充実の汗をぬぐった。
微妙に動く自慢のボールで的を絞らせなかった。「ストレートの握りで中指でねじってスピンをかけて投げている。ジャイロボール系のイメージで、カット気味に変化する。(相手打者が)うまいこと合ってくれなかった」。報徳学園(兵庫)では02年センバツで優勝。その当時から磨いてきた独特の直球で、強力打線を翻弄。先発は今季3度目でも、安定感は中継ぎのマウンドと変わらない。防御率1.11はお見事だ。
チームは延長10回に勝ち越して、今季2度目の3連勝。最下位脱出も果たした。西村監督は「今年は春季キャンプ中からボールにキレがあった。ゲームを作ってくれている」と拍手だ。
トヨタ自動車時代に対戦経験のあった長野には2安打を許したが、「試合前までは意識していたけど、最低限の単打に抑えられた」と負けん気もチラリ。丸刈りがトレードマークの2年目右腕は、いよいよブレークの予感だ。
ロッテが3連勝で5位に浮上。1−1の延長10回に大松の二塁打などで1死一、三塁とし、代打の金泰均が勝ち越しの中犠飛を放った。9回から好救援の薮田が今季初勝利を挙げた。
攻め続けていたロッテがようやく好機をものにした。1−1の延長10回1死一、三塁。代打の金泰均が中堅に決勝の犠飛を放った。今季2度目の3連勝で、最下位を脱出した。
西村監督は「あそこはテギュンしかいなかった」と振り返った。金泰均はその期待に応え、フルカウントから内角の直球を振り抜き、フェンス手前まで運んだ。値千金の犠飛にも「本塁打を打てなくて残念」と淡々と言ったのは、元4番の意地だろう。
先発の大谷は巨人打線に気後れすることなく、内角を突く。1回に先制を許したが「次の点を与えたら、流れが向こうにいく」と粘り強く投げ、プロ3度目の先発で7回1失点だった。内、薮田の救援陣も踏ん張った。
ロッテ薮田安彦投手(37)が2回無失点で今季初勝利を手にした。巨人を相手に「ホームラン打者が多い。とにかく低めを意識して投げた」と丁寧な投球だった。
延長10回の攻撃では1点を勝ち越し、なお2死一、二塁で打席に立った。代打を送らなかった西村監督は「あそこ(最後)は薮田しかいない」。指揮官の信頼に応えるように、守護神はその裏を3人で締めた。5日の中日戦でサヨナラ本塁打を浴びただけに「同じ失敗を繰り返したくなかった」と息をついた。
ロッテ金泰均内野手(29)が延長10回1死一、三塁で勝ち越しの中犠飛を放った。殊勲の金は「ホームランを狙っていた。ちょっと足りなかったね」と不満げに振り返ったが、巨人長野久義外野手(26)の好守備がなければ抜けていた打球。試合終盤から「テギュンをどこで使うかを考えていた」と頭を悩ませていた西村徳文監督(51)を助ける貴重な一打となった。
ロッテ先発の大谷智久投手(26)が7回1失点の力投を見せた。先発した過去2試合は、いずれも6回に失点して敗戦投手となっていたが、味方の好守備にも助けられ、7回まで投げ抜いた。「過去2試合は6回2死から失点したが、今日は野手の人がよく守ってくれた。勝てなかったが、今後への自信にはなった」と納得の表情を見せた。
ロッテ福浦和也内野手(35)が1点を追う4回1死満塁で、同点の右前適時打を放った。四球の後の初球。ストライクを取りにきた甘いボールを定石通りに振り抜いた。重苦しい展開を打ち破る一打に「打ったのはツーシーム。流れを変えるためにも、早い回に追いつくことができて良かった」とコメントした。