オリックスが快勝。金子が8回4安打無失点で2勝目。2回にT-岡田の3号ソロで先制。3回に西野の適時打で1点、8回にはモレルの2ランなどで3点を加えた。ロッテは中盤の好機を逃し、唐川を援護できなかった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
オリックス | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 5 |
千葉ロッテ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
千葉ロッテ打線は今季4度目の零敗。8回まで登板した金子を攻めあぐねた。伊東監督は「配球パターンは分かっていたが、ここというところのチェンジアップを打てなかった」と振り返った。
2点を追う6回。1死から中前打を放った加藤が好走で二塁を陥れ、中軸へ。しかし角中が二ゴロ、デスパイネの四球を挟んでナバーロが右飛に打ち取られた。8回は2死一、三塁で4番デスパイネが三ゴロに倒れた。
開幕から1ヶ月以上過ぎた5月に、千葉ロッテの唐川がようやく今季初登板を果たした。7回を被安打5の2失点。伊東監督から「切れ、制球、テンポも非常に良かった。十分、先発としてやっていける」との賛辞を引き出した。
2回、1死からT−岡田に右翼席上段へ運ばれた。「球種の選択ミス」と当人が話す初球のカーブを捉えられた。「調子のいいバッター。打たせると、チームが乗ってくる」と反省した。3回は先頭の伊藤に右前打を許すと、送られて西野に中前適時打を浴びた。
昨季は5勝に終わり、1軍登板は8月中旬が最後だった。直後から巻き返しに取りかかっていた。5キロ増の体重アップを図り、右肘をそれまでより下げて投げることもあった。「ボールの質を上げる」ために、試行錯誤を重ねてきた。
この日は、序盤から力強い速球を捕手吉田のミットに投げ込んだ。雨が降る中、最速146キロを計測。130キロ台がほとんどだった昨季には見られなかった光景。直球が走り、ストライク先行でイニングを刻んだ。
2008年に成田高から入団した右腕も近年は振るわない。信頼をマウンドで愚直に取り戻すしかない立場にある。「やってきたことを出せた」と唐川はうなずいた。打線の援護がなく白星はお預けだったが、今後に光の差す88球だった。
今季初先発のロッテ唐川侑己投手(26)が、相手エースの金子と高レベルの投手戦を演じた。
強い雨が降り続き、足もとが緩い中での投球。「立ち上がりスッと入れたのが良かった」と最速146キロの直球で押した。カーブのブレーキ、カットボールの鋭利さも申し分なく、制球と両立させた。
悪条件で高い技術が際立った。美しい軸を作り、下半身から指先まで順序よく力を伝えた。「直球の質を上げるつもりで昨秋からやっている。やっている事が出せた。テーマ通り。道中は腕を下げたり、色々と。体の使い方が良くなっている。スピードは体の使い方」。力任せに腕を振るのではなく、振られているようなスムーズさが際立った。金子のフォームもさすがの美しさで、制球が抜群。ぬれながらでも観戦する価値が十分にある投げ合いだった。
体重を5キロ増やした。「スピードに反応して、体の刺激、衝撃が強くなる」と、理にかなった増量を強調した。2回、T−岡田に喫したソロは初球のカーブで「球種の選択。キャッチャー(吉田)と話しました」と反省し、「心身のいい準備をしっかりして次につなげたい」と締めた。
伊東監督は「見事なピッチングをしてくれた」と唐川を褒めた。試合前は「後先を考えず、どんどん自分のボールを投げ込んでくれ」と送り出していた。「コントロールにテンポ。真っ直ぐもキレがいい。久しぶりに見た。手応えをつかんだと思う」と、期待通りの7回2失点を評価。「十分、次も期待できる。先発でやっていける」とつなげた。涌井、スタンリッジ、石川に唐川。右の実力者4枚がローテで安定稼働すれば、安定した戦いを展開できる。
ロッテのマスコット、マーくんが出場1500試合を達成し、試合前に表彰を受けた。
温厚な性格で動作もゆったりとしており、子供達に人気がある。記念のコアラのマーチを手に記念写真に収まった。
ロッテは、5月8日(日)の母の日にQVCマリンで行われるオリックス戦を「母の日ガーナスペシャルデー」として、様々なイベントを行う。
メッセージボードの配布、限定コラボグッズの販売、フォトスポット撮影会などが、球場各所で実施される。
主将の鈴木大地内野手(26)は「今年の母の日は、ガーナチョコとコラボした様々な企画を行います。一緒に、お母さんへの日頃の感謝を込めたイベントに参加ください」とコメントした。
昨年の甲子園を沸かせた両軍のドラフト1位野手がそろってスタメン出場した。
ロッテ平沢大河内野手(18)は「2番遊撃」で出場し、中堅フェンス直撃の三塁打を含む2安打。
右肘の違和感が回復した楽天オコエ瑠偉外野手(18)は「1番中堅」で無安打も、患部をかばう様子もなく元気にフル出場した。
平沢は「まずはファームで3割を目安にして。率を残していければいい」。オコエは「投げ方に問題があった。集中して(改善)できた」と、ともに前向きに話した。
今季初先発の唐川は黒星を喫したが、7回5安打2失点と好投した。昨秋から、リリースの瞬間に右肘の位置をこれまでより下げる新フォームに着手。「やってきたことが出せたと思う」と手応えを口にした。最速は146キロを計測。伊東監督は「146キロを久しぶりに見た。先発として、十分にやっていける」と今後に期待した。
ロッテの唐川が今季初登板で先発して7回2失点と安定した投球を見せた。援護がなく黒星を喫したものの、昨秋から強化してきた速球は140キロ台後半に達し「ファウルも打たせられたし、打者を押し込めた」と手応えをにじませた。
反省が残ったのは好調のT−岡田に許した2回の先制ソロ。初球のカーブを打たれ「球種の選択ミス」と悔いた。完璧な投球とはいかなかったが、伊東監督は「ボールの切れや制球、テンポが良かった。十分先発としてやっていける」と合格点を与えた。
ロッテは6日、「母の日ガーナスペシャルデー」として、8日のオリックス戦(QVCマリン)で特別イベントを開催すると発表した。詳細は以下の通り。
今季初先発のロッテ・唐川が7回5安打2失点と好投した。
昨年8月15日のオリックス戦(京セラドーム)以来の登板となった右腕は、最速146キロの直球で押し込み「真っ直ぐでファウルを取れた。投手優位で進めた」と手応えを口にした。伊東監督は「見事な投球をしてくれた。先発として十分やっていける」と話し、先発争いに加えることを明言。打線はわずか4安打で今季4度目の零敗を喫したが、投手陣には明るい材料となった。
ロッテは今季4度目の零敗を喫した。そんな中、唯一のマルチ安打をマークし気を吐いたのが2番・加藤だ。4回に「追い込まれてからうまく拾えた」と、金子のチェンジアップを右前打。6回にも中前に打ち返すと、中堅・駿太がゆっくり返球する間に二塁を陥れた。「センターが下がって取るのが見えた。常に先の塁は狙っている」と話した。
前日6日の楽天戦(コボスタ宮城)で今季初先発すると、いきなり猛打賞をマーク。2試合連続のスタメンで計9打数5安打と結果を残した。それでも25歳は「まだ2試合なので、切り替えてやる」と話し、試合後にはバットを持って居残り練習に向かった。
復活を期し今季初めて1軍登録され、オリックス戦に先発したロッテ・唐川侑己投手(26)は2回、T−岡田に初球カーブを右翼スタンドに狙い打たれ、3回にも西野に中前適時打で2失点。最速146キロと球威を増す変身投球も援護がなかった。
結局この2点で7回5安打88球で降板したが、球に威力が出て、涌井、石川、スタンリッジ、二木に続く先発ローテに加わる可能性が出てきた。
ロッテは8日のオリックス戦(QVCマリン)を「母の日ガーナスペシャルデー」と題して様々なイベントを開催する。
まずは母の日メッセージボードを来場者に配布。そして、「ガーナ母の日マリーンズコラボグッズセット」を360セット限定販売。さらに、母の日ガーナフォトスポット撮影会を実施。母への感謝の気持ちを書いて写真を撮り、SNSでシェアをすると先着500人にガーナミルクをプレゼント。
また、「デコガーナ」を作ってプレゼントする企画も用意している。マリーンズキャラクターとの撮影会も行う。鈴木主将は「一緒に、お母さんへの日頃の感謝を込めた様々なイベントにご参加ください」と呼びかけた。
ロッテは、5月8日のオリックス戦(QVC)を「母の日ガーナスペシャルデー」として開催すると6日、発表した。
母親への感謝の気持ちを書き込むボードを配布、写真スポットを設置するなど、母の日にちなんだ様々なイベントを用意。主将の鈴木は「5月8日の母の日は、ガーナチョコとコラボした様々な企画を行います。一緒に、お母さんへの日頃の感謝を込めた様々なイベントに参加ください」と来場を呼びかけた。
ロッテ・唐川に笑顔こそなかったが、言葉の端々に自信がのぞいた。「(秋から)ずっとやってきたことを出せたかな。手応えはあった」。今季33試合目にして巡ってきた初登板初先発で7回を被安打5で2失点。結果を出したが、打線の援護が得られず、黒星が付いた。
それでも伊東監督が「久しぶりに見た」というように、MAX146キロを計測し、140キロ中盤の速球を連発した。打者に向かっていく姿勢があった。
今キャンプは2軍暮らしだった。右腕を下げたフォームを試したり、体の使い方を徹底的に研究。体重も昨年の同時期と比べ5キロ増の85キロとなり、ボールの威力も増した。「見事な投球だった。ボールの切れ、コントロール、そして間合いと十分期待できる」と指揮官。首位戦線で粘るロッテに頼もしい男が戻って来た。
ロッテの快進撃が続いている。
5月4日に今季初となる3連敗は喫したものの、5日の試合では打撃戦を展開し、9回に一挙8得点を奪って逆転勝ち。これまで、18勝13敗1分でソフトバンクに次ぐ2位につけている。
エース涌井秀章を軸に防御率3.50と安定した成績を残し、打線もデスパイネを主軸に据え、わきを固める角中勝也、清田育宏、キャプテンの鈴木大地が存在感を示し、若手の中村奨吾らが躍動しているのだ。
そんなロッテの戦いで目につくのが「走塁力」だ。リーグトップタイの27盗塁に加えて、相手のスキを突く好走塁を見せている。
例えば、4月26日の西武戦だ。
ロッテは4回表、デスパイネの2点本塁打で逆転に成功すると、したたかな攻撃を仕掛けた。
5番・角中が中前安打で出塁。続く6番・ナバーロが左中間を破る長打を放つと一走の角中が長躯ホームイン。1死三塁となって田村を迎えた場面では、田村は遊撃手の後方へフライを打ち上げたが、三走のナバーロがタッチアップから生還したのである。
定位置なら遊撃飛球だ。しかし西武が前進守備を敷いていたため、遊撃手の金子が背走してキャッチ。ナバーロは金子の態勢を見て、タッチアップで本塁を奪ったのだ。
数字には表れない走塁での2つの得点。
この得点こそ、今季のロッテの戦いの象徴といえる。「2つ目の走塁はナバーロの判断。こっちもハーフウェーではなく戻ってきてくれと思っていたけど、ナバーロが自分で戻ってきてタッチアップの姿勢に入った。ホームに背中を向けた遊撃手が捕球したんでね、捕球態勢が悪かったからホームを奪えると思って突っ込んだんでしょう」。
そう語ったのは千葉ロッテの三塁ベースコーチを務める清水雅治である。
伊東勤政権になってから、ロッテの走塁をつかさどる名コーチだ。
清水コーチは「好走塁は選手の判断。僕の力ではない」と謙遜するが、彼の就任以降、ロッテの走塁は「当然の走塁」の基準が年を追うごとに高くなっている印象だ。
角中は4回表の自身の走塁を「当然の走塁。僕が打者であの打球を打って、一塁走者が還ってこなかったら怒りますよ」と語っているが、それがチーム内に流れている走塁への意識といえるだろう。
清水コーチは走塁がもたらす、チームへの影響をこう語る。
「バッターが打つこと、ピッチャーが抑えることに、みんなの意識は働くけど、ディフェンス、すなわち、バッテリーを中心とした守りが上がるとチーム力は自ずと上がっていくんです」。
あまり語られることはないが、好走塁と高い守備意識は表裏一体でつながっている。おしなべて、走塁がうまいチームは守備力が高いものだ。
なぜなら、隙をつく走塁を心掛けるから、守備の際は自ずと隙を作らないように心掛けるものだし、また逆もいえ、隙のない守備を心掛けるから、攻撃に移った時、その隙が透けて見えるのだ。
さらに、ロッテの走塁では先の塁を狙う意識が徹底されているが、その状況判断力も見逃せない。
清水コーチはいう。
「相手の守備陣形や状況については意識するように常に言っています。ナバーロの走塁であったように、相手の守備態勢1つ、打球の高さ1つ。その違いをしっかり見て走るようということです。今年はコリジョンルールなどもあって、より積極的にはなっているかなとは思いますね」。
コリジョンルールの影響については今さら言うまでもないが、守備の態勢に加えて、「打球の高さ」という言葉が出てきたのは驚きだ。
この「高さ」というのは、フライが飛んだ際の高さについてのことである。ロッテでは、打球の高さでも、走塁の判断材料とされているのだ。
清水が解説する。
「高さとはフライのとんだ高さのことです。ドーム球場ではそうでもないですが、屋外の球場で高いフライが飛んだ時、野手がそれを捕球して、勢いをつけて送球に入るのって難しいんですよ。風があるし、高いフライだと合わせられない。僕はそれができる外野手をほとんど見たことがない。だから、高いフライの時はどんどん先を狙わせますね。今季、細谷がそのケースで還ってきたことがありました」。
4月13日、Koboスタジアム宮城で行われた対楽天戦でのことだ。
3回表、無死1、3塁の場面でデスパイネが中堅定位置前への飛球を放った。このときの三塁走者が細谷で、デスパイネのフライが高く上がると、タッチアップの態勢をとったのだ。当然、楽天の中堅手・福田もホームに送球する準備に入ったのだが、高いフライであったため、うまく合わせることができなかったのだ。
この試合は1点差で勝利。決勝点ではないが、こうした些細な走塁の積み重ねが数字に見えない大きな力としてロッテの快進撃を支えているのだ。
5月に入って3連敗を喫したロッテは、GWの戦い方次第で転落する可能性もあった。しかし、先述したように5日の楽天戦では、追いつ追われつの展開をしながら15−8で制した。
楽天の8得点中7点がホームランたったのに対し、ロッテがホームランで得点したのは、9回表、中村が左翼スタンドに放り込んだダメ押しの3点のみだった。
決勝タイムリーは1死満塁から代打井口の左翼適時打だった。この際、二走の清田も本塁を駆け抜けている。ロッテナインからしてみれば「当然の走塁」だが、その積み重ねが大量15得点を生んだことを忘れてはいけない。
セカンドから1本で生還する、1塁走者なら単打1本で三塁を陥れる、長打なら生還する。
相手の守備陣形から守備の態勢までを考えて得点を狙う。
さらに清水コーチはいう。
「走塁というのは1人でも抜けたプレーをすると蔓延するんです。今季は今江が移籍してポジションが1つ空きました。中村や細谷ら、何とかレギュラーを取りたいと高い意識を持って取り組んでいる。そんな中でナバーロにいい走塁が出た。外国籍選手がただ打つだけでなく、そういう走塁を見せるとチーム全体が引き締まるんですよ。いい流れができている」。
リーグトップの打率を誇る西武が最下位タイに沈んでいるのに対して、ロッテは、チーム打率がリーグ4位ながら、得点はリーグトップを誇り、リーグ順位は2位につけているのだ。
いかにロッテが質の高い攻撃を仕掛けているか。
「走塁力」こそ、今季のロッテの強さを支えている。