ロッテが競り勝った。9回に1点差を追い付かれたが、2−2の延長10回1死満塁から途中出場の高浜の右前打と田村の2点適時打で3点を勝ち越した。日本ハムは大谷が8回4安打2失点と好投したが、打線が援護できなかった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | R | |
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千葉ロッテ | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 5 |
北海道日本ハム | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 3 |
緊張で少し足が震えたが、九州男児は自らを奮い立たせた。2−2の延長10回1死満塁。ロッテ高浜卓也内野手(26)は「何とかバットに当てよう」と決意した。直球を2つ見逃した後の3球目、日本ハム増井の甘いフォークを引っ張った。右前にライナーで運ぶ決勝打。球が速い増井に対し、あえて変化球を待った。「直球を狙って、低めの変化球を空振ることがあった。変化球に懸けました」と狙いが当たった。
プロ9年目で開幕スタメンを勝ち取ったが、3試合でベンチに逆戻り。復調のきっかけは、伊東監督がくれた。タイミングを取るのが遅いと指摘された。今カード初戦の15日にプロ初本塁打。右翼方向への強い打球を取り戻した。記念球はファンの好意で手元に戻った。佐賀の両親に贈るつもりだが、前日16日「ホームランどころじゃないです」と浮かぬ顔で打ち明けた。
熊本地震で佐賀市の実家も大きく揺れた。被害が広がっている大分にも親戚がおり、心配は尽きない。ただ、初アーチを地元の友人達が喜んでくれた。「連絡をくれて。僕の方が勇気づけられました。打って、みんなを元気づけられたら」と思いを口にした。
連敗を2で止めた伊東監督は「延長で脇役が貢献してくれた」。現役時、佐賀の武雄温泉で自主トレしていた。「佐賀の良さは行かないと分からない」と話す指揮官を、佐賀出身の高浜が喜ばせた。出場停止中のナバーロが23日に復帰。内野争いは激しくなるが、高浜は「ナバーロが出られないくらい頑張りたい」と熱かった。
ロッテ西野勇士投手(25)が救援に失敗した。
2−1の9回に登板。先頭松本を空振り三振に仕留めたが、次の田中賢に四球を出した。さらに中田には右前のポテンヒットを打たれ、1死一、二塁。ここで近藤に初球カーブを右前に運ばれ、同点とされた。なお1死満塁を招いたが、後続を断ち、サヨナラは許さなかった。
セーブが付く場面で失敗するのは、14年9月9日の西武戦以来2シーズンぶりだった。「(田中賢に)四球を出したのは自分のミス。警戒した訳じゃありませんが、1点差で四球は余計でした。最少失点でしたけど、苦しい内容でした」と、率直に反省していた。
ロッテ三木亮内野手(24)が勝ち越しの足がかりを作った。
2−2の10回、先頭で左中間二塁打を放った。そこから高浜の勝ち越し打につながった。もっとも、10回裏に三塁の守備で失策。1点を返されるきっかけも作ってしまった。試合後は「不甲斐ないです。打撃は良くても、キャラ的に守れないとダメ。反省です」と話していた。
ロッテ高浜卓也内野手(26)が決勝打を放った。
2−2の10回1死満塁で、日本ハム増井のフォークを右前に運び三塁走者をかえした。敵地でヒーローインタビューを受け、「弟が日本ハムにいるので、そっちの印象が強いと思いますが、僕の方が印象が強くなるように頑張ります」と話し、球場を沸かせた。
弟の祐仁内野手は日本ハムでプレーしている。
ロッテが連敗を2で止めた。
1点リードの9回、守護神の西野が同点を許したが、延長10回に3点を勝ち越した。
先頭の三木が二塁打で出塁。1死満塁となり、高浜が右前に勝ち越し打を放った。田村も2点中前打で続いた。その裏、守備のミスが重なり、1点を返されたが、松永、益田で逃げ切った。
伊東勤監督(53)は「しんどい試合だったけど…。西野は、よく同点止まりで抑えてくれた。ジェイソン(スタンリッジ)が、よく試合を作ってくれた」と、7回1失点の先発スタンリッジをねぎらった。
また、三木、高浜とも途中出場。伊東監督は「あの2人は、オープン戦からどっちかが打ったら、どっちかが打っていた。公式戦でも競争意識を持って挑んで欲しい」と話した。
ロッテは2回2死一、二塁の好機に、中村が右越え2点適時二塁打を放ち先制。3回にも無死満塁の好機をつくるが後続が倒れる。
日本ハムは5回2死三塁の好機に、西川が中前適時打を放ち、1点を返す。ロッテは6回1死一塁で田村が併殺に倒れる。
日本ハムは9回に近藤の右前打で同点に追いつき、延長に突入した。
ロッテが延長10回1死満塁から高浜の右前打で勝ち越し。さらに田村の2点適時打でダメ押し。連敗を2で止めた。
ロッテ中村奨吾内野手(23)が、日本ハム大谷から先制の2点適時二塁打を放った。
2回2死一、二塁で、大谷の外角高め157キロを流し打った。右翼フェンス上部直撃の二塁打で、2者をかえした。惜しくも本塁打とはならなかったが、「追い込まれていたので、何とかバットに当てて三振をしないようにコンパクトに振りました。最後、打球が失速してしまいましたね。でも、先制点につながってよかったです」と話した。
ロッテは17日、日本ハム6回戦(札幌ドーム)に5−3で競り勝ち、連敗を2で止めて首位を守った。同点に追いつかれた直後の延長十回に、佐賀市出身の9年目、高浜卓也内野手(26)が右前に決勝打を放ち、熊本地震の不安の中にある被災地を勇気づけた。また、日本ハム・大谷翔平投手(21)は8回2失点の力投も、これで3月25日のロッテとの開幕戦(QVCマリン)から4試合勝ち星なしとなった。
今季初のヒーローインタビュー。高浜が敵地、札幌ドームのファンをつかんでしまった。
「北海道では弟がお世話になっていまして、その印象が強いと思いますが、あの場面は僕の方にも向いてもらおうと頑張りました」。
日本ハムの実弟・祐仁内野手(19)を引き合いに、その存在をちゃっかりPR。同時に兄の威厳も示した。9回に同点とされた直後の10回1死満塁。9回の守備から途中出場した高浜は15日のプロ初本塁打から「中1日」で打席に登場。カウント1−1から、高めに浮いてきた増井のフォークボールを右前へ決勝打。同一カード3連敗の危機にあったチームを救い、そして首位を堅持する快音となった。
佐賀市出身。名門の神奈川・横浜高からの阪神入り(2008年の高校生ドラフト1巡目)だっただけに意外な印象だが、実はバリバリの九州男児。そして今回の「熊本地震」に心を痛めている1人だ。母方の親類が大分県に多く、被害が同県にまで広がっていることに「小さい頃に行った記憶しかないですが、母親に連絡して状況を聞いています」と、このときばかりは表情が険しくなった。
それでも、地元の仲間達がグループメールで高浜の活躍を報告しあい、「勇気をもらった」などの書き込みをみると高浜のテンションも上がる。「もっと活躍して元気を出してもらえたらと思います」。主役を上回る脇役たちの活躍が、ロッテの進撃を支えている。
熊本県出身の伊東監督は前日16日に「今すぐにでも飛んで帰りたい」と悲痛な胸の内を明かしていた。この日の試合前にも九州が話題になり、現役時代に自主トレを行っていた武雄温泉など「佐賀県」の名湯について語った。「何もないところですけど、いいお湯が出ますし、最高の場所。実際に行ってみなければ、そのよさは分かりません」。途中起用でヒーローになったのは佐賀市出身の高浜。確かに、出してみなければ、そのよさは分からない!?
守護神・西野が1点差の9回に同点に追いつかれたが、味方が勝ち越して今季初勝利。「何とか負けなくてよかったです」とわずかに笑みを浮かべた。2014年9月9日の西武戦で救援に失敗して以来、『セーブ機会登板での失敗ゼロ』を続けてきたが、途切れた。「今季点を取られていない(終盤の)リリーフ陣で、自分が最初に失点したのが悔しい」とこれには歯ぎしりだった。
ロッテの西野は2−1の9回を逃げ切れなかった。1死から田中賢を歩かせ、中田の中前に落ちる安打で一、二塁。続く近藤に右前に運ばれて追い付かれた。延長10回に打線が3点を勝ち越したことで、今季初勝利となった。
自己最多の34セーブをマークした昨季は、セーブ機会での失敗が1度もなかった。「久しぶりに失敗したが、負けが付いた訳ではない。切り替えて頑張ります」と淡々と話した。
ロッテは延長10回、高浜卓也内野手(26)の勝ち越し適時打で接戦を制し、連敗を2で止めた。
土壇場の9回に日本ハム・近藤の適時打で追いつかれ、2−2の延長10回、1死満塁で途中出場の高浜が増井のフォークボールを右前に運び勝ち越し。さらに田村の2点適時打で突き放した。
ヒーローインタビューで高浜は「何とかバットに当たるように大振りせず、ジャストミートしようと思いました」と第一声。1死満塁の好機に「ちょっと足震えてました」と振り返った。
伊東監督は熊本、高浜は佐賀出身で北海道の地から熊本地震の被災者を思いやった。
「親戚が大分にいるので、親と連絡を取ってまして、僕の活躍でもっともっと元気づけられたらいいと思います」と力強く話した。
ロッテが延長戦を制して首位を守った。2−2の延長10回1死満塁で、9回から一塁の守備に入った高浜が増井のフォークを右前に運ぶ決勝打。
「足が震えていた。絶対に打たれたくない場面で真っ直ぐは多くない。変化球に懸けた」と振り返った。伊東監督も「脇役が勝ちゲームに貢献した。バットに当ててくれると思った」と喜んだ。
高浜は佐賀県出身の9年目。地元の家族や友人、大分にいる親戚らは地震に遭い、不安な日々を送っている。15日の同カードでプロ初本塁打を放ったときも、地元の友人から祝福の連絡があった。「地元のみんなで盛り上がっていたらしい。自分が活躍して少しでも元気づけられたらいい」と話した。
23日のオリックス戦(QVCマリン)から出場停止中のナバーロが復帰する予定。新助っ人と内野の枠を争う高浜は「ナバーロが出られないくらい頑張りたい」と力強かった。
ロッテの中村が大谷撃ちで勝利を呼び込んだ。
2回2死一、二塁から日本ハム・大谷の157キロ直球をとらえ、右翼フェンス直撃の先制2点適時二塁打。4月10日の西武戦(QVCマリン)以来の適時打は、あと1メートルで本塁打という惜しい当たり。「何とかバットに当てて三振をしないようにコンパクトに振りました。最後、打球が失速してしまいましたね」と苦笑いした。チームは2−2の延長10回に勝ち越し、5−3で競り勝った。
ロッテが延長10回に勝ち越し、連敗を2で止めた。
先発・スタンリッジが7回4安打1失点。2勝目はならなかったものの、日本ハム・大谷との投げ合いで好投し「自分が描いていた通りに投げられた。守備の人も助けてくれた。低めにしっかり集めることができた」と振り返った。伊東監督も「ジェイソンが試合をつくってくれた。テンポが良かった」と話していた。
ロッテが延長戦を5−3で制して連敗を2でストップし、同一カード3連敗を免れた。2−2の10回、高浜と田村の適時打で3点を勝ち越して決着をつけた。
日本ハム先発の大谷を相手に、2回に中村があと数メートルで本塁打という右翼フェンス上部直撃の2点二塁打を放って先制。しかし5回に1点差に迫られると、土壇場の9回裏には3番手・西野が日本ハムの近藤に右前適時打を浴びて追い付かれ、2−2で延長戦に突入した。
それでも延長10回に三木の中二塁打から1死満塁の好機を築くと、途中出場の高浜が日本ハム3番手・増井の落ちる球を右前へ運び、3−2と勝ち越しに成功。鈴木が三振に倒れた後の2死満塁から田村も2点適時打で続いてこの回3点を奪うと、その裏は松永が1失点でしのいで勝利をものにした。
前日の試合前には「個人的には野球をやっている場合じゃないと思う。今すぐにでも飛んでいって何か手伝いたいというのが本音」と大きな地震が続く故郷・熊本県を思い、苦しい胸中を明かしていた伊東監督。指揮官の思いに応えた佐賀出身の高浜は親戚が大分県在住であることを明かし、「僕の活躍で元気になってもらえるか分からないですけど、もっと活躍して元気づけられたらと思います」とさらなる活躍を誓った。
ロッテが延長戦を制して首位を守った。佐賀出身の高浜が延長10回1死満塁、日本ハムの守護神・増井から決勝右前打。大谷から2点を奪いながら、9回に抑えの西野で同点にされる苦しい展開。途中出場の九州男児が逆境をはね返した。チームは連敗を2で止め、貯金を5とした。
高めのボールは絶対に逃さない。高浜の集中力は最高潮に達していた。9回から一塁の守備で途中出場し、最初に迎えた打席は、延長10回1死満塁。「何とかバットにジャストミートすることだけを考えていました」。高めに抜けたフォークを右前に運んだ。26歳の一打が連敗を2で止め、首位をがっちりキープした。
故郷は佐賀。今回の地震で実家には被害はなかったが、母方の親戚も大分にいるなど、心配を抱えながらプレーする。15日の同カード(札幌D)ではプロ入り9年目で初本塁打を放ち、故郷の仲間達も盛り上がったという。「佐賀も結構揺れたと聞いていますし、家族とずっと連絡は取っています。もっと活躍して元気づけてあげたい」。そう念じて、この日も出番を待っていた。
あわやサヨナラ負けの危機を乗り越えた。2回に中村が大谷から2点二塁打を放って試合を優位に進めたが、9回に守護神・西野が1死一塁から3連打で同点とされた。何とか延長に持ち込んだ直後の一打だけに、伊東監督も「脇役も勝ちゲームに貢献してくれた」と感謝の一言だ。
連敗を喫した16日夜、伊東監督が主催して札幌市内でチーム全体の食事会を開催し、カニ料理などに舌鼓を打った。熊本出身の指揮官も、80歳になる母親が車の中での生活を余儀なくされている。それでも「チームの状態はいい」とナインに語りかけ、いつもと同じように振る舞い、場を盛り上げた。
「しんどい試合だったが、連敗していただけに、どうしても勝ちたいという気持ちだった」と伊東監督。ビジター6連戦を4勝2敗で終え、貯金は5。団結したチームは、そう簡単に負けない。
ロッテの伏兵の一打が勝負を決めた。同点の延長10回1死満塁。9回から守備で出場の高浜が、日本ハムの抑え・増井が投じた高めのフォークを右前へ運び、決勝点をたたき出した。
「ちょっと足が震えていました」という緊張の打席。それでも頭は冷静だ。「変化球に頭があった。相手も打たれたくない。真っ直ぐは見せ球だろうと。そこに賭けました」と高めに浮いてくる変化球一本で狙っていた。
15日の3連戦初戦では9年目でプロ初本塁打。この日は連敗を止める殊勲打だ。「(北海道は)弟(祐仁)が日本ハムにいるので、その印象が強いと思いますけど、僕の方を印象付けようと頑張りました」とおどけた。
佐賀県出身の高浜。14日に発生した熊本地震に「親とはずっと連絡を取っています。大分には親戚もいる」と心を痛める。それでも「もっと活躍して元気づけられたら」と話した。23日からナバーロが復帰予定だが「ナバーロが逆に出られなくなるように頑張りたい」。九州の男らしく、力強い言葉で締めた。