ロッテの成瀬が今季初完投で3勝目を挙げた。9回に犠飛で1点を失ったが安定した投球だった。打線は1回に大松の2ランで先制。その後もサブローや伊志嶺の本塁打で加点した。日本ハムは上沢が初黒星を喫し、ロッテ戦4連敗。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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千葉ロッテ | 2 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 4 | 0 | 9 |
北海道日本ハム | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 |
勝利のハイタッチを交わして、ベンチ裏に引き揚げたロッテ成瀬善久投手(28)は、自分の頬をピシャッとたたいた。「まあ、まあ、ん〜、勝ったからいいでしょう。でも、あそこまでいったら完封しなくちゃいけなかった。最後、へばってしまった」。1年ぶりの完投勝利にも、反省ばかりが口をついた。
わずかの差で完封を逃した。9回1死一、三塁。ミランダに右翼へ大飛球を打たれた。右翼手が捕球した時、一塁走者の中田が三塁手前まで走っていた。ボールは一塁に転送され、併殺でゲームセット。しかし、その数秒前、三塁走者の陽がタッチアップでホームインしていた。
腕を振って直球に魂を込めた。27個のアウトのうち、15個が直球を決め球にして奪ったもの。キャンプからテーマにしてきた「強い直球」が投げられるようになってきた。オープン戦では空振りも奪えなかった直球が、キレを増していた。「狙いすぎたらダメ。腕を振った中で打たれたら、甘くいっても詰まったりしてくれた。でも、その分、スタミナがなくなったかな」と自己分析した。
試合後の反省は普段よりロジンを触る回数が少なかったことにまで及んだ。それほど完封を逃したことが悔しかった。「勝つことに僕の存在意義はあると思っている」という誇り高きエース。左肩痛に苦しんだ昨季からの完全復活が近いことを予感させた。
ロッテ・成瀬善久投手(28)が25日、日本ハム4回戦(札幌ドーム)で5安打1失点完投。自身3連勝となる3勝目(1敗)を挙げた。
完封目前の9回1死一、三塁。ミランダの右翼への大飛球に一走・中田が飛び出して併殺。『完封達成!!』かと思われたが、一瞬早く三走・陽岱鋼がホームイン。2年ぶりの完封は寸前で逃した。
「まあ、チームが勝てばいいです。自分としても、勝つことで存在意義を高めていきたい。また次に向けてしっかり調整していきます」。
この成瀬に、打線では大松の2号先制2ラン、サブローの1号ソロ、井口の2二塁打、里崎の好リードとベテラン勢が大奮闘。いつもは『ルーキーズ』ばかりが話題となるだけに「今日は『ベテランズ』でしょう!!」と、伊東監督もご満悦だった。
女子プロレスラー、アジャコング似のD5位・井上(日本生命)が8回に代打で右中間へ2点二塁打を放った。4月15日の西武戦(大宮)以来14打席ぶりの安打で「逆に吹っ切れた気持ちで打席に入りました」と笑顔。前夜(24日)はススキノで伊東監督主催のルーキー慰労会が開かれ、海の幸を堪能した。「毛がに、ウニ…と食い尽くしました。感謝です」。早速の恩返しだった。
5安打1失点でロッテの成瀬が今季初の完投で3勝目を手にした。
9回に犠飛で失点して、2シーズンぶりの完封を逃し「あそこまでいったら完封しなきゃ駄目でしょ。最後はへばった。スタミナが足りなかった」と悔しさをにじませた。序盤はストライク先行ができなかったが、緩急を有効に使い、5〜8回は無安打に封じた。今季まで5年連続開幕投手を務めるなどチームの大黒柱として君臨してきたが、昨季は左肩痛に悩まされ、シーズン途中に離脱。それだけに「勝ってこそ僕の存在意義がある。投手陣の中で1番勝たないとね」と話した。
最後の最後で完封を逃した。ロッテ・成瀬は1失点完投勝利にも苦笑い。チームトップタイの3勝目を挙げながらも「あそこまでいったら完封しないといけない」と振り返った。
12年7月以来の完封勝利は逃したが、昨年6勝止まりの左腕がエース復活を感じさせる投球を随所にみせた。制球が持ち味の左腕は内外角に制球し凡打を築く。5回までに5点の援護をもらうと「点を取ってもらって完投しないといけないと思った」。ギアを上げ、5回から8回まで無安打に抑えた。
しかし、完封を意識した9回に捕まった。1死一、三塁。ミランダの右犠飛で三走の陽岱鋼が本塁へ。一走中田もタッチアップを狙い二塁を狙うも、離塁が早く一塁へ送球され、併殺が成立。完封の望みをつないだと思いきや一瞬、得点が認められ、表情を曇らせた。
それでも伊東監督は「真っ直ぐの走りがよくなってきた」と評価し頼もしそうに見つめた。
これぞ4番の一振りだ。初回2死一塁。大松は甘く入ってきたカーブを強振した。打球は右翼席へ到達する。開幕から3連勝中と売り出し中の20歳・上沢から2号先制2ランだ。「最高の形だし、いい流れを作ることができた」。3年ぶりの4番での一発に笑顔を見せた。
ファームでの経験が生きた。上沢とは昨季2軍で対戦し、本塁打を放っている。「うちの侑己(唐川)と似たフォームで投げる印象。後ろにつなげる気持ちで打ちました」と負けなしの右腕から2安打3打点。伊東監督も「大松の一発が効いたね。今日は“ベテランズ”が頑張りました」と同じく一発を放ったサブローらとともにたたえた。
昨季は1軍出場が35試合にとどまり、本塁打ゼロだった。「(悔しい)気持ちはある。できることを確実にやっていきたい」。腰痛で離脱中の4番・今江が戻るまで、大松が主砲の重責を果たす。
ロッテはベテランの活躍で2連勝を飾った。1回に31歳の大松が2ランを放って先制すると、2回には37歳のサブローが今季1号ソロ。五回には39歳の井口が適時二塁打を放つなど、この3人で計5打点を挙げた。
サブローは「この感覚は久々。自分でも納得のいく打撃ができた」と満足げ。伊東監督も「ベテランズが頑張ってくれた」と目を細めた。
ロッテ成瀬善久投手(28)が、昨年5月4日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)以来となる完投勝利を飾り、今季3勝目をマークした。
9回1死から、陽と中田に連打を許した。一、三塁からミランダに右飛を打たれた。しかし、ここで中田が走塁ミス。三塁手前まで走っていたため、右翼手から一塁手へボールが転送され3アウトとなった。一塁への送球が、タッチアップした陽のホームインよりも早ければ、2年ぶりの完封となるところだったが、わずか数秒の差で逃した。
成瀬は「3−0の時点で、最後まで投げなきゃって思ったし、5−0になって、他のピッチャーを投げさせたくないって思った。もう少し、ストライク先行でいけたら、最後へばらなかったかもしれない」と、勝利の喜びより、反省を口にした。
ロッテの大松が先制2ランを放った。1回2死一塁で、開幕3連勝と好調だった上沢の高めのカーブを捉え、右越えに運んだ。今季2本目のアーチに「ボール球だったけど、タイミングが合っていたので打ってしまった」とコメントした。
昨季はわずか35試合の出場に終わり、巻き返しを期する気持ちは大きい。今季1軍デビューした3年目の上沢とは昨季2軍で対戦の経験があるそうで「うまく対応できた」と好結果に手応えを口にした。
ロッテ・サブロー外野手(37)が2回、今季1号となるソロを放った。
直球をしっかりたたいて、左翼席上段まで飛ばした。「少し待ち切れなかったけど、しっかり前でとらえることができたから、きれずにホームランになってくれた。この感覚は久々だね。自分でも納得のいくバッティングができた。この感覚で次も打ちたいね」と好感触を口にした。
ロッテ大松尚逸内野手(31)が1回、先制2ランを放った。フルカウントから高めにきたカーブを引っ張った。
「ボール球だったけどタイミングが合ってたんで打ってしまいました。(鈴木)大地の気迫のヘッドスライディングをベンチから見ていたので、自分も何とかしたい気持ちがあった。先制点につながるホームランが打てて良かったです。上沢君は去年、ファームで対戦していたから、うまく対応できました」と話した。
統一球の反発係数が基準値を超えていた問題で、供給元のミズノは25日、中国・上海工場で18日以降に作ったボールを都内の日本車両検査協会で計6ダースを検査し、平均反発係数が基準値内の0.416であったと発表した。これで29日から全試合で適合球が使用されることに決まった。
ミズノは再発防止策として
の3項目を発表した。
日本野球機構(NPB)は25日、規定より飛びやすくなっている統一球を予定通り29日から全球場で規定に適合した球に切り替えると発表した。供給元のミズノが製造工程を見直して新たに生産した球が納品前検査に合格したことで、安定供給できると判断した。
25日に東京都北区の日本車両検査協会で行った検査の結果、ミズノ社が18日から中国・上海工場で新しく生産したボールの反発係数の平均は0.416(計6ダースの平均値)で、セ・パ両リーグのアグリーメントが定めた反発係数の基準内(0.4034〜0.4234)に収まった。
今季の統一球は開幕直後の検査で平均値が基準値を超え、ミズノ社は原因を球の芯を巻く毛糸の乾燥と特定した。ミズノは再発防止策として
の3点を発表した。同社は今回合格した出荷分1000ダースと在庫で基準値内と判明した1500ダースから納品を開始し、29日までに適合球と切り替える。これまで使用していたボールは同社が28日までに回収する。NPBの井原敦事務局長は「安定供給の体制が取れたという意味では一区切りになる」と話した。
12球団による臨時オーナー会議が25日、都内のホテルで開かれ、侍ジャパンの収益拡大を図るために株式会社を設立する方針を全会一致で決めた。株は上場せず、12球団と日本野球機構(NPB)が保有する方向で検討に入った。
侍ジャパンの事業の進め方として、オールスター戦のように12球団が共催して行う案もあったが、イベントごとに募っていたスポンサーを中長期的に獲得するためには事業会社を設立した方が有利との意見でまとまった。
会見した熊崎勝彦コミッショナーは「収益の拡大を図ると同時に、日本の野球振興に強い波及効果をもたらすということで了承された。NPB始まって以来のことだが、目的を達成したい」とした。今後は設立準備委員会をつくり、取締役の人数、役員構成、出資割合や収益分配などの詳細を詰め、今秋の設立を目指す。
オーナー会議で、NPBの組織改革の一環として、会長室の新設を提案し、承認された。
会長室長は、NPB事務局長の上級職としてコミッショナーの実務面をサポートする。熊崎コミッショナーは、ほぼ常勤で執務を行っており「室長も常勤に近い形が望ましい」と説明した。また、オーナー会議とは別に、球界への提言を行うオーナー懇話会をつくる方針も承認された。