ロッテが連敗を3で止めた。7−8の9回に清田の適時打で追い付き、1死満塁で代打井口が勝ち越しの2点打。さらに中村の3ランなどでこの回8点を奪った。楽天は抑えの松井裕が6失点と打ち込まれ、今季初黒星を喫した。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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千葉ロッテ | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 2 | 2 | 8 | 15 |
東北楽天 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | 4 | 1 | 0 | 8 |
両チーム合わせて23得点の乱打戦。勝負を決めたのは球界最年長野手の一振りだった。千葉ロッテの井口は8−8の9回1死満塁、代打で左前へ勝ち越しの2点打を放ち「みんながつないでくれて、何とかかえしたい気持ちだった」と胸を張った。
制球に苦しみ、直前に四球で満塁とした松井裕の初球、浮いた真っすぐだった。「甘い球が来たら打とうと思っていた。代打の時は見ていくんじゃなく、どんどんいく」と好球必打で仕留めた。
出番に備え、中盤以降はチャンスになると次打者席に立った。そのたびに気持ちを高める難しさにも「1番いい場面で使ってもらった。裏でずっと合わせているし、今日の仕事はあそこしかない」と事もなげに言った。
好調の救援陣が打たれる展開をはね返しての1勝。連敗を3で止め「今日は打線がカバーできた。明日以降もいい形でいければ」と視線を前に向けた。
千葉ロッテの中村が4安打3打点で勝利に貢献した。2四死球と合わせて全6打席で出塁。4得点とリードオフマンの役目を果たし「しっかりタイミングを取れている結果かなと思う」と手応えを口にした。
7回に左側頭部へ死球を受けたが「意識もはっきりしていた」と最後までグラウンドに立ち、9回にはダメ押しの3号3ランを放った。試合後に仙台市内の病院で検査を受け、骨に異常はなく左側頭部打撲と診断された。
ベテランと若手が融合し、ロッテが連敗を3で止めた。7−8の9回に打者14人で8点を奪い逆転勝ち。打線が計4度のビハインドを追い付き、最後に突き放した。9回の決勝打は、井口資仁内野手(41)。球界野手最年長が代打の一振りで2点を勝ち越すと、2年目の中村奨吾内野手(23)が3号3ランで続き、楽天の守護神松井裕をKOした。
とっておきの切り札の登場だ。9回、ロッテは清田の適時内野安打で追い付き、吉田が四球を選ぶ。塁が埋まり「代打井口」がコールされた。四球直後の初球、高く浮いた147キロだった。楽天松井裕の投手心理を見透かしたようなスイングで、左前へライナーで運んだ。2点を勝ち越し、塁上で大きくガッツポーズした。「ストライク3球、チャンスがある。代打の時はとにかく見るよりも、どんどん行くこと」と、王道の心構えを説いた。
隙のない準備があった。4回からベンチ裏で素振りを開始。出番に備えた。実は、三度目の正直だった。まずは6回1死一、二塁でネクストに立ったが、前打者の三振と三盗失敗の併殺で出番は回らず。9回も清田の打席でネクストに立ったが、同点に追い付き、いったん下がった。ただ、満塁となり、「気持ち的に1番良い場面」ですぐに再登場。出たり入ったりも「いつ呼ばれてもいいように。今日の仕事は、そこしかない」と頼もしかった。
そんな大ベテランの姿は、2年目の中村にとって「準備の仕方。ベンチでも声を出される。去年から見てました。今日は一発で決めた。集中力がすごい」と学ぶところが多い。7回に頭部死球を受けた中村も集中力を切らさなかった。井口に負けじと、9回には3ランを放ち計4安打3打点。痛みに負けないガッツに、井口は「気持ちで何があっても出て欲しいし、出ないといけない選手」と目を細めた。世代を超えた戦力が1つになり、打ち合いを制した。
ロッテが今季最多タイの18安打で15点を奪い、連敗を3で止めた。
8−8の9回1死満塁で代打の井口資仁内野手(41)が左前へ決勝の2点適時打を放った。楽天松井裕の初球を捉え、「甘い球を行こうと。チームの流れも来てました」と話した。
6回以降で14得点。伊東勤監督(53)は「こんなに後半打つなら、最初から打って欲しいね」と言いながらも、連敗ストップに笑顔だった。
ロッテ根元俊一内野手(32)が好調だ。
「9番一塁」でスタメン出場。第2打席までは凡退が続いたが、3−3の7回先頭で右中間二塁打を放ち出塁。デスパイネの左前打で一時勝ち越しのホームを踏んだ。
5−7の8回には、2死から右越えへ今季1号ソロ。終盤の逆転へ望みをつなぐ1発だった。
開幕は2軍スタートも、4月終盤に昇格。打率4割4分4厘とした。伊東勤監督(53)は「根元の1発で、また行けるという感じになった」と、8回のソロをたたえた。
ロッテ中村奨吾内野手(23)が試合後に仙台市内の病院で頭部の精密検査を受け、骨に異常なく左側頭部打撲と診断された。
7回に楽天福山の死球を頭に受けていた。その後もプレーを続け、フル出場。3号3ランを含む4安打3打点の活躍だった。試合後は「大丈夫です。(当たった瞬間は)衝撃はあったけど、(意識は)はっきりしてました」と話していた。
ロッテ井口資仁内野手(41)が9回、同点に追いついた直後の1死満塁で代打で登場。楽天の守護神松井裕から勝ち越しの左前打を放った。
「つないでもらって、いいチャンスをもらったので何とか返したかった。全員頑張っていたので。松井(裕樹)がいいピッチャーなので、初球から思い切っていこうと思っていました。連敗していたし、試合の流れも良くなかったのでいいところで1本打てて良かった」。
ロッテが1−3の6回に楽天ブリガムから2点を挙げ、同点に追い付いた。
まず無死一、三塁で、ヤマイコ・ナバーロ内野手(28)が中前打を放ち1点。
直後に二盗を試み、失敗したため「打ったのはツーシームかな。ヒットが打てたのはいいが、その後の盗塁死が…。そっちが悔しい。それだけ」と話した。
その後、1死一、三塁で、清田育宏外野手(30)が二塁適時内野安打を放ち追い付いた。
清田は21打席振りの安打。「打ったのはツーシームですかね。良く分からないです。とにかく必死に来た球に食らいついていきました。後は覚えてません。今日の練習中に監督にアドバイスをもらって、その前の打席も悪くなかったので、今は辛抱していきます。このヒットも微妙な感じでしたが、ヒットのランプがついて正直ホッとしています。このツキで何かが変わってくれたらいいですね」と話した。
ロッテ加藤翔平外野手(25)が「2番中堅」で今季初のスタメン出場となった。
前日は打線がつながらず、今季初の3連敗。打線の組み替えを予告していた伊東監督は、この日の試合前、「ちょっと入れ替えます。(加藤は)ファームでは打っている。上で出せるかどうか。今までと違う姿を見せて欲しい。連敗しているから、チームのきっかけになってもらいたい」と期待した。
ロッテは5日、大乱戦となった楽天8回戦(コボスタ宮城)を15−8で制し、連敗を3で止めた。1番に起用された中村奨吾内野手(23)が4安打&3打点の活躍。7回に頭部直撃死球を受けた後も出場を志願し、9回にトドメの3号3ランを放った。中村は2試合連続の猛打賞。早大で主将を務めた2年目のエリートがいよいよ、本領発揮だ。
♪奨吾、奨吾、中村奨吾…で始まる応援歌。その期待に、男は根性で応えた。
「痛かったし、衝撃もありましたけど、自分から代わるつもりはありませんでした」。
7回無死二塁。送りバントの構えに入ったところへ、福山の142キロの速球が左側頭部を直撃した。騒然とする球場。ベンチから伊東監督も飛び出したが、中村は頭を振りながら立ち上がった。すぐに一塁へ歩きかけ、周囲が慌てて止めるほどだった。
志願の出場続行−。チームはこの回に勝ち越し、追いつかれた直後の8回に中村は左前打から二盗を決め、再度同点のお膳立て。極めつけは九回、楽天にトドメを刺す3号3ランだ。
6打席、全て出塁の4安打&3打点(2四死球)で2試合連続の猛打賞。同一試合で頭部死球の後に本塁打を放つ球団史上初の選手となった。
「頭に当てられたのは(人生)初。でも大丈夫ですよ。好調の要因?長くボールを見られるよう左足を早めに上げ、ゆっくりと降ろすタイミングを意識してます」。
普段は寡黙な男。気配すら感じないこともある。伊東監督は「もっとガツガツしたものが欲しい」とこぼすほどだが、ナバーロの新加入で変わった。出場停止が明けて1軍に加わったナバーロが二塁に座ると、それまで死守していた中村が三塁へ配転。危機意識が高まった。頭部死球ぐらいでベンチに退くことは、中村の辞書にない。
試合後、仙台市内の病院で検査を受けた結果、「左側頭部打撲」の診断。6日のオリックス戦(QVCマリン)は当日の様子をみて出場を決める。「気持ちが大事。何があっても出続けなきゃいけない選手だからね」。中村の姿に決勝打を放った井口も心を打たれた。新旧の熱い男達が、チームの連敗を止めた。
1番に起用された中村奨吾内野手(23)が4安打&3打点の活躍。7回に頭部直撃死球を受けた後も出場を志願し、9回にトドメの3号3ランを放った。中村は2試合連続の猛打賞。早大で主将を務めた2年目のエリートがいよいよ、本領発揮だ。
プロ2年目を迎えたドラフト1位入団の中村だが、新人だった昨季は同2位の京大卒・田中が話題を独占。陰に隠れた存在だった。「僕は静かな方がいい。英祐(田中)には悪いですけど、露出は彼に任せます」。そんな中村も1度だけキレた。ある野球誌に「ドラフト1位・田中英祐」の表記をみつけたときだ。「あれはさすがにカチンときました。あの間違いはないですよね。1位は自分ですよ」。いま明かされる『ドラ1はオレだ事件』でした。
9回に同点とし、なお1死満塁で代打・井口が決勝の2点中前打。松井裕の初球の147キロを一振りで仕留めた。「3球あるストライクを狙っていた。準備はできていたし、監督も1番いい場面で使ってくれた」。愛娘の琳王(りお)さん(15)の話題は「どこかに遊びに行っているでしょう」とかわしたが、「いいプレゼントになりました」と最後にパパの顔をみせた。
ロッテの中村が4安打3打点で勝利に貢献した。2四死球と合わせて全6打席で出塁。4得点とリードオフマンの役目を果たし「しっかりタイミングを取れている結果かなと思う」と手応えを口にした。
7回に左側頭部へ死球を受けたが「意識もはっきりしていた」と最後までグラウンドに立ち、9回にはダメ押しの3号3ランを放った。試合後に仙台市内の病院で検査を受け、骨に異常はなく左側頭部打撲と診断された。
ロッテ・涌井秀章投手(29)が、7回途中7安打5失点に終わり、開幕6連勝はお預けとなった。
涌井は2回に先制点を許すと、同点の4回にはウィーラーに勝ち越し弾を献上。それでも打線の奮起で7回に5−3と逆転し、涌井に勝利投手の権利が。しかし、7回1死一、二塁のピンチをつくってしまい、112球でマウンドを降りた。その後2死満塁の場面で3番手の益田がウィーラーに満塁本塁打を浴び、涌井は勝ち負けつかずとなった。
今季初の3連敗。主砲のデスパイネが6号ソロを含むチーム全3打点を挙げたが、伊東監督は「調子を落としてきている選手が一気に出てきた。チャンスもそういう選手のところに回ってくる」と渋い表情。特に頼みの清田が18打席連続無安打(2四球)。指揮官は「こういうときもある。何とか手を打って(連敗を)止めるしかない」とさらなる打順の組み替えを示唆した。
その瞬間、ロッテ・中村は打席付近で倒れ込んだ。7回無死二塁、送りバントを試みた打席で142キロ直球が左側頭部を襲った。死球を与えた楽天・福山は危険球退場の処分を受けた。だが、中村はすぐ立ち上がり「痛みも衝撃も少しあったけど大丈夫だった。体調が悪くなったら代わろうと思ったけど、気分が悪くなかったので代わる気はなかった」とフル出場した。
死球を受けてもバットは止まらなかった。8回に3安打目となる左前打を放つと、1点を追う9回に10−8と逆転し、なお1死一、二塁で松井裕からダメ押しの左越え3号3ラン。「しっかりタイミングが取れている。ボールが長く見えるように早めに足を上げてゆっくり下ろすのを心掛けている」と胸を張った。
危険球退場となる頭部死球を受けた後に本塁打を記録したのは、球団史上初。08年5月7日には現監督の阪神・金本が巨人戦(東京ドーム)で記録している。中村もまさに「鉄人」級の働きだ。試合後にベンチ裏で謝罪に訪れた福山に笑顔で対応し、念のため仙台市内の病院に向かい「骨に異常なく左側頭部打撲」と診察された。プロ2度目の4安打を放った2年目の23歳は、この楽天3連戦で12打数8安打と大当たり。打率を.231から一気に.282まで上げた。
8点を奪った9回の攻撃は約30分間続いた。コボスタ宮城の左翼後方にある観覧車が5周するほどの猛攻。今季最多タイの18安打を放ち連敗は3でストップした。伊東監督は「あんなに打つなら最初から打て」と笑い「よくひっくり返してくれた」とねぎらった。
ロッテの唐川が、6日のオリックス戦(QVCマリン)で今季初先発に臨む。
今季はイースタン・リーグで6試合に登板し4勝1敗の防御率3.55。昨年8月15日のオリックス戦(京セラドーム)以来の1軍登板となる右腕は「今季初登板ですが気負わず、昨年の秋からやってきたことを出すだけ。楽しみにしています」と気持ちを高ぶらせた。チームは5日の楽天戦(コボスタ宮城)で連敗を3で止めた。唐川もいい流れに乗っていきたいところだ。
ロッテが楽天の守護神・松井裕をKOして逆転勝ちし、連敗を今季最長の3で止めた。決めたのは41歳の代打・井口だった。8−8の9回1死満塁から、松井裕の初球、147キロ直球を振り抜き左前2点適時打。塁上でベンチに向かって両拳を突き上げた。「甘い球が来たら打とうと思っていた。今まで投手に頑張ってもらったけど、打線がカバーできた」と振り返った。
左腕・松井裕との対戦のため、伊東監督は前の打席で本塁打を打っている根元に代えて井口を送り出した。「勝負だと思った。代打のひと振りで決めた。こういうときのベテランですね」と指揮官。4安打3打点をマークした23歳の中村も「前半はベンチで声を出して、試合に出たら一発で仕留められる集中力は凄いなと思う」と敬意を表した。今季初スタメンの2番・加藤は3安打2打点をマークし、代打・井口は決勝打。伊東監督の采配が見事に当たった。井口は「また明日以降いい形で行けたら」と球場を後にした。
ロッテは9回に8得点を挙げ、15−8で楽天に逆転勝利を収めた。
9回、同点に追いつきなおも1死満塁の場面で代打井口が勝ち越しの2点適時打を放った。殊勲打に井口は「初球から思いきっていけた。みんながつないでくれていい形で打席に入れた」と振り返り、6日からのホームでのオリックス3連戦にも「勝ちますよ」と力強く宣言した。
この日はこどもの日、頼もしい大ベテランはスタンドの子供達に「プロ野球選手を目指して頑張って」とエールを送って喝采を浴びていた。
とどめを刺したのは不死身の男・中村だった。2点リード9回1死一、二塁。松井裕のオール直球だった6球目を、左翼席へ運んだ。「しっかりタイミングが取れている結果だと思います」。ダメ押しの3号3ランで相手守護神をノックアウト。9回、打者14人の猛攻で8得点の逆転勝利に貢献した。
実は先にKOされそうになったのは中村だった。7回無死二塁、送りバントの構えに福山の直球が左側頭部を直撃。球場は悲鳴に包まれ、トレーナーが駆け寄った。しかし、しばらくグラウンドに突っ伏した後、当たり前のように一塁へ歩き出した。普通なら交代で病院直行だが2年目の23歳は「衝撃もあったし少し痛みもあったけど、意識もはっきりしていたし気分も悪くなかったので」と試合に出続けた。
8回に左前打を放ち、9回に試合決める一撃。全6打席で出塁し、プロ2年目で2度目の4安打に2盗塁。念のため試合後に仙台市内の病院へ向かい骨に異常なく、打撲と診断されたが、まさに大当たりの日だった。
尊敬する先輩に続いた。同点とした直後の9回1死満塁。代打・井口が左前へ勝ち越し2点打。「1番いい場面で使ってもらった。今日の仕事はここしかない」と初球を一振りで仕留めた。その後、気落ちした松井裕を打ち砕いた23歳は「試合前半は声を出して盛り上げてくれるし、集中力がすごい」と球界最年長野手の41歳を追い続ける。
両チーム合わせて23得点の乱打戦をロッテが今季最多タイ18安打で制し、連敗も3でストップ。主導権を握られながらも3度追いつき、最後に若手とベテランが融合しねじ伏せた。
頭部死球をものともしないロッテ・中村の執念が大逆転劇を呼び込む。「衝撃も痛みもあったけど、自分で代わるつもりはなかった」。同点の7回に頭部死球を受けながら出場を続けた中村。そして迎えた1点を追う9回だ。
同点としてなお1死満塁から代打・井口が左前へ勝ち越し2点適時打。続く中村が左翼席への3ランを放つ。同点に追いつくこと4度という乱戦が、決着を見た瞬間だった。中村は前日の3安打に続き4安打3打点。頭部死球後に本塁打を含む2安打を記録するなど、勢いは止まらなかった。
「準備の仕方を去年の試合に出られない時から見ていた。集中力もすごい」とベテラン井口の背中に刺激を受け続けてきた中村。決勝打の井口も若武者の体を気遣いながら「気持ちで何があっても出て欲しい選手」と賛辞を惜しまない。
試合後には仙台市内の病院で検査を受け、骨に異常なく左側頭部打撲と診断された。逆境をはね返しての連敗脱出に「中盤の(打線の)粘りは見事だったね」と伊東監督も目を細める。再進撃へ、大きな勢いを得た。