ロッテの涌井が今季初勝利を挙げた。変化球の切れが良く、7回を5安打2失点だった。打線は1−2の5回に今江の適時二塁打と失策で逆転した。継投も決まり、西野が4セーブ目。西武は3連敗。牧田が粘れず守備の乱れも響いた。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
千葉ロッテ | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 |
埼玉西武 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
千葉ロッテの涌井が、プロ野球史上13人目の全球団勝利を達成した。現存する12球団全てからの白星で、13年の日本ハムの木佐貫洋以来。消滅した近鉄を含む13球団勝利は、07年に横浜(現DeNA)の工藤公康、12年に巨人の杉内俊哉(巨人)が達成している。
涌井は05年に神奈川・横浜高から西武へ入団し、最多勝を2度獲得。昨季終了後にフリーエージェント(FA)でロッテへ移籍した。
あんなものじゃない!!ロッテ涌井秀章投手(27)が、古巣西武を相手に移籍初勝利を挙げた。7回を投げて5安打2失点。最後まで球威が衰えることなく、移籍後最速の147キロもマークした。開幕から2戦は勝ち星なく、初登板の際は「涌井はあんなもの」と酷評される一幕もあった。この日の好投はチームの連敗も止める大きな1勝。12球団勝利の記録も手にした。
右翼スタンドのロッテファンへ、勝利の挨拶を済ませると、涌井の顔にようやく笑みがこぼれた。「素直に嬉しいです。いつも通り、自分の投球をしようと自信を持って投げました。チームに勝ちがやっとついたので、一段落ですね」と、安堵の表情をみせた。
古巣との2度目の対決で移籍後初勝利。周囲からは対決色をあおられた。初登板で6回途中3失点した1日西武戦後には、伊原監督から「ここ2年くらいの涌井はあんなもの。5回ぐらいになるとスピードもキレも落ちてくる」と評されたという記事も一部にあった。そんな伏線があったからか、試合後、一緒にカメラのフラッシュを浴びた伊東監督から「ざまあみろ、って言ってやれ」と声をかけられた。それでも苦笑いで返し「巡り合わせっていうんですかね」と、笑顔を浮かべながら振り返った。
9年間、育ててくれた球団だからこそ、見返したい思いは胸にしまい、闘志を球に乗せた。長年バッテリーを組んできた8番炭谷には直球中心の真っ向勝負。「捕手に打たれるとチームも盛り上がって、リードもさえる。あいつだけには打たせないと、力勝負に行った」。結果は3打席3三振。心は熱く、頭は冷静に、ここ2試合、失点につながっていた下位打線の勘所をしっかり封じ込めた。
この日の最速は、移籍後MAXの147キロ。中盤以降も力強い投球は変わらず。7回、最後の打者の金子侑に投じた110球目は内角低めへの146キロ。見逃し三振に仕留め、スタミナを疑問視する声も、払拭してみせた。 開幕2連敗も「昔みたいに落ち込むことはなかった」という右腕。1回のマウンドに上がる際は、西武ファンからブーイングも浴びたが、気にするそぶりも見せず、淡々と腕を振り続けた。「(チームからの信頼は)これからですね」という言葉に、“ロッテ涌井”としての確かな手応えがにじんでいた。
涌井が古巣西武から初勝利を挙げ、現12球団全てから白星を記録した。セ、パ12球団となった58年以降、全12球団勝利は13年木佐貫(日本ハム)に次いで13人目。涌井の先発勝利は西武時代の13年4月18日、県営大宮球場のオリックス戦で挙げて以来となり、同球場では通算4勝目。48年からプロ野球で使用する同球場で4勝は最も多い。
あんなものじゃない!!ロッテ涌井秀章投手(27)が、古巣西武を相手に移籍初勝利を挙げた。7回を投げて5安打2失点。最後まで球威が衰えることなく、移籍後最速の147キロもマークした。開幕から2戦は勝ち星なく、初登板の際は西武伊原監督から「涌井はあんなもの」と酷評される一幕もあった。この日の好投はチームの連敗も止める大きな1勝。12球団勝利の記録も手にした。
西武がしっぺ返しをくらった。1日には6回途中でKOした涌井に7回5安打2得点で移籍初勝利を献上した。伊原春樹監督(65)は「前回も(涌井は)よかったんだよ。今日はいいところでタイムリーが出なかった」と、湿り続きの打線を嘆いた。「同じチームにいたからといっても対戦はしていないから、分からないのはお互いさま。打席に立たないと分からない」と話した。
3安打した浅村は、1日の涌井との違いを打席で体感していた。「切れが良くインコースにしっかり投げていた。変化球の精度も緩急もよかった。僕はたまたま甘いボールがきただけ」と、ほかの選手が打てない理由は感じ取っていた。
打てないだけではない。4回には浅村の捕球ミス、5回には秋山の返球ミスが失点につながり、結果的に牧田の足を引っ張る形となった。「点が取れないんだからミスをしてはいかん」と伊原監督は渋い顔だ。
試合前にはミーティングを行った。対戦がひと回りし、この日のロッテ戦から2回り目に入ったからだ。伊原監督は「各ポジションで色んな見方があるだろうから、意見を述べてもらった」と説明した。3連敗で借金7。打開の糸口はまだ見えない。
「涌井を勝たせようというムードがベンチに充満していた」とは2二塁打1打点の大松。4番の今江も「ただ勝ちたかった」と5回に同点適時二塁打を放った。10安打で何とかつながり、前日14日に伊東監督が休日を剥奪して野手組に打ち込みを課した成果が出た。「試合前に言ったんですよ。『これでダメだったら、もう休日なんかない。毎回、練習だ』ってね」。その効き目もあった!?
ロッテのFA右腕・涌井秀章投手(27)が15日、西武3回戦(県営大宮)で先発7回を5安打2失点。最速147キロをマークする“パワー投球”で古巣をねじ伏せ、移籍後初勝利&13人目となる全12球団勝利をマークした。オープン戦は不調で開幕後も2戦2敗。「ホッとしました」の第一声に実感がこもった。試合はロッテが3−2で勝ち、連敗を2で止めた。
試合開始直後、左中間後方から浮かび上がってきた“春の満月”がマウンドを照らした。これまでの涌井とはまさに“月とスッポン”。力業で西武打線を封じ込めた。
「まずはホッとしました。とりあえずチームに勝ちがついたこともよかった」。立ち上がりに浅村の中前適時打で1失点。しかし、涌井はこれで吹っ切れた。「(投球を)置きにいくのはやめよう。原点に戻ろう」。スイッチを切り替えた2回以降は圧巻だった。
最速147キロの真っ直ぐを中心に投球を組み立て7回を5安打、8奪三振、1死球、2失点。移籍後初勝利&13人目の全12球団勝利を同時達成。「色々な人がやっている記録ですから…」と流したが、そこには会心の笑みが浮かんでいた。
ロッテベンチも沸いた。7回を投げ終えた涌井に伊東監督が声をかける。「こうやって投げれるんだったら、最初から投げてくれよ」。オープン戦から続いた不調。開幕後も2戦2敗。内心は穏やかでなかっただけに、その祝福にも“毒”を盛った。
ただ、舞台裏で涌井を励まし続けていたのも伊東監督だった。「背負い過ぎるな。いまは不調でもオマエの存在だけで相手は嫌なんだ」。チームで孤独感を深めていたFA右腕は救われた。
スタンドの西武ファンからは強烈なブーイングを浴びた。「想定内。ロッテファンの声援で聞こえなかったです」。ハートも見事にコントロールしていた。
得点力不足に悩まされてきたロッテ打線が、2桁安打で涌井を援護した。
4回1死一、二塁で、大松が右越えに同点二塁打。1点を勝ち越された直後の5回2死二塁では今江が左中間に同点打を放ち「勝ちたい。ただそれだけでした」。続く角中の中前打と相手失策の間に勝ち越しに成功した。前日は一部ベテランを除き休日返上でキャンプのような特打を敢行した。伊東監督の荒療治が功を奏して「マリンガン打線」に復調の兆しが見えてきた。
古巣のレオ党から浴びた大ブーイングも、余裕で受け止めた。「元々想定していたことじゃないですか」。西武からFA移籍したロッテ・涌井が、新天地での待望の初勝利。史上13人目となる12球団からの白星だ。
「素直に嬉しい。西武からの勝利?何かの巡り合わせですかね」。初回に先制を許してからが真骨頂だった。「開き直って、原点に戻ろうと思った」と、2回以降は直球で押した。移籍後最速の147キロをマーク。8奪三振、四球ゼロ(1死球)の快投に、伊東監督も「いい時の真っ直ぐに近づいてきた」と深くうなずいた。
先発として最後に白星を挙げたのは、昨季4月18日のオリックス戦、この日と同じ大宮球場だ。因縁づくしの白星から、FA右腕が再出発する。
不思議な運命を感じていた。古巣の西武から移籍後初勝利を挙げた涌井は、感慨深げに口を開いた。「そういう巡り合わせだったのかな」。ウイニングボールを受け取ると、照れ笑いを浮かべた。持ち前のポーカーフェースが、最後に緩んだ。
力勝負に徹した。初回に失点すると、「原点に戻ろうと思った」。最速147キロで押した。1点リードの6回2死一、二塁では、真ん中直球でランサムのバットをへし折り、一飛に仕留めた。移籍初戦の4月1日(QVC)は黒星を喫した古巣に、7回5安打2失点、8奪三振で雪辱。12球団勝利を達成した右腕は「とにかく腕が振れていた」と、すがすがしい表情で振り返った。
忘れられない場所で記念の白星をマークした。涌井にとって西武での1番の思い出は、この日と同じ大宮にあった。12年6月22日のオリックス戦(県営大宮)。女性問題に伴う謹慎からの復帰戦だった。同点の9回、37日ぶりの1軍登板。万雷の「涌井」コールで迎えられ、胸が熱くなった。
「西武でやってきて良かった、と思った登板でした」。先発としての再生を目指し、昨オフにロッテへFA移籍。この日は古巣のファンから容赦ないブーイングを浴びたが、「想定はしていましたし、期待の裏返しだと思っています。(感謝の気持ちは)変わりません」と不変の思いを口にした。
西武時代、先発として最後の勝利を挙げたのも県営大宮球場(13年4月18日・オリックス戦)だった。普段はクールな右腕が「もしかしたら(初勝利は)ここになるのかと思っていました」と、しみじみ振り返った。運命に導かれるように、移籍3戦目で手に入れた今季初勝利。涌井が野球人生のリスタートを切った。
ロッテ大松尚逸内野手(31)が、涌井の力投をバットで援護した。1点を追う4回1死一、二塁で、西武牧田のカーブをはじき返す右越えの適時二塁打。「ワク(涌井)が頑張っていて、ピッチングからも気持ちがヒシヒシと伝わってきたので、みんな何とかしたい気持ちだった。チャンスで打ててよかったです」と、振り返った。
ロッテ涌井秀章投手(27)が移籍後初勝利を挙げた。最速147キロの直球を軸に7回を5安打2失点。「素直に嬉しいです。(応援が)とても力になりました」と、右翼スタンドのロッテファンからの“涌井コール”に感謝した。
開幕2連敗後の、古巣からの白星。「まだ借金1なので、早く返せるように頑張ります」と、さらなる活躍を誓った。
伊東勤監督(51)は、許した2本の適時打がいずれも2死からだったことを指摘しながらも、「今日は粘ったね。真っ直ぐの走りはよかったと思います」と、待望の1勝を喜んでいた。
ロッテの涌井秀章が15日、古巣の西武戦で今季初勝利を挙げ、プロ野球史上13人目の全球団勝利を達成した。
現12球団全てからの勝利で、13年の日本ハム・木佐貫洋以来。2球団に在籍しての達成は、久保康友(2009年)、石井一久(2010年)、杉内俊哉(2012年)に次ぎ4人目となる。
消滅した近鉄を含む13球団勝利は、07年に横浜(現DeNA)の工藤公康、12年に巨人の杉内が達成している。ソフトバンク・寺原隼人が16日の楽天戦に勝てば、3人目の達成者となる。
2005年からセ・パ交流戦が始まったこともあり、単独リーグに所属して達成したのは、涌井が初めてとなる。
ロッテ・涌井秀章投手(27)が古巣・西武戦に先発し7回5安打2失点8奪三振の好投。移籍後、初勝利を挙げた。涌井はプロ野球史上13人目の12球団勝利を達成した。
涌井が古巣から今季初勝利だ。1回、2死三塁から浅村に高めの直球を中前に打たれ先制点を奪われた。同点に追いついた4回、2死二塁からランサムに左翼線適時二塁打を打たれ勝ち越しを許した。
しかし、5回に味方に逆転してもらった涌井は、尻上がりに調子を上げ、直球を軸に5回以降は得点を与えず、7回を投げ終えマウンドを下りた。
ヒーローの涌井は「素直に嬉しいです。とにかく腕が振れていたし、ストレートでたくさん空振りがとれた。大宮のマウンドも合っていた」と今季初勝利を喜んだ。
ロッテ打線が中盤に牧田を捉えた。0−1の4回に大松の二塁打で同点。直後に勝ち越されたが、5回に今江の二塁打などで逆転し、移籍後初の勝利を目指す涌井を援護した。
これまで涌井が登板した2試合は、計2得点と打線が振るわなかった。大松は「ワク(涌井)が頑張っていて、気持ちが伝わってくるので、何とかしたかった」とナインの気持ちを代弁した。
タレントの小島瑠璃子(20)が19日のロッテ−ソフトバンク戦(QVCマリン)で始球式を務める。ロッテが15日発表した。
当日は「イイコトいっぱい!〈PARCOカード〉スペシャルデー」となっており、14年「パルコ夏のキャンペーンモデル」で千葉県出身の小島には格好の舞台になる。
ロッテ戦始球式登場は12年以来、2度目となる小島は「緊張しますが、バウンドしないように頑張ります。応援よろしくお願いいたします!」と張り切っている。
プロ野球の統一球が飛びやすくなっている問題で、製造元のミズノ社が15日、東京・港区の品川プリンスホテルで会見。水野明人社長(64)が「不手際により、皆さまに多大なご迷惑をお掛けした」と謝罪、ボールの芯を巻く毛糸(ウール)が乾燥し、反発係数が上がったとの見方を示した。今後、22日の公式戦から規定に適合した球を納入する。さらには納品前に、日本野球機構(NPB)の立ち会いのもと、日本車両検査協会(東京・北区)で検査する方針を打ち出した。
会見の冒頭、ミズノ社・水野明人社長が深々と頭を下げた。反発係数が基準値を超えていた統一球の製造元として、球界関係者、ファンに謝罪した。
「この度は統一球に関する私どもの不手際で、皆様に、多大なご迷惑をおかけしたことに関しまして、心からお詫び申し上げます。申し訳ございませんでした。管理能力が不足しているということだと思います」。
10日に反発係数が基準値を上回っていたことが発覚した。同社は11日に対策本部を立ち上げ、上海ミズノの製造工程と、岐阜・養老郡にあるミズノテクニクスの管理工程を調査。ゴム芯、羊毛、錦糸、ポリエステル糸、牛皮革、綿縫い糸、接着剤など、材料に昨年からの変更はなかったことを確認。出荷前に毎月実施している同社の反発係数検査でも基準内の数値に収まっていた。現状で想定される要因を2つ挙げた。
(1)毛糸の含水率
含水率が社内品質管理目標値を下回る毛糸が多く使用されていたことが判明した。ボールを製造する上海の工場で、季節の環境変化に対応する毛糸の管理が不十分だった。含水率が1%低くなると、重量、外周を合わせるために約1メートル多く毛糸を使用。毛糸をきつく巻くため、その分ボールが硬くなる。
(2)検査機の設置環境の変化
検査機を昨年3月に三重県内の工場から岐阜県養老郡の工場に移した。設置環境の変化によって測定値の誤差が生じた可能性がある。
また、同社は対応策を3つ挙げた。
同社によると、早ければ、22日の公式戦から適合球を供給できる可能性があるという。10日の検査結果発表以降、世間を騒がせた“飛びすぎるボール”の問題は、一応の落着を見ることになりそうだ。
各国プロ野球リーグで使用球と反発係数の検査は異なる。関係者によると、米大リーグ機構(MLB)はローリングス社のボールを使用し、検査は行っていない。韓国プロ野球は使用球を韓国内の4社のメーカーから球団が選択。反発係数の基準範囲は定められているが、検査結果は非公表。台湾プロ野球ではメーカーは1社で検査結果は非公表。国際野球連盟(IBAF)は国際試合でミズノの統一球を使用し、検査はしない。
統一球の反発係数がセ・パ両リーグのアグリーメントに定められた基準値の上限より高い数値を示した問題で、製造元のミズノ社の水野明人社長(64)が15日、都内で記者会見し、今後はミズノテクニクス社内で管理している在庫の約2300ダースを全球検査して、22日をめどに適合品を各球団に納入する考えを示した。反発係数の検査は、17日に日本車両検査協会で行われる。
さらに製造段階での品質管理を強化し、規定に適合する球の生産も開始するとした。1日200ダースの製造が可能で「5月上旬には安定供給が可能」との見通しを語った。
水野社長は「私達の不手際により、皆さまに多大なご迷惑をお掛けし、心からお詫び申し上げます」と謝罪。反発係数が上がった原因として、球の芯を巻く毛糸(ウール)の乾燥を挙げた。含水率が下がった乾燥した毛糸で重量、外周の大きさを合わせるためには、より多くの毛糸が必要となり、通常よりきつく巻かざるを得ない。そのため球が硬くなり、反発係数が上がったとの調査結果を報告した。
含水率が下がった理由については、中国・上海の同社工場にある温度と湿度を一定に管理して毛糸を保存する安定室が、事故による毛糸への引火等を防ぐ理由から夜間は加湿器を止めていたことを要因として挙げた。
また、出荷前のミズノ側の検査では規定内に収まっていたが、日本野球機構(NPB)が委託している第三者機関との測定データに違いがあり、自社では超過を把握できなかったという。
熊崎勝彦コミッショナーは「ご迷惑をかけている状況を1日でも早く解消したい」と話し、今後の対策として検査態勢の強化を掲げた。公式戦中に年3回のペースで行う通常検査に加え、オープン戦用の球の納品前や開幕前にも実施する方針を示し「二重、三重のチェックをやらないといけない」と言及した。
ミズノ社の説明によると、ボール一球に約100メートルの毛糸を使用。
毛糸の含水率が1%下がると、ボールの重量、外周を合わせるために約1メートル多く毛糸を使用する必要があるという。同社が公表した今回の統一球に使用した毛糸の検査値では、目指すべき11%の含水率に対して、2%以上下回るものがあった。
統一球の反発係数が規定の上限値を超えていた問題で、製造メーカーのミズノは15日、謝罪と原因調査の詳細報告を行った。“違反球”が製造された原因として、材料のウールが乾燥し、強く巻きすぎたことで硬くなったと説明した。
ミズノは今後の対応策も示した。管理している約2300ダース全球の硬さを検査した上で、合格したボールは早ければ22日の公式戦から使用する方針。合わせて新たなボールの製造も開始し、5月初旬から安定供給が可能になるという。
ミズノの会見を受けて、都内の日本野球機構(NPB)で熊崎勝彦コミッショナーも取材に応じ「1秒でも早くアグリーメントに適合したボールを供給できれば」と話した。NPBとしては、納品前や開幕前のオープン戦の期間中に反発係数の検査を行うなど、徹底した管理体制を敷く必要があると強調した。
アグリーメントで定められた反発係数の幅が、世界的に見ても厳し過ぎるという見方についても言及。韓国や台湾では反発係数の結果は非公表で、大リーグ機構(MLB)は測定すらしていないことに「日本としてどうするか。今年は決められたことを守っていくが、来年以降は様々な意見を参考にして検討したい」と述べた。
統一球の反発係数が規定の上限値を超えていた問題で、製造メーカーのミズノは15日、謝罪と原因調査の詳細報告を行った。“違反球”が製造された原因として、材料のウールが乾燥し、強く巻きすぎたことで硬くなったと説明した。
“違反球”の今後について、関係者は「これからの課題になる」と話した。現在、ミズノには2300ダースの統一球の在庫があるが、大量の“違反球”があるとみられる。規定内の適合球と“違反球”は、判別できるように目印がつけられるが、練習での使用や寄贈など、検討されることになりそうだ。
プロ野球の1軍公式戦で使用されている統一球が規定より飛びやすくなっている問題で、製造元のミズノの水野明人社長が15日、東京都内のホテルで記者会見し「私達の不手際により、皆さまに多大なご迷惑をお掛けし、心からお詫び申し上げます」と謝罪した。
日本野球機構(NPB)が開幕後にボールの飛びやすさを示す「反発係数」を検査した結果、規定より高い数値が出た。水野社長は原因として、ボールの芯を巻く毛糸が乾燥し、反発係数が上がったとの見方を示した。
今後は納品前の約2300ダースを選別して、早ければ22日をめどに適合品を納入したい考えを示した。水野社長は速やかに規定に適合する球の生産も開始し、5月上旬には安定供給が可能との見通しを述べた。
過日、テレビのバラエティー番組をみていたら、懐かしい人物と“遭遇”した。外野手で左の巧打者、『巨人史上最強の助っ人』(1984〜90年)と呼ばれたウォーレン・クロマティさん。テロップの年齢に『61』と出ていた。
驚いた。「えっ…もう、還暦過ぎたの!?」。現在、故郷の米マイアミでDJの仕事をしているという。YGマークの帽子をかぶっていたのには笑えた。独特のちゃめっ気は変わっていなかった。
日本で成功した代表的な外国人選手。その頃、巨人担当だった記者が感心したのは、日本に馴染もうと言う姿勢だった。時同じくして、レジー・スミスという助っ人も在籍していたが、ともにバリバリの元メジャーリーガーながら、全くタイプは違っていた。
当時、球団通訳の田沼一郎さんからこんな話を聞いた。「クロマティは日本語を覚えようと必死。一方のスミスは『日本にいればそのうち覚えるさ』というタイプ。オレと話がしたけりゃ、記者が英語を覚えろ…とも言ってたね」。こんな調子だから、必然的にクロマティさんの方が担当記者ウケはよかった。
そのクロマティさんとダブってみえるのが、ロッテの新外国人、メキシコ出身のルイス・クルーズ内野手(30)=前ヤンキース=だ。
昨年まで同僚だったイチローからのアドバイスもあるようだが、とにかくチームに溶け込もうという姿勢がみてとれる。入団会見で知っている日本語を聞かれ、「お腹、イタイ…」と披露したのも“つかみ”としては最高だった。
2月の沖縄・石垣島キャンプ中、企画取材を受けてもらった際、メキシコでは有名な「タマリンド」というお菓子が大好物と聞いた。以来、記者とクルーズの挨拶は「タマリンド!!」。チームメートとのコミュニケーションは欠かさず、来日初安打などの記念球を後生大事に保管しているのも、どこか日本人的だ。
ヤ軍時代、遊撃手としてジーターの“影武者”を務めた守備は一級品。課題とされた打撃も15日現在、打率.382と奮闘している。ロッテ話題の『ルーキーズ』には“ミスター・タマリンド”のクルーズも含めておきたい。