わたしはかもめ2016年鴎の便り(4月)

便

4月4日

ロッテ二木プロ初勝利に向け「まずは自分の投球を」[ニッカン]

ロッテは4日、涌井秀章投手(29)と二木康太投手(20)がヤフオクドームで練習した。

5日のソフトバンク戦には、二木が先発する。プロ初先発となった前回3月30日の楽天戦は、4回2/3、10安打3失点で負け投手となった。昨年の日本一チームを相手にプロ初勝利を目指すが、「相手どうこうより、まずは自分の投球をすることを第一にしていきたい」と落ち着いた様子で話していた。

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ロッテ鈴木「ぜひ家族で応援に」GWに様々企画[ニッカン]

ロッテは4日、「ゴールデンウイーク・エンジョイフィールド」の開催を発表した。

5月1日にQVCマリンで行われる日本ハム戦(午後1時開始)で実施。グラウンドでのキャッチボールやベースランニングなど家族で楽しめるイベントや、マリーンズ・ベースボールアカデミーコーチによるバッティング体験など、様々な体験参加型イベントを行う。

主なイベントは次の通り。

(1)
4月29日から5月1日の日本ハム3連戦において、中学生以下の来場者全員にマリーンズ・キッズキャップを配布する。
(2)
試合前練習見学会。試合前の選手の練習風景をスタンドから見学できる。
(3)
試合前球場見学ツアー(人数制限あり。当日受け付け)。普段見ることができない球場内の施設を見学でる。
(4)
試合前フィールドキャッチボール(人数制限あり。当日受け付け)。試合開始直前のグラウンドにて親子でキャッチボールに参加できる。
(5)
マリーンズ・キッズスクール(人数制限あり。当日受け付け)。7回裏ラッキー7の風船拾いなど、球場の様々な仕事体験に参加できる。
(6)
試合後ファミリーベースランニング(人数制限なし)。試合終了後のグラウンドにて家族でベースランニングを楽しめる。
(7)
試合後野球体験教室 バッティング編、ピッチング編(人数制限あり。当日受け付け)。マリーンズ・ベースボールアカデミーコーチによる指導を受けられる。
(8)
試合後ダンス体験教室(人数制限なし)。マリーンズダンスアカデミーのインストラクターによるチアダンス体験教室に家族で参加できる。
(9)
試合後リリーフカーフォトセッション(人数制限なし)。リリーフカーに乗って記念撮影ができる。

キャプテンの鈴木大地内野手(26)は「色々なイベント企画を作って待っていますので、今年のゴールデンウイークはぜひ家族でQVCマリンフィールドへ応援に来て下さい」と呼び掛けた。

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ロッテ・石川、先発回避、二木が“繰り上げ”へ「調整に問題ない」[サンスポ]

5日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)に先発予定だったロッテの石川が4日、遠征先の福岡市内で寝違えによる首の不調を訴え、代わって2戦目の予定だった二木が中5日で緊急先発することになった。36球のブルペン調整を行った鹿児島県出身の20歳は、プロ初勝利へ「1日早まっても調整に問題はないです」と“地元九州”での熱投を誓った。石川は回復すれば第2戦に登板する見通し。

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ロッテ・石川が5日の先発を回避、首を寝違えたため[サンスポ]

ロッテの石川が、先発予定だった5日のソフトバンク戦の登板を回避することが4日、決まった。首を寝違えたためで、6日の登板が予定されていた二木が前倒しで先発する。ヤフオクドームで練習した二木は「相手どうこうというより、まずは自分の投球をすることが第一」と意気込みを語った。

石川は回復すれば、6日に先発する見通し。小林投手コーチは「1日様子を見て、駄目ならファームから状態のいい投手を上げる」と説明した。

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ロッテがGWスペシャルイベント実施!5・1QVCマリン[サンスポ]

ロッテは4日、5月1日の日本ハム戦(QVCマリン)で「ゴールデンウィーク・エンジョイフィールド」を開催すると発表した。グラウンドでのキャッチボールやベースランニングなど家族で楽しめるイベントや、マリーンズ・ベースボールアカデミーコーチによるバッティング体験など、様々な体験参加型イベントを行う。主なイベントは次の通り。

(1)
4月29日から5月1日の日本ハム3連戦で中学生以下の来場者全員にマリーンズ・キッズキャップを配布。
(2)
試合前の選手の練習風景をスタンドから見学。
(3)
試合前球場見学ツアー(人数制限あり、当日受付)。
(4)
試合前のフィールドキャッチボール(人数制限あり、当日受付)。
(5)
マリーンズ・キッズスクール(人数制限あり・当日受付)。7回裏ラッキー7の風船拾いなど、球場の様々なお仕事体験に参加。
(6)
試合後のファミリーベースランニング(人数制限なし)。
(7)
試合後の野球体験教室。バッティング編&ピッチング編(人数制限あり、当日受付)。マリーンズ・ベースボールアカデミーコーチによる指導を受けられる。
(8)
試合後のダンス体験教室(人数制限なし)。マリーンズダンスアカデミーのインストラクターによるチアダンス体験教室に家族で参加。
(9)
試合後のリリーフカーフォトセッション(人数制限なし)。リリーフカーに乗って記念撮影。
主将・鈴木の話
「色々なイベント企画を作って待っていますので、今年のゴールデンウイークはぜひ家族でQVCマリンへ応援に来て下さい。」

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石川寝違えて…ロッテ二木 5日ソフトB戦緊急先発へ[スポニチ]

ロッテ・二木が中5日で緊急先発する。

石川が寝違えて先発を回避したため、第2戦先発の予定が前倒しされた。この日はブルペンで36球を投げた右腕は「1日変わっただけなので心境は変わらない。自分の投球をする」と、平常心で鹿児島から福岡まで駆けつける両親の前でプロ初勝利を狙う。石川は回復次第で第2戦に先発する可能性があり、7日の第3戦は涌井が中5日で先発するとみられる。

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ロッテ二木、5日ソフト戦に緊急先発へ、初の中5日「頑張りたい」[スポニチ]

ロッテの二木が5日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)に中5日で緊急先発することになった。予定していた石川が4日朝に寝違えたことによる首痛を訴えて投手練習を欠席し先発を回避したため。

小林投手コーチは「まだ若い(20歳)し問題ない。変なプレッシャー感じずに投げてもらえたら」と話した。石川については様子を見て回復次第では6日の第2戦に先発させる可能性もあるという。投げられなければ、「2軍から状態のいい投手を上げる」と小林コーチ。プロ初勝利を狙う二木は「中5日は初めて。頑張りたい」と話した。

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ロッテ、GWに体験参加型イベント[スポニチ]

ロッテは5月1日にQVCマリンフィールドで行われる日本ハム戦で「ゴールデンウィーク・エンジョイフィールド」を開催すると発表。グラウンドでのキャッチボールやベースランニングなど家族で楽しめるイベントや、マリーンズ・ベースボールアカデミーコーチによるバッティング体験など、様々な体験参加型イベントを行う。

キャプテンの鈴木大地内野手は「色々なイベント企画を作って待っていますので、今年のゴールデンウィークはぜひ家族でQVCマリンフィールドへ応援に来て下さい」とアピール。

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ソフトB戦は二木が先発、石川は首痛で登板回避[報知]

二木が5日のソフトバンク戦(ヤフオクD)に緊急先発する。当初の先発予定だった石川が、寝違えによる首痛で登板回避。20歳右腕が中5日で前倒しされた。「1日ずれただけ。(中5日は)特に問題ないです。相手より、自分の投球をすることが大事」。

プロ初先発の3月30日・楽天戦(QVC)は4回2/3を10安打3失点で負け投手だった。7日の3戦目には昨季ソフトバンク戦5勝のエース・涌井を中5日で投入する予定だ。

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ゴールデンウィークに体験参加型イベント実施[報知]

ロッテは4日、5月1日の日本ハム戦(QVC)で「ゴールデンウィーク・エンジョイフィールド」を開催すると発表した。多数の体験参加型イベントが用意されており、試合前の練習見学やキャッチボール、試合後にもベースランニングや野球体験教室などに参加できる。

また、4月29日から5月1日の日本ハム3連戦(QVC)では、中学生以下の来場者全員にマリーンズ・キッズキャップがプレゼントされる。主将の鈴木は「色々なイベント企画を作って待っていますので、今年のゴールデンウィークはぜひ家族でQVCマリンフィールドへ応援に来て下さい」と呼びかけた。

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ロッテ石川寝違えて二木繰り上げ先発[デイリー]

5日・ソフトバンク戦(ヤフオク)に先発予定だった石川歩投手が4日朝に寝違えた首痛の影響で登板を回避。6日に先発予定の二木康太投手が1日繰り上げで代役を務めることになった。

急遽出番が回ってきた右腕は「1日変わっただけ。心境は変わらない」と強調。3月30日・楽天戦(QVC)から中5日となるが「初めての経験だけど問題ないです」と慌てる様子はなかった。

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ロッテ石川、5日の先発を回避[デイリー]

ロッテの石川が、先発予定だった5日のソフトバンク戦の登板を回避することが4日、決まった。首を寝違えたためで、6日の登板が予定されていた二木が前倒しで先発する。ヤフオクドームで練習した二木は「相手どうこうというより、まずは自分の投球をすることが第一」と意気込みを語った。

石川は回復すれば、6日に先発する見通し。小林投手コーチは「1日様子を見て、駄目ならファームから状態のいい投手を上げる」と説明した。

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[あの時・98年ロッテあぁ18連敗](1)みんな負けるところを見に来ている[報知]

18連敗−。ドラフトによって戦力が均衡され、実力が伯仲するプロ野球の世界で、ここまで負けることは考えにくい。ロッテが1998年の6月から7月にかけて演じた悲劇は、今もなおプロ野球ワースト記録として残り、語り継がれる。当時の主力投手だった黒木知宏氏(現日本ハム投手コーチ)、監督だった近藤昭仁氏の証言をもとに、逆境の中で苦しみながらも、戦い続けた男達のドラマを再現する。

七夕の夜の出来事だった。黒木は18年前を振り返る。

「織姫と彦星の1年に1度しかない日−。ロマンチックな日ですけど、僕には違う1日ですね。忘れろって言っても、無理ですよ」。

98年7月7日。ロッテは出口の見えないトンネルをさまよっていた。6月13日のオリックス戦(千葉マリン)から始まった黒星は、プロ野球ワーストタイの16連敗まで膨らんでいた。GS神戸で行われたオリックス戦。負の連鎖を断ち切るために先発したのは、「ジョニー」の名で愛された魂のエース・黒木だった。

「何が何でも連敗を止めると。『腕がもげてもいい』という思いでした」。

注目度は高かった。5位と6位の対決ながら、フジ系で全国に緊急生放送される異例の事態に。大報道陣が勝敗を注視していた。

「みんな負けるところを見に来ている。絶対に負けられないって、メラメラきてましたよね。でもグラウンドに出るとき、当時ヘッドコーチだった広野功さんから『ジョニーは幸せだね』と言われたんです。『これで勝ったら、これで負けたら…という大事な試合で投げられる。幸せだよ』って。幸せだ−というのが、僕の中で響いたんです」。

鬼気迫る表情でジョニーは右腕を振った。だが、この夜の神戸は高温多湿の悪条件。人知れず、黒木の体には異変が生じていた。

「6回で脱水症状になって…。マウンドに上がってボールを投げると、全身に痙攣を起こしていることは分かっていました。だけど、連敗を何とか止めないといけないし」。

これは大型連敗の最大の要因でもあったのだが、当時のロッテはWストッパーの河本育之、成本年秀をケガで欠き、終盤を託せるリリーフが不在だった。だからこそジョニーは首脳陣に異常を告げることなく、奮投するしかなかった。

8回を終え2安打1失点の快投。3−1とリードは2点。勝利の瞬間まで、あとアウト3つに迫っていた。

「ただ、本当は記憶があまりないんです。無我夢中で何も考えず、ひたすら1つのアウトを取る作業しかやっていなかったから」。

9回。先頭のイチローを三振に封じた。記憶がおぼろげな中でも、背番号51の表情は脳裏に焼き付く。

「イチローがギロッとにらみ返してきたことを覚えています。普通は日本ワーストタイだったら、哀れな気持ちがあるじゃないですか。ただ、イチローには関係なかった」。

走者を許すが、2死までたどりついた。あと1人。誰もが連敗地獄からの脱出を、信じて疑わなかった。=敬称略=

◇伸びなかった視聴率

ロッテの連敗は10を超えた頃から世間の関心事となり、ロッテ・ファンの落語家・立川談志は本紙の取材に「勝負は勝つヤツがいれば負けるヤツもいる。この際、とことん負けたらいいんじゃない。負けを楽しめと言いたいね」とエールを送っている。一方、フジ系でゴールデンタイムに全国生中継された「七夕の悲劇」は関東地区で視聴率3.3%と、数字的にも惨敗に終わった。

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[あの時・98年ロッテあぁ18連敗](2)あと1球―切れろ、切れてくれ[報知]

プロ野球ワーストタイの16連敗が、やっと止まる。ロッテベンチだけじゃない。GS神戸の球場全体が異様な興奮に包まれていた。98年7月7日、オリックス戦。先発した黒木の力投で、勝利まであと1人に追い込んだ。3−1と2点リードの9回2死一塁。プリアムが右打席へと向かう。ジョニーの闘争心は最高潮だった。

「勝てると思いましたね。ファンの思い、チームの思いを受け止めて、最高の投球をしていたので。2ストライクに追い込んだときは、『よし、勝った!』と思いましたよね」。

カウントは1ボール2ストライク。女房役の福沢は内角高めにミットを構えた。暗く、長いトンネルを抜けるまで、あと1球−。

「元々、僕の生命線はインコース高めの直球だったので、そこに投げたんですが、ちょっと引っかかったんです。それが低めにいってしまって…」。

この日、黒木が投じた139球目。ローボールヒッターのプリアムはわずかな制球ミスを逃さなかった。内角低めの146キロを捉える。強烈な打球が左翼ポール際へと飛んだ。切れろ。切れてくれ−。切実な願いは届かなかった。同点2ラン。ジョニーはマウンドへと膝から崩れ落ちた。内野陣が集まり、声を掛けるが、立ち上がれない。

「人はよく『アタマが真っ白になる』って言うじゃないですか。『いやいや、真っ白になるなんて、ないだろう』と思うかもしれませんが、打たれた瞬間、本当に真っ白になりました。『あ、終わった』と。その後は記憶がなくて。抱えられて降板するところは数日後に映像で見て、『オレはこういうふうになっていたんだ』って。現実に悔しくて涙が出るとか、そういう感情はなかったです」。

試合は延長に突入したが、その時点でフランコや初芝を交代させていた。強打者を欠き、守護神不在のチームに勝ち目はなかった。延長12回。3番手の近藤が代打・広永にサヨナラ満塁弾を浴びた。プロ野球ワースト更新の17連敗。悪夢から覚めることはできなかった。

投球中から脱水症状に苦しんでいたジョニーはゲームセット直前、右肩と右肘に強い痙攣を起こしていた。右腕を上げたまま立花コーチらに抱えられ、GS神戸を後にした。そんな痛々しい写真が、翌日の紙面に掲載された。宿舎に戻り、ケアをすませて午前1時半。裕子夫人に電話した。

「かける言葉もないですよね。『負けた』と言って『大変だったね』みたいな感じです。難しいですね。27個目のアウトを取るのは」。

悲しくてやりきれない、七夕の夜が終わった。=敬称略=

◇1998年7月7日(グリーンスタジアム神戸=観衆20000)

123456789101112R
千葉ロッテ0020010000003
オリックス000100002004x7x

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[あの時・98年ロッテあぁ18連敗](3)機能しなかった「守護神・ジョニー」[報知]

連敗地獄に陥っている間、ロッテの首脳陣は指をくわえて見ていた訳ではない。序盤から打つべき手は打ったが、止まらなかったのだ。

4連敗を喫した藤井寺での近鉄戦から一夜明け。6月19日、帰京する新幹線の車中だった。前夜に先発し、6回2失点ながらも敗戦投手となっていた黒木は、マネジャーに声を掛けられた。「監督が呼んでいます」。何の用事だろう?監督の近藤昭仁の隣に座ると、こんな打診を受けた。「クロ、明日からストッパーでいってくれ」。連敗の要因である守護神の不在をエース格・黒木で補う。秘策だった。

近藤
「ストッパーの条件の1つは、球に力があること。黒木しかいなかった。だから『とにかく連敗を止めてくれ。止まったらまた先発に戻すから、頼む』とね。」
黒木
「『ハイやります』と二つ返事です。チームは危機的な状況。勝利に貢献すべきと感じてました。」

出番はすぐに訪れた。翌20日の東京D、日本ハム戦。2−0とリードした8回裏、中1日で黒木は救援した。だが1点差に迫られると、片岡篤史に逆転2点二塁打を浴びた。チームは6連敗。悪夢は続く。21日の同戦は壮絶な打撃戦と化した。10−9とロッテが1点リードの9回裏、1死二塁。終止符を打つべく、ジョニーは連夜の登板を果たした。ところが田中幸雄への直球は、サヨナラ2ランに。2夜連続の失敗。10−11での敗戦で7連敗−。「10点取っても勝てないのか…」。ベンチは絶望感で満たされた。

なぜ「守護神・ジョニー」は機能しなかったのか。

黒木
「マウンドに上がった時、力んでしまうんですよね。野手が点を取って、守ってくれた。前に投げた投手には勝ち星がついている。それをオレが壊してはいけないという、強い思いがありすぎて…。打たれた日は、気づいたら朝でした。悔しくて寝てない。僕の性格上、引きずってしまうんです。」

気迫全開で白星を重ねてきた「魂のエース」。その持ち味がストッパーとしては、裏目に出てしまった。

2度あることは3度ある。26日、千葉マリンでの西武戦。1−1の延長11回、黒木は1死三塁で救援したが、またも空回りした。2失点し、3度目のリリーフ失敗。チームは10連敗となった。試合後、近藤は先発への再転向をジョニーに指示した。

フロントが抑えの切り札として新助っ人・ウォーレンの獲得を発表したのは、その翌日のことだった。翌99年には30セーブを挙げ、パの最優秀救援投手に輝いた右腕。近藤の言葉がせつない。「1ヶ月前に来とったら、今オレがこうして取材受けることは、なかったよな」。=敬称略=

◇98年のジョニー

悪夢の「ストッパー3連敗」、さらには勝利まであと1球から同点2ランを浴びた「七夕の悲劇」など試練が続いた25歳の黒木だったが、終わってみれば13勝(9敗)で最多勝。5割9分1厘で最高勝率と2冠に輝き、初タイトルを獲得した。防御率3.29はリーグ2位。球団最年少の1億円プレーヤーになった。

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[あの時・98年ロッテあぁ18連敗](4)倒れるまで、やらせて下さい[報知]

負の連鎖は、もはや人知を超越した段階に来ている。ロッテ・ナインがそれを痛感する“事件”があった。

14連敗のまま迎えた7月4日、千葉マリンでのダイエー戦、その試合前だ。午後4時半。練習を終えたナインを待っていたのは、千葉神社の宮司だった。厳かな衣装に包まれた神主を前に、監督の近藤昭仁ら首脳陣、選手25人が頭を下げた。前代未聞ともいえる球場での厄払い。重光昭夫オーナー代行の発案だった。一塁ベンチにはお神酒や清めの塩がまかれた。エース格だった黒木知宏はこう振り返る。

「僕は先発の準備でランニングをしていて、みんなが集まっている中に遅れて入ったんですが、『そこまで来てしまったのか…』と思いましたね。もう神頼みになってしまっていると」。

皮肉にもその夜、神が与えたのはさらなる試練だった。延長11回、5時間9分にも及ぶ死闘の末、15連敗を喫した。ある球団関係者は自嘲気味に話した。「ウチはお菓子の会社だもん、盛り塩よりも盛り砂糖の方が、効果があるかもなあ」。

連敗地獄の中、近藤の心労はピークに達していた。解任報道がさらにストレスを生んだ。それでもロッテグループの総帥・重光武雄オーナーからの激励の電話に、こう答えたことを覚えている。「倒れるまで、やらせて下さい」−。

例えばよくある「休養」といった選択肢は、なかったのか。当時60歳。今日4月1日で78歳になる近藤は、ゆっくりと言葉を紡いだ。

「逃げる気は、さらさらなかった。とにかく誰1人として、手抜きをしている選手はいなかったからね。選手の批判だけは、絶対しないようにと思っていたよ」。

遠征先で落ち込んでいる時、心が熱くなる電話があった。声の主は元巨人監督・藤田元司だった。近藤は89年から91年まで、ヘッドコーチとして第2次藤田政権を支えてきた。「無理するな。勝てないときは勝てない。選手をくさすなよ」。温かい言葉が心にしみた。

実はロッテに縁もゆかりもなかった近藤が指揮官に就任したのも、藤田のはからいだった。ロッテのフロントから「立て直し役に最適な人はいないか」と相談された藤田が、95年の横浜監督を最後に現場から離れていた近藤へと、白羽の矢を立てたのだ。「藤田さんから頼まれたら、断れないじゃん。他の人からの頼みだったら、やらなかったよ」。

勝利に見放され、不眠に苦しんでいた時、藤田が「1錠飲めば、グッスリ眠れる」と睡眠薬をくれたこともある。口にすると、本当に熟睡できてしまった。近藤は言う。「飲むのをやめたよ。怖くなっちゃって。大変な仕事だよな、監督は」。=敬称略=

◇謎の爆発騒ぎも

12連敗を喫した6月28日。千葉マリンでの近鉄戦では6点ビハインドの6回裏、三塁側2階内野席で時限発火装置付きの爆竹が破裂。「バババーン」との爆音が球場内にこだまし、1万5000人の観衆や両軍が騒然となる一幕もあった。幸いケガ人はいなかったが、千葉西署の警察官2人が現場検証を行うなど、球場は不穏な空気に包まれた。

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[あの時・98年ロッテあぁ18連敗](5)泥沼から生まれたファンとの絆[報知]

人は何かを失ったとき、何かを手にする。18連敗は球史に残る屈辱だった。それでも敗者である彼らが、暗黒の27日間を通じて勝ち取ったものがある。それは、ファンとの固い絆だ。

98年7月5日、千葉マリン。ロッテはダイエーに3−10で大敗した。16連敗となり、日本記録に並んだ。4併殺に投壊。暴動が起きても不思議ではない。だが、選手出入り口前に集った200人のファンは、違った。声を振り絞って、歌った。

俺達の誇り 千葉マリーンズ どんな時も俺達がついてるぜ 突っ走れ、勝利のために

歌声と手拍子は1時間、続いた。大合唱は監督である近藤昭仁の耳に入った。暗闇の真っただ中にいた指揮官はその瞬間、目を真っ赤に潤ませた。ありがとう−。

心が折れることなく声援を送るファンの光景は、夜のニュースでも報じられた。エース格だった黒木知宏は翌々日の先発が決まっていたため、試合途中で球場を去り、帰宅していた。テレビ画面越しに応援団の思いが伝わってくる。黒木の頬にもまた、熱い涙が滴り落ちた。

「実はファンに怖さがあったんです。『何も起きなければいい』と。だけどテレビをつけたら、これだけ負けているのに、ファンが一生懸命歌っている。これまで『ファンのために』と言っていたけど、本当にそういう思いだったのか…。自分がゲスい気持ちになってしまったんです。だから7月7日は、何が何でも連敗を止めなきゃならない。腕がもぎれてもいいと思って、マウンドに立ちました」。

脱水症状に襲われ、全身痙攣を起こしつつ熱投した「七夕の悲劇」は、その2日後の出来事だった。

18連敗が止まった数日後。球宴休みを利用して、近藤はある人物を食事に誘った。私設応援団「ガルズ」の団長・石井努だった。現役監督がシーズン中、私設応援団と会食することは、極めて異例だ。近藤は振り返る。

「本当はファン全員を招待したかったんだ。どんな時も必死になって応援してくれた。あの声援が、どれほどありがたかったことか」。

黒木は現在、日本ハムの1軍投手コーチとして若き投手陣を指導する。18年前の「あの時」を球界の後進に語り継いでいくこと。これも自らの使命だという。

「当事者ですから、僕には伝えないといけない義務がある。『財産になります』ではなく、財産にしないといけない。ゲームセットまで、勝負はゲタを履くまでは、分からない−と」 光を求め、もがいた夏。男達の記憶は、決して色あせることはない。(今回の連載は加藤弘士、小谷真弥が取材、執筆を担当しました)=敬称略=

◇小宮山で始まり、小宮山で終わった

ロッテが18連敗を脱したのは7月9日のオリックス戦(神戸)。先発したエース・小宮山悟が14安打されながらも140球を投げ、6失点完投。9−6で打ち勝った。18連敗は6月13日、同じオリックス戦(千葉マリン)での小宮山の敗戦から始まっていた。注目度の高さから試合はTBS系のゴールデンタイムに生放送。連敗脱出は中継終了後、ドラマ「ひとりぼっちの君に」の中でテロップにて報じられた。

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コリジョンルールで野球が変わった、走攻守で求められる頭脳プレー[スポニチ]

プロ野球が開幕し、セで27試合、パで24試合の計51試合を消化した。今季から導入された本塁上の衝突防止ルール「コリジョンルール」が適用されて判定が覆った事例はない。ルール順守へ、春季キャンプ、オープン戦を通じ、審判員、球団での意思統一を図った一定の成果が出ているとの見方もできるが、「本塁の攻防」を巡って野球は確実に変わっている。

捕手は走路を空けなければならない。ブロックも禁止された。本塁ベースの前に捕手が立ち、手でタッチにいく。広島の石原捕手が「ブロックできる前提なら、ポジショニングや技術というものがあるが、あそこ(本塁ベースの前)に立つ時点でタイミングだけの問題になる」と語る捕手の立ち位置の変化は、攻守、作戦面に、様々な変化を起こしている。

(1)中継プレーの変化

3月26日の巨人−ヤクルト戦(東京ドーム)の2回無死二、三塁から坂口の左邪飛で三塁走者の畠山がタッチアップ。亀井→坂本の中継プレーでアウトにした。注目すべきは坂本の立ち位置だ。

巨人・坂本
「ランナー(の走路)がかぶるので、ずっと頭に入っている。」

亀井が捕球したのは左翼のファウルゾーン。昨年までなら「捕手と一直線上」にあたる三塁ベースよりもファウル寄りに中継に入るが、坂本は三塁ベースの内側、フェアゾーンに位置した。「逆くの字」を描いた中継プレー。捕手からしても、一直線上にいた場合、送球と走者の走路がかぶる。コリジョンルール適用になる危険性が増すことを考えた変化だ。

さらに外野手は、中継プレーが増えると口々に断言する。

ヤクルト・坂口
「明らかに送球の意識は変わった。基本は(内野手の)カットまで。本塁でセーフになる可能性が高い。勝負して後ろの走者(打者走者含め)を二塁に行かれるのはまずい。」
巨人・亀井
「今のルールでは、(本塁に)近い人が正確に投げてくれた方がいい。無死でもむちゃして走ってくることが多いので、送球の正確性が大事になる。」

守備位置の指示を出す守備コーチも繊細だ。ヤクルトの福地外野守備走塁コーチは「(打球方向が)左翼から右翼にいくにつれ、走者が本塁に生還する可能性は高まる。右翼からの送球では、捕手は走者に背中を向ける形になる」。肩の強さ、相手走者の足の速さによる守備位置の変化は当然だが、右翼の守備位置はさらに「プラスアルファ」が要求されている。

(2)内野の守備位置はより繊細に

無死か1死三塁の場面では「ゴロゴー」(ゴロになった瞬間にスタートを切る)作戦が増える。失点したくない場面では前進守備となるが、楽天の真喜志内野守備走塁コーチは「ギャンブルスタート(バットに当たった瞬間に三塁走者がスタートを切る)ではなく、ゴロゴーだと極端に前で守る必要はない」と語る。

巨人は開幕戦となった3月25日のヤクルト戦(東京ドーム)で0−0の2回に前進守備を敷いた。エースの菅野が投げていた上、三塁走者は俊足ではない畠山。序盤に前進守備を敷いたのも異例だが、しっかりと相手走者の足も考え、オープン戦で試した超前進守備ではなかった。高橋監督も「(前進守備は)相手バッターにもプレッシャーがかかると思った」と説明したが、攻撃側が「コリジョン」を強く意識することも想定し、繊細に対応した事例だった。

(3)積極走塁は成功の裏にリスクを伴う

攻撃側から見れば、一、三塁での重盗の仕掛けが目立つ。DeNAは3月30日の巨人戦(横浜)で、重盗を試み、三塁走者の筒香が本塁に生還。一方で、4月2日の阪神戦(横浜)では逆に二塁で刺され、三塁走者も動けずに終わった。ラミレス監督も「(阪神捕手の)梅野がうまくステップした。(三塁から)スタートする隙がなかった」と話したが、積極性は暴走や失敗と隣り合わせにある。

各球団とも三塁走者は大きなリードをとっている。だが、同時に帰塁する意識も強く持たないといけない。西武の奈良原内野守備走塁コーチはオープン戦で三塁走者の牽制死したシーンに「打者の動きや反応を見て、打たないと思った時点で戻らないと。ミットに入ってからでは間に合わない。(リードを大きくとる分)瞬時な判断が求められる」と言う。これまで頭になかった部分の意識向上も求められる。

監督は「勝負の潮目」を見極める判断力が求められる。1死三塁の場面で、投手は「犠飛」だけでなく「内野ゴロ」でも1点を取られるケースがあるため、配球も変化があるだろう。監督、コーチ、選手は敏感に対応策を練っている。

「中途半端な判断でプレーするとオールセーフになる」と西武の炭谷。繊細な判断とともに、決断力も問われる。「コリジョン導入」により、野球のより精緻な部分が、クローズアップされようとしている。

◇本塁クロスプレー、映像検証は2例、いずれも判定覆らず

当該責任審判員の判断により、本塁上のクロスプレーでリプレー検証を行ったのは4月4日現在で2例あるが、当初の判定は覆らなかった。

3月30日のDeNA−巨人戦はDeNA倉本の二ゴロで本塁に突入したロペスが小林誠の伸ばした腕を避け、再び本塁へ左手を伸ばして生還。2度目のタッチにいった小林誠が、本塁ベース(=走路)を防いでいたかを含めた検証。今月3日のオリックス−ロッテ戦(京セラドーム)では、捕手の山崎勝が三塁側にそれた送球捕球の際に、走者・田村の走路を塞いだかどうかで映像を検証した。

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「野球賭博告白なら無期→1年失格」20日間限定[ニッカン]

“仮に野球賭博に関与した選手がまだいたら、6日から25日まで20日間の間に申告してください。そうすれば無期ではなく、1年間の失格処分にします”

プロ野球の熊崎勝彦コミッショナー(74)は4日、日本野球機構(NPB)の調査委員会が提案した「自主申告」を促す特別措置を実施することを決め、都内で行われたプロ野球実行委員会で12球団に通知した。野球賭博問題の全容解明を目指し「現協約上許される範囲内において、(過去の過ちを)言いやすい環境を整えることが必要。有害行為の不正を、この機会に根絶したい」と言った。

野球協約には、野球賭博等を禁じる180条に違反した場合、無期または1年間の失格処分になると記されている。巨人を舞台にした一連の野球賭博問題では昨年、賭博を行っていたことが発覚した選手3人が無期失格処分を受けた。今年3月に新たに高木京介投手の関与が判明したが、回数が少ないことや調査に協力的だったことなどを理由に1年間の失格処分となった。特別措置では、25日までに申告すれば、野球賭博常習者や反社会勢力との関係を絶つことなどを条件に、無期失格処分に含まれる「1年間から5年間の有期」という解釈を、「1年間の有期」に限定する。

調査委員会の大鶴基成委員長(61)は「コミッショナーの裁量権の範囲内で、その最下限をとる」と説明。ただ、1年間の失格処分をさらに短くすることは野球協約上できない。同委員長は「協約の範囲内でできるのは、これがギリギリ。協約を改正すれば、もっと色々できるかもしれないが、調査を徹底し、かつ選手の苦悩を解き放つものは何かと考えていくと、これしかない」と、さらなる緩和には踏み込まなかった。

今回の特別措置にともない、各球団とNPBは、選手本人の申告や相談、さらに匿名電話にも応じる情報提供窓口を設置する。特別措置は、他の選手をプロ野球賭博に誘うなど悪質な場合や、八百長による永久失格処分には適用されない。

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NPB調査委、笠原将生氏をまだ事情聴取できず[ニッカン]

野球賭博問題を調べている日本野球機構(NPB)調査委員会の大鶴基成委員長は4日、昨年無期失格処分を受けた笠原将生元選手について、今年の再調査ではまだ事情聴取ができていないことを明らかにした。

大鶴委員長によると、笠原氏は調査に応じる意向を示し、事前に質問事項を通告するよう要望があった。調査委側は内容を外部に漏らさないことを笠原氏に求めているが、それに対する確約がまだ得られていないという。

高木京介元選手らの賭博相手とされる飲食店経営者は、弁護士を通じて調査に応じない意向を伝えている。

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4・25までに“自首”で処分軽減、野球賭博の全容解明へ申告促す[サンスポ]

プロ野球の熊崎勝彦コミッショナー(74)は4日、昨秋から4人の失格処分者が出た野球賭博問題の全容解明に向けて、12球団に「野球協約180条第1項の有害行為を自主的に申告した者に対する特別措置」を通知した。有害行為の全容を自主的に申告した者に対して、無期失格処分であっても1年間の有期に短縮する場合があるというもの。申告は、6日から25日までの期間限定で実施する。

全容解明への切り札になるのか。熊崎コミッショナーはこの日、東京都内で開かれた日本野球機構(NPB)の実行委員会で、12球団に有害行為の自主申告者に対する特別措置を通知した。

野球協約第180条は、野球賭博行為や野球賭博常習者との交際を禁じ、違反した場合は「1年間の失格または無期の失格処分とする」と定めている。今回の措置では、6日から25日までに自主的に申告した者が無期失格処分を受けても、その後の態度によっては1年後に処分が解除される可能性を示した。

「仮に有害行為を行ったことがあり、申告すべきかどうか悩んでいる場合、現行の野球協約上で申告しやすい環境を整える必要がある」。

熊崎氏は説明した。調査委員会(大鶴基成委員長)から提案されたもので、熊崎氏は5人の有識者に意見を求め、日本プロ野球選手会(嶋基宏会長=楽天)も賛同した。この措置は第177条(いわゆる八百長にあたる不正行為)に抵触する者、他の選手らを野球賭博に誘い込むなど悪質な者には適用されない。

処分軽減の可能性をあらかじめ示すことで、申告を促す狙いだ。昨秋、野球賭博への関与が発覚した巨人の福田聡志(32)、松本竜也(22)、笠原将生(25)の3投手が無期失格処分を受け、契約解除された。今年3月、新たに高木京介投手(26)=契約解除=の関与も判明したが、回数が少ないこと、調査に協力的だったことから1年間の失格処分となった。

熊崎氏は「調査委は今回の特別措置を含めて、徹底した調査を行う」と話し、今後も全容解明に向けて調査を進める決意を明かした。捜査権がなく、関係者からの任意の聴取にとどまっている現状。特別措置による自主申告を促すことで、調査を進展させる考えだ。

球団の調査などにしらを切り続けてきた選手も、処分が1年になる道が残された。ただ、実効性には懸念もある。高木が他の3人に比べて軽い処分となった際にも、調査委はコミッショナーの裁量で無期から有期(1年〜5年)への処分変更が可能だという見解を示したが、新たに申告した選手はいない。

すでにシーズンは開幕しており、現在プレーしている選手が過去の行為を告白しようと「心理的なハードル」を下げるとは考えにくい。ある球団幹部は「(週刊誌など)どこかに出るよりはいい。コミッショナーは苦しい選択だ」と話した。膿を全て出し切れるか、正念場だ。

◇情報提供窓口設置へ

NPBは今回の特別措置を通知するにあたり、12球団に自主申告や有害行為に関する情報提供のための窓口設置を求め、NPBにも同様の窓口を設置する。ここでは、匿名の電話やメールにも応じるとしている。また、窓口は今回の特別措置の適用期間後も継続して設置する。

野球協約第180条(賭博行為の禁止および暴力団員等との交際禁止)
(一)選手、監督、コーチ、または球団、この組織の役職員その他この組織に属する個人が、次の行為をした場合、コミッショナーは、該当する者を1年間の失格処分、または無期の失格処分とする。
(1)野球賭博常習者と交際し、または行動を共にし、これらの者との間で、金品の授受、供応、その他一切の利益を収受し、もしくは供与し、要求し、申し込みまたは約束すること。
(2)所属球団が直接関与しない試合、または出場しない試合について賭けをすること。

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まだいる?野球賭博、自主申告なら1年で処分解除、言いやすい環境に[スポニチ]

プロ野球の熊崎勝彦コミッショナー(74)は4日、野球賭博問題の全容解明へ向けた調査を進めるため「自主申告」を促す特別措置を実施することを決めた。都内で開かれた実行委員会で12球団に通知し、了解を得た。6日から25日までの期間限定で実施される。期間内に野球賭博への関与を申告した場合、無期失格処分が下されても、1年後に真摯な反省が見られれば、1年間の失格に変更され、その時点で処分が解除される。

熊崎コミッショナーが示した特例措置は、有害行為の事実の全容を自主的に申告した者の中で、無期失格処分が下った者についても「1年」で処分を終わらせる可能性を示したものだ。熊崎コミッショナーは「仮に悩んでいる選手がいた場合、できる限り言いやすい環境を整えてやることが必要」と説明した。

特別措置は野球賭博や反社会的勢力との交際を禁じた野球協約第180条違反を対象としたもので、八百長による永久失格には適用されない。他の選手を賭博に誘い込むなど、情状が悪質な違反者も対象外となる。先月22日の巨人・高木京元投手の処分の際に同コミッショナーは「無期は処分時点でのもので、1年経過したのちに、コミッショナー裁量で有期にできると解釈できる」と示していた。この前提に立って「最下限」である「1年」に減らす条件も明確に示した。

「処分の日から1年間善行を保持し、野球賭博常習者や反社会的勢力と関係を持たないなど、改悛の情が顕著である」とコミッショナーが判断する必要がある。「無期=野球界からの追放」という固定観念を排除し、最短1年での復帰への道があることを明示することで、自己申告をうながすことが狙いとなる。

期間は6日から25日までで、日本野球機構(NPB)調査委員会の大鶴基成委員長は「20日間あれば十分検討し、周りの人にも相談して決めることができるだろう」と説明した。

同措置の実施に合わせ、NPB、各球団に情報提供窓口も設置する。匿名電話やメール等でも応じるもので、適用期間後も窓口は継続される。

「(特別措置は)協約の範囲内で、できるぎりぎりのところ。調査の徹底に資するもの、かつ選手の苦悩を解き放つのは何かというと、これしかない」と大鶴委員長。有害行為の根絶、そしてファンの信頼を取り戻す一手となりえるのか。注視していく必要がある。

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“ノーモア高木京”…巨人、選手らに特別措置を5日一斉周知へ[スポニチ]

特別措置の通知を受け、巨人の森田清司総務本部長は「コミッショナーの決めたことに従う。高木京は名乗り出たい気持ちと圧力に苦しんでいた。ああいう者を救うための措置と受け止めている」と語った。

5日に球団スタッフ、選手、首脳陣に一斉に周知するという。実行委では一部球団から「選手、スタッフにどう伝えるべきか」と伝達方法についての質問も出たというが、出席した幹部は一様に「一致して取り組んでいきたい」と話した。

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笠原元投手への聴取準備も…情報管理の面で“難航中”[スポニチ]

調査委の大鶴委員長は昨年11月に無期失格処分を受けた巨人・笠原元投手の聴取へ向けた進捗状況も明かした。

「担当の弁護士が連絡を取り合っている。(笠原側が)質問事項を明らかにして欲しいと。こちらも応じる準備をしたが、外部に漏らさないと約束していただいていない」と語った。さらに野球賭博常習者と調査委が認定した飲食店経営者B氏の聞き取りについては「(全容解明という点で)知っているとすればBさんだが、(担当の)弁護士さんに1度断られている。時期を改めて」と話すにとどまった。

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野球賭博問題“特別措置”は全容解明へ最後の一手「協約内でぎりぎり」[スポニチ]

プロ野球の熊崎勝彦コミッショナー(74)は4日、野球賭博問題の全容解明へ向けた調査を進めるため「自主申告」を促す特別措置を実施することを決めた。都内で開かれた実行委員会で12球団に通知し、了解を得た。6日から25日までの期間限定で実施される。期間内に野球賭博への関与を申告した場合、無期失格処分が下されても、1年後に真摯な反省が見られれば、1年間の失格に変更され、その時点で処分が解除される。

この特例措置は、スポニチ本紙評論家の張本勲氏ら各界の有識者の意見も聞き、コミッショナーが決断した。

調査委の大鶴委員長は「(野球)協約内でぎりぎり」と表現した「最後の一手」ともいえるものだ。捜査権のない調査に限界がある中、球界浄化へ向けて「何とかしたい」という意欲、実行力は評価されるべきだ。

一方で、その実効性も問われる。仮に賭博に手を染めていた者がいた場合、昨年から再三の球団の調査に「うそ」をついていたことになる。本来なら重くすべき処分が、1年で解除される道が残ることに違和感は残る。ただ、シラを切り通してきた者が今さら申告すれば、処分以上に厳しい社会的制裁を受けるだろう。選手の良心を前提としたともいえる措置に、ある球団幹部は「どこか(週刊誌など)に出るよりはいい」と苦しい胸の内をのぞかせた。

今回の時限措置が解けた以降に発覚した事実に対しては、厳格に対応すべきことも同時に示すべきだ。熊崎コミッショナーは「野球賭博を根絶したい」と強い決意を示す。「ある」ものを見つけるより「ない」ことを証明する方がはるかに難しい作業である。

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NPB、賭博自主申告で処分軽減、高木京前例に「言いやすい環境整える」[報知]

日本野球機構(NPB)の熊崎勝彦コミッショナー(74)が4日、野球賭博に関与した選手や関係者を対象に期間限定で自主申告を促す特別措置を12球団に通知した。関与を申告して無期失格処分を受けた場合、真摯に反省するなどすれば、野球協約上の最短期間である1年で処分が解除されるもの。6日から25日までの20日間限定で実施される。

野球賭博問題の全容解明に情熱を燃やす熊崎コミッショナーが、1つの決断を下した。事実上の処分軽減措置。すでに、“司法取引”の導入を検討していることを明かしていたが、この日、都内のNPB事務局で行われた12球団の実行委員会の席上で正式に通知。「この機会に野球界から有害行為を根絶したい」と語気を強めた。

背景には全容解明が難航している実情がある。野球協約では、野球賭博や反社会的勢力との交際を禁じる180条で無期か1年間の失格処分が定められている。昨年11月に巨人の元選手3人が無期失格処分を受け、3月に高木京介元投手(26)=3月22日付で1年間の失格処分=の関与が新たに判明した一方で、NPBの調査委の調査には限界がある。当事者からの申告を促すのが狙いだ。

熊崎コミッショナーは「仮に選手、職員等の関係者が有害行為をやっていた場合、現協約上、許される範囲内で言いやすい環境を整えてやることが必要」と説明。申告できずに野球賭博常習者との関係を断ち切れず、八百長行為などの働きかけを受けることを避ける狙いもある。

今回の特例は180条の無期失格を対象にしたものだが、他の選手等をプロ野球賭博に誘い込むなど、情状が特に悪質な場合は適用されない。また、177条の八百長による永久失格も適用外となっている。

NPBは自己申告及び情報提供窓口を設置し、12球団にも設置を依頼した。「今回の特別措置も含め、調査を徹底して行いたい」と熊崎コミッショナー。匿名電話やメール等でも応じ、特別措置の適用期間後も継続して設置する。

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野球賭博問題、自主申告で処分軽減[デイリー]

プロ野球の熊崎勝彦コミッショナー(74)は4日、野球賭博問題に関連して賭博関与の選手、関係者の自主申告に対して期間限定の「特別措置」の施行を12球団の実行委員会に通知し、了解を得た。

「特別措置」では、4月6日から25日の20日間に関与を自主申告して無期失格処分を受けた場合、その後の1年間で賭博常習者らと関係を絶ち、真摯な反省が見られれば失格処分の期間を1年間とすることが明示された。

熊崎コミッショナーは「協約上、許される範囲で言いやすい環境を作ってやるべきだ。また、この機会に有害行為を根絶したい固い決意に基づいたもの」と趣旨を説明した。

これまでも野球協約第77条および第180条の解釈で、無期失格処分を受けても1年間善行を保持し、改悛の情が顕著であると認められた場合には、コミッショナーが無期を1〜5年の有期にできる見解が示されていた。

今回の「特別措置」は、適用されれば処分最下限の1年間になるというもの。賭博常習者B氏らの協力を得られないなど全容解明への調査が難航する中、NPB調査委員会の大鶴委員長は「今の協約の範囲でできるギリギリのところ」と、最後の手を打った形だ。

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