ロッテが3連勝。2−2の延長11回1死から根元が右中間三塁打。2敬遠四球で満塁とし、角中の中犠飛でサヨナラ勝ちした。4番手の中後が2勝目を挙げた。ソフトバンクは3番手の森福が今季初失点で、痛い黒星を喫した。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | R | |
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福岡ソフトバンク | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 |
千葉ロッテ | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1x | 3x |
ヒーローは思わず顔をしかめた。延長11回裏、1死満塁。左中間にサヨナラ犠飛となるフライを打ち上げたロッテ角中勝也外野手(24)は、一塁付近でチームメートからたたかれ、蹴られ、ジュースをかけられた。「ジュースはいかんでしょ」。ベタベタの全身に、喜びもしぼんだ。
変則左腕、森福との左対左の勝負でもベンチの期待は大きかった。「あの場面でインコースはないと思って、思い切り踏み込んでいった」。打ったのは外角のスライダー。そういう打撃ができるから、西村徳文監督(52)もそのまま打席に送り出した。
左投手は苦にしないが、森福は嫌いなタイプの投手だった。「三振でも次の今江さんが何とかしてくれるだろう」と、気持ちを楽にできたのが殊勲打につながった。
この一打で、首位の座を守って交流戦に入ることも決まった。西村監督は「いいですね。やっぱりサヨナラは…」と、今季初となる劇的勝利の喜びをかみしめた。
延長11回、ロッテ・角中のサヨナラ中犠飛で決着をつけると、グラウンドに歓喜の輪が広がった。1死から根元が右中間三塁打を放ち、2敬遠で満塁。角中は「1死だし、後ろ(の打者)に今江さんがいる。三振でもいい」と森福の3球目のスライダーに踏み込み、きっちりと外野まで運んだ。「サヨナラ勝ち、いいですね」と西村監督の顔にも自然と笑みが広がった。
ロッテがしぶとい。首位のチームは本当にしぶとい。最後は角中が決めた。延長11回1死満塁で中犠飛。今季初のサヨナラ勝ちで、3連勝でがっちりと首位の座をキープした。一塁ベース付近でスポーツドリンクをかけられる手荒い祝福を受けたヒーローは、「最低限の仕事はできました。ベトベトするからジュースはやめて欲しい」と苦笑いだ。
1死から根元が右中間を破り、快足を飛ばして三塁打。2敬遠で満塁となり巡ってきた第5打席だった。左対左。森福の外角スライダーに対し、角中は踏み込んで中堅へ打ち上げた。「三振でも次(の打者)が今江さんなので、楽にいきました」。
6年目の今季は開幕こそ2軍スタートも、今月3日のオリックス戦(京セラドーム)から5番に定着。ここ5試合で17打数6安打、打率.353と結果を残している。
安打数は相手の半分の4本。それでもしぶとく勝った。これでチームは、昨季覇者のソフトバンクに6勝1敗1分けと大きく勝ち越し。「角中は左を苦手としていない。何とかしてくれると思った」。そう称えた西村監督は、「サヨナラ勝ち、いいですね」と笑った。
ロッテの先発・唐川にとっては、悔やまれる8回となった。無死二、三塁から連続三振で何とか2死までこぎつけたが、小久保に2ストライクから右前へ同点の2点打を許した。
リーグトップの6勝目もお預けとなり「8回は1番調子が良かったんですけどね」。西村監督は「(小久保に)ツーナッシングから打たれたことは反省しないと」と話した。
ともに5勝でハーラートップを並走するロッテ・唐川とソフトバンク・摂津の投げ合いは、延長戦の末にロッテがサヨナラ勝ちを収めた。
先制したのはロッテ。1回1死から2番・根元が四球を選ぶと、3番・井口が1球目のスライダーをバックスクリーン右に運んで2点を先取した。試合はその後、両チームとも得点できず、ロッテが2点リードして終盤へ突入した。
迎えた8回、ソフトバンクは2連打と敬遠四球で唐川を攻め立てると、2死満塁から6番・小久保が右前打を放ち、2−2の同点とした。
延長戦に入ると両軍とも走者を出すものの、追加点には至らず。そして迎えた延長11回、根元が3番手・森福から三塁打を放つと、相手の敬遠策で1死満塁の好機を迎え、5番・角中が中犠飛を放ってサヨナラ勝ちを収めた。
先発の唐川は1、2、5回と得点圏に走者を背負ったが、8安打を浴びながらも要所を締めるピッチング。終盤の2失点で6勝目は逃したが、しっかりと先発の責任を果たした。
9回を投げ抜いた摂津は、ロッテ打線をわずか3安打に抑えたが、結局報われず。その後はファルケンボーグ−森福とつないだが、最後に力尽きた。
完封ペースが一転、ロッテの唐川は2点リードの8回に乱れた。無死からの連打と重盗をきっかけに2死満塁。小久保を2球で追い込みながら、痛恨の2点適時打を浴びた。
リーグトップの5勝で並ぶ摂津との投げ合いは「意識しなかった」と淡々と振り返ったが、悔やんだのは傷口を広げた重盗。「もっと注意しなきゃいけなかった」と唇をかんだ。
ロッテ角中勝也外野手(24)がサヨナラ犠飛を放った。延長11回1死から根元が三塁打を放つと、ソフトバンクは満塁策を選択。「やべえなって思いました」と笑わせたが、仕事はきっちり果たした。サヨナラのヒーローになったのは2度目。「今回はヒットではなかったので」と、クールに喜んだ。
ロッテ井口資仁内野手(37)が1回、先制の3号2ランを放った。外角低めのスライダーをバックスクリーン右へ運ぶ、力強い一発だった。「ランナー一塁だったので、チャンスメークのつもりで打ちました。よく伸びてくれました。交流戦前最後のカードなので、いい形で交流戦に入れるよう頑張りたい」と、古巣からの連勝を誓った。