プロ野球の守備のベストナインを選ぶ三井ゴールデングラブ賞が10日発表され、千葉ロッテからは、涌井秀章投手、クルーズ二塁手、清田育宏外野手の3人が選ばれた。涌井は5年ぶり3回目の受賞。
また球団初の2年連続日本一に輝いたソフトバンクからは、松田宣浩三塁手、今宮健太遊撃手、柳田悠岐外野手の3人が選ばれた。松田はパ・リーグ最多の197票を集めて3年連続4度目の受賞となった。
14年ぶりにセ・リーグを制したヤクルトからは中村悠平捕手、川端慎吾三塁手が初受賞し、畠山和洋一塁手も選ばれた。中村は227票で両リーグ最多得票。初受賞は中村、川端に加え、日本ハムの中田翔一塁手、ロッテのクルーズ二塁手、清田育宏外野手の5選手。阪神の福留孝介外野手は米大リーグから復帰後初で9年ぶり5度目の受賞。
選考は全国の新聞、通信、放送各社のプロ野球担当者の投票で行われ、有効投票数はセが248、パが220だった。
セントラル・リーグ | 守備位置 | パシフィック・リーグ | ||
---|---|---|---|---|
選手(球団) | 得票数 | 投手 | 選手(球団) | 得票数 |
★前田健太(広) | 205 | ★涌井秀章(ロ) | 75 | |
石川雅規(ヤ) | 12 | 大谷翔平(日) | 71 | |
ジョンソン(広) | 10 | 西勇輝(オ) | 45 | |
菅野智之(巨) | 7 | 石川歩(ロ) | 9 | |
黒田博樹(広) | 5 | 則本昂大(楽) | 9 | |
藤浪晋太郎(神) | 4 | 武田翔太(ソ) | 7 | |
小川泰弘(ヤ) | 3 | 谷元圭介(日) | 1 | |
岩田稔(神) | 1 | 該当者なし | 3 | |
大野雄大(中) | 1 | |||
選手(球団) | 得票数 | 捕手 | 選手(球団) | 得票数 |
★中村悠平(ヤ) | 227 | ★炭谷銀仁朗(西) | 149 | |
石原慶幸(広) | 4 | 田村龍弘(ロ) | 29 | |
藤井彰人(神) | 3 | 嶋基宏(楽) | 23 | |
會澤翼(広) | 1 | 高谷裕亮(ソ) | 5 | |
該当者なし | 13 | 大野奨太(日) | 3 | |
伊藤光(オ) | 1 | |||
該当者なし | 10 | |||
選手(球団) | 得票数 | 一塁手 | 選手(球団) | 得票数 |
★畠山和洋(ヤ) | 88 | ★中田翔(日) | 169 | |
ロペス(デ) | 70 | メヒア(西) | 3 | |
新井貴浩(広) | 66 | 脇谷亮太(西) | 3 | |
阿部慎之助(巨) | 3 | 中島裕之(オ) | 2 | |
ゴメス(神) | 1 | 該当者なし | 43 | |
該当者なし | 20 | |||
選手(球団) | 得票数 | 二塁手 | 選手(球団) | 得票数 |
★菊池涼介(広) | 156 | ★クルーズ(ロ) | 126 | |
山田哲人(ヤ) | 89 | 浅村栄斗(西) | 48 | |
片岡治大(巨) | 3 | 田中賢介(日) | 27 | |
藤田一也(楽) | 18 | |||
該当者なし | 1 | |||
選手(球団) | 得票数 | 三塁手 | 選手(球団) | 得票数 |
★川端慎吾(ヤ) | 162 | ★松田宣浩(ソ) | 197 | |
バルディリス(デ) | 46 | レアード(日) | 11 | |
村田修一(巨) | 15 | 中村剛也(西) | 6 | |
今成亮太(神) | 12 | 今江敏晃(ロ) | 4 | |
ルナ(中) | 1 | 該当者なし | 2 | |
該当者なし | 12 | |||
選手(球団) | 得票数 | 遊撃手 | 選手(球団) | 得票数 |
★鳥谷敬(神) | 104 | ★今宮健太(ソ) | 115 | |
坂本勇人(巨) | 91 | 中島卓也(日) | 63 | |
田中広輔(広) | 35 | 鈴木大地(ロ) | 28 | |
エルナンデス(中) | 6 | 安達了一(オ) | 11 | |
大引啓次(ヤ) | 5 | 該当者なし | 3 | |
該当者なし | 7 | |||
選手(球団) | 得票数 | 外野手 | 選手(球団) | 得票数 |
★福留孝介(神) | 157 | ★柳田悠岐(ソ) | 196 | |
★丸佳浩(広) | 138 | ★秋山翔吾(西) | 195 | |
★大島洋平(中) | 126 | ★清田育宏(ロ) | 99 | |
梶谷隆幸(デ) | 88 | 岡田幸文(ロ) | 48 | |
雄平(ヤ) | 57 | 駿太(オ) | 32 | |
平田良介(中) | 47 | 栗山巧(西) | 21 | |
大和(神) | 34 | 陽岱鋼(日) | 19 | |
筒香嘉智(デ) | 30 | 糸井嘉男(オ) | 10 | |
上田剛史(ヤ) | 11 | 西川遥輝(日) | 9 | |
長野久義(巨) | 9 | 内川聖一(ソ) | 6 | |
立岡宗一郎(巨) | 6 | 松井稼頭央(楽) | 4 | |
比屋根渉(ヤ) | 5 | 荻野貴司(ロ) | 3 | |
亀井善行(巨) | 5 | 岡大海(日) | 2 | |
野間峻祥(広) | 4 | 中村晃(ソ) | 1 | |
マートン(神) | 3 | 聖澤諒(楽) | 1 | |
鈴木誠也(広) | 2 | 該当者なし | 14 | |
俊介(神) | 1 | |||
藤井淳志(中) | 1 | |||
該当者なし | 20 |
ロッテ今江敏晃内野手(32)が10日、保有している海外フリーエージェント(FA)権の行使を表明した。シーズン終了後に球団と交渉を重ねてきたが、悩んだ末に決断した。球団は「宣言残留」を認めていないため、プロ入りから14年間在籍したロッテを退団することが決まった。海外移籍は考えておらず、今後は国内他球団への移籍を目指す。
会見冒頭では笑顔も見せていたが、途中で今江は涙が止まらなくなった。「チームメートには何と?」と聞かれてからだ。「今、福浦さんと角中がいたので」と言いかけ、目頭を押さえた。「報告しました」。目を真っ赤にした。
決め手を聞かれ、「本当に、人生の中でも1番悩んだと思います。悩んだ末、今日の朝、決めました。僕の野球人生も半分以上を過ぎてしまい、これから長くもない。どれだけできるか分からない。野球人として『迷ったら前へ進め』と」と、心中をはき出した。午前8時半に林球団本部長に電話で伝え、正午頃、球場に来てFAの申請手続きを済ませた。
球団とはCS後に2回、交渉したが、一貫して「白紙です」と言ってきた。提示条件は明かしていないが、今季の推定年俸2億円はチームトップクラス。7月に死球で左手首を骨折し98試合の出場にとどまっただけに、厳しい評価だった模様だ。2度の交渉で多少の歩み寄りはあったが、折り合いはつかなかった。
もっとも、今江としては金額だけの問題ではなかった。一選手として勝負したい気持ちが、ロッテへの愛情をねじ伏せた。「もう1回、野球人として一から勝負したい思いで決意しました」と強調した。長年、ホットコーナーを守ってきたが、今季終盤には人生で初めて一塁に就いた。チームでの立ち位置が変わっていくのは理解している。その上で新たな勝負を選んだ。
補償が高いAランクの選手で、手を挙げる球団は限られる可能性がある。ただ、同じ三塁手でFA宣言したソフトバンク松田は移籍は海外のみを選択肢としており、今江の市場価値は高まっている。「声をかけてくださった球団と話して決めたい」。さらに、こう言った。「くすぶっていた自分もある。今までの今江敏晃にはないものを出していきたい」。前へ、進む。
ロッテ今江敏晃内野手(32)が10日、QVCマリンで会見し、保有する海外FA権を行使することを表明した。
この日の朝、電話で球団に意思を伝えた。正午頃、球場を訪れ、権利行使の手続きも済ませた。
会見の冒頭で「FA権を行使することを決めました。プロ野球の世界に導いていただいた球団。そして長年、苦労をともにしてきたチームメート球団スタッフ。そして千葉県民の皆さん。そして何より、いつも熱い応援をしてくれた千葉ロッテのファンに本当に感謝しています。この14年間は、本当に大切な時間でしたし、色んな思いがありました。この決断に、本当に悩みました」と話した。
最後は、目に涙を浮かべていた。ロッテは球団の方針として宣言残留を認めていないため、プロ入りから14年間在籍したロッテを退団することになる。
プロ野球のフリーエージェント(FA)権行使の申請期間が10日、終了した。ロッテ・今江敏晃内野手(32)は、海外FA権を行使して国内移籍を目指すことを表明した。球団はFA宣言した上での残留を認めない方針で、14年間を過ごしたチームリーダーは、涙を流してロッテファンに別れを告げた。申請手続きを行った選手は11日、コミッショナーからFA宣言選手として公示され、12日から他球団との契約交渉が可能になる。
14年間の思いが、大粒の涙となって頬を伝った。今江は会見中、何度も目頭を押さえ、声を詰まらせた。
「人生で1番悩みました。たくさんの数え切れない思い出がある。今はどちらかというと寂しい気持ちが強い」。
眠れぬ夜を過ごし、熟考の末に「悩んだら前に進め」と自らに言い聞かせた。この日早朝に決断し、午前8時半に球団にFA権行使を申し入れた。
シーズン終了後、2度の残留交渉を行ったが、折り合えなかった。今季は7月中旬に左尺骨を骨折し、約2ヶ月間戦列を離れた。出場は98試合にとどまり、打率.287、1本塁打、38打点。シーズン終盤には、野球人生で初めて一塁の守備に就き、チームのクライマックスシリーズ進出に献身した。
「野球人生も半分以上が過ぎ、どれだけできるかわからない。もう1度、一から勝負したいと思いました」。
ロッテはFA宣言後の残留を認めておらず、山室球団社長は「功労者で非常に人気がある。非常に残念だけど新しいステージで活躍して欲しい」とエール。今オフのFA市場の目玉となる今江には、楽天などが獲得に乗り出す構え。一方のロッテは、昨オフの成瀬(現ヤクルト)に続き、2年連続で生え抜きのスターを失うことになった。
ロッテが10日、D6位指名・信楽(宮崎梅田学園)と契約金3000万円、年俸800万円で仮契約した。自動車学校の教官を務める異色の右腕は「教習所の卒業生が『このマウンドで投げている選手に運転を教えてもらったんだよ』と言ってもらえるような存在になりたい」と活躍を誓った。
ロッテは10日、ドラフト6位指名の信楽晃史投手(23)と宮崎市内のホテルで入団交渉を行い、契約金3000万円、年俸800万円(推定)で仮契約を結んだ。
「教官として生徒と接する上でのモットーとしていたのは、ハツラツさと元気よさと、明るさの3つ。プロの選手になっても、同じでファンに笑顔を提供していければと思っています。この教習所の卒業生がいつの日か『このマウンドで投げている選手に運転を教えてもらったんだよ』と言ってもらえるような存在になりたい」と意気込み。
「ロッテのガムで好きなのはブラックブラックガム。安全運転には眠気スッキリの、このガムが1番だと思います」と自動車教習所の教官らしくPRした。
ロッテがドラフト6位で指名した宮崎梅田学園の信楽晃史投手(23)=180センチ、84キロ、右投げ右打ち=の入団が10日、決まった。契約金3000万円、年俸800万円で合意した。
信楽は自動車教習所の指導員という異色の経歴で、球団を通じ「教習所の卒業生がいつの日か『このマウンドで投げている選手に運転を教えてもらったんだよ』と言ってもらえるような存在になりたい」とコメントした。(金額は推定)
ロッテの今江敏晃内野手(32)が10日、海外フリーエージェント(FA)権を行使することを表明した。球団はFA宣言後の残留を認めない方針のため、移籍が決定的となった。
この日の朝、決断したといい「人生で1番悩んだ。野球人生も半分以上が過ぎ、もう1度、一から勝負したい」と話した。残留交渉が折り合わず、長年在籍したチームを離れることになり「たくさんの思い出がある。今はどちらかというと寂しい気持ちが強い」と涙ながらに語った。海外挑戦の意向はなく、国内で移籍先を探す方針で「自分を必要としてくれるところに行きたい」とした。
今江は2002年に大阪・PL学園高からドラフト3巡目でロッテに入団。05、10年には日本シリーズの最高殊勲選手に選ばれている。通算成績は打率2割8分4厘、93本塁打、637打点。
プロ野球のフリーエージェント(FA)権行使の申請期間が10日で終了し、この日までに6選手が行使の手続きを取った。海外FA権を保有していたロッテの今江敏晃内野手(32)はQVCマリンフィールド内で会見を開き、涙ながらに権利行使を表明。FA宣言後の残留を認めないロッテと決別し、国内移籍を目指す。申請手続きを行った選手は11日にコミッショナー公示され、12日から契約交渉が可能となる。
悩み抜いた末の決断だった。愛着のあるロッテを去ることを決めた今江は会見で、込み上げてくる感情を抑えきれなかった。「悩んで悩んで、今日の朝に決めました。数え切れないほどの思い出があり、どちらかというと寂しい気持ちが大きい」。何度も声を詰まらせ、涙を拭った。
生え抜きの自負とチームへの愛情は誰よりも強かった。PL学園から01年ドラフト3巡目でロッテ入り。05年と10年にはともに日本シリーズで最高殊勲選手に輝く活躍を見せ、日本一に貢献した。13年オフには国内FA権を行使することなく、2年総額4億円で残留を決めた。将来はロッテで指導者になるという夢もあったが、関係者の話を総合すると、今回、球団側から提示された条件は単年で年俸もダウン。2度の残留交渉で溝が埋まることはなかった。
「球団から色々な言葉をもらいましたけど…。まさかこんなことになるというイメージはしていなかった。“8番”のユニホームを着ているファンの方々のことを考えると、寂しくて寂しくてたまらない」。
ロッテはFA権を行使しての残留を認めておらず、残りの野球人生を新天地に懸ける覚悟を決めた。「自分を必要としてくれているならどこでもいい。これをいいきっかけにして、今までとは違う自分を出していきたい」。決断が間違っていなかったことを証明するためにも、もう後ろは振り返らない。
ロッテの涌井が、ともに最多勝のタイトルを獲得した日本ハム・大谷に競り勝った。4票上回る75票を獲得。自身は西武時代の10年以来5年ぶり3度目で、ロッテの投手では73年の成田文男以来42年ぶりの受賞となり「少し期間が空いてしまいましたが、これを励みに引退するまで獲れるように頑張ります」とコメントした。
今年のゴールデン・グラブ賞は、ロッテから涌井秀章投手、清田育宏外野手、ルイス・クルーズ内野手の3選手が受賞した。
涌井は5年ぶり3度目の受賞で「5年ぶりの受賞という事で、少し期間が空いてしまいましたが、これを励みに引退するまで獲れるように頑張ります」とコメント。初受賞のクルーズは「1年間セカンドのポジションを任されて、自分が1番欲しかった賞。本当に嬉しいし興奮しているよ。選んでくれた人に感謝している。ありがとう」。清田育宏も初受賞で「初めての受賞なので、非常に嬉しいです。プロ野球に入り、今年はオールスターにも出場させてもらい、そしてゴールデン・グラブ賞も1つの目標でもあったので、今年1年間、頑張って本当に良かったです。来年も獲得できるように頑張ります」と喜びを口にした。
ロッテの今江敏晃内野手(32)が10日、QVCマリンで会見を開き、海外FA権の行使を表明した。
「この決断は本当に悩みました。本当に人生の中で1番悩んだ。行使するとは言ったけど、来年からロッテのユニホームを着ないことが、まだ想像つかない。寂しい気持ちでいっぱい」と号泣した。
2年前は国内FA権を行使せず、2年契約で残留。今回は行使することを決断した。
球団とは2度の交渉を行ったが、残留には至らず。ロッテはFA権を行使しての残留は認めておらず、今江は新天地を模索する。
ロッテからドラフト6位で指名された、教習所の教官という異例の経歴を持つ右腕・信楽(宮崎梅田学園)が10日、宮崎市内のホテルで契約金3000万円、年俸800万円で入団に合意した。
「自動車学校の教官として生徒と接する上でのモットーとしていたのはハツラツさと、元気よさと、明るさの3つ。プロの選手になっても、同じでファンに笑顔を提供していければ」。
最速147キロの直球とツーシームが武器で、球団からは先発として期待されている。年内いっぱいで教官としての生活は終わるが「教官として携わってきたこの1年間でたくさんの方と出会った」と振り返った上で「ロッテのガムで好きなのはブラックブラックガム。安全運転には眠気スッキリの、このガムが1番だと思います」と教官らしいギャグで早くもロッテ愛をアピールしていた。(金額は推定)
ロッテの今江敏晃内野手(32)が10日、QVCで会見し、海外フリーエージェント(FA)権の行使を表明した。球団はFA宣言後の残留を認めていないため、移籍が確実となった。11日にコミッショナー公示され、12日から旧球団だけでなく他球団との交渉が可能となる。
在籍した14年間を思うと、涙があふれた。今江は「人生の中でも1番悩んだ。チームに愛着はめちゃくちゃあるし、こんなこと(FA宣言)になるイメージはしていなかった」と、ロッテへの未練を隠さなかった。
球団から将来の幹部候補として期待され、当初は残留を基本線としていた。だが2度の残留交渉でも、条件面で折り合いがつかなかった。「(残りの)野球人生長くもない。これからどれだけできるか分からない。『野球人として、迷ったら前へ進め』と」。三塁守備にこだわりがあったが、今季終盤には人生初の一塁守備も経験。「一から勝負したい」気持ちが芽生えた。
会見前、練習に来ていた福浦に会い、権利の行使を報告した際にも、涙をこぼした。「来年からロッテのユニホームを着ずに、という想像がつかない。数え切れない思い出がある」。
球団は宣言残留を認めておらず、移籍は決定的。海外挑戦の意向はなく、国内で移籍先を探す方針だ。年俸2億円のAランク[注]で「自分を必要としてくれるところに行きたい。ここ数年くすぶっていた自分もいる。新しい自分、今までの今江敏晃とは違うものを出していきたい」と話した。
ロッテの今江敏晃内野手(32)が10日、QVCで会見し、海外フリーエージェント(FA)権の行使を表明した。球団はFA宣言後の残留を認めていないため、移籍が確実となった。11日にコミッショナー公示され、12日から旧球団だけでなく他球団との交渉が可能となる。
ロッテのドラフト6位・宮崎梅田学園・信楽晃史(しがらき・あきふみ)投手(23)が10日、宮崎市内のホテルで入団交渉に臨み契約金3000万円、年俸800万円(金額は推定)で仮契約した。
MAX147キロ右腕が自動車学校の教官からプロ野球選手へと転身が正式に決まった。両親とともに仮契約を終えた信楽は「すごく嬉しい。スタートラインに立てた。マリーンズの顔になれるようにこれから頑張ってやらないといけないなと思いました。両親には一生懸命成長した姿を見せたい」と気を引き締めていた。
背番号は未定で来月に行われる予定の入団会見の際に発表される見込みとなっている。
海外FA権を取得しているロッテ・今江敏晃内野手(32)が10日、QVCマリンで会見を開き、FA権行使を表明した。ロッテ一筋14年。チームの顔でもあった今江が、申請期限ギリギリで下した決断。「人生の中で1番悩んだ。悩んで悩んで今日の朝、決めました」と涙ながらに語った。
球団はこれまで通り宣言残留を認めない方針で、宣言=退団となる。愛着あるチームを去ることに「数え切れないくらいの思い出がある。寂しい気持ちの方が強い」と目を真っ赤にしたが、「野球人生は半分以上を過ぎた。迷ったが、迷ったら前へ進めというか、野球人として一から勝負したいという思いで決意した」と、新たなステージを求める覚悟を固めた。
希望は国内移籍。「新しい自分を見せたいと思っている」。涙を拭いた今江は、新天地へと旅立つ。
ロッテは10日、宮崎市内のホテルで、ドラフト6位指名された信楽晃史投手(23)=宮崎梅田学園=と仮契約を結んだことを発表した。契約金3000万円、年俸800万円(推定)。
現役の自動車教習所の指導員でもある異色の右腕は「自動車学校の教官として生徒と接する上でのモットーとしていたのは、ハツラツさと、元気の良さと、明るさの3つ。プロの選手になっても同じで、ファンに笑顔を提供していければと思います」と意気込んだ。
「教官として携わってきたこの1年間で、たくさんの方と出会い、お話しをすることができた」と、教習所への感謝を明かした信楽は「この教習所の卒業生がいつの日か、『このマウンドで投げている選手に、運転を教えてもらったんだよ』と言ってもらえるような存在になりたいと思います」と抱負を語った。
さらには「ロッテのガムで好きなのは、ブラックブラックガム。安全運転には、眠気スッキリの、このガムが1番だと思います」と、新天地の自社製品を早くもPRしていた。
ロッテ・今江敏晃内野手(32)が10日、QVCマリンで記者会見を行い、保有しているFA権を行使することを宣言した。この日がFA権行使の申請期限で、ギリギリまで熟考した末に決断を下した。
今江はPL学園から02年秋のドラフトで3巡目で入団し、ロッテ一筋で14年間プレー。05年、10年の日本シリーズではいずれもMVPを獲得し、2度の日本一に貢献した。
今江は「たくさんの数え切れない思い出がある。寂しい気持ちもある」と涙ながらに語った。
ロッテの2軍は現在、本拠地の浦和球場で秋季キャンプ中。2軍といっても、故障リハビリ組を含めれば、1軍クラスの脂っこいメンツも多く汗を流している(1軍は千葉・鴨川市)。
行ってみた−。その脂っこさを知ってか、サインを求めるファンの数が多い。鴨川市にも負けていない。そこで遭遇したのが今年、開幕前に育成契約から支配下登録された肘井竜蔵外野手(19)だった。
「お久しぶりです。色々ご心配をおかけしましたが、何とか元気になりました」。
確かに健康そうだったが、サングラスを外した顔は腫れが残り、依然として痛々しかった。思わず「大丈夫!?」という言葉が出てしまった。
アクシデントは9月21日のイースタン・リーグ、西武戦(ロッテ浦和)で起きた。肘井は顔面死球を受け、そのまま救急車で病院搬送。3週間の入院生活を余儀なくされた。当初は絶対安静で、さらに入院期間中、2度の修復手術を受けた。
今でこそ、ほぼ通常メニューをこなしているが、入院生活の間は寝たきりの状態。肘井によると、「腰への負担がかかりそうな練習だけは自分でセーブしています」という。
「当たった瞬間、意識はありましたが、逆にないほうがよかった。意識がある分、痛くて、つらかったです。名前は“肘”ですが、顔は(腫れて)“くるぶし”でした」。
その顔には手術痕が残る。さらに患部には整形用のプレートが埋め込まれている。持ち前のイケメンは腫れが引けば徐々に戻るようだが、神経もダメージを受けているため、傷口の周辺は依然、麻酔がかかったような感覚。それが原因で、実は深刻な『臭覚障害』を起こしている。
「日常生活に支障があるという訳ではないですけど、臭いに関しては全くしないです」。
復活に向けた練習もそうだが、重度な後遺症とも闘う日々。それでも肘井は落ち込むことなく前を向く。
「今埋め込んだプレートも手術で外せるそうですが、もう手術はイヤです。このままでいきます。手術する時間があるなら練習に当てます」。
その心意気やよし!!伊東監督が求めるのはそういう選手だ。
千葉ロッテの今江敏晃内野手(32)が10日、海外フリーエージェント(FA)権を行使した。QVCマリン内で会見し「悩んで悩んで、今日の朝に決めた。もう1度一から勝負したい思い出決意した」と説明した。球団は宣言残留を認めておらず、移籍が決定的となった。
大阪・PL学園高から2002年にドラフト3巡目で入団。05年、10年の日本シリーズで最高殊勲選手に輝いて日本一に貢献した。今季は左手首の骨折もあり、98試合出場で打率2割8分7厘、1本塁打、38打点。通算成績は打率2割8分4厘、93本塁打、637打点。
今江は会見で涙を見せながら、決断に至った思いを打ち明けた。
千葉ロッテの山室晋也社長は「非常に寂しいし残念だが、結論を出した以上、14年間貢献してくれてありがとうと申し上げたい」と話した。
今江は2005年から昨季までレギュラーシーズン100試合以上の出場。三塁のレギュラーを長く張ってきただけに、戦力的に大きな痛手となる。
ロッテからのFA権行使は昨年のヤクルトに移籍した成瀬善久投手に続いて、2年連続となった。
巨人の野球賭博問題で、警視庁組織犯罪対策4課が、笠原将生投手(24)、福田聡志投手(32)、松本竜也投手(22)の3選手から任意で事情聴取したことが10日、捜査関係者への取材で分かった。事態の発覚を受け、巨人側が警察に相談していた。3選手は事実関係を認めているという。
森田法務部長は「警察に相談しているが、それ以上のことはコメントを差し控える」と述べた。組対4課は今後、仲介者の男性らからも事情を聴くなどして事実確認を進め、賭博罪に当たるかどうかや暴力団関係者の関与の有無を調べる方針。「組織犯罪対策」とは、暴力団、外国人犯罪組織、薬物・銃器の密輸・密売グループなどの犯罪組織を取り締まっている部門。
プロ野球の熊崎勝彦コミッショナーは10日、東京都内で記者会見し、日本野球機構(NPB)の調査委員会(大鶴基成委員長)からの処分案を受け、巨人の福田聡志投手(32)笠原将生投手(24)松本竜也投手(22)の3選手を野球賭博に関与したとして無期失格とし、巨人に制裁金1000万円を科す裁定を下した。野球賭博による失格処分は、1969年に八百長が発覚した「黒い霧」事件以来。3選手は警視庁組織犯罪対策4課から任意で事情聴取を受け、事実関係を認めていることも判明した。
熊崎コミッショナーは会見の冒頭、「球界を代表して重ねて深く深くお詫び申し上げる。再発防止に全力を挙げる所存です」と、頭を下げた。午前10時に調査委員会から提出された報告書を読み、熟慮を重ねた上で出した無期失格の厳罰だった。これによりNPBと選手契約協定を結んでいる大リーグ、韓国、台湾、中国のプロ球団とは契約できない。さらに失格選手の立場は、通常の自由契約選手とは違い、復帰するには失格当時の所属球団の許可が必要となる。過去にNPBを自由契約になった選手しか採用していない独立リーグや社会人野球で選手として活動していくことも事実上できなくなった。
なぜ3選手が賭博行為に手を染めていったのか?熊崎コミッショナーが調査委員会に依頼したのは、その背景と誘因の解明だった。そこで明らかになったのが、巨人内部で常態化している賭博行為の蔓延だった。3選手以外にも2軍のジャイアンツ球場などで10人以上がトランプ、マージャンなどに金銭を賭けていたことが明らかとなり、9日には巨人が原沢代表の辞任と3選手の契約解除方針を固め、発表していた。
調査委は八百長が行われた形跡はないが、プロ野球にかかわる賭博や野球賭博常習者との交際はプロ野球への期待と信頼を著しく損なうものとして永久失格に次ぐ無期失格処分が適当とした。巨人に対しては指導、管理が不十分だったとして、制裁金1000万円を科した。モラル低下、金銭を賭けることに対して、麻痺していった温床とした。熊崎コミッショナーは「作為的な行為はなかったが、やるべきことを十分にやっていない。健全な方向に持っていくためには球団が監督、指導をやってもらわないと困る」と、厳しく追及した。
ただし、調査の限界については調査委も熊崎コミッショナーも認めている。3選手と賭博行為で関わったA、B、Cの3人について十分な聞き取りができていないことを明らかにした。大鶴委員長は「調査委としては任意で聞くしかない」と難しさを指摘した。熊崎コミッショナーも「組織的全容の解明には限界、難しさはある。現時点の範囲でベストを尽くすしかない。先頭に立って再発防止に全力を尽くす」と、言った。
調査委は3選手以外の巨人選手や、コミッショナーを通じて他の11球団にも調査をしたが、野球協約に違反している具体的な情報はなかった。今後、新たな事実が出た場合は調査を続けていく方針だ。
巨人は10日、東京・大手町の読売新聞東京本社で会見を行い、野球賭博に関与していた福田聡志投手(32)、笠原将生投手(24)、松本竜也投手(22)との契約を同日付で解除したと発表した。3選手に対して無期の失格処分としたプロ野球の熊崎勝彦コミッショナーの裁定を受けて申請、承認された。
球団は午後4時頃、都内某所に3人を呼び、個別に解雇の旨を伝えた。「巨人軍選手」の看板を下ろさなくてはならない現実を突き付けられ、犯したことの大きさを実感し、懺悔の言葉を並べた。
全員が神妙だった。福田は涙を浮かべ、言葉を詰まらせていたという。松本竜は言葉少なだったという。
立ち会った森田法務部長は「野球しかやっていない人。個人的に相談に乗ってやろうと思う」と話した。関係者の話を総合すると、松本竜は現役続行を希望しているという。しかし、失格選手がプレーできる選択肢は非常に狭く、厳しい道が予想される。福田、笠原は不明だ。多大な迷惑を掛けた。受け止めて出直すしかない。
野球賭博に警察のメス!暴力団がらみの事件を担当する警視庁組織犯罪対策4課(組対4課)が野球賭博に関与した巨人の福田聡志(32)、笠原将生(24)、松本竜也(22)の3投手から任意で事情聴取したことが10日、分かった。この日、熊崎勝彦コミッショナー(73)は日本野球機構(NPB)の調査委員会からの処分案を受け、3投手を無期失格とし、巨人に制裁金1000万円を科す裁定を下した。ただ警視庁は今後も捜査を進め、全容解明を急ぐ。
野球賭博問題は新たな局面を迎えた。この日、暴力団犯罪を捜査する警視庁組織犯罪対策4課による任意の事情聴取に対し、巨人の3投手が事実関係を認めていることが判明した。
組対4課は今後、野球賭博の仲介者である大学院生(39)の男性、飲食業者(年齢不詳)の男性らから事情を聴くなどして事実確認を進め、賭博罪に当たるかどうかや暴力団関係者の関与の有無を調べる方針だ。
この日、NPBでは、調査委員会(委員長・大鶴基成弁護士)が3投手への処分案などを盛り込んだ調査結果報告書を熊崎コミッショナーに提出した。同コミッショナーは調査委の処分案通り、3投手に無期失格、管理監督責任のある巨人に制裁金1000万円を科す裁定を下した。
野球協約における最も重い処分は八百長などの敗退行為による永久失格(第177条)。調査委は大学院生と飲食業者を野球賭博常習者と認定したものの、現時点で3投手とも八百長行為は確認されていない点から、永久失格の次に重い無期失格(第180条=賭博行為の禁止および暴力団員らとの交際禁止)が適用された。
野球賭博で選手が処分されるのは1969年に西鉄(現西武)の投手の八百長が発覚したのに端を発した「黒い霧事件」以来。裁定を受け、NPBは職員がスポーツ庁に調査結果を報告し、巨人は3投手との契約を解除したと発表した。
報道陣約100人が詰めかけ、ピリピリとしたムードで行われたNPBの会見では問題点が浮き彫りとなった。
調査委の大鶴委員長は大学院生と飲食業者に何度も事情聴取を依頼したが、1度しか応じてもらえず、携帯電話の提出は受けられなかったと説明。「3選手の有害行為は明らかになったが、(野球賭博の)胴元につながっていない。全体像が解明できたとはいえない」と調査が不十分であることをうかがわせた。
本来は携帯電話などのメールの内容を確認し、調査を進めたかったが、警察が令状を取って行う捜査と異なり、球界の調査は強制力を持たない。元東京地検特捜部長の経歴を持つ熊崎コミッショナーも「(裁定は)残念至極で断腸の思い。再発防止に全力を挙げる」とした上で「(野球賭博の)組織的背景は十分に明らかにされていない」と表情を曇らせた。
今回の処分対象は10月21日の中間報告で既に明らかになっていた巨人の3投手と球団だけ。しかし、本当に巨人だけの問題で終わるのか…。警視庁の捜査で仲介者の交友関係などが明らかになれば、さらに球界に波紋が広がる恐れがある。
NPBの調査委が発表した報告書の処分に関する要旨は次の通り。
熊崎コミッショナーが、巨人に科した制裁金1000万円の金額決定には過去の例が参考になった。過去最高額は3000万円。2000年の日本シリーズ期間中に福岡ドーム(現ヤフオクドーム)を確保できなかったダイエー(現ソフトバンク)と、07年にアマチュア選手に金銭供与するなどの不正なスカウト活動を行った西武に科された。
NPBの井原事務局長によると、これらの例では球団が虚偽の報告もあったのに対し、今回の巨人は報告、調査が迅速で、1000万円になったという。
巨人は10日、福田聡志(32)、笠原将生(24)、松本竜也(22)の3投手と東京都内で面会し、同日付で解雇処分としたことを伝えた。さらに、渡辺恒雄球団最高顧問(89)=読売新聞グループ本社代表取締役会長・主筆、白石興二郎オーナー(69)=読売新聞グループ本社代表取締役社長=が役員報酬の全額を2ヶ月間返上することも発表。日本野球機構(NPB)が下した裁定は巨人の監督責任にも及んだ。
野球賭博の問題発覚から1ヶ月余り。3投手に厳罰が下された。午後4時。福田、笠原、松本竜は東京都内の施設に呼び出され、NPBから無期失格、巨人からは解雇処分が言い渡された。
「軽はずみに興味本位で(賭博を)始めてしまった。家族に対して大変、申し訳ない。一緒に野球をやってきた仲間なのに、自分の行動で迷惑をかけてしまい申し訳ない」。
巨人・森田球団法務部長が、福田に解雇を伝えた際の様子を会見で明かした。涙ながらに何度も周囲への謝罪を口にしたという。笠原は「色んな人の人生をめちゃくちゃにして償っても、償いきれない思いを死ぬまで引きずるだろう。NPB、巨人軍の名前に自分達の行為が泥をつけてしまった」。松本竜は「興味本位で手を出してしまった。色んな人に申し訳ない」と反省した。
球団とNPB調査委員会による調査では3投手だけではなく、複数の選手が賭けトランプ、賭けマージャンに加え、数年前から高校野球を賭けの対象にしていたことも判明した。NPBは巨人にも1000万円の制裁金を科した。
9日に原沢球団代表が引責辞任。この日、その監督者である桃井球団会長、久保社長は責任を取り、役員報酬の50%を期限を定めずに返上することが発表された。さらに渡辺球団最高顧問、白石オーナーも自主的に役員報酬の全額を2ヶ月間返上する。
「信頼回復というのは大変、時間がかかるとも思いますが、1つ1つ形にして時間をかけてファンの皆さん、あるいは野球関係者の方に見ていただきたい」と久保社長。巨人は再発防止策をすでに発表しているが、球界に衝撃を与えた罪はあまりにも重い。信頼回復への強い姿勢と行動が試されている。
3選手はこの日「失格選手」として公示された。処分が解除されるまで、日本野球機構が選手契約に関する協定を結ぶ米大リーグ、韓国プロ野球、台湾プロ野球、中国プロ球団ではプレーできない。機構の井原事務局長は、国内の社会人、独立リーグについても「制度の整備はしていないが常識的に難しい」と説明。協定を結んでいない米独立リーグなどでのプレーも、自由契約選手ではないため契約は困難との見方を示した。また無期失格処分の場合、5年が経過し、反省が認められた場合は、本人が申し出ればコミッショナーが処分を解く可能性はあるが、選手としての復帰は難しいという。
プロ野球の熊崎勝彦コミッショナー(73)は10日、野球賭博に関与したとして巨人の福田聡志投手(32)、笠原将生投手(24)、松本竜也投手(22)の3選手を無期失格とし、巨人に制裁金1000万円を科す裁定を下した。野球賭博で選手が処分されるのは、69年に西鉄(現西武)の投手の八百長が発覚したのに端を発した「黒い霧事件」以来。一方、最終報告書を提出した日本野球機構(NPB)の調査委員会は十分な聴取の協力が得られなかったとし、全容解明には至らなかったと明かした。
熊崎コミッショナーは午前10時、NPBの調査委員会(大鶴基成委員長=弁護士)から処分案を盛り込んだ最終報告書を受け取った。調査委が午後4時から会見し、最終報告内容を公表。熊崎コミッショナーは同5時からの会見で、謝罪をした上で処分を発表した。
「断腸の思いでありますが、3選手につきまして、いずれも無期の失格処分とする裁定を行いました」。巨人球団に対しては指導、管理が不十分だったとして1000万円の制裁金を科した。
巨人が福田の野球賭博関与を発表したのが10月5日。熊崎コミッショナーから調査を委嘱された調査委は、同21日の中間報告で、笠原、松本竜も野球賭博に関与し、3選手が野球賭博常習者の大学院生のA氏、飲食店経営者のB氏と交際していた事実を明かしていた。
最終報告書では、笠原の中学校の先輩でA氏を紹介したというC氏、さらに「Aが自分が知っていると吹聴していた(巨人の)コーチなど3名」、「Bの経営する店に飲食に行っていた(巨人の)選手3名」からも参考に聴取したことが明らかにされた。聴取は延べ約65時間に及んだという。
しかし、調査委は「重要な関係者から十分な聴取の協力が得られず、携帯電話の提出も受けられなかった。そのため組織的全体像までを明らかにできているものではない」と説明せざるを得なかった。大鶴委員長は「確証がなければプライベートでもある携帯の提出は求められない」と苦渋の表情。A氏、B氏にも核心に迫る2度目の聴取を求めたが拒否されたという。調査が任意であることから「(我々には)何の強制力もない。聴取に応じてくれなければ話は聞けない」と限界があったことを明かした。
巨人以外の11球団選手に対してもアンケート調査のみにとどまった。福田、笠原、松本竜の3選手に関しては処分を確定できたが、球界と野球賭博の関係についての全容解明には程遠い調査内容。元東京地検特捜部長の経歴を持つ熊崎コミッショナーは、暴力団などの組織的な背景の有無について「そこが知りたいところだが、十分に明らかにできていない。それは調査委も認めている」とじくじたる思いを口にした。調査委は「常設機関なので(調査は)継続する」という。
調査委員会が発表した報告書の処分理由に関する要旨は次の通り。
熊崎コミッショナーが巨人に科した制裁金金額決定には過去の制裁金の例が参考になった。過去最高額は00年の日本シリーズ期間中に福岡ドームを確保できなかったダイエー球団に対しての3000万円。90年には桑田真澄投手が登板日を漏らしていたなどの問題で、巨人に対して選手管理不備と事後措置の不手際を理由に、2000万円が科された。
NPBの井原敦事務局長によると、過去の2例では球団が作為的で虚偽の報告もあったのに対し、今回の巨人は報告、調査が迅速で、調査委にも協力的だったことから1000万円になったという。
NPBは10日、スポーツ庁に調査結果や処分内容を報告した。同庁は高橋道和次長らが対応。「野球は日本で1番注目があり、子供達も憧れるスポーツ。プロ野球界が率先して襟を正して欲しい」と再発防止を強く求め、今後の取り組みを注視していく方針を示した。
プロ野球の熊崎勝彦コミッショナーは10日、東京都内で記者会見し、日本野球機構(NPB)の調査委員会からの処分案を受け、巨人の福田聡志投手(32)、笠原将生投手(24)、松本竜也投手(22)の3選手を野球賭博に関与したとして無期失格とし、巨人に制裁金1000万円を科す裁定を下した。
また、3選手が警視庁組織犯罪対策4課から任意で事情聴取を受けていたことが捜査関係者への取材で分かった。3選手は事実関係を認めているという。
野球賭博で選手が処分されるのは、1969年に西鉄(現西武)の投手の八百長が発覚したのに端を発した「黒い霧事件」以来となる。巨人は3選手との契約を解除したと発表した。
調査委は八百長が行われた痕跡はないとしたが、プロ野球にかかわる賭博や野球賭博常習者との交際はプロ野球への期待と信頼を著しく損なうものとして無期失格とした。巨人に対しては指導、管理が不十分だったとした。
調査委は3選手以外の巨人の選手や、コミッショナーを通じて他の11球団にも調査をしたが、野球協約に違反している具体的な情報はなかった。また3選手が暴力団などの反社会的勢力と認識した上で交際していたとの証拠は得られなかったという。
警視庁の組対4課は今後、仲介者の男性らからも事情を聴くなどして事実確認を進め、賭博罪に当たるかどうかや暴力団関係者の関与の有無を調べる方針。捜査の進展次第では、さらに球界に波紋が広がる恐れもある。
巨人の福田聡志(32)、笠原将生(24)、松本竜也(22)の3投手が野球賭博に関与していた問題で、日本野球機構(NPB)の熊崎勝彦コミッショナー(73)は10日、3投手を無期失格処分とし、球団に制裁金1000万円を科す裁定を下した。野球賭博による失格処分は、1969年に西鉄(現西武)の選手らが関与した「黒い霧事件」以来。即日契約解除となった3人については、警視庁が任意で事情聴取を行っていたことも明らかになった。