ロッテが競り勝った。小野が8回4安打無失点で2勝目。微妙に球を変化させ、連打を許さなかった。打線は4回1死満塁から福浦の一ゴロで貴重な1点を挙げた。日本ハムは吉川が7回1失点と好投したが、打線の援護がなかった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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福岡ソフトバンク | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
千葉ロッテ | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | x | 1 |
お立ち台に立ったロッテ小野晋吾投手(36)は、この機会を待っていた。「やっとマリンフィールドで勝つことができました。今日は、本当に、うれしんごです」。武骨な雰囲気すら漂わす右腕の突然の一発ギャグに、ライトスタンドのファンは爆笑しながらずっこけた。「うけましたか?良かったです」。ベンチ裏では少し赤面しながら振り返った。実は、昨オフから極秘進行中だった「うれしんごTシャツ」。その先取りだった。
まさに、うれしんごなのも納得できる投球だった。代名詞のシュートだけでなく、この日はスライダーがキレた。反対に曲がる球種が切れ味を増したことで、ストライクゾーンを幅広く使えた。8回2死二塁、陽を空振り三振に仕留めたのも、スライダーだった。
小野は理想のスライダーを追い求めていた。「2000年や2001年のころは本当にスライダー頼みでした」。そのころの軌道が脳裏を離れなかった。だが、近年はスライダーにキレがなく、カットボールで代用し、しのいできた。
スライダーを取り戻したきっかけは、サイドスローへの転向を考えたことだった。渡辺俊とのキャッチボールで投げた1球が、驚くほど曲がったことから決意。昨季終了後、肩痛のためサイド転向は流れたが、スライダーの感覚は残すことができた。9回のマウンドは薮田に託し、5年ぶりの完封は逃したものの、堂々たる8回0封。滑るスライダーに滑らないギャグ。小野が新境地を見せた。
今季2勝目を挙げた小野は、お立ち台に上がっても絶好調だった。名前が晋吾(しんご)で、タレントの楽しんごにかけて、「マリンフィールドで勝つことができまして、今日は本当に“うれしんご”ですね」と、キレのある?ジョークでファンの爆笑を誘った。
復活の手応えをつかんだ。1点リードの8回2死二塁、陽岱鋼を外角低めへのスライダーで空振り三振。「昔の状態に戻ってきた。それで(シュートと)幅を使うことができた」と、威力を取り戻したスライダーが効果的だった。
昨オフ、腕の位置をサイド気味に下げての投球を試した。もう一花咲かせたい思いからだ。今は従来のオーバースローで投げているが、「サイドを試みて、スライダーの投げ方を思い出すことができた」という。プロ18年目。復活への試行錯誤は実りつつある。
土煙にまみれたカスティーヨが、手をたたいて雄たけびを上げた。4回1死一、二塁で投手強襲打を放ち、一塁へヘッドスライディング。内野安打となったハッスルプレーが直後の先制点に結びつき、「チームの勝利のためにヘッドスライディングでも何でも出来ることをやっていきたい」と鼻息を荒くした。
連夜の大暴れだ。新天地でのデビュー戦だった前日(5日)は、1本塁打を含む4安打3打点。2試合連続で4番に座り、にらみをきかせている。8回1死一塁の遊ゴロも全力疾走で併殺を阻止。「自分のプレーによってチームが盛り上がるなら、こういうプレーを続けていきたい」と優等生ぶりは、横浜にいた昨年と変わらない。
昨季は19本塁打を残しながら、ハーパーの台頭などで契約を更新されなかった。今年はメキシカン・リーグでプレーし、6月下旬の緊急補強で再来日した。「僕のプレースタイルは出来る限りのことをやることだ」。出場した2試合で8打数5安打3打点。勢いに乗せられたチームは首位を争っている日本ハムから2連勝した。古巣が悔しがるほどの活躍で、今度こそジャパニーズ・ドリームをつかむ。
ロッテ・小野は切れ味がよみがえった勝負球を駆使して8回を4安打無失点で、今季2勝目を挙げた。ここ数年、カットボールに頼った投球が続いていたが、「よりいいものを求めたい」と昨オフ、腕の位置をサイド気味に下げたところ、スライダーの投げ方を思い出したという。
1点リードの8回2死二塁では陽岱鋼をフルカウントから130キロのスライダーで空振り三振。この試合91球中、35球も投じたスライダーは「サンデー晋吾」と呼ばれた全盛期を髣髴させ、小野自身も「戻ってきた感じがする。投球の(左右の)幅ができた」と振り返った。
前回6月29日の日本ハム戦(札幌ドーム)で新人・斎藤に投げ勝ち「僕の方が“持っていた”」と言った36歳は、今季初の本拠地でのお立ち台では「今日は本当に“うれしんご”ですね」。スライダー同様、コメントの切れ味も鋭かった。
プロ18年目、ロッテの右腕・小野が8回を4安打無失点。約5年ぶりの完封こそ逃したが、2勝目を挙げた。本拠地では初勝利で、お立ち台で「今日は本当に『うれしんご』です」と、お笑いタレントの「楽しんご」に、自分の「晋吾」をひっかけて喜びを表現。2年連続2ケタ勝利(2000年13勝、01年10勝)当時のスライダーの感覚が戻っていると明かした。
ロッテ小野晋吾投手(36)が8回4安打無失点で2勝目を飾った。スライダーがきれ、低めに制球されたボールを、日本ハム打線もとらえられなかった。お立ち台では「今日は本当に、うれしんごです」と一発ギャグを決め、ファンを爆笑させ、最後まで楽しませた。「ちょっと古くはないですか。大丈夫ですか。元?楽しんご、なんじゃないんですか」。お立ち台で言うのが知人との約束だったという。無事に果たし、恥ずかしそうに話した。
今季初出場の前日5日にいきなり4打数4安打3打点だったロッテのホセ・カスティーヨ内野手(30)が、先制点に絡んだ。
4回1死一、二塁で、直球をはじき返した打球は投手を強襲。カスティーヨは一塁にヘッドスライディングし、内野安打とした。満塁から福浦和也内野手(35)の一ゴロの間に、先制点を挙げた。新外国人は5日夜の試合後にはベネズエラにいる息子に国際電話。野球をしている息子もちょうど試合で大活躍したと言い「2人で『MVPだ』と喜んだよ」と上機嫌だった。
甲子園最多勝監督、智弁和歌山・高嶋仁監督(65)の片腕に元プロ選手の教え子が加わった。元ロッテ外野手の喜多隆志氏(31)が後輩の古宮克人氏(22)と4月から同校教員になり、副部長になった。5月1日、日本学生野球協会から指導者資格を認められた。高嶋監督は「ノックの勢いを見ても世代交代やなと思うね」と笑う。
喜多氏は甲子園で96年春は準優勝、97年は夏優勝。東京6大学の慶大では2度のリーグ優勝と00年の明治神宮大会優勝を経験した。01年ドラフト1位でロッテに入団。06年の引退後は、岐阜の朝日大で助教をしながら野球部を指導していた。高3夏の甲子園大会中も、夜中まで受験勉強を続けていた寡黙で努力家の教え子に、高嶋監督は「作戦の意図への質問を聞いても、いいところを見ていると思います」と話している。