ロッテの中村家国球団社長(66)が就任早々の21日、今オフの“厳冬更改”を予告した。この日付で正式に辞令を受けた新社長は「厚くするところは厚くしないといけないが、企業なので費用対効果を考えないといけない」と明言。日本一から最下位へ転落したチームに、コストカットの嵐が吹き荒れそうだ。
“下克上V”を成し遂げた昨オフは、里崎や小野、福浦らベテラン勢が複数年契約を結ぶなど、景気よくハンコを押す選手が多かった。だが、中村新社長は「(健全な)経営と強いチームを作ることを両立させるのは難しいと言われるが、やっていかないといけない」が持論。シビアな視点で球団経営に取り組む考えだ。
21日付で就任したロッテ・中村家国新社長が、来季の巻き返しへ「4番補強」を掲げた。
今季は主砲の金泰均が東日本大震災による心労や、腰痛の影響でシーズン途中に帰国。カスティーヨを緊急補強したが、打率.269、5本塁打に終わり、来季の去就も未定だ。
ロッテ本社からコスト削減を厳命されているというが、「費用対効果を考えていかないと。(年俸を)厚くするところは厚くする」とし、全体の年俸を抑えて大物獲得を狙う。
中村家国氏(66)が21日付でロッテの球団社長に就任。いきなり“切り詰め補強”で再建を目指すと明言した。「強いチームを作ることと、球団経営を両立させるのは難しいかもしれないが、やっていかないといけない」と、大型補強には踏み込まない構え。今オフもメッツからFAとなった五十嵐ら補強候補は多く出そうだが「費用対効果があればいいが、怪我して終わり、ということもある」と慎重だった。
ロッテの岡田幸文外野手(27)は22日の今季最終戦(対ソフトバンク=QVCマリン)を翌日に控えた21日、QVCマリンフィールドでの練習で、あと6と迫っている外野手のシーズン最多刺殺のプロ野球記録到達に意欲をみせた。
プロ野球記録は、1963年に南海(現ソフトバンク)の広瀬がマークした353。刺殺は、外野の守備では飛球をさばいた場合に記録される。守備範囲の広さを証明する数字だけに「何とかいきたい」と意気込む。盗塁も38としている。「(40盗塁を)狙っていきます。自信にもなる」と力強かった。
横浜ベイスターズを保有するTBSホールディングス(TBSHD)が球団売却について、携帯電話向けソーシャルゲームサイト「MobaGe(モバゲー)」を運営するディー・エヌ・エー(DeNA)と来週中に正式合意することが21日、分かった。本拠地は横浜に残す方向で、最終的に両社が取締役会を開いた後で正式発表される。
DeNAは1999年に設立し、2007年に東証1部上場。携帯電話向けのゲームサイトの大手で、10年度の売上高は1127億円で前年比2倍以上の急成長を遂げている。同社広報部では19日に「交渉中であることは事実」と話し、翌20日には春田真会長が長期保有の意向を強調していた。売却額は、日本野球機構(NPB)へ納入する預かり保証金など30億円を含め、約100億円前後とみられる。
TBSHDは02年、水産大手のマルハ(現マルハニチロホールディングス)から140億円で球団を取得。しかし、近年は年間約30億円といわれる深刻な赤字を抱え、昨オフは住宅設備大手の住生活グループと売却交渉を行ったが、不調に終わっていた。野球協約では球団譲渡は原則として、新球団が参加する前年の11月30日までに12球団による実行委員会とオーナー会議の承認がなければ成立しない。オーナー会議での議決には出席者の4分の3以上の同意が必要となる。