西武は1回に浅村、中村の連続適時打と森の2点二塁打で4点を先行。その後も小刻みに加点した。十亀は7回を5安打無失点で2勝目。ロッテのルーキー田中は立ち上がりから制球が定まらず、3回を6安打5失点と打ち込まれた。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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埼玉西武 | 4 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 7 |
千葉ロッテ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
デビュー戦で厳しい現実に直面した。ロッテのドラフト2位ルーキー田中英祐投手(23)が、西武4回戦でプロ初登板初先発を果たしたが、3回6安打5失点で負け投手となった。初回先頭から2者連続で四球を与え、そこから4失点する自滅だった。京大初のプロ野球選手として注目されてきたが、プロの厳しさを味わう結果となった。しばらくは中継ぎに回る可能性が高い。
記念すべき第1球から、おかしかった。初回、田中が西武先頭の秋山に投じた146キロ直球。この日の最速だったが、捕手田村の構えとは逆で内角低めのボールとなった。抜け球、逆球が続く。4球目でやっとストライクを取ったが、抜けていた。5球目で歩かせた。遊撃から主将の鈴木が駆け寄る。「腕を振っていけ」。助言は効かなかった。
試合後に初回を振り返る田中は伏し目がちだった。「ボールを置きに行って腕が振れませんでした。自分のペースで投げられず、ストライクが欲しい思いが強くなりました」と絞り出した。悪循環だった。2番栗山はストレートで歩かせ、浅村、中村の連続適時打。5番メヒアからフォークで空振り三振を奪い、1アウト目も「アウトを1つ取るのが、すごく大変でした」。試合開始から13分がたっていた。6番森に適時二塁打を打たれ4失点目。初回で大勢を決められた。
ベンチでは落合投手コーチの体験を聞かされた。22年前のデビュー戦で同コーチは初球から7球連続でボールだったが、後を抑えた。「4失点した後が大事だぞ」。神妙に聞いたが、2回先頭も四球。3回1死から3連打で5失点目。72球で降板するしかなかった。
伊東監督は「厳しい世界と分かったと思う。今日の内容なら先発は厳しいかも」と手厳しかった。ただ、登録抹消はしない。「しばらくベンチに入れて状況を見て投げさせる」。いずれ先発を担わせる方針は変わらないが、まずは中継ぎで場数を踏ませることになりそうだ。2軍ではフォーム修正に取り組み、成果が出た。それが、1軍ではできなかった。田中は「力のなさを痛感しました。自信を持って投げられるようにしたい」と締めた。与えられる1軍の舞台を、無駄にはできない。
京大出身の田中がプロ初登板。国立大出身で先発デビューは97年8月28日杉本友(オリックス)以来だったが、田中も杉本友と同じ5失点で黒星。国立大出身のデビュー戦勝利はまだ生まれていない。白星を挙げた国立大出身の投手は過去7人おり、65年新治(大洋)67年井手(中日)93年渡辺(ダイエー)97年杉本友、03年加藤(横浜)の5人が1年目に勝利を記録。田中は初勝利をいつ挙げられるか。
ロッテは29日、30日の西武戦(QVCマリン)に先発する涌井秀章投手(28)の登場曲が、くず(山口智充、宮迫博之)の「全てが僕の力になる!」に決まったと発表した。
涌井は、今季QVCマリンで登板する試合での登場曲を公募している。4月分には1880件の応募があり、「全てが僕の力になる!」には2件の応募があった。
推薦したファンの理由としては「歌詞がマッチするから」、「勇気が湧く曲だから」とあった。涌井は「直感で、これがいいと思いました」とコメントした。
4月本拠地初登板となった4日の楽天戦は磯山純の「パズル」、17日のソフトバンク戦は米米CLUB「浪漫飛行」を使用している。
ロッテ先発の田中英祐投手(23)は、3回6安打5失点で降板した。
1回、先頭から2者連続で四球を出し、3番浅村に中前適時打を打たれた。続く中村には左中間へ適時二塁打。さらに、1死二、三塁で森に中越えへ適時2点二塁打を打たれ、この回だけで4点を失った。
2回も先頭打者に四球を与えたが、0に抑えた。だが、3回1死走者無しから3連打で、もう1点を失い、この回限りで降板した。
球数は72球。四球は3つを数えた。プロ初登板、初先発で結果を出せなかった。降板後「思った通り緊張はしていました。初回は緊張を解くためにも早くアウトが欲しかったのですが、自分のペースに持っていくことができませんでした。色々な人の応援が耳に入りましたが、応えることができなくて悔しいです」とコメントした。
チケットが前売りで完売。ロッテ球団は、開場時間を予定より5分早め午前11時55分に設定した。
ロッテ先発は、プロ初登板のドラフト2位、田中英祐投手(23)。試合前、伊東勤監督(52)は「満員の環境で投げるのは初めてだろう。周りにのみ込まれないようにして欲しい」と話した。
田中は“赤点デビュー”。京大出身初のプロ野球選手、ロッテのドラフト2位・田中英祐投手(23)が29日、西武4回戦(QVCマリン)にプロ初登板初先発し、3回5失点でKOされた。力不足を露呈したが、伊東勤監督(52)は30日の同カードに同投手を「ベンチ入りさせる」と明言。中継ぎによる“連投リベンジ”の可能性が出てきた。一方、西武は中村剛也内野手(31)、浅村栄斗内野手(24)、森友哉捕手(19)の大阪桐蔭高トリオが、田中にプロの洗礼を浴びせた。
何もできなかった。降板後、ベンチ裏でうな垂れる田中。球団関係者によると、その姿に「言葉をかけることもできなかった」という。
「チャンスをいただいたのに申し訳ないです。ブルペンから緊張はしていました。マウンドでは鳥肌が立つというか…。地に足が着いていませんでした」。
ただでさえガチガチのプロ初登板。京大出身初のプロ野球選手に観客席からは「英祐!!英祐!!」の大歓声が巻き起こった。満員札止めの観衆3万100人は2005年の実数発表以降、球団史上2番目の大入り。異常な熱気に田中は完全に自分を見失った。
1回に連続四球からピンチを招き、浅村、中村の連続長短打。森にも2点二塁打を浴びた。よーいドンでの4失点。自らに何度も「落ち着け」と言い聞かせたが、体が言うことを聞いてくれなかった。
先発で3回、72球を投げ6安打5失点KO。最速は146キロだった。兵庫県高砂市の実家からは父・克則さん(52)、母・昌美さん(46)も駆けつけた。「地獄を見てこい」。そういって息子をプロの世界に送り出したのは父だったが、田中は初登板でいきなり“血の池地獄”を見る結果となった。
ただ、伊東監督の期待は変わらない。「1、2回での判断はかわいそう。明日(30日)もベンチ入りさせる。今の田中に必要なのは経験です」と中継ぎでの“リベンジ連投”を示唆。田中も「体は大丈夫。行けと言われれば行けます」と応じた。無念の黒星発進も、話題性だけでは終われない。
ロッテは満員札止めとなる観衆3万100人の前で完敗。伊東監督は開口一番、「最低の試合。1回の攻防が全て」と悔しさをにじませた。D2位・田中(京大)が4失点したその裏、無死満塁としたが、4番以降が倒れてまさかの無得点。「たくさんの人が来てくれたのに見せ場なく終わったのが残念です」と懺悔した。
ロッテは投打ともにいいところなく、一方的な展開で敗れた。1回に田中が4失点すると、その裏の攻撃で無死満塁と攻めながら無得点。伊東監督は「初回の攻防で決まった」と嘆いた。
このところ低調な打線は、今季初めて無得点に終わった。満員の観客の声援に応えられず、伊東監督は「多くの方に見に来ていただいたけど、見せ場なく終わったのが残念」と申し訳なさそうだった。
ロッテのドラフト2位・田中英祐投手(23)=京大=が西武4回戦でプロ初登板初先発を果たすも、3回、72球を投げ6安打5失点で無念のKO降板。打者18人、3奪三振、3四球、真っ直ぐの最高球速は146キロの内容だった。
立ち上がりから制球に苦しみ、1回は無死からの連続四球でピンチを広げ、浅村、中村に連続適時打。さらに森にも中越え2点適時打を浴び4失点のスタート。3回にも3安打を集中され1点を失い、この回限りでロッテベンチが“タオル”を投入した。
試合前、伊東監督は「ルーキーによけいなプレッシャーは与えたくない。できることをやってくれればそれでいい。期待はしてません」と独特の激励で送り出したが、結果は皮肉にも“期待していない通り”の内容。大入り満員となった本拠地デビュー戦で、田中にとっては悔しいマウンドとなった。
先輩野手達は、何とかロッテ・田中の緊張をほぐそうとしていた。
初回の守りを終えると、選手会長の岡田は「切り替えればいい」と繰り返し、主将の鈴木も何度もマウンドに駆け寄って「打たれてもいいんだぞ」と励まし続けた。だが、バットでは援護ができず、今季初の零敗。伊東監督は「多くのお客さんに来ていただいたのに、残念で仕方ない」と怒りをあらわにした。鈴木は「英祐は入社式の新入社員みたいに顔がこわばっていた。降板してからでも追いつくことができれば負けを消してやれたんですが…」と悔しそうだった。
QVCマリンフィールドはファン感謝イベント「第2回マリンフェスタ」の開催日で、来場者に青の限定ユニホームが配布された。注目ルーキーの初登板とも重なり、満員の3万100人が入った客席はマリンブルーに染まった。
田中の両親も観戦。高校の恩師でロッテの大ファンだという白陵・高見監督も駆けつけ、試合中に「こんな中で投げてるんが感動するわ!!」と田中にメールを送った。ベンチに携帯電話を持ち込めないのを知りながら思いを抑えきれなかった。また、ファン歴10年の長内孝夫さん(38)は「(ロッテに)全国区の選手が出るのは嬉しい」と田中に期待していた。
京大出身初のプロ野球選手のデビュー戦は、ほろ苦い結果となった。ロッテのドラフト2位新人・田中英祐投手(23)が29日、西武戦で1軍初登板初先発したが、3回6安打5失点で敗戦投手となった。緊張を隠せない初回、1、2番への連続四球から崩れて4失点。立て直しがきかず、72球で交代を命じられた。首脳陣はすぐに2軍には落とさず当面の救援起用を示唆した。
3万100人の大観衆の「英祐コール」に鳥肌が立った。同時に、まるで宙に浮いているかのような感覚に陥った。「1番磨いてきた球なら、相手が振ってきても打ち取れると思った」。田中がプロ1球目に選んだのは直球。146キロが出たものの、内角低めの明らかなボール球だった。
3ボールから1ストライクを入れたが、5球目で秋山に四球を与えた。「落ち着け、大丈夫」と自分に言い聞かせても、緊張は増すばかり。栗山はボール4つで歩かせ、続く浅村の中前打でプロ初失点した。中村、森にも適時二塁打を許し、1回だけで4失点。3回に3連打で1点追加され、舞台から降りた。
「アウトを1つ取る難しさをあらためて痛感した。最後まで自分の投球ができなかった」。
あまりにも苦いデビュー戦だった。
兵庫・白陵高から京大工学部へ。勉学のエリート街道を進んだ。京大で投手としての才能を開花させ社会人野球の強豪チームを持つ大企業からはいくつも誘いがあった。ただ、それらは大学4年になる前に全て断った。相談を受けていた白陵高の高見繁統監督(57)は「かなり早い段階から覚悟を決めていたようです。プロに指名されなかったら野球をやめるということを」と明かした。野球をやるなら「京大初」のプロ−。先駆者になるという使命感があった。「成功すれば、色んな方に勇気を与えられる。険しい道だけど、新しい道を切り開きたい」と強く思った。
進んだ道の一歩目で洗礼を浴びた。伊東監督は「これがプロの世界。今のままでは先発としては厳しい」と話しつつ「しばらくベンチに入れて状況を見て投げさせる」と当面は救援で使うことを示唆した。まずは経験を積むことが必要だ。
大勢の報道陣に囲まれた田中は、声を絞り出した。「今日の失敗を笑って思い返せるようになりたい」。京大出身者が初めてプロの試合に出場した歴史的1日を、糧にすればいい。「文武両道」を貫く新人の挑戦は、始まったばかりだ。
ロッテ・田中の投球フォームにはもったいないとの印象を受けた。1軍デビューの緊張や、異様な雰囲気にのみ込まれた部分を割り引いても、左肩や左腰の開きが早すぎる。せっかくいい形で軸足の右足に立ち、体重移動の過程でも大きな欠点はない。ただ、リリースの瞬間の左サイドの開きで台無しになっている。
左サイドの開きが早いと右腕は体の中心線から離れる。力は当然指先には伝わらない。それだと、ベース板付近での速球、変化球ともに切れや回転数は生まれない。初回、浅村に中前打され、森にはあと一歩で本塁打という中越え二塁打を打たれた。いずれもフォークボール。ベース上で球が生きていないから、低めに決まってもついてこられる。それが1軍だ。
裏を返せば、体の開きをしっかり克服できれば劇的に変わる可能性を秘める。シュート回転や抜ける変化球もなくなり、制球も自然と向上する。自信を失う必要はない。通用する下地は十分あるのだから、体を鍛え、自分のことをよく理解した上で修正して欲しい。
京大初のプロ野球選手が誕生した今季、サッカーでは東大出身2人目のJリーガーが生まれた。J3藤枝に入団したMF添田隆司(22)だ。田中と同様に三井物産の内定を辞退してプロの世界へ。同社の内定式で面識ができ、LINEで交流する間柄だという。
野球とサッカーで競技は違えど「少しは意識しています」と気にならないはずがない。「切れのある球を投げると聞いていますし、分析力も高いと思います。色々大変だと思いますが、自分らしく戦って欲しい」とエールを送った。
今月19日にはJ3第6節・JリーグU−22選抜戦(藤枝総合)で、終了間際の後半43分からプロ初出場。ホームのピッチで、一足早く公式戦デビューを飾った。田中の登板も励みに「僕も試合に続けて出られるように頑張ります」と意気込みを新たにしている。
デビュー戦勝利はならなかったロッテ・田中に、04年3月に京大を卒業したお笑いコンビ・ロザンの宇治原史規(39)からエールが届いた。自身は数多くのクイズ番組に出演し、その秀才ぶりを披露。「大活躍して京大に色んな才能の人がいることを証明していただきたいです」と今後に期待した。
自身の在学中の野球部については「正直、あまり印象がない」という。「失礼ながら弱いというか、注目されていなかったと思います」。ただ、「自由な校風で研究熱心な人が多い」のが京大だ。「自由な発想で野球を研究していかれるのかなと応援しています」。
田中は大手商社・三井物産の内定を断ってプロ入りした。「自分は就職活動をしていないので、内定が出ていること自体凄いと思います。それを蹴るという選択をするぐらい、野球選手にとってプロは特別な世界なんだろうと思いました」。自身は広島ファンで、「カープ芸人」としても知られる。それだけに「できれば(FAなどで)カープに来てください」とラブコールも送った。
ロッテは29日、涌井秀章投手(28)のQVCでの次回先発登板時の登場曲が、山口智充と宮迫博之のユニット「くず」の「全てが僕の力になる!」に決まったと発表した。選考に1880件あった応募の中で「全てが僕の力になる!」の応募は2件だったが、涌井が「直感で、これがいいと思いました」と選んだ。
推薦したファンの理由としては「歌詞がマッチするから」「勇気が湧く曲だから」があった。抽選の上、1人を内野指定席に招待する。
なお、4月本拠地初登板となった4月4日の楽天戦は磯山純の「パズル」、4月17日のソフトバンク戦は米米CLUBの「浪漫飛行」だった。
ロッテのドラフト2位右腕・田中が1軍デビューを果たした29日の西武戦(QVCマリン)の観衆は3万100人で、満員御礼となった。
この人数は同球場の定員と同数。実数発表となった05年以降では歴代2位の観客動員数となった。これまでの2位だった12年6月17日の阪神戦の3万82人を抜いた。過去最多は、06年の8月19日の日本ハム戦の3万1024人。
ロッテのドラフト2位ルーキー・田中英祐投手(23=京大)が29日の西武戦(QVCマリン)でプロ初先発したが、3回6安打5失点で降板した。
「思った通り緊張はしていました。初回は緊張を解く為にも早くアウトが欲しかったが、自分のペースに持っていく事が出来ませんでした」。
初回、先頭の秋山、栗山に連続四球を与えると、続く浅村の適時中前打でプロ初失点。中村に適時二塁打、森にも2点適時二塁打を浴び、この回だけで4点を失った。2回は無失点でしのいだものの、3回にはメヒア、森、斉藤の3連打でさらに1点を失った。
京大初のプロ野球選手として注目されるルーキーの初登板に、QVCマリンは今季初の満員札止めとなった。大観衆の中でマウンドに上がった田中だったが、プロの洗礼を浴び「色々な人の応援が耳に入りましたが、応えられる事が出来なくて悔しいです」と唇をかんだ。
京大からロッテにドラフト2位で入団した田中英祐投手(23)が29日の西武戦(QVCマリン)に先発。プロ初登板を果たしたが、3回を6安打3奪三振3四球で5失点とホロ苦い“赤点”デビューとなった。
初回、いきなり4点を失った。先頭・秋山に対する注目の第1球は146キロの内角ストレート。だが、初球から3球連続ボールで四球を与えると、2番・栗山にもストレートの四球。続く浅村には中前適時打を許して13球でプロ初失点を喫した。
なおも無死一、二塁から中村に左中間を破る適時二塁打を浴び2失点目。メヒアは内角へのフォークで空振り三振に仕留めてようやく1死を取ったが、森にはフェンス直撃の中越え2点適時二塁打を浴びた。続く斉藤は見逃し三振、炭谷は二ゴロに仕留めた。
2回も先頭・金子を四球で出すと、盗塁を決められ無死二塁のピンチを背負った。だが、秋山を遊飛、栗山を中飛、浅村を一飛に抑えた。
3回は先頭・中村を右飛に抑えたが、メヒア、森に連打を許して1死一、二塁から斉藤に中越え二塁打を打たれて5点目を失った。炭谷は空振り三振、金子は左飛に抑えた。
田中は4回のマウンドには上がらず3回、72球で降板した。QVCマリンは今季初の満員札止めとなり、大観衆から「英祐コール」を受けてマウンドに上がったが、プロの厳しさを肌で感じるマウンドになった。
京大出身ルーキーがほろ苦いデビューだ。ロッテのドラフト2位・田中がプロ初登板初先発し、3回5失点KOでプロ初黒星。QVC史上2位(05年の実数発表以降)の観衆3万100人が集まる注目の一戦も、緊張で3四球と自滅し、中継ぎに配置転換される見通しとなった。
歴史的1勝の扉は開かなかった。「点を取られてからは自分の投球が戻ってきたが、そこから打たれたのは自分の力のなさ。アウト1つをとる難しさを感じた」。田中は必死に言葉を絞り出した。3回6安打5失点。短すぎたデビュー戦に、降板後はベンチでタオルをかぶってうつむいた。
超満員のファンから「英祐」コールを送られて登板したが、浮足立った。初回、先頭から2者連続四球を与え「落ち着いて、落ち着いて。大丈夫、大丈夫」と自身に言い聞かせたが、続く浅村、中村に連続適時打を浴びるなど、一挙4失点。3回1死一、二塁では、斉藤の中越え二塁打で5点目を失った。「プロに入ってからでは1番緊張した。なかなか自分のペースで投げられなかった」。最速は146キロも、初回は球を置きにいき、腕が振れずに制球を乱した。
伊東監督は「今日の内容では先発としては厳しい」とし、30日から中継ぎとしてベンチ入りさせることを示唆したが、この挫折は自己流の分析で乗り越える。東大と並ぶ日本の最高学府・京大に現役合格した田中は、塾にも予備校にも通ったことがない。勉強法は「周りに聞く」こと。中学、高校時代は、自分より学力の高い生徒に囲まれていた。「分からなかったら周りに聞けば、答えが返ってきた。それが1番大きかった」。
独自の“受験対策”を、野球にも生かした。出てきた疑問をコーチやブルペン捕手にぶつけると、答えがすぐに返ってきた。「今まで分からなかったことも、プロでは周りに聞いたら分かる、という部分は大きい」。課題は即座に改善に取り組み、2軍落ちした3月18日から約1ヶ月間で成長し、1軍昇格。今回も気持ちを切り替え、あらゆる人に初登板で感じた疑問をぶつけるはずだ。
「いつか、この失敗を笑って思い返せるような投球を、これからできるように」と必死に前を向いた。満員のスタンドは田中の存在も一要因であるはず。周囲の期待を一身に背負い、初勝利へ再び歩み始める。
ロッテのドラフト2位・田中英祐投手(23)がプロの洗礼を浴びた。29日の西武戦(QVC)でプロ初先発したが、3回6安打5失点で降板した。
初回から制球が定まらず、先頭から2者連続で四球を与える。続く浅村に中前適時打、中村には左中間を破る適時二塁打を許した。1死後、森には抜けたフォークを中堅フェンスを直撃する2点二塁打とされ、計4失点だった。
2回は無失点に抑えたが、3回は3安打を浴びて追加点を与えた。72球を費やし、四球も3つ。ベンチに戻ると落合投手コーチから交代を告げられ、タオルを頭からかぶってうな垂れた。
ロッテの伊東勤監督(52)が、惨敗にがっくりだ。
29日の西武戦(QVC)は、今季初の完封負けで、投手陣も7失点。マリンブルーのユニホームが来場者全員に配られるなど、様々なファンサービスを行う「マリンフェスタ」の開催日と言うこともあり、史上2位の3万100人がつめ寄せたが「最低の試合でした。見せ場なく終わったのが、残念で仕方ない」とうな垂れた。
プロ初先発の京大出身ルーキー、田中英祐投手(23)は3回6安打5失点。「1軍のマウンドはこういうところだと経験した。地に足付けて投球できてなかったが、その中で自分の投球を出していかないといけないと分かってくれたと思う」と話した。30日の同戦には、田中をベンチ入りさせることも示唆した。
ロッテは、涌井秀章投手(28)が30日の西武戦(QVC)の登板で使用する入場曲が、山口智充(46)と宮迫博之(45)のユニット「くず」の「全てが僕の力になる!」に決まったと29日、発表した。
涌井は今季、毎回の本拠地登板での入場曲を、ファンに募集して自分で選んでいる。同曲は1880件の応募の中から、2件の応募があった。選んだ理由は「直感で、これがいいと思いました」とコメントした。ファンからの推薦理由は「歌詞がマッチするから」、「勇気が湧く曲だから」と言うものだった。
5月分の応募は終了しているが、毎月球団HPから1人1回応募出来る。選ばれた曲を推薦した人のうち1名は、涌井から内野指定席へ招待される。
3万100人の大観衆を前に、ロッテ・田中は3回5失点に沈んだ。秀才右腕を待ち受けたものは、プロの世界の厳しさ。「地に足が着いていない感じだった。最後までいいリズムに持ってこれなかった」と悔しさをにじませた。
第1球。146キロの直球が外角に外れた。その後もストライクが入らない。2者連続四球を与えると、本来の自分を取り戻せないまま、あっという間に4失点。「アウトを1つ取ることの難しさを感じた」と唇をかんだ。
試合前にグラウンドをのぞくと、超満員のスタンドが目に入った。試合開始が近づくにつれ、高まる心臓の鼓動。「ブルペンでも緊張してしまって、乗っていけなかった」。緊張で自分を見失い、思い切り腕を振ることができなかった。
次回登板について伊東監督は「先発は厳しいかもしれない」とローテ白紙を明言。ただ2軍には落とさずに30日からベンチ入りさせ、当面は中継ぎで待機させる方針だ。1軍で場慣れさせるのが狙いで、落合コーチは「将来的にはもちろん先発」と期待を口にした。
挑戦は始まったばかり。「今日の失敗が笑って思い返せるような投球が、これからできるように頑張っていきたい」と前を向いた田中。悲観してはいられない。
ロッテは29日、涌井秀章投手(28)の30日の西武戦(QVC)での登場曲が、山口智充と宮迫博之のユニット「くず」の「全てが僕の力になる!」に決まったと発表した。
涌井は今季、本拠地登板での登場曲を募集し、その中から毎回先発するたびに自身で選曲するファンサービスを行っている。これまで1880人の応募があった中から、今回は2人が「歌詞がマッチするから」「勇気が湧く曲だから」と推した同曲に決まった。
湧井は「直感で、これがいいと思いました」とコメントした。
毎月、1人1回応募できるが、5月分の応募は終了。選ばれた曲を推薦した人の中から抽選で1名が、涌井から内野指定席に招待される。
京大出身初のプロ野球選手となったロッテの新人、田中英祐投手(23)が29日、千葉市の本拠地QVCマリンフィールドで行われた西武戦に先発してプロ初登板したが、3回6安打5失点と振るわず負け投手となった。試合は0−7で敗れた。
田中は兵庫・白陵高から京大工学部に進学。大学で急成長して関西学生野球リーグで京大史上最多の通算8勝を挙げ、ドラフト2位で指名された。2軍で好投を重ねてデビューの機会をつかんだが、この日は1回にいきなり連続四球を与えて4点を失うなど制球に苦しんだ。
千葉ロッテの伊東監督は、田中について「多くの人が見ている中で、自分のボールを投げられなかったと思う。厳しい世界だと分かったと思う」と話した。今後については「経験を積んでいない選手。しばらくベンチに入れたい」とした。
落合投手コーチは「ストライクを取れても抜けている感じがした。しっかり指に掛かったボールは何球あったか」と残念そう。「すぐに抹消は考えていない」と語り、監督同様「場数が必要と感じた。中継ぎで使うのも1つの手」と口にした。
3万人を超える観客が集まったQVCマリン。ファンの視線は、千葉ロッテ・田中の投じる白球に集中した。京大出身の選手が初めて1軍マウンドに立った、球史に残る一戦。しかし、3回5失点と現実は厳しかった。
ブルペンから緊張し「地に足が付いていなかった」と振り返る立ち上がり。この日最速146キロを計測するなど自信を持つ直球で押したが、ストライクが入らない。2者連続四球でリズムを崩すと、3番浅村に甘いフォークボールを中前に運ばれて先制点を献上。さらに2本の長打を許し、計4失点。落ち着く前にプロの洗礼を浴びた。
3回に3連打でもう1点を失い、ここで降板。「アウト1つを取るのがすごく大変だった」と苦しかった心境を吐き出した。影を潜めた、持ち味の腕を振って投げる躍動感。「たくさんの人の前で投げられて嬉しかったが、力の無さを痛感した」と視線を落とした。
プロは実力勝負。しかし、簡単にはできない文武両道を地で行ってきたからこそ、入団直後から注目されてきた。この1ヶ月、2軍でクイックの改善など力を蓄えてきた。向上心あふれる姿勢は周囲も認めている。川越2軍投手コーチは「自分でいろいろ試し、考える力がある。たいしたもの」と話していた。
「自分の球を自信を持って投げられるように、キャッチボールから気をつけてやっていきたい」と、23歳の右腕は前を向く。スタートラインを切ったプロ生活。上がっていくだけだ。