ロッテが、22日のドラフト会議で仙台育英・佐藤世=写真=の指名を検討していることが21日、分かった。球団事務所での打ち合わせに出席した林信平球団本部長は「佐藤君の名前は(最終の指名候補)リストにあります。名前があるということは指名したい選手ということ」と明かした。
佐藤世は140キロ台中盤の速球とフォークが武器の本格派右腕。エースとして同校を今夏甲子園で準優勝に導き、U−18ワールドカップにも出場した。ロッテは平沢を1位指名の有力候補としており、「仙台育英コンビ」をダブル指名する可能性が出てきた。
1位指名については、平沢のほかに東海大相模・小笠原、仙台大・熊原らも候補に残っており他球団の動向なども見極めながら当日に最終決断する。
ロッテは、選手やスタッフ、球団職員だけでなく、出入り業者も含めて野球賭博に関する聞き取り調査と注意喚起を行っている。
現時点で賭博に関する情報は出てきていないそうで、山室晋也球団社長は「選手には(秋季)キャンプ前かキャンプ期間中に調査と倫理教育を行うことになる」と説明。さらに、今後は新入団選手に対して複数回にわたって定期的に倫理教育を実施していくことも検討中。「プロ野球選手は一挙手一投足が注目される憧れの存在。意識を徹底させていきたい」と話した。
22日に行われるドラフト会議でロッテの1位指名は、県岐阜商・高橋純平投手(3年)が有力となった。山室球団社長は21日、最終決定はまだとしながらも「抽選は避けられないでしょう」と、人気選手を示唆。球団内には高橋を推す声が多く、競合覚悟で指名に踏み切る構えだ。伊東監督は即戦力を希望しているが、高橋なら早い段階で1軍で活躍する可能性を持っている。
一方で、高校生を指名しない場合について、松本編成統括は「即戦力で隠し玉的な投手が意中にいる」と話した。名前は伏せたが「すぐに勝てそう。石川のイメージ。隠し玉と言ったら失礼かな。競合かも知れない。でも、高校時代は知られていなかった」と、2年前の1位右腕に重ね合わせた。パナソニック・近藤大亮投手(24=大商大)とみられる。甲子園出場はなく、大学、社会人で進化した点が石川と共通する。競合を避け、151キロ右腕を一本釣りする選択肢も残されている。
ロッテは21日、ベク・チャスン投手(35)、カルロス・ロサ投手(31)、チャッド・ハフマン外野手(30)の3人に来季契約を更新しない旨を通知したことを発表した。
ベクは、今年7月にルートインBCリーグの武蔵から途中入団したが、1軍登板はなかった。
ロサは、来日5年目の今季は29試合で1勝3敗11ホールド、防御率4.97だった。
ハフマンは、来日2年目の今季は6試合の出場にとどまった。
ロッテが21日、カルロス・ロサ投手(31)、ベク・チャスン投手(35)、チャド・ハフマン外野手(30)の3選手と来季の契約を結ばないと発表した。
ロッテが、ドラフト1位で立命大・桜井俊貴投手(22)を指名する可能性があることが21日、明らかになった。高校生か即戦力かで一本化が難航しているが、大商大・岡田明丈投手(22)とともに、即戦力の最上位ランクに位置しているものとみられる。
松本編成統括はこの日、名前こそ明かさなかったが「来年すぐ戦力になれる投手がいる」と話した。一昨年のドラフトも、隠密に温めていた石川の指名を、当日になって敢行。「2年前のような感じになるかもしれない。競合するなら、2球団くらいになりそう」と話した。
一方で、将来性ある高校生の指名の可能性も捨ててはいない。最終リストには東海大相模・小笠原、県岐阜商・高橋、仙台育英・平沢、関東第一・オコエ瑠偉が残る。他球団の動向も見ながらギリギリまで話し合い、当日に最終決定する方針だ。
ロッテは21日、ロサ投手(31)、ハフマン外野手(30)、ベク・チャスン投手(35)の3選手と来季の契約を結ばないと発表した。
5年目のロサは今季29試合で1勝3敗、防御率4.97と振るわず、2年目のハフマンも出場6試合にとどまった。ベクは7月にルートインBCリーグの武蔵から加入したが、1軍での登板機会はなかった。
ロッテは21日、チャッド・ハフマン外野手(30)、ベク・チャスン投手(35)、カルロス・ロサ投手(31)の3選手に、来季の契約を更新しない旨を通知したと発表した。一時帰国したハフマン、ロサの再来日予定はない。ベクの今後のスケジュールは未定。
球界を揺るがす不祥事にさらなる関与者が発覚した。巨人福田聡志投手(32)の野球賭博問題を調査する日本野球機構(NPB)の調査委員会(大鶴基成委員長)は21日、都内で中間報告を行い、巨人の笠原将生投手(24)と松本竜也投手(22)も野球賭博を行っていたことを発表した。調査委は1カ月以内に、3選手の処分案も含めた最終報告を行う。
携帯電話のメールから新たな関与が明らかになった。調査委は提出された福田、笠原、松本竜の端末データを解析。福田に加え、笠原の野球賭博と野球賭博常習者との交際、松本竜の野球賭博が発覚した。
調査委の大鶴委員長は「3選手ともメールを削除しておりましたが、それを再現し、何月何日の何時何分にどういうやりとりを誰としているのかを踏まえて、その上で(各選手に)ヒアリングをするという作業」と調査方法を説明。メールなどのやりとりから、福田に野球賭博を持ちかけた知人A氏を野球賭博常習者と認定した。福田にA氏を紹介した笠原は、同氏らとプロ野球を対象に賭博をし、さらに野球賭博常習者の別の知人B氏との間でも同様の賭けを行っていた。松本竜はB氏とプロ野球を対象に賭けていたが、この仲介役は笠原だった。笠原と福田はマージャンやバカラでも賭けを行っていたことが分かった。
巨人戦が賭けの対象になっていたかについて、大鶴委員長は「今のところ、含まれているとは認定しておりません」。笠原は野球賭博を行っていた昨年4〜10月に1軍での登板があったが、現時点で八百長などの不正行為の形跡はないとの見解を示した。
野球賭博常習者のA、B両氏のうち1人へは聞き取りを実施しており「他球団の選手に対して同じようなことをしている情報は得ていません」と、現状では巨人以外の選手に広がる可能性は認められないとした。また両氏が反社会的勢力かについては調査中とした。
3選手は、野球賭博や野球賭博常習者との交際を禁じた野球協約第180条違反にあたり、1年または無期の失格処分が下される見込み。当初3人で構成されていた調査委は、7人の弁護士とNPB事務局職員も加わり、今後も実態解明を進める。1ヶ月以内に処分案と「実効性のある再発防止策」(大鶴委員長)を含めた最終報告を行う予定。ドラフト会議前日に明らかになった新たな不祥事。プロ野球界の頂点を決める日本シリーズにも、水を差す形となった。
巨人から福田聡志投手(32)が野球賭博に関与していたとして告発を受けて調査を行っている日本野球機構(NPB)の調査委員会は21日、中間報告を行い、笠原将生投手(24)と松本竜也投手(22)の2人も野球賭博を行っていたと発表した。巨人は同日、久保博球団社長(66)が東京都内の球団事務所で会見し、両投手が事情聴取に対し事実を認めていると発表。巨人の調査では野球賭博をしていなかったとされた笠原の関与判明で球団の自浄能力のなさが露呈し、関与選手が拡大したことで球界全体への波及が懸念される事態となった。
野球賭博に手を染めていたのは福田だけではなかった。NPBの調査委員会の中間報告を受けた球団では笠原、松本竜を呼び出して事情調査。両人とも福田と同様、野球賭博をしていた事実を認めた。久保社長は会見で「当球団所属選手3人、野球史を汚すような選手を出したことについて、深くお詫び申し上げたい」と何度も頭を下げた。
調査委がメールなどを解析した結果、巨人の調査では野球賭博をしていなかったとされた笠原らの関与が判明。笠原が福田に紹介した大学院生の男性A氏は巨人の発表では税理士法人勤務とされていた人物で、金品の授受もあったという。笠原とA氏は昨年4月から10月頃までにプロ野球の約10試合で賭けを行った。笠原は昨季26試合に登板しているが、現時点で巨人戦が賭けの対象には含まれていないとしている。また、笠原と福田はA氏とマージャンやバカラでも賭けを行った。松本竜は笠原を介し、飲食店経営者の男性B氏と昨年6月から10月までにプロ野球の10数試合に賭け、高校野球の試合にも賭けていた。笠原はその金銭の精算の手伝いをするという仲介役、取り次ぎ役までしていた。球団は野球協約第180条が定める賭博行為の禁止に抵触すると判断して笠原、松本竜を、野球賭博常習者との交際禁止に触れるとして福田を夕方に熊崎勝彦コミッショナーへ追加告発した。松本竜には謹慎処分を科した。
巨人は6日に全選手、首脳陣、職員を対象にヒアリングを開始したが、笠原は野球賭博を含めた賭博行為、賭博常習者との金品授受などを否定していた。報道陣の「ウソをついていた?」との問いに、会見に同席した森田清司法務部長は「その通りです。虚偽の申し立てをしていた」と認めた。松本竜の関与についてはヒアリング後、球団の調査でも浮上してきたというが「調査の主体がNPBの調査委に移った後に明らかになったのは否めない事実」と話した。
22日はドラフト会議が行われる。久保社長は「この時期にこのような発表をせざるを得なくなり、痛恨の極み」と謝罪し「厳しいご意見があることは承知だが、ドラフト会議は球団にとって有望な新人を獲得するための唯一の手段」として辞退はしない方針を示した。24日には日本シリーズも開幕する。球界最大のイベントに暗い影を落とした球団側の責任は免れない。久保社長は調査委の最終報告、コミッショナーの処分を待って判断するとした上で「管理・監督責任も含めて検討したい」と話した。
2020年東京五輪の大会組織委員会は野球を追加種目としてIOCに提案しており、賭博問題の拡大による影響も懸念される。
組織委の武藤敏郎事務総長は「事実の究明と(球界の)自浄を期待したい」と指摘。日本オリンピック委員会の平岡英介専務理事は「もし(問題が)広がるようなら、五輪の種目として復活しようというところで非常にマイナスなイメージになる」と心配し「(処分などは)できるだけ早く対応していただきたい」と求めた。遠藤利明五輪相は「言語道断で許せない行為だ。巨人としてもしっかり調査してもらいたい」と強調。馳浩文部科学相は「事実関係が明らかになることを願っている」と話すにとどめた。
巨人から福田聡志投手(32)が野球賭博に関与したとして告発を受け、調査をしている日本野球機構(NPB)の調査委員会(大鶴基成委員長)は21日、東京・港区のNPB事務局でプロ野球の熊崎勝彦コミッショナー(73)に中間報告を行い、笠原将生(24)、松本竜也(22)両投手も野球賭博を行っていたと発表した。巨人から相談を受けている警視庁も事実関係を確認する方針。ドラフト会議前日、球界に衝撃が走った。
午前11時半から、NPB事務局内の会議室で調査委員会の中間報告を発表した大鶴委員長の表情は険しかった。福田だけではなく、笠原と、2012年のドラフト1位・松本竜が野球賭博を行っていたという、巨人の独自の調査では分からなかった衝撃の事実が明かされた。
今月5日に調査を開始した同委員会は、福田、笠原、松本竜と関係者をヒアリングした。電子鑑識を駆使し、3選手から提出された携帯電話から削除されていたメールなどを復元して、徹底調査。同委員会の3人のほかに、7人の弁護士と数人のNPB職員も作業に加わった。
福田は今年8月から9月までにプロ野球、同5月から9月までに高校野球や米大リーグの試合で賭けた。笠原は、野球賭博常習者で大学院生A氏らと、昨年4月から同10月までプロ野球で賭博。さらに、野球賭博常習者で飲食店経営者のB氏との間で、昨年4月から同10月までにプロ野球、同4月から今年9月まで高校野球の試合でも賭博をした。
松本竜は笠原を介してB氏らとともに、昨年6月から同10月までプロ野球で賭けていた。さらに福田と笠原はA氏らとマージャンやバカラにも興じた。A氏とB氏が反社会的勢力に属する人物かどうかは、同委員会は調査中とした。
“和製ランディ・ジョンソン”と呼ばれ、期待された松本竜と福田は賭けを行っていた期間、1軍戦の登板はなかった。重い直球が武器の笠原は昨年、1軍で26試合の登板があるが、大鶴委員長はメールの送受信などの日時を確認した結果、「今のところ(巨人の試合が賭けの対象に)含まれているとは認定しておりません」と八百長の可能性は否定。現時点では3投手に八百長行為などを禁止する野球協約第177条違反はなく、野球賭博行為や野球賭博常習者との交際などを禁止する同180条違反に該当するとした。その場合は1年間の失格処分、又は無期の失格処分とする旨が記されている。
同委員会は1ヶ月以内に処分案などを盛り込んだ最終報告を行う。両氏のうち1人からはまだヒアリングができておらず、ほかの選手に波及する恐れもある。巨人から相談されている警視庁は、事実関係を確認する方針。スポーツを対象にした賭け事は刑法の禁じる「賭博」と見なされる可能性がある。単に賭博をした場合の法定刑は50万円以下の罰金または科料、常習賭博は3年以下の懲役が科せられる。
熊崎コミッショナーは中間報告を受け、巨人から届いた福田、笠原、松本竜の有害行為に関する告発状を受理した。「自浄能力を発揮して、野球界の健全な発展に邁進していく」と決意をにじませたが、ファンを失望させた責任は重い。
福岡行きを決めた、12日のクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第3戦。143球を投じ7回途中1失点の涌井や決勝本塁打のデスパイネにスポットライトが当たったが、影のヒーローがいた。最後を締めた内だ。
2−1の8回。セットアッパー大谷が1死一、三塁を招いた。日本ハムは絶好機に大谷を代打に送り、札幌ドームの興奮は最高潮に達する。ここで内は登板すると、ワンバウンドのスライダーを振らせて大谷を三振に。続く市川は遊ゴロに仕留め窮地を脱出、9回も三者凡退で切り抜けた。
「三振を取れるのは内しかいない」と落合投手コーチ。まさに思惑通りの働きに「内がよくカバーしてくれた」と称賛を惜しまなかった。リーグ3位の34セーブを挙げた抑えの西野が9月下旬に故障。大詰めで守護神を欠く中、代役を任されていた男が輝いた。
レギュラーシーズン最後の14試合は12勝2敗の快進撃。残すは2試合という最後の最後で、CS切符を何とかつかみ取った。「1試合、1試合力をつけた。財産になった」と伊東監督がうなずく戦いぶり。冒頭の一戦同様、ポイントとなる試合では救援陣の献身が勝利に効いていた。
CSを決めた4日の日本ハム戦。石川が3回途中3失点で降板したが、藤岡、益田、松永、大谷、内の5投手がゼロを並べて勝ちをもぎ取った。負ければCSが絶望的になる西武との最後の直接対決だった9月28日は7回から益田、大谷、内が1人も走者を許さないリレーを披露。4−2で逃げ切った。
過去2年、チーム防御率はリーグワーストだった。今季も5位。ただ球宴前の4.28から、最後は3.69と大幅に良くなった。「終盤の戦いの中で同じ投手かと思うほど集中力を持って、内までつないでくれた」。先発陣の奮闘も忘れてはいけないが、シーズンを総括した監督がまず褒めたのは中継ぎ陣だった。
千葉ロッテは最終盤まで激しかった西武とのAクラス争いを制し、2年ぶりにCSに出場した。ファーストステージで2位日本ハムを破ったが、ファイナルステージではソフトバンクに王者の力を見せつけられた。2回連載で振り返る。