日本ハムは中田が2本の二塁打で初打点をマークし、復調の兆しを見せた。先発枠入りを争うバースは5回3失点。ロッテはオープン戦初出場のデスパイネが本塁打を含む2安打を放った。石川は5回を4安打1失点と粘り強い投球。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
北海道日本ハム | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 |
千葉ロッテ | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 2 | 1 | 1 | x | 7 |
軽々と捉えた打球は、千葉ロッテファンが待つ右翼席まで達した。6回の第3打席で、デスパイネがソロ本塁打。「感触が良かった。1本打てて嬉しい。このまま開幕へ、調子を上げていきたい」。この日1軍に合流したキューバの主砲が早速、存在感を見せつけた。
外角高めの139キロ直球を逆らわず、バットに乗せた。カリビアン・シリーズでプレーし来日が2月下旬と遅れたが、約1ヶ月ぶりの実戦だった。それだけに「1番大事なのはボールに当てること」とテーマを明かし、「コンパクトにいった」姿勢が好結果を呼び込んだ。
第2打席の二塁打も右中間を破った。「逆方向に打てたことが収穫」と喜んだのは伊東監督だ。来日2年目の昨季は103試合で18本塁打。力んで引っ張る場面が目立ち、物足りない成績に終わった。
昨季のチーム本塁打85本は楽天と並んで、リーグワースト。長打が期待できる打者は少なく、実弾所持で逮捕された新助っ人のナバーロが開幕から4週間出場停止の事情もある。デスパイネの怪力は貴重だ。監督は「ああいうバッティングを心掛けてくれればいい。ジャストミートしたら飛んでいく」と語った。
2月28日に卒業式に出場したため1軍を離れていた千葉ロッテのドラフト1位新人、平沢(宮城・仙台育英高)が合流した。「9番・遊撃」で先発出場し、3回の第1打席で右犠飛をマークしたが、その後は見逃し三振が2つ。守備でも失策を犯し、本拠地デビュー戦はほろ苦いものとなった。
7回には一塁への送球が遅れ、陽岱鋼に内野安打を許す場面も。「思ったより、ランナーが進んでいた」。攻守にプロのレベルの高さを突きつけられている。開幕1軍へ向け、伊東監督は「この1週間が勝負」と話す。背番号13は「まずやることをしっかりやっていきたい」と前を向いた。
実弾を所持したとして銃刀法違反容疑で逮捕され、公式戦開幕から4週間の出場停止などの処分を受けた千葉ロッテのナバーロが8日、1軍に合流した。逮捕された2月21日以来のことで、日本ハム戦前の練習で汗を流し「チームと一緒にできるのは嬉しい」と話した。
打撃練習では鋭い当たりを見せ、51スイングで4本の柵越え。「体調は悪くない。できることをやっていきたい」と前を見据え、伊東監督も「動きを見ても問題ない」と評した。今後は1軍に加わって、調整を続けていくという。
ロッテのアルフレド・デスパイネ外野手(29)が、合流即1発を放ち存在感を示した。
2月はカリビアン・リーグに参加するなどで来日が遅れたが、「4番DH」で初登場すると6回には鍵谷から右中間へ技ありのソロ本塁打を放った。4回の第2打席もバースから右中間二塁打を放ち勝ち越しの口火を切るなど、3打数2安打と貫禄を見せつけた。
「投手とあまり対戦していなかったので、1打席目はちょっと違和感があったけど、2打席目は合わせることができた。開幕に照準を合わせて調子を上げていきたい」と言葉も弾んだ。
ロッテドラフト1位平沢大河内野手(18=仙台育英)が1軍生き残りへ正念場を迎えた。
本拠地初打席の3回無死一、三塁では右犠飛を打ち上げた。しかし3回の失点は失策から、7回もアウトにできる当たりを内野安打にして失点につながった。「自分のミスです。練習で克服したい」と素直に反省。試合前に1週間が勝負と言った伊東勤監督は「ぼちぼちメンバーを決めなきゃいけない。そうそうは甘やかせない。シビアに考えていきたい」と厳しい姿勢を示した。
実弾を所持していたとして銃刀法違反容疑で逮捕され、公式戦開幕から4週間の出場停止処分を受けたロッテのヤマイコ・ナバーロ内野手(28)が8日、QVCマリンフィールドで1軍の練習に参加した。
1軍合流は2月21日に逮捕されて以来で「一緒に練習できるのは嬉しい。体調も悪くないし、できることをやっていきたい」と話した。
日本ハムとのオープン戦前にチームメートとともにキャッチボールやノック、打撃練習に取り組んだ。伊東監督は「(動きに)特に何の問題もない。当面は一緒に練習する予定」と説明した。遠征に同行するかは未定という。
巨人で昨年、無期失格処分となった3選手に加え、新たに高木京介投手(26)が野球賭博に関与していたことが発覚し、プロ野球界は再び衝撃に包まれた。
QVCマリンでも9日、中日とのオープン戦を前にしたロッテ・伊東勤監督(53)が「いい話題が少ないですね。開幕を前にまたファンを裏切る形となってしまった。(ナバーロの逮捕=銃刀法違反容疑で)ウチが言えたことではないかもしれませんが、ある意味、プロ野球界の危機だと思います」と表情を曇らせた。
今後、“火元”の巨人を含め、他球団にも影響が広がる可能性がないともいえない。ロッテでも当初の騒動が勃発してすぐに、首脳陣、選手、全球団職員から野球賭博へ関与がないかの聞き取り調査を行ったが、全員が否定した。
同監督は「本人が言わない限り、真実は分からない。(ロッテでは)ないと信じるしかない。これ以上、不祥事が続かないことを祈るばかりです」と訴えかけるようにコメントした。
ロッテのドラフト1位・平沢大河内野手(18)=仙台育英高=が8日、日本ハムとのオープン戦(QVCマリン)に「9番・遊撃」で先発出場。本拠地デビューを果たしたが、3回の初打席初打点(右犠飛)も帳消しとなる2拙守と見逃し2三振に終わった。
「意識とプレーの差を感じます。そういうところを縮めていかなければ駄目です」。
3回1死での失策など、平沢の拙守がチームの全失点につながった。仙台育英高で迎えた2月28日の卒業式以降は2軍で調整。満を持して迎えた試合だったが、厳しい結果となった。
伊東監督は「他の選手も頑張っている。シビアに考えていきます」と説明した。開幕1軍に黄信号。「アピールするだけです」と平沢は危機感を漂わせた。
ロッテ・ナバーロ(前韓国サムスン)が8日、1軍に再合流。フリー打撃で51スイング中4発をスタンドに運んだ。2月21日に銃刀法違反容疑(実弾所持)で逮捕されて以降は2軍などで調整。公式戦開幕から4週間の出場停止などの球団処分を受けたが、「少しでも1軍の空気になじませたい」という伊東監督の要望もあっての“復帰”。親心にナバーロも「一緒に練習できてうれしい。自分のやれることをやっていきたい」と神妙だった。
5回を1失点で乗り切ったロッテの石川は「結果は良かったけど、ラッキーな部分も多かった。しっかり意図して抑えたい」とさえない表情で振り返った。
前回登板で制球を欠き、テーマに挙げた変化球の精度に納得がいかない様子。5回で83球と球数がかさみ「ストライクを取るのに苦労したし、四球も出した。走者を出したら球数も多くなる」と反省した。
ロッテは8日、今季から本拠地・QVCマリン内に新たに10店舗の飲食売店がオープンし、全24店舗になると発表した。
これに伴い、新10店舗の看板メニューが3月12日の巨人戦、13日のオリックス戦の2日間限定で通常価格より100円安く買えるサービスを実施する(対象商品が無くなり次第終了)。
対象店舗は次の通り。
1軍に再合流したロッテの平沢は「9番・遊撃」でフル出場したが、まずい守備が2つでほろ苦い本拠地デビューとなった。
3回はボールが手に付かずに失策。7回には陽岱鋼の三遊間への緩いゴロを捕ったが、一塁送球が間に合わず内野安打とされた。「アウトだと思ったけど、思ったより走者が進んでいた」と、プロのスピードへの対応に課題を残した。
打撃では3回に右犠飛で初打点を挙げたが、その後は2打席続けて見逃し三振。「しっかり見極められるようにしたい」と反省を口にした。
ロッテの新外国人、ヤマイコ・ナバーロ内野手(28)=ドミニカ共和国出身、前韓国サムスン=が8日、日本ハム戦(QVCマリン)の試合前練習から1軍に再合流。フリー打撃は51スイング中、4発をスタンドに運んだ。
ナバーロは2月21日、那覇空港で、拳銃の実弾を所持していたとして、銃刀法違反容疑(実弾所持)で那覇県警に現行犯逮捕。以降は2軍などで調整していた。
現在、公式戦開幕から4週間の出場停止、制裁金50万円の球団処分を受けている状況だが、「少しでも1軍の空気に馴染ませたい」という伊東監督の要望もあっての“復帰”。この親心にナバーロも「一緒に練習できて嬉しい。自分のやれることをやっていきたい」と神妙だった。
1軍合流初日で4番に座ったロッテ・デスパイネが右越えソロを含む2安打。テレビ局のインタビューで「いつものをお願いします」と「デスパ、いいね!!」をリクエストされ、今季初の「いいね!!」を炸裂させた。
2月6日にカリビアン・シリーズに出場して以来の実戦。2月中旬だった合流予定も休養のために先延ばしし、来日したのは同27日だった。自主トレで体を慣らし、ようやく合流。6回の一発を「最近投手と対戦することが少なかったから球に当てようとコンパクトに打った」と振り返り、昨季大振りが目立った主砲に伊東監督は「力みなく打っていた。今年はミートを心掛けて欲しい」と話した。
銃刀法違反容疑で逮捕され、開幕4週間出場停止となった新外国人ナバーロは、この日試合前の練習に参加。デスパイネは「野球のことはもちろん、日本の生活のことも教えたい」と“兄貴”としてサポートする。
ナバーロが抜けた二塁に入ったロッテ・中村が3安打を放った。1盗塁もマークした1番打者は「タイミングが取れてバランスのいい打撃ができた」。
ナバーロが出場した2試合は三塁を守ったが、本職は二塁。昨季ドラフト1位の23歳は「ナバーロが帰ってきて二塁に入ったら今、自分が出ている意味がない。監督が悩むような活躍をしたい」と語気を強めた。
ロッテ・細谷が日本ハム戦(QVCマリン)の8回、オープン戦1号アーチを放った。
4点リードの場面で先頭打者として打席に。井口の初球、137キロの直球を左翼スタンドに運んだ。「狙っていた。課題にしていたファーストスイングで捉えられて、最高の結果が出て良かった」。
入団11年目。1軍での本塁打は13年を最後に記録していないが、昨季は62打点でイースタン・リーグの打点王。パンチ力には定評がある。
ロッテ・石川が日本ハム戦(QVCマリン)に先発。5回を4安打1失点に抑えた。
3回に遊撃・平沢の失策で走者を出し、2死から中田に適時二塁打を浴びた。自責点は0。4、5回は無安打で締めたが、それでも本人は「カーブとシンカーで前回よりストライクを取れたけど、精度が低い。真っ直ぐも良くはなかった」と課題を口に。「次は修正したい」と、さらに高いレベルでの投球を思い描いている。
ロッテのデスパイネが8日、日本ハム戦(QVCマリン)でチームに合流し、いきなり本塁打を放った。6回1死の第3打席で右越えソロ。4階先頭の第2打席も右中間をライナーで破る二塁打を放ち、今季の本拠地初戦に駆けつけたファンを安心させた。
また、2軍調整から再合流したドラフト1位・平沢も「9番・遊撃」で本拠地初スタメン。3回無死一、三塁で右犠飛を放ち、ホーム初打点を挙げた。合流組が活躍し、競争はさらに激しくなった。
銃刀法違反の疑いで逮捕されたロッテのナバーロが8日、日本ハム戦(QVCマリン)前の練習に合流した。2月21日に那覇空港で実弾を所持していたとして現行犯逮捕されて以来の1軍合流となり、フリー打撃では51スイングで4本の柵越え。「一緒にできるのは嬉しい。自分のできることをやっていきたい」と話した。伊東監督も「デスパといいコンビになってくれたらいい」と話した。
ナバーロは那覇地検から処分保留のまま釈放され、球団に開幕4週間出場停止などの処分を下されていた。
逆方向への打球が、3年目の進化を物語っていた。2点リードの6回1死。ロッテの4番・デスパイネのしなるような一振りは、右翼スタンドへ吸い込まれた。通算30発のうち、14、15年に1本ずつしかない右方向への一発。1軍合流即、“今季1号”をぶちかました助っ人は「感触は良かった。右方向へのコンタクトを意識していた」と分厚い胸を張った。
この男がいるだけで心強い。14年はシーズン途中に加入、昨季はキューバ国内リーグに参加した影響で来日は4月中旬までずれ込み、過去2年とも開幕は不在だった。カリブ海NO.1を決める2月上旬のカリビアンシリーズに出場し、同27日には来日。1ヶ月以上も実戦から離れながら、この日は4回の右中間二塁打を含むマルチ安打。準備に抜かりはない。
後輩の分までフル回転する。2月21日に銃弾を所持していたとして銃刀法違反容疑でナバーロが逮捕された。オープン戦2試合で5打数4安打、2本塁打の大当たりで、期待が膨らんでいた新助っ人。大きかったショックは、デスパイネのバットが一掃した。ナバーロが球団の処分で開幕から4週間出場できなくても、頼れる主砲を擁して戦う形が見えた意味は大きい。
日本で初めての開幕戦で4番に座ることは確実。伊東監督は「逆方向に見事なホームラン。ああいうバッティングを心がければ、率も残せる」と力みの消えた打撃に目を細めた。昨季は18本塁打を打った17試合に16勝1敗。この日も今季初のQVCで、プレ開幕戦を制する必勝弾になった。「シーズンが楽しみです。デスパいいねー!」と雄叫びをあげた陽気なD砲。今季もお立ち台で決め台詞を数多く聞けそうだ。
銃弾所持で逮捕され出場停止中となっているロッテのヤマイコ・ナバーロ内野手(28)が7日、試合前の練習に合流した。2月21日に銃刀法違反容疑で現行犯逮捕されて以来の1軍練習。フリー打撃では4本の柵越えを放ち「チームと一緒に練習できるのは嬉しい。体調は悪くない」と話した。球団はナバーロに対し開幕から4週間の出場停止処分などを科している。
ロッテのドラフト1位・平沢大河内野手(18)=仙台育英=が開幕1軍から一歩後退した。三回に痛恨のお手玉で出した田中賢がその後に生還。「しっかり練習して克服したい」と表情を引き締めたが、伊東監督は1軍実戦で計5失策のルーキーについて「ぼちぼちメンバーを決めないといけないので甘やかしていられない。シビアに考えていく」と厳しかった。
実弾を所持していたとして銃刀法違反容疑で逮捕され、公式戦開幕から4週間の出場停止処分を受けたロッテのヤマイコ・ナバーロ内野手が8日、QVCマリンフィールドで1軍の練習に参加した。1軍合流は2月21日に逮捕されて以来で「一緒に練習できるのは嬉しい。体調も悪くないし、できることをやっていきたい」と話した。
日本ハムとのオープン戦前にチームメートとともにキャッチボールやノック、打撃練習に取り組んだ。伊東監督は「(動きに)特に何の問題もない。当面は一緒に練習する予定」と説明した。遠征に同行するかは未定という。
巨人は8日、東京・大手町の読売新聞東京本社で緊急会見を開き、高木京介投手(26)が野球賭博に関与していたと発表した。この問題の責任を取り、渡辺恒雄球団最高顧問(89)白石興二郎オーナー(69)桃井恒和球団会長(69)が辞任する。巨人は昨年11月に所属3投手が無期失格処分となったばかり。球界を挙げて再発防止策を講じてきたが、4人目の発覚で信用をさらに失墜させる不祥事となった。
球界を揺るがした野球賭博問題は、まだ終わっていなかった。緊急会見の冒頭、久保球団社長が「昨年10月から11月にかけて、大変なご迷惑をかけた野球賭博の問題に関し、有害行為に該当した選手が、今日、発覚しました。NPBに告発することになったのは、高木京介投手です。国民の皆さまに深くお詫びいたします」と謝罪した。
無期失格処分となった福田、笠原、松本竜の元3投手に続き、巨人からは4人目の発覚となった。久保社長は「調査が十分に及ばなかった。大きな責任を感じています」と話し、渡辺最高顧問、白石オーナー、桃井会長が辞任すると発表した。巨人の球団トップが、3人も一斉に辞任する異常事態となった。開幕前の球団行事は全て中止する。3月25日に開幕するシーズン公式戦は、「相手チームのこともある。参加させていただきたい」と話した。
高木京の野球賭博については、週刊文春の取材により発覚した。2月29日に文春側から問い合わせを受け、本人への聞き取りを開始。当初は「笠原に名前を貸していただけ。笠原が自分の名前を使って野球賭博をしていた」と否定した。しかし、これはうその供述だった。この日になって、実際は14年4月〜5月の間に、プロ野球公式戦の8、9試合で賭けをしていたと明かした。現時点で八百長行為は認められていないという。
昨年10月に野球賭博問題が発生して以降、球団は聞き取り調査を継続してきた。「名前を貸したことにすればいい」と持ちかけた賭博常習者の口車に乗った形だが、高木京の虚偽の報告を見抜けなかった。携帯電話を提出させ履歴を調べても、笠原元投手が賭けの仲介をしていたため、事実を確認できなかった。賭博常習者が球団の調査に非協力的である以上、真実の解明は供述に頼るしかない。紀律委員会を設立して浄化を目指してはいるが、社内調査の限界が浮き彫りになった。
NPBは1月の新人研修や2月のキャンプで講習会を開き、選手会も各球団を回って有害行為の禁止を訴えてきた。しかし、久保社長が「チームにたまっていたウミを完全に出し切れていなかった」と話したように、根は非常に深い。開幕前という最悪のタイミングで、またも不祥事が起きてしまった。
開幕前に衝撃が走った。巨人は8日、東京・大手町の読売新聞本社で久保博球団社長(66)が会見し、5年目左腕の高木京介投手(26)が野球賭博に関与していたと発表した。昨年11月、野球賭博に関与した3投手が無期失格処分を受けたばかりだが、新たに4人目の発覚。渡辺恒雄球団最高顧問(89)、白石興二郎オーナー(69)、桃井恒和球団会長(69)の3首脳が引責辞任する事態に発展した。
午後7時40分。会見場に現れた久保球団社長が苦渋の表情を浮かべながら、高木京が野球賭博に関与していたことを謝罪した。
「昨年膿を出し切れなかった責任を痛感している。野球賭博に関係のない選手のためにも公式戦には参加させて欲しい」。
会見には森田清司総務本部長も同席し、発覚の経緯を説明。2月29日に週刊文春から球団職員へ高木京の野球賭博関与を示唆する取材があったことを受けて、球団は翌1日から本人を事情聴取し、提出させたスマートフォンを解析した。
球団は弁護士に事実関係を確認してもらい、この日になって2014年に3、4回、計8、9試合で現金を賭けたことを認めたという。1試合に10〜15万円ずつ賭け、総額で50〜60万円負けた。
巨人では昨年10月に福田聡志(32)、笠原将生(25)、松本竜也(22)3投手の野球賭博関与が発覚。日本野球機構(NPB)に告発し、3人は無期失格処分を受けた。その際、NPBの調査では有害行為の相手として大学院生Aと飲食店経営Bを野球賭博常習者と認定。高木京は当初「笠原に名前を貸しただけ」と関与を否定したが、笠原元投手と飲食店経営Bから持ち掛けられた作り話であったことを認めた。
森田総務本部長によると、事情聴取を繰り返していた際、高木京は「びくびくしていた」。そして7日夜、両親から「正直に話をした方がいい」と諭され、「軽い気持ちでやってしまった」と後悔を口にした。
賭けた試合に巨人戦が含まれたかについて、同総務本部長は「笠原が賭ける試合に賭けたとのこと。昨年の調査で笠原が巨人戦に賭けていた証拠はない。今後も調査を続けていきたい」と説明するにとどめた。
巨人は昨年の野球賭博発覚後、全選手、裏方にヒアリング調査を行ってきた。しかし、調査の甘さが露呈された。開幕まであと17日という時期に4人目の関与者が発覚したことを重く受け止め、渡辺最高顧問、白石オーナー、桃井会長の球団3首脳が引責辞任し、早急に新オーナーを決めると発表した。
渡辺氏は04年にもドラフト候補選手に日本学生野球憲章に反して現金を渡していたことが発覚し、オーナーを辞任。しかし、球団史上例を見ない度重なる不祥事に“2度目”の辞任となった。 2月8日にはキャンプ地の宮崎市で球団内に新設された「紀律委員会」による再発防止に向けた研修会を開いた。直前の2日にOBの清原和博容疑者(48)が覚せい剤取締法違反(所持)で現行犯逮捕されたこともあり、選手ら約200人に野球賭博や薬物問題について講習したが…。
高木京は8日付で謹慎処分。有害行為を禁じる野球協約第181条に基づき、球団は9日にもNPBに告発する。開幕前に発覚した野球賭博問題。「球界の盟主」が再び汚点を残した。
巨人が8日の記者会見で配布した文書によって、高木京介投手(26)の球団の聴取に対する供述内容が明らかになった。野球賭博関与への発端から、事実であると認めるまでの経緯が詳細に記されている。
巨人は8日、東京・大手町の読売新聞本社で記者会見し、高木京介投手(26)が野球賭博に関与していたと発表した。昨年11月に福田聡志投手(32)、笠原将生投手(25)、松本竜也投手(22)の3人が無期の失格処分を受け、契約解除となったばかり。渡辺恒雄最高顧問(89)、白石興二郎オーナー(69)、桃井恒和球団会長(69)が後任が決まり次第引責辞任すると発表し、高木京は8日付で謹慎処分となった。
3投手の無期失格処分が熊崎勝彦コミッショナーから下った昨年11月10日から119日。信頼回復の途上で、球界のイメージをさらに悪化させる、球団4人目の賭博関与者が発覚した。午後7時40分から行われた緊急会見。久保博球団社長は深々と頭を下げた。
「去年の事件があり、再生を誓って出発したが、ファンの気持ちを2度裏切ることとなった。球団の責任者として申し訳ない。重ね重ね痛恨の極み。去年、膿を出し切れなかった責任を痛感している」。
昨年の野球賭博を受け球団では全選手を対象としたヒアリングを実施。さらに球団内に「紀律委員会」を新設し、世間へ向けた体質改善をアピールしたはずだった。しかし、3投手の野球賭博に関し、日本野球機構(NPB)の調査委員会で野球賭博常習者と認定された飲食店経営B氏と高木京が、笠原元投手を通じてつながっていた。
球団は2月29日に週刊文春から高木京の野球賭博関与を示唆する取材を受けたことで、翌3月1日に調査を開始。当初は否定した高木京から、この日になって関与の事実を確認した。高木京が野球賭博を行っていたのは14年4月下旬から5月上旬までの計8、9試合で、総額で50万円から60万円負けたという。この時期は高木京は1軍登録されており、試合でも登板していた。
森田清司総務本部長は「高木は笠原が賭けていた試合と同じ試合に賭けていた。NPBの調査では、笠原が巨人戦に賭けた証拠はない」とし、本人も八百長行為に関して否定しているという。現時点では、1年間の失格処分または無期の失格処分となる野球協約第180条の有害行為に該当するとし、一両日中にコミッショナーに告発する。最終的な処分は告発後にNPBの調査委員会の調査を経て、コミッショナーの判断に委ねられる。
高木京は8日付で謹慎処分となり、球団は渡辺最高顧問、白石オーナー、桃井球団会長の引責辞任も発表した。昨年11月の3投手の野球賭博では、原沢敦球団代表が辞任したが、今回は監督の人事権など、球団の最重要事項の決定権を持つ渡辺最高顧問をはじめとする球団首脳が一斉辞任。「(開幕には)賭博に関与していない選手達、相手チームがある。首脳が責任を取って辞任することをもって、ぜひ参加させてもらいたい」と久保社長は訴えたが、事態は深刻だ。先月には元巨人のスター選手だった清原和博容疑者が覚せい剤取締法違反(所持)で現行犯逮捕された。球団に対する世間の疑惑の目はいっそう厳しくなる。
14日に行われる予定だった、財界人らでつくる激励会「燦燦(さんさん)会」と16日の球団激励会の中止も決まった。球界の盟主の不祥事は、プロ野球界全体の信用失墜を招く結果となった。
日本野球機構(NPB)の井原敦事務局長は8日、東京都内の事務局で新たな問題発覚に表情を曇らせた。NPBの調査委員会、球団の調査でも見つからなかった事案なだけに「各球団で全選手にヒアリングを行っている。その中で出てこなかった反省はある」とショックを隠せない様子だった。調査委員会には捜査権がないため、任意でのヒアリングに関係者が応じなかったこともあったと調査の限界を認めた。
新たな事例が出てくる可能性もあり「再発防止策をプロ野球一丸となってやっている。それを続け、徹底するしかないと思っている」と話した。今後は巨人からの告発を受け、調査委員会に調査を指示する。
巨人の選手はソフトバンク戦後、9日にヤフオクドームで行われる同戦に備え、福岡市内のホテルに移動した。選手や関係者には、ホテル前のコンビニエンスストア以外の外出禁止が言い渡された。
プロ野球巨人の久保博球団社長は8日、東京・大手町の読売新聞本社で記者会見し、高木京介投手(26)が野球賭博に関与していたと発表した。渡辺恒雄球団最高顧問、白石興二郎オーナーら球団首脳が引責辞任する。巨人は高木京投手を8日付で謹慎処分として最終的な処分を日本野球機構(NPB)に委ねる。
昨年、福田聡志投手(32)、笠原将生投手(25)、松本竜也投手(22)の巨人3選手が熊崎勝彦コミッショナーから無期失格処分を受け、契約解除となったばかり。プロ野球界は再発防止策を講じてきたが、4人目の発覚で信用をさらに失墜させる形となった。
プロ野球の熊崎勝彦コミッショナー(74)は8日、巨人球団から高木京介投手(26)が野球賭博に関与していたとの報告を受け「今後の機構としての対応は、調査委員会に調査を指示することになる」とコメントを発表した。昨年10月に起きた巨人3選手の野球賭博問題時と同様に、巨人側からの告発を受理した後、常設の調査委員会へ調査を委嘱する。
昨年の問題発覚以降は、12球団で全選手の聞き取り調査を実施していたが、日本野球機構(NPB)の井原事務局長は「その中で出てこなかったという反省はある」とした。
2年前、1人の投手がロッテ浦和寮に入寮した。身長188センチ、体重73キロ。鹿児島から出てきた長身ながら細身の選手は恐る恐る、プロの世界に足を踏み入れた。二木康太投手はプロ野球のレベルの高さに苦しんだ。当初、ストレートは130キロを超えるのが精一杯だった。1年目の春季キャンプ。ストレートを投じると、周りから「今のはチェンジアップ?」と冗談ながら問われたこともあった。もがき苦しみながらの日々だった。
「出ても130キロ中盤。他の投手達はビュンビュン速い球を投げている訳ですから、つらかったですし焦りましたね」。
鹿児島情報高校からドラフト6位での入団。高3夏の県大会ではベスト4止まりが最高。先発完投をしたものの樟南高校に1−5で敗れ、甲子園出場はかなわなかった。だから、プロ入りしてチームメートになった先輩達全員が輝いて見えた。1年上には田村龍弘捕手がいた。高校時代、春夏合わせると4度、甲子園に出場しているスーパースター。可愛がってもらった。食事に連れて行ってもらい、色々な話を聞いた。刺激のある言葉が多かった。
「プロではもっと欲を持って、貪欲に日々を過ごさないとダメだぞ。どういう選手になりたいか?明確な目標や理想を持って、練習をしないとダメ。漠然と生きていてはダメだ」。
田村はその言葉通り、貪欲だった。年が大きく離れた大ベテラン選手にも臆することなくアドバイスを求めていた。1軍入りのチャンスをつかむと、この好機を逃すまいと必死にアピールをしていた。そんな姿に強く刺激を受けた。負けじと貪欲に自分の内側から変化していこうと心に誓った。
とにかく食べた。子供の時から小食だったが、寮で出された食事を一口も残すまいと、口に押し込んだ。寮での夕食はいつも最初に食堂に入り、最後に出る。白飯は750グラムを食べることがいつしかノルマになっていた。
「子供の時から食べるのが苦手で、プロに入ってからも苦戦をしました。たくさん食べて体を大きくしないとプロではダメなのは分かっていましたから、必死でした。とにかく食べるのが遅い。寮ではいつも最後まで残って食べています」。
寮生の仲間達は食事が終わり、次々と自室に戻る。いつもポツリと食堂に取り残された。すると決まって池田重喜寮長が食べ終わるまで付き合ってくれる。テレビで1軍のナイターを観戦しながら、野球談議をした。投球術、打者心理。プロ野球の世界に40年以上の年月にわたって携わる寮長から、いろいろな話を聞ける貴重な時間にもなった。入寮した際は73キロだった体重はいつしか85キロになっていた。
「フォームがしっくりきているのが1番の収獲。ストレートもだいぶ、手応えを感じています。変化球もベース盤の中で勝負できています」。
2月に行われた石垣島春季キャンプでは投手陣の誰よりも存在感を見せた。直球は140キロ中盤を記録。カーブ、スライダー、チェンジアップ、フォークと多彩な変化球も披露した。今やマリーンズでもっとも期待される若手投手の1人に挙げられる。
1軍初登板は昨年、2015年10月5日の本拠地最終戦となった北海道日本ハム戦。2番手として5回を投げて、被安打4、1失点。プロ初勝利こそならなかったが、1軍首脳陣にキラリとアピールする好投だった。もちろん、勝ちたいという思いはあった。それでも試合後、先輩たちから「オマエは先発投手。だから、先発としてプロ初勝利を挙げろということだよ。来年、先発で勝ち投手になれよ」と言葉を掛けられ、納得した。何よりも中学、高校とほとんどの試合を生観戦してくれた父がプロ初登板だけはどうしても仕事があり、駆けつけることができなかった。「そういう意味ではプロ初勝利は父のために取って置いたと思うようにしている。今年こそ父の前で勝ちたい」と切り替え、心に決めた。
夢と希望にあふれる20歳。もう、あの頃のオドオドとした雰囲気は微塵も感じられない。一回り、大きくなった体からは自信がみなぎる。背番号「64」、躍動の時。2016年、新たな伝説が幕を開けようとしている。
(千葉ロッテマリーンズ広報・梶原紀章)