西武が競り勝ち9カードぶりに勝ち越した。6−8の9回1死満塁で米野が2点適時打して追い付くと、炭谷の左前打で1点を勝ち越した。5番手の十亀が今季初勝利を挙げ、高橋が4セーブ目。ロッテは抑えの西野がつかまった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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埼玉西武 | 0 | 1 | 3 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 3 | 9 |
千葉ロッテ | 0 | 0 | 3 | 2 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 8 |
守護神が打たれ、ロッテが手痛い黒星を喫した。2点を勝ち越した直後の9回。開幕からの無失点投球を続けてきた西野勇士投手(23)が、まさかの3失点。今季15試合目での初失点が逆転負けにつながり、「最低でも勝ち試合で終わらせないといけなかった」と唇をかみしめた。
四球からだった。先頭栗山への初球直球が高めに抜けると、2球目の直球はワンバウンド。制球が定まらず、そのまま4球で歩かせ、「自分で自分の首を絞めてしまった」。1死後、中村にも四球。自らピンチを招き、満塁から連続適時打を許した。
開幕早々、落ちないフォークに悩んだこともあったが、握りの試行錯誤を重ね、乗り越えてきた。この日は自身の想定を超える制球難に対処しきれなかったが「1年間チームのために働く」という覚悟がある。だからこそ、荒れた試合展開の中での登板にも「そういう流れでも抑えないといけないのがクローザー」と、一切言い訳はしなかった。
川越投手コーチも「うちのクローザーですから。誰も責めたりはしない」と信頼は揺らがない。初めての失敗は、西野が絶対的守護神に成長するための、大きな糧となる。
9回に守護神・西野がつかまっての痛い逆転負け。伊東監督は「いつかはやられるんですけどね。(先頭を含む2個の)四球で自滅する形になった」と悔やんだ。先発のD1位・石川(東京ガス)から計4投手で9四死球。「ブルペン陣がいつもの力を発揮できなかった。こういう試合を取るのと落とすのでは大違いなんですけど…」と失意の指揮官だった。
今季ここまで14試合連続無失点に抑えていたロッテの守護神・西野が、まさかの逆転負けを許した。
8回に鈴木の2ランで2点を勝ち越した直後の9回、先頭打者への四球を機に崩れ3失点。今季初失点が救援失敗を招き、「2点差だったので、最低でも勝ち試合で終わらせないといけなかった」と唇をかんだ。
新守護神のロッテ・西野が今季15試合目で初失点し、逆転負けした。2点リードの9回に登板したが、先頭・栗山へのストレートの四球から崩れて3失点。
開幕から14試合14イニング無失点で8セーブを挙げていた右腕は、初の救援失敗に「ボール先行で苦しくなり、自分で自分の首を絞めた感じ。荒れ気味の試合だったけど、クローザーは流れに関係なく抑えないといけない」と反省した。最大4点差を一度は逆転し、ベンチ入りの野手全員を使い切る総力戦も及ばず勝率5割に逆戻り。伊東監督は「西野もいつかはやられる。でも今日は四球で自滅した形」と悔しさを押し隠すように話した。
ロッテ伊東勤監督(51)は、計9四死球を与えた投手陣に苦言を呈した。
登板した4投手全員が四球を出し、ことごとく失点に絡んだ。打線が8点を奪いながらも勝利を逃し、「出てくる投手、出てくる投手が全部四球を出して、もったいなかった。打線は4点ビハインドからよく粘って逆転してくれたけど…。投手陣が粘れなかった」と、厳しい表情だった。
ロッテのドラフト1位、石川歩投手(26)が今季ワーストの4回1/3を5失点でマウンドを降りた。
制球に苦しみ、3回までに4点を失い、5回1死から連続四球を与えたところで降板。黒星こそつかなかったが、打線の援護に報いることが出来ず、「ストライクを取るのに苦しんでしまった。野手の人が点を取り返してくれたのに、粘りきることが出来ず終わってしまったのが悔しい。今日は全然ダメでした」と、唇をかみしめた。
ロッテの西野が8−6の9回に3点を奪われ、土壇場でひっくり返された。開幕から14試合連続無失点を続けていた絶対的な抑えのまさかの乱調。今季初黒星を喫した右腕は「調子が良くても悪くても抑えないといけない」と責任を背負った。
8回に2点を勝ち越した直後につかまった。4時間12分の乱打戦の末、ベンチ入りした野手全員を起用したが、6カードぶりに負け越した。伊東監督は「こういう試合を取るのと、落とすのではえらい違い。もう一粘りだね」と嘆いた。
ロッテ角中勝也外野手(26)が反撃の一打を放ったが、白星には届かなかった。4点ビハインドで迎えた3回。1点を返し、なお2死満塁から西武ボウデンの141キロ直球を中前にはじき返した。
5試合ぶりの打点となる2点適時打に、「今年は満塁で全然打ててなかったので、何とか打つことが出来てよかったです。スライダーが頭にあったのですが、ストレートにうまく対応することが出来ました」と振り返っていた。
ロッテ今江敏晃内野手(30)が一時は勝ち越しとなるタイムリーを放った。同点に追いつき、なお2死満塁の4回。西武豊田の内角直球を左前に運んだ。
「打てて良かったです。(前打者の)井口さんが敬遠でチャンスが広がったので、そこは何とかしないとですね。いい仕事ができました」。しかし、勝利にはわずかに届かなかった。
ロッテ鈴木大地内野手(24)が同点打を放った。1点を追う4回2死二、三塁から、右前への適時打。
「打ったのはフォークです。つないで回ってきた打席なので、自分も後ろにつなぐことだけ考えていました。相手投手が(昨季までチームメートの)中郷さんで、何か複雑な気持ちでしたが、紅白戦のつもりで打ちました。チャンスをつぶさなくてよかったです」。それでも試合は西武に1点およばなかった。
3日の西武戦(QVCマリン)でプロ1号アーチを放つなど奮闘が続くロッテのドラフト2位ルーキーの吉田。最大の売りは強肩だが、3日は盗塁を1つ許した。
4日の同カードの試合前練習では伊東監督から呼ばれ、30分近いマンツーマン指導。2人で歩きながらキャッチボールするなど、スローイングを再確認した。
吉田は「監督の方から、声を掛けられました。最近、いい球がいっていない。下半身もへばっているので、スローイングについて教わりました」と話し、伊東監督も「スローイングが少し抜け気味なので修正した。疲れもあって下半身が少し弱っている。投手への返球も変な球の時がある。下半身を使いながら、ボールにもいい回転がつくような投げ方を見直していこうということ」と説明した。
さらに「僕も現役時代はそうだし、中村(バッテリー)コーチも、ホームの試合で相手の練習が終わるまで練習していた。人の何倍も練習しないとうまくならない。吉田は若いんだし、たまにはきついメニューも入れておかないと」と自覚を促した。