わたしはかもめ2015年鴎の便り(9月)

便

9月8日

東北楽天1−5千葉ロッテ(コボスタ宮城)

ロッテが連敗を3で止めた。1回に清田の適時三塁打とデスパイネの適時打で2点を先行。1点を返された直後の3回に清田のソロと鈴木の2ランで加点した。石川が7回1失点で10勝目。楽天は3連敗で借金が今季最多の20となった。

123456789R
千葉ロッテ2030000005
東北楽天0100000001

◇清田13打席ぶり安打

千葉ロッテの清田が13打席ぶりの安打で先制点をもたらした。1回1死一塁で外角に落ちる球をうまく捉え、左中間への三塁打とした。開始前から雨が降る中での一戦とあって「こういう天候なので、早めに点を取りたかった。打てて良かった」と息をついた。

3回には速球をはじき返し、右翼席への15号ソロ。1点差に迫られた直後の一発に「めちゃくちゃぎりぎりだったけど、入ってくれて良かった」と喜んだ。

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ロッテ石川、荒巻以来64年ぶり新人2年連続10勝[ニッカン]

女房役のサインに、ロッテ石川歩投手(27)は「いいね!」と思った。5−1の5回2死走者なし。楽天ペーニャを3球で追い込み、内角へシンカーを投じた。全く反応を許さず、見逃し三振。「吉田がうまくサインを出してくれた。余裕があったので。振ってくると思ったんですけどね」と、ほくそ笑んだ。試合開始時からの雨でマウンドはぐちゃぐちゃ。リードしながらノーゲームは最悪だ。バッテリーの息が合った1球で試合を成立させた。

その1球が、2年目の進歩を示している。利き腕と同じ方向へ落ちるシンカー。新人だった昨季は、右打者にも左打者にも、ほとんど外角へ投げるだけだった。「ちょっとずつ内にも投げたい。『シンカーは外』というイメージがあると思うので」。打者の裏をかくことで、投球の幅を広げている。もっとも、この日はシンカーよりもスライダーが良かった。「前回の楽天戦(8月12日、8回1失点完投で負け投手)ほど、シンカーが曲がらなかったので」と柔軟に対応し、7回6安打1失点(自責0)にまとめた。

新人から2年連続2ケタ10勝に達した。荒巻以来64年ぶり球団2人目の快挙だが「負けが先行している。嬉しいですけど」と、手放しでは喜ばなかった。それでも、チームの連敗を3で止めた。伊東監督には「涌井に次ぐ投手。残り全部勝つぐらい投げて欲しい」とハッパをかけられた。伝え聞くと「毎試合、勝つつもりです。負けられない」と即答した。逆転のCS進出へ、フル回転の準備はできている。

ロッテ2年目の石川が昨年の10勝に続く2桁勝利。入団1年目に2桁勝利を挙げたロッテの投手は石川まで4人いたが、2年目も10勝以上は毎日時代の51年荒巻(1年目26勝→2年目10勝)に次いで64年ぶり2人目。

荒巻淳(あらまき・あつし)
1926年(大15)11月16日、大分県生まれ。大分商−大分経専(現大分大)を経て別府星野組では49年都市対抗優勝。「火の玉投手」と呼ばれ、毎日に入団。1年目の50年に26勝でリーグVと日本一。最多勝、最優秀防御率(2.06)でパ・リーグ初代新人王。通算173勝107敗。現役時代は174センチ、61キロ、左投げ左打ち。71年死去。85年殿堂入り。

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ロッテ64年ぶり2人目、石川、新人2年連続10勝[ニッカン]

ロッテ石川歩投手(27)が7回6安打1失点(自責0)で10勝目を挙げ、チームの連敗を3で止めた。 昨季の10勝に続き、新人から2年連続2ケタ勝利を達成した。球団では、50年、51年の荒巻淳以来64年ぶり2人目の快挙となった。

悪天候の中で、最少失点に抑えた石川は「味方が早い回に勝ち越し点を取ってくれたので、集中を切らさずに投げられました」と、チームメートに感謝していた。

伊東勤監督(53)は「条件は一緒とはいえ、下が悪く投げにくい中、よく1点でしのいだ」と、ねぎらっていた。

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ロッテ鈴木5号2ランも「次はヒットを狙っていく」[ニッカン]

ロッテ鈴木大地内野手(26)が5号2ランを放った。

3−1の3回2死一塁で、楽天則本の直球を左翼席へ放り込んだ。逆方向への1発を放ったが、「ホームランは本当にたまたまです。ホームランバッターではないので、このホームランは忘れます。次はしっかりヒットを狙っていきます。こういう天候(雨)なのでリードを広げられるホームランを打てたことは良かったです。でも、次はセンター前ヒットを心がけますよ」と話した。

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ロッテ清田「めちゃくちゃギリギリ」15号ソロ[ニッカン]

ロッテ清田育宏外野手(29)が15号ソロを放った。

2−1の3回先頭で、則本の直球を右越えに運んだ。雨の中でスタンド最前列に入れ、「しっかり自分のスイングが出来ました。めちゃくちゃギリギリでしたけど入ってくれて良かったです。点を取られた後にすぐに取り返すことが出来たのも良かったですね。幻にならないように願ってます」と、試合成立を願っていた。

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ロッテ清田「何とか最後まで」雨切り裂く適時三塁打[ニッカン]

ロッテが1回に2点を先取した。

まずは、1死一塁で清田育宏外野手(29)が左中間を破る三塁打を放ち1点。楽天則本のフォークを捉えた。雨の中での先制点に「こういう天候なので、早めに点を取りたかったので打てて良かった。前回の仙台で同じ相手からホームランを打ってノーゲームになっているので、今日は何とか最後まで行って欲しい。もちろん、チームが勝ってです」と話した。

さらに、次打者のアルフレド・デスパイネ外野手(29)が右前打を放ち、2点目を加えた。高めの直球を詰まりながらも右前に落とし、「詰まってバットが折れてしまったけど、いい所に落ちてランナーをかえすことが出来たからヨシとするよ。今日は勝たないと。試合が成立することを祈っているよ」と話した。

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球団64年ぶり!ロッテ・石川、新人から2年連続10勝[サンスポ]

ロッテは8日、楽天18回戦(コボスタ宮城)に5−1で勝ち、連敗を3で止めた。先発した石川歩投手(27)が7回6安打1失点(自責点0)で10勝目。球団では1951年の荒巻淳(当時は毎日)以来64年ぶり2人目となる、新人から2年連続2桁勝利をマークした。

得意のシンカーではなく、直球とスライダーを中心に打者の目先を変えた。「嬉しいけど、負け(11敗)が先行している。去年と比べると全体的に試合を作れるようになりました」と変幻自在の投球に胸を張った。

「連敗は気にしていなかった。いつも勝つつもりで投げています」と淡々。3位を争う西武との直接対決に3連敗し、2ゲーム差をつけられたチームを救った。伊東監督は「マウンド(の状態)も悪いのによく1点で防いだ。涌井に次ぐ柱だというくらいの気持ちで投げてもらいたい」と残る登板に期待した。

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ロッテ・石川、2年連続2桁勝利も反省「負けが先行しているので…」[サンスポ]

ロッテは先発・石川が緩急をうまく使って7回6安打1失点(自責0)と好投し、2年連続2桁勝利となる10勝目(11敗)を挙げた。打線は1回に2点を奪い、3回には清田、鈴木の2本の本塁打で3点を追加して、石川を援護した。

石川は「雨が降っていたので集中力を切らさないように投げました」と言うと、野手の援護に「楽に投げられました」と感謝。10勝には「負けが先行しているので、早く追い越したい」と反省の弁。それでも、最後のフォトセッションでは10勝の五右衛門ポーズをとるなど笑顔を見せた。

伊東監督
「足元が良くない中で、よく1点で抑えてくれた。涌井に次ぐ柱として、投げる試合は全部勝つくらいの気持ちで投げて欲しい。」(10勝目の石川に)
鈴木
「(則本から打って)自信になるし、残り試合をいい調子でやれれば。」(3回に約1ヶ月ぶりの5号2ラン)

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ロッテ・清田、則本から15号ソロ…今回も雨だけど“幻の本塁打”を回避[サンスポ]

ロッテ・清田育宏外野手(29)が3回、先頭で15号ソロを放った。

2−1の3回、清田の打球が右翼ラッキーゾーンに着弾した。則本の4球目、147キロの真っ直ぐを流し打ってリードを広げるソロを見舞った。

清田は「前回の仙台で同じ相手からホームランを打って幻に終わった。今日は何とか最後まで行って欲しい。もちろん、チームが勝ってです」とコメント。

清田は8月11日の楽天戦(コボスタ宮城)の1回に、則本から左越えソロを放ったものの、降雨のため5回表でノーゲーム。“12号ソロ”が、まさかの泡と化していた。この日も雨中決戦となったが、試合は無事に5回を終えて成立。2度目の“幻の本塁打”は回避された。

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石川、荒巻以来、球団64年ぶり新人年から2年連続10勝![スポニチ]

ロッテ・石川が7回1失点(自責0)で10勝目。ルーキーイヤーからの2年連続2桁勝利は、球団では「日本の火の玉投手」などの異名を取った荒巻淳以来、64年ぶり2人目の快挙となった。

「10勝は嬉しいですけど、まだ負けが先行(11敗)しているので、追い越したい」。

初回2死満塁のピンチで北川を145キロの直球で空振り三振に仕留めると、波に乗った。試合前からの激しい降雨にも「集中力だけ切らさないように」とストライク先行を心掛け、シンカーの曲がりが悪いと判断するとスライダーを多投し、最少失点にしのいだ。

昨季10勝で新人王を獲得した右腕はオフに「70キロ台ではプロとして戦えない」と肉体改造で最高84キロまで増やした。「スタミナ面もそうだし、フォームが安定し、ゲームがつくれるようになった。自分の中では去年より手応えがある」。2年目のジンクスを打破し、偉大な先輩に肩を並べた。

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清田、28日ぶりのうち直し弾「幻にならなくて良かった」[スポニチ]

28日ぶりの“打ち直し”だった。

3回にロッテの清田が楽天・則本から右翼席最前列に15号ソロ。8月11日のコボスタ宮城での同カードで初回に則本から先制弾を放ったが、試合は1−0のまま降雨ノーゲームとなり幻の本塁打。8・11と同様の試合前からの降雨だっただけに「幻にならなくて良かった」と胸をなで下ろした。

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清田、28日ぶりの“打ち直し”15号ソロ!試合成立にホッ[スポニチ]

ロッテの清田が2−1で迎えた3回、先頭打者で打席に入り、則本の真ん中やや外寄りの直球を右翼席最前列に弾き返した。4試合ぶりの15号ソロ。「めちゃくちゃぎりぎりだったけど、入ってくれて良かった」という一発。だが「前回の仙台で同じ相手からホームランを打って、ノーゲームになったので、今日は何とか最後まで行って欲しい」と“心配”した。

8月11日のコボスタ宮城で行われた楽天戦、顔面死球から3試合ぶりに復帰した清田は、初回にこの日と同じ則本から先制弾を放ったが、1−0のまま、5回のロッテ攻撃中に降雨ノーゲーム。“幻の12号”で終わった苦い思い出がある。この日も試合開始から雨が激しく降っており、心配したが、無事に成立した。

清田は初回にも1死一塁で外角に落ちる球をうまく捉え、13打席ぶりの安打となる左中間へタイムリー三塁打と大活躍。「こういう天候なので、早めに点を取りたかった。打てて良かった」と語っていたが、その勢いが4打数2安打2得点の活躍につながった。

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石川10勝!ロッテ64年ぶり快挙も「負けが先行。早く追い越したい」[スポニチ]

ロッテの石川が7回110球を投げ6安打1失点(自責点0)で今季10勝目(11敗)をマーク。

中5日の登板だったが「雨が降っていたので、集中力を切らさないように投げました」と雨中の力投。2回に失策がらみで1点を失ったが、その後は点を与えずチームの連敗も3でストップ、CS進出争いに踏みとどまった。

チームでは50年、51年に荒巻淳が記録(26勝、10勝)して以来、64年ぶり球団史上2人目ルーキーイヤーからの2年連続2桁勝利とした。それでも「負けが先行(10勝11敗)しているので、早く追い越したいと思う」と淡々と話していた。

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ロッテ石川、新人から2年連続2桁星[デイリー]

降りしきる雨に打たれながら、ロッテ・石川は節目の白星をつかんだ。新人王を獲得した昨季に並ぶ10勝目。新人から2年連続2桁勝利は、球団では50、51年の荒巻淳(当時毎日)以来、64年ぶり2人目の快挙だ。

「嬉しいです」。石川は控えめな言葉を連発した。「この成績なんで」と、10個の勝ちよりも11個の負け数を引き合いに出した。だが半世紀以上ぶりの偉業。頼もしく成長を続ける2年目右腕を伊東監督は「今ではウチにとって涌井に続く柱」と評した。

強まる雨脚。ぬかるむ足元。集中力だけは切らさず、ひたすら腕を振りテンポを速めた。配球も工夫を凝らし、宝刀シンカーよりもスライダーの割合を増やして欺くと、一方で、5回にはペーニャをシンカーで見逃し三振。徹底して裏をかいた。前カードではCS進出を争う西武に3連敗。「カード頭だから取りに行きたかった」。昨季は希薄だった責任感が生まれている。

激しい戦いはまだ続く。「残り試合、投げる試合は全部勝つくらいの気持ちでやって欲しい」。指揮官がさらなる奮起を促した。

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ロッテ・石川が64年ぶり2年連続2桁勝利[デイリー]

ロッテの先発・石川歩投手(27)が7回無失点の好投を見せ、今季10勝目を挙げた。新人王を獲得した昨季(10勝)に続く2桁勝利となった。

ルーキーイヤーから2年連続の2桁勝利は、球団では50、51年の荒巻淳(毎日)以来、64年ぶり2人目の快挙となった。

石川は「ちょっと負けが先行してるんで、早く追い越したいと思います」と謙虚に話すと、「明日からまたチーム全員で、ファンと一緒に頑張っていきます」と宣言した。

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来場者配布用の特製シリコンバンドを大嶺も着用!気持ちを高める[千葉日報]

シーズン終盤の盛り上げ企画の一環として9月10日から12日のオリックス3連戦(QVC)にて「GOLDEN YEAR AGAIN!」のメッセージの入った特製シリコンバンドを来場者全員に配布される。球団としてシリコンバンドの来場者全員への配布は2010年の本拠地最後の3試合以来。2010年は9月28日 楽天(7−2)、9月29日 オリックス(3−2)、10月1日 オリックス(5−4)と3連勝し、シーズン最終戦にてクライマックスシリーズ出場が決定(75勝67敗2分)。その後、クライマックスシリーズ(第1ステージ 西武に2勝0敗。第2ステージ ソフトバンクに4勝2敗)、日本シリーズ(中日に4勝2敗1分け)と勝ち進み、日本一となった。

シリコンバンドを手にした大嶺祐太投手は「自分も練習から付けて気持ちを盛り上げて行きたい」とコメント。古谷拓哉投手も「1試合、1球を大切に投げる。」と神妙な面持ちで話をした。

シリコンバンドは9月10日〜12日の3連戦にて来場者だけでなく、球場スタッフ、チーム関係、職員など多くの関係者が着用し、マリーンズの一体感を作り上げていく。

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石川10勝!新人から2年連続2ケタ勝利[報知]

ロッテの石川歩投手(27)が楽天戦(コボスタ)で10勝目を挙げ、球団では64年ぶりとなる新人から2年連続2ケタ勝利を達成した。

雨中の投球だったが「味方が先に点を取ってくれたので、集中力を切らさないようにしていた」と7回6安打1失点。2回に味方の失策も絡んで1点を失ったが、スライダーを軸に3回以降は2安打に封じた。新人から2年連続2ケタ勝利は1950、51年の荒巻淳以来2人目。それでも「負けが先行しているので」と喫している11敗の方を反省した。

CS進出へ負けられない戦いが続くため、伊東監督は「うちの涌井に次ぐ柱として、投げる試合全部勝つつもりでやって欲しい」と期待した。

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[千葉魂]目からあふれ出ていた闘志、今江「自分の中心は野球」[千葉日報]

気持ちで塁に向かった。7月14日のオリックス戦(京セラ)。8回の第4打席で左手首に死球を受けた今江敏晃内野手は表情をゆがめながらも、一塁へと向かった。痛みを押し殺し、前を向いた。伊東勤監督から交代を打診されたが、自らの意志で立ち上がった。

「チーム状態も連敗中でしたし、何とかしたい気持ちだけだった。とても痛かったですが、指が動いたので何とかなると思った。折れていないと信じて、気持ちでいった」。

6連敗中のチームの中にあって、2005年、10年と2度の日本一を知る主軸打者は気丈に振舞おうとした。自らが率先してマリーンズを何とかしないといけないという強い責任感が激痛を耐えさせ、ギブアップを許さなかった。

攻撃が終わり、ベンチに戻ったところでドクターストップとなった。無念の途中交代。病院での診断は左尺骨骨折、左橈骨剥離骨折の2ヶ所の骨折で全治6〜8週間という想像以上に重いものだった。指揮官はあの時、交代を断った今江の目からあふれ出ていた闘志が忘れられない。

「相当、痛かったと思うよ。それでも、オレが『無理をするな。交代した方がいい』と言ったら、強い口調で『いけます』という答えが返ってきた。気持ちがこもっていた。オレはその気持ちが本当に嬉しかった。チームのために、闘う姿勢を見せてくれた。アイツは塁に行くことで連敗中だったチーム全体に喝を入れてくれた。ファイティングスピリットを見せてくれた。若手に進む方向を示してくれたように感じる。あの姿勢は忘れられない」。

今江は戦線を離脱した。しかし、その魂はチームを変えた。7月下旬には7連勝。前へ前へと闘う姿勢を見せ、勝利を重ねた。そんなチームを今江は自宅でテレビ観戦をしていた。プロに入ってから長期離脱は2度目。1度は08年。シーズンも終盤だった。今回はペナントレースがもっとも盛り上がる夏場。何ともいえない複雑な心境だった。

「08年と全く同じ辺りを骨折した。それでもあの時とはちょっと時期が違うし、立場も違う。こんな暑い真夏に室内にずっといる。チームは頑張っているのに…。とても、もどかしかった」。

そんな背番号「8」を癒してくれたのは家族の存在だった。少年野球に熱中し、誰よりも父を尊敬する小学4年生になる一人息子と会話を繰り返した。父の骨折をテレビ観戦していたという息子はショックを受け、死球を受けたことに憤りを感じていた。そんな子供を優しくなだめ、会話を繰り返した。時には少年野球を見に行った。思えば、子供の夏休み期間にこれだけ親子の時間をつくれたのは初めてだった。

「夏休み期間だったということもあり子供と向き合うことが増えました。色々な話をした。思えば、いつも遠征やキャンプや行事などで、ほとんど家にいない。これほど親子で向き合えたことはなかったのかもしれない。息子の野球への思いも聞けたし、自分の活躍をどれほど楽しみにしてくれているのかも分かった。クヨクヨしていないで頑張らないといけないと思った。息子は自分の生き方を見ている。背中を見ている。だから、父としても、やるしかない」。

8月27日。ロッテ浦和球場の室内練習場で久々に生きた球を打った。投手役は、これまでリハビリに付き添ってくれた望月一理学療法士が務めた。丁寧にバットの感触を確かめた。その顔には笑顔が戻っていた。確かな手応えを口にした。

「この期間で当たり前の事なのだけど、普通に野球をやれることの幸せをあらためて痛感した。やっている時はその重圧や疲れに、つらいとかしんどいとか思う時もあるけど、自分の中心はあらためて野球だと分かった。色々な人に支えられてプロ野球選手として野球をやれている幸せ。シーズンは残り少ないけど、チームはとても大事な時期。自分にできる精一杯の事をしてチームに貢献をしたい」。

9月5日、2軍で実戦復帰し、長かったリハビリはようやく終わりを迎えた。いつも突っ走り続けていた野球人生の中、少し立ち止まって、色々なことを見つめ直した時。それを今は、プラスにとらえる事が出来ている。頼もしい男が、まもなく戻ってくる。背番号「8」が、その闘志で、チームを引っ張る。
(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)

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