プロ初先発のロッテの上野が6安打無四球で2年ぶりの勝利を完封で飾った。打線は2回に里崎、伊志嶺、井口の適時打などで5点を奪い、3回にも3連続適時打で加点した。ソフトバンクは摂津が乱調で約2ヶ月ぶりに首位から陥落。
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福岡ソフトバンク | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
千葉ロッテ | 0 | 5 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | x | 8 |
最後の打球が中堅手のグラブに収まる前に、ロッテ上野大樹投手(24)は、ガッツポーズを決めていた。初めて任された先発のマウンドを最後まで守り通した。「大量点を取ってもらって緊張がほぐれました。野手の皆さんに感謝です」。6安打。無四球での完封勝利だった。
初先発が決まってから、この3日間は極度の緊張に襲われた。前夜は23時には床に就いたが、眠りが浅く、夜中に2度も目を覚ました。この日の朝も、早由里夫人(23)がつくってくれたカレイの煮付けとそぼろ丼が、なかなかのどを通らなかった。「少し残しちゃいました」。最後は、かき込むようにして家を出た。「でも、大学の優勝決定戦の時もこんな感じだったので、いい緊張感かなって思ってました」。プラス思考だ。
昨年結婚した夫人への感謝の気持ちは絶えない。昨オフ、体重を絞ろうと思い相談したところ「体脂肪計タニタの社員食堂」の本を購入し勉強。「これがいいから」と食事のアドバイスをしてくれた。おかげで5キロの減量も成功した。「二人三脚で今までやってきた。今日は絶対勝ってくるからと言って家を出てきた。約束を守れたのが嬉しい」と胸を張った。
プロ3年目になるが、入団当初から先発希望だった。「先発というのはチームの華だし、1番楽しい仕事だと思っている」。ようやく任された希望の場所。逃したくないという強い気持ちを持って投げた。3位からの上昇を目指すチームに、勢いを呼び込む若手の快投だった。
ロッテは17日、ソフトバンク11回戦(QVCマリン)に8−0で快勝。猛暑の中、3年目右腕の上野大樹(ひろき)投手(24)がプロ初先発勝利を6安打無四球完封で飾った。新人時代に中継ぎで手にしたプロ初勝利に続く通算2勝目。兄の巨人・上野貴久投手(28)は1軍未勝利で、先発も勝利数も兄さん、お先に〜!!
3年目の上野がプロ初先発で6安打完封。無四球のおまけ付きで、大仕事を成し遂げた。「野手の皆さんが大量点(3回までに8点)を取ってくれて感謝しています。先発は1番楽しい。ずっと(前から)やりたかった」。
今季登板は9日のソフトバンク戦(救援で2回1/3を無失点)だけ。9連戦のため先発が不足して巡ってきたチャンスで、1メートル82の長身から投げおろす最速142キロの直球にスライダー、フォークなど変化球も切れた。
前夜は極度の緊張から夜中に2度起きた。朝の食卓には昨年6月に結婚した夫人・早由里(さゆり)さん(23)が用意したそぼろ丼やカレイの煮付けなどが並んだが、「最後はかきこむように(胃に)流し込んだ」と明かす。昨オフは体の切れを出すため、5キロの減量を敢行。レシピ本『体脂肪計タニタの社員食堂』を参考に料理を作ってくれた愛妻へ、快投を贈った。
右腕の弟は2009年に挙げたプロ初勝利に続き、先発勝利も4歳上で左腕の兄より先に手にしたが、「競争はないし、弟思いの兄です」。2軍戦で顔を合わせた際、投球フォームの助言をしてくれた兄に感謝した。
最後の打者・松田を中飛に抑えると、ロッテの上野は思い切り両手を広げた。プロ3年目で初先発、そして初完封。8点の大量援護を背に、7回まで先頭打者の出塁を許さず。加えて無四球と完璧な内容だった。お立ち台では野手や好リードの里崎に続き、変身を支えた愛妻への感謝が口を突いた。
「緊張でけさも奥さんの料理がのみ込めなかったんですけど、かき込んで…。そのおかげで勝てました」。1年目の09年に中継ぎで初勝利も、昨季は未勝利。「思うように体が動かせなくて。絞ってみようと、そこからは二人三脚でした」。昨年6月に結婚した早由里さん(23)と肉体改造。夫人はベストセラー「体脂肪計タニタの社員食堂」などレシピ本を買いあさり、減量を支えた。86キロから今春キャンプ前には81キロに絞ったが「今度は球速が落ちた。2軍で2、3キロ増やしました」。次は増量に転じ、現在の83キロに。わずか数キロ差で投球が大きく変わるのを実感し「球速も戻り、体が思うように動くから制球が見違えた」。この日は最速142キロ。夫唱婦随で身につけた、切れ&絶妙な制球力で相手打線を牛耳った。
今オフは巨人に在籍する4つ上の兄・貴久と初めて合同自主トレを行い、2軍戦ではアドバイスを送り合う。「兄の助言にも助けられた。大学までずっと先発だった。やっぱり投手の華ですね」。ローテーション定着を誓う若い力が、西村ロッテにまた1人加わった。
ロッテ・伊志嶺が3度目の猛打賞で3打点を挙げ、序盤の猛攻を呼び込んだ。2回2死二、三塁で右前打。続く3回2死二塁では中前打を放ち、ダメ押しの8点目を叩き出した。チーム70試合目にして規定打席に初めて到達。打率.290でリーグ8位に躍り出た。
「規定打席はノルマとしてきたが、簡単にはできないと実感しました」と苦笑いも、新人での到達は両リーグ通じただ1人。仲のいい日本ハム・斎藤がこの日3勝目を挙げ、西武の守護神・牧田らライバルも多いが「やる以上はタイトルを獲りたい」。沖縄県出身選手では初となる新人王へ意欲を隠そうとしない。
観戦した父・秀行さん(53)、母・史子さん(54)の前で大暴れ。前日には母校であり兄・大吾さん(27)がコーチを務める沖縄尚学が県大会準決勝で敗れた。「チームをつくり直し甲子園を目指すとメールをもらった。自分もこれからより頑張る、と返しました」と兄の無念の分も活躍を誓った。
大きなガッツポーズで喜びを爆発させた。プロ3年目で初先発の上野が、堂々の自身初完封で今季初勝利を飾った。新人だった09年8月21日の西武戦(西武D)以来2年ぶりの白星で、「この3日間ずっと緊張してて、昨日の夜も眠れなかった。本当に嬉しい」と、さわやかな笑顔がはじけた。
キレのあるボールと制球が光り、6安打無四球と安定感抜群だった。昨オフに巨人でプレーする兄・貴久と初めて自主トレを行い、ウエートトレの大切さを再認識。春季キャンプ中も以前の2倍の練習量をこなし「体を自分で動かせる感覚が出てきた」と、体力アップで投球フォームが固まったことで、制球力がアップした。
中継ぎで今季初登板した9日のソフトバンク戦(ヤフーD)で、2回1/3を無失点に抑えた好投が評価されての抜擢。最高の内容に西村監督は、「とにかくいいピッチングだった」と絶賛した。
朝起きてからずっと緊張していた。昨年6月に結婚した早由里夫人(23)の手料理がノドを通らなかった。それでもカレイの煮付けや豊富な副菜を必死にかき込み「絶対に勝ってくるよ」と誓って家を出た。支えてくれた人々へ、感謝を込めた快投だった。
ロッテ・D1位・伊志嶺(東海大)が、5打数3安打3打点と、今季3戦全敗とチームにとって天敵だった摂津の攻略に貢献した。初めて規定打席に到達し、打率・290はリーグ8位。「規定打席はノルマとしてやってきました」。新人野手では突出した活躍ぶりで「新人王?やる以上はタイトルを獲らないといけない」と意欲を示していた。
プロ初先発のロッテの上野が6安打無四球で2年ぶりの勝利を完封で飾った。打線は2回に里崎、伊志嶺、井口の適時打などで5点を奪い、3回にも3連続適時打で加点した。ソフトバンクは摂津が乱調で約2ヶ月ぶりに首位から陥落。
2年ぶり通算2勝目に上野は「嬉しい」と端正な顔が自然と崩れた。「打者に向かっていくスタイルを崩したくない」と言った通り、無四球。制球が良くなったと自信を見せていた変化球を低めに集めた。4回の1死一、三塁では小久保、多村を抑え込んだ。「僕は先発が『華』と思っている。楽しい」と胸を張った。
ロッテ上野大樹投手(24)がプロ初先発で、初完封勝利を飾った。角度のある直球が低めに決まり、スライダーとカット、フォークの制球が抜群。ソフトバンク打線を6安打に抑えた。「今日は無四球で投げられたことが良かった。たくさん点を取ってくれた野手の皆さんと、リードしてくれた里崎さんに感謝です」と、初めての喜びをかみしめていた。
ロッテの井口が、役場機能ごと埼玉県加須市の旧県立騎西高校に避難している福島県双葉町の約60人の町民を招待した。「楽しんでいただければ嬉しい」と話していた通り、快勝をプレゼントした。
6月下旬には騎西高を慰問し「笑顔が見られて良かった」と話していた井口。この日は守備で2度の好守に、打撃でも2安打1打点。「久しぶりにロッテらしいつなぎの攻撃ができた」と喜んでいた。
ロッテのルーキー伊志嶺が3安打3打点の活躍を見せた。初めて規定打席に到達し、打率はリーグ8位。「簡単には到達できないこと。実感しています」と感慨に浸った。
3戦3敗だった摂津を攻略した。2−0の2回2死二、三塁。「狙い球を絞って、積極的にいった」と外角の球をうまくとらえ、2点右前打を放った。新人王候補にも挙がってきた23歳は「チームに貢献して(新人王を)取りたい」と頼もしかった。
ロッテのルーキー伊志嶺翔大外野手(23)が3安打3打点の活躍を見せた。初めて規定打席に到達し、打率はリーグ8位。「簡単には到達できないこと。実感しています」と感慨に浸った。
3戦3敗だった摂津を攻略した。2−0の2回2死二、三塁。「狙い球を絞って、積極的にいった」と外角の球をうまくとらえ、2点右前打を放った。新人王候補にも挙がってきた23歳は「チームに貢献して(新人王を)取りたい」と頼もしかった。
ロッテ里崎智也捕手(35)が2回、先制適時打を放った。摂津の外角直球を右翼線へ運んだ。「昨日はたくさんチャンスをつくるものの、あと1本が出なかった。今日は最初のチャンスで点を取ることができて、いい流れがつくれた」と、打線の火付け役となった適時打を喜んだ。