阪神がシーソーゲームを制した。5回にゴメスの12号3ランなどで逆転。5−7とされた直後の8回2死満塁では代打・新井良の走者一掃の二塁打で再逆転した。福原−呉昇桓で、1点差で逃げ切った。ロッテは投手陣が精彩を欠いた。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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阪神 | 0 | 0 | 0 | 1 | 4 | 0 | 0 | 3 | 0 | 8 |
千葉ロッテ | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 7 |
二転三転した乱打戦も、1点及ばず、競り負けた。伊東監督は「最後はブルペン(救援陣)が打たれたけど、こういうこともあります」と冷静に振り返った。リードを守りきれなかった先発の涌井については「警戒しすぎなのか、足の速い走者が出たりすると、とたんにリズムが悪くなる。捕手も一緒になって慌てていますしね」と厳しい口調だった。
逆転に次ぐ逆転で3時間59分の末に敗戦。ロッテ・伊東監督は再逆転を許した8回の守りを反省した。
2点リードの2死満塁で救援した松永が代打・新井良に初球を二塁打され、逆転。「満塁で1球目にストライクを取りに行くのが若さ。(四球で1点与えて)次の鳥谷勝負でもいい。投手もそうだが、捕手の若さが出た」と22歳の捕手・江村に猛省を促した。
一方で先発・涌井の負けを消した打線には「だいぶ粘りが出てきた」と手応えを感じていた。
本拠地に響く六甲おろしの大合唱が、敗戦の悔しさを倍増させた。リードしては逆転され、もつれにもつれたが、ロッテが気まぐれな勝利の女神の心をつかむことはできなかった。
4点を奪い、鮮やかに逆転に成功した直後だった。「8回の男」カルロス・ロサがつかまり2死満塁。交代した松永が、代打・新井良に初球を狙われ、万事休した。伊東監督は「1球目からストライクを取りに行くとこに若さがある。最悪、歩かせても、鳥谷で勝負できればいいと思った」と、唇をかんだ。
打線は不調だった今江ら中軸が調子を取り戻し、集中打が復活しつつある。それだけに、指揮官は、悔しさを押し殺し、「しょうがない。こういう日もある」と話した。
ロッテは2度のリードを守れなかった。1回に3点を先行するも、涌井が踏ん張れない。7回に逆転したものの、直後にひっくり返された。伊東監督は「1つ1つをひもとけば、防げた点もある」と悔やんだ。
特に2点リードの8回2死満塁で、松永が初球を新井良に逆転打とされたことに言及した。「最悪歩かせて次の鳥谷勝負でも良かった。捕手の若さが出た試合だった」と振り返った。
二転三転のシーソーゲーム。最後は惜敗となったが、ロッテ伊東勤監督(51)は一時の停滞ムードからの脱出に手ごたえを感じていた。「だいぶ粘りが出てきた。ひもとけば防げた点もあるので、それはこれから勉強していきます」と前向きにとらえた。
7回2死満塁のピンチでマートンの左中間を破ろうかという当たりにハフマンがダイビングでスーパーキャッチ。無失点で切り抜けると7回の攻撃ではクルーズの6号2ランなどで4点を奪い再逆転に成功した。「1度は引っ繰り返した。しょうがない。こういう日もある」と気持ちを切り替えていた。
ロッテ井口資仁内野手(39)が1回1死三塁から、中前に先制適時打を放った。
「打ったのはスライダー。いつもワク(涌井)の時には打線が援護してあげられていなかったから、初回に先制できたのは良かった。まだまだ、援護できように、みんなでつないで行きたいね」とコメントした。
5月で最も印象深いサヨナラ打を放った選手を表彰する『スカパー!サヨナラ賞』が12日に発表され、パ・リーグからは5月20日のヤクルト1回戦(QVCマリン)の延長10回にサヨナラ3ランを放ったロッテ・加藤翔平外野手(23)が選出された。
ロッテで同賞を受賞したのは、当時、年間表彰の形式だった2009年の井口資仁内野手(39)以来で、月間表彰が始まった12年以降では初。スポンサーからトロフィーと賞金30万円が贈られた。
サヨナラの場面は、6−6出迎えた延長10回2死一、二塁。フルカウントから左翼中段に運び、試合を決めた(投手はヤクルト・久古)。入団2年目、左右両打ちの同選手にとっては、サヨナラ打、右打席での本塁打とも初の経験だった。
12日、阪神4回戦の試合前、QVCマリンで受賞会見に臨んだ同選手は「打球が外野手の頭を越えたとは思いましたけど、まさか入るとは思いませんでした。でも、まだまだ調子の波は激しく、1軍に定着したとも思っていません。監督、コーチにより信頼される選手を目指したいです」とコメント。また、賞金30万円の使い途については「ひとまず貯金します」としっかり者ぶりをアピールした。
セ、パ両リーグは12日、5月に最も印象深いサヨナラ打を放った打者を表彰する「スカパー!サヨナラ賞」に千葉ロッテの加藤と広島の梵が選ばれたと発表した。
加藤は5月20日のヤクルト戦の延長10回に劇的なサヨナラ3ランを打った。梵は5月13日の阪神戦の延長12回にサヨナラソロを放った。
阪神戦前にQVCマリンフィールド内で会見した加藤は「サヨナラの場面で打席に立たせてもらい、貢献できたことは嬉しく思います」と喜ぶ一方で、「もっとコンスタントに結果を出して信頼される選手にならないといけない」と気持ちを引き締めていた。