クールな大盤振る舞いだ。ロッテは20日、来場者へのロッテアイス計10万個、無料配布を決めた。対象は、7月から8月第1週までのQVCマリンで主催する12試合のうち、7月13日をのぞく11試合。山室球団社長は「冷たいアイスを食べながら、熱き心で戦うマリーンズの熱い、熱い野球を見に来てもらいたいと思います」と意気込んだ。
ファンへのお礼を込める。交流戦期間中のホーム9試合の観客動員は、前年比112%とアップ。1試合平均2万3030人を集めた。その後押しもあり、勝率は12球団2位。24日からのリーグ戦再開に弾みを付けた。10万個の内訳は、クーリッシュ(希望小売価格、税抜き130円)1万5000個に、ジェラートマイスター(同240円)8万5000個。単純計算すれば、総額2235万円の太っ腹企画となる。
反応したのが、角中だ。「7月は暑くなると思いますので、ぜひアイスを食べながらのご観戦をお勧めします」と呼び掛けた。実は、故郷の石川は日本一のアイス消費を誇る。総務省統計局の家計調査(13〜15年平均)では、石川県金沢市は全国トップの年間1万600円を「アイスクリーム・シャーベット」に支出。首位打者爆走中のバットマンは「子供の頃から食べてます。箱入りの小さいアイスも含めたら、年間500個は行きますね。元気の源です」と豪語する筋金入りのアイス党だった。ちなみに、お気に入りは、雪見だいふく。白星みたいで縁起もいい!?
ロッテは20日、交流戦ホームゲーム9試合での観客動員が前年比112%となったことを発表した。
9試合計で20万7269人(1試合平均2万3030人)だった。昨年は、合計18万4636人(1試合平均2万515人)。なお、交流戦を含めた今季35試合経過時点でのQVCマリン観客動員は合計73万1429人(1試合平均2万898人)で、前年比122%となっている。昨年の35試合経過時点は、合計59万9382人(1試合平均1万7125人)。
山室晋也球団社長は「昨年の交流戦が週末開催が2カードあり、今回が1カードであったことを考えると、とてもありがたい数字です。要因としては交流戦2位とチームが好調な事が1番。交流戦ではホームで7勝2敗と大きく勝ち越すことができ、ファンの方も喜んでもらえたと思います。また、女性ファンをターゲットにしたスーパーレディースデー。地元・千葉への思いを込めたALL FOR CHIBAデーでの来場者へのユニホーム配布。月1回のファン感謝デーをテーマに行うマリンフェスタの日も今季シーズン3度目のチケット完売の満員札止めになるなど、ファンの方にマリンフェスタを認知していただき、定着していただいていることにも手応えを感じています。また、交流戦前日に発表をした交流戦ポスターも非常に話題となり、いい後押しになったのではないかと思います。非交流戦士マジワランのロケットパンチが効きましたかね(笑)。交流戦明けもさまざまな企画で攻め、もっともっとお客さんに球場に来てもらい、楽しんでもらい、選手を後押ししてもらうことで逆転優勝に向けて盛り上がって行けたらと思います」とコメントした。
プロ野球ロッテは20日、交流戦を12勝6敗の2位で終えたファンへの「応援感謝」として、7月2日のオリックス戦から8月4日の日本ハム戦の主催11試合(QVCマリン)で親会社のアイス10万個を、史上初めて来場者に無料配布すると発表した。
内訳はクーリッシュ1万5000個(130円)、ジェラートマイスター8万5000個(240円)で、分配方法に関しては調整中。特に交流戦は本拠地で7勝2敗と圧倒。単純計算で2235万円の大盤振る舞いとなる。
企画した元銀行マンで“マリンの半沢直樹”と呼ばれる山室球団社長は「昨年から掲げるマリンをお菓子の球場にしたいというプランの一環。冷たいアイスで、さらに熱くチームを応援していただきたいです」とコメント。一方、年間500個のアイス消費を目標とするクールな首位打者、角中も「ボクの元気の源。7月は暑くなるので、ご観戦にアイスはおススメです」とPRした。
ロッテは20日、交流戦の主催9試合での観客動員が前年比112%になったと発表。動員数は合計20万7269人で1試合平均は2万3030人だった。
プロ野球ロッテは20日、交流戦ホームゲーム9試合での観客動員が前年比112%になったと明らかにした。戦績も7勝2敗と圧倒した。
交流戦を含めた今季35試合経過時点でのQVCマリンの観客動員は合計73万1429人で、1試合平均は2万898人で前年比122%となっている。ちなみに、2015年(35試合経過時点)は合計59万9382人で、1試合平均は1万7125人だった。
群馬出身のロッテ・細谷も初の凱旋試合に臨む。
太田商では「群馬のゴジラ」と呼ばれた11年目の28歳は「少年野球の子も見に来ると思うので、全力プレーを見せたい」と話した。規定打席に到達していないものの、打率.298と好調をキープ。高3夏の群馬大会決勝で敗れた思い出の球場で高橋光との「同郷対決」となり「2人で一緒に群馬を盛り上げたい」と意気込んだ。
ロッテは20日、7、8月に本拠QVCマリンフィールドで行われる主催試合のうち、11試合でアイス計10万個を来場者に無料配布すると発表した。
7月2、3日のオリックス2連戦、同5〜7日の西武3連戦、同29〜31日の楽天3連戦、8月2〜4日の日本ハム3連戦で、本社商品「ジェラートマイスター(税別240円)」を8万5000個、「クーリッシュ(税別130円)」を1万5000個配布。単純計算で計2235万円分のアイスを大盤振る舞いだ。
山室晋也球団社長は「マリンを“お菓子の球場にしたい”というプランの一環。冷たいアイスを食べながら、熱き心で戦う熱い野球を見に来てもらいたい」と話した。現在貯金12でリーグ2位。ホーム戦35試合を終え、1試合平均観客数は昨季の同時点と比べ22%増の2万898人と好調で、球団初のアイス配布でさらなる観客増を狙う。
年間500個アイスを食べるという角中は「練習後、試合後のご褒美にいただいています。僕の元気の源」。アイスパワーでリーグ1位の打率.344を誇り「ぜひアイスを食べながらのご観戦をお勧めします」とファンにも呼びかけた。
ロッテは20日、交流戦ホーム9試合での観客動員が前年比12%増となったと発表した。昨季1試合平均2万515人に対し、今季は2万3030人。なお、交流戦を含めた今季35試合経過時点での観客動員は1試合平均2万0898人で、前年比22%増となった。
山室晋也球団社長は「昨年の交流戦が週末開催が2カードあり、今回が1カードであった事を考えると、とてもありがたい数字です。要因としては交流戦2位とチームが好調なことが1番。交流戦ではホームで7勝2敗と大きく勝ち越すことができ、ファンの方も喜んでもらえたと思います。また、女性ファンをターゲットにした“スーパーレディースデー”。地元・千葉への想いを込めた“ALL FOR CHIBAデー”での来場者へのユニホーム配布。月1回のファン感謝デーをテーマに行うマリンフェスタの日も今季シーズン3度目のチケット完売の満員札止めになるなど、ファンの方にマリンフェスタを認知していただき、定着していただいていることにも手応えを感じています。また、交流戦前日に発表をした交流戦ポスターも非常に話題となり、いい後押しになったのではないかと思います。“非交流戦士マジワラン”のロケットパンチが効きましたかね(笑い)。交流戦明けも様々な企画で攻め、もっともっとお客さんに球場に来てもらい、楽しんでもらい、選手を後押ししてもらうことで逆転優勝に向けて盛り上がって行けたらと思います」と話した。
ロッテは20日、交流戦の主催9試合での観客動員が20万7269人となり、前年比112%を達成したと発表した。
1試合平均では2万3030人(昨年平均2万515人)。交流戦を含めた今季35試合時点での観客動員は合計73万1429人となり、前年比122%と好調だ。
山室球団社長は「とてもありがたい数字。要因としては交流戦2位とチームが好調なことが1番。交流戦ポスターも非常に話題となり、いい後押しになったのではないかと思います。(ポスターのキャラクター)非交流戦士マジワランのロケットパンチが効きましたかね。交流戦明けも、逆転優勝に向けて盛り上がっていけたら」と話し、逆転リーグ制覇に向けて意欲を見せていた。
ロッテは20日、7月2、3、5、6、7、29、30、31日、8月2、3、4日にQVCマリンで行われる計11試合で、ロッテのアイスクリーム合計10万個を来場者に無料配布すると発表した。配られるのはクーリッシュ1万5000個、ジェラートマイスター8万5000個で、定価から単純計算すると2235万円分となる。
1試合につき何個配るかは未定。交流戦を12勝6敗の2位で終えたことを受け、感謝の意味を込めたファンへの大盤振る舞いだ。
山室社長は「昨年から掲げる“マリンをお菓子の球場にしたい”というプランの一環と考えています」とコメント。選手ロッカールームにも常備され「ほぼ毎日ロッテアイスを食べている」という角中は「ぜひアイスを食べながらのご観戦を」と呼び掛けた。
ロッテは20日、交流戦ホームゲーム9試合での観客動員が前年比112%となったと発表した。
合計20万7269人で1試合平均は2万3030人。昨年度は合計18万4636人で1試合平均は2万0515人だった。
なお、交流戦を含めた今季35試合経過時点で、QVCマリンフィールドの観客動員は合計73万1429人で1試合平均は2万0898人で前年比122%となっている。昨年度は(35試合経過時点)合計59万9382人で、1試合平均は1万7125人。
山室晋也球団社長は「昨年の交流戦は週末開催が2カードあり、今回が1カードであったことを考えると、とてもありがたい数字です。要因としては交流戦2位とチームが好調な事が1番。交流戦ではホームで7勝2敗と大きく勝ち越すことができた」と話した。
さらに「交流戦ポスターも非常に話題となり、いい後押しになったのではないかと思います」と、恒例となったセ・リーグチームへの“挑発ポスター”の存在も貢献したと分析していた。
日本生命セ・パ交流戦は20日、全日程が終了。既に7年連続で、05年の導入から12年目で11度目となる勝ち越しを決めているパ・リーグが通算60勝47敗1分けとした。
ソフトバンクが13勝4敗1分けで2年連続の最高勝率チームとなり、セ・リーグでは広島だけが11勝6敗1分けで勝ち越した。
勝率が優先される。複数チームが同率となった場合、
に従う。3チーム以上が並んだ場合は(2)を除いた項目で決定。今回は西武、巨人の2チームが9勝9敗で並び、(2)により2勝1敗と巨人に勝ち越した西武が6位で巨人が7位。中日、DeNA、阪神が7勝11敗で並び、(3)により8位中日、9位DeNA、10位阪神となった。
セントラル・リーグ | パシフィック・リーグ | |||||||
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順位 | 選手名 | 球団 | 累計票数 | 順位 | 選手名 | 球団 | 累計票数 | |
1 | 菅野智之 | 巨 | 131,239 | 先発投手 | 1 | 大谷翔平 | 日 | 175,090 |
2 | 今永昇太 | デ | 101,879 | 2 | 武田翔太 | ソ | 113,449 | |
3 | 黒田博樹 | 広 | 76,856 | 3 | 涌井秀章 | ロ | 70,895 | |
4 | 藤浪晋太郎 | 神 | 74,317 | 4 | 菊池雄星 | 西 | 45,472 | |
5 | 岩貞祐太 | 神 | 40,992 | 5 | バンデンハーク | ソ | 44,781 | |
6 | ジョンソン | 広 | 33,325 | 6 | 千滉大 | ソ | 37,283 | |
7 | 能見篤史 | 神 | 22,151 | 7 | 金子千尋 | オ | 36,053 | |
8 | 大野雄大 | 中 | 20,651 | 8 | 則本昂大 | 楽 | 34,188 | |
9 | 若松駿太 | 中 | 19,224 | 9 | 石川歩 | ロ | 18,752 | |
10 | 原樹理 | ヤ | 16,975 | 10 | 岸孝之 | 西 | 15,198 | |
1 | 田島慎二 | 中 | 168,852 | 中継投手 | 1 | 牧田和久 | 西 | 219,396 |
2 | 三上朋也 | デ | 94,061 | 2 | 森唯斗 | ソ | 159,390 | |
3 | マシソン | 巨 | 69,554 | 3 | 内竜也 | ロ | 72,807 | |
4 | 秋吉亮 | ヤ | 55,862 | 4 | 谷元圭介 | 日 | 40,706 | |
5 | ジャクソン | 広 | 54,865 | 5 | 岸田護 | オ | 23,941 | |
1 | 山ア康晃 | デ | 243,466 | 抑え投手 | 1 | サファテ | ソ | 291,620 |
2 | 澤村拓一 | 巨 | 85,344 | 2 | 松井裕樹 | 楽 | 115,815 | |
3 | 中ア翔太 | 広 | 82,745 | 3 | 西野勇士 | ロ | 56,890 | |
4 | オンドルセク | ヤ | 54,022 | 4 | 増田達至 | 西 | 52,198 | |
5 | 藤川球児 | 神 | 43,500 | 5 | 増井浩俊 | 日 | 48,897 | |
1 | 原口文仁 | 神 | 124,378 | 捕手 | 1 | 炭谷銀仁 | 西 | 166,316 |
2 | 中村悠平 | ヤ | 111,836 | 2 | 谷裕亮 | ソ | 138,232 | |
3 | 戸柱恭孝 | デ | 93,004 | 3 | 嶋基宏 | 楽 | 117,733 | |
4 | 小林誠司 | 巨 | 85,264 | 4 | 田村龍弘 | ロ | 72,964 | |
5 | 會澤翼 | 広 | 60,761 | 5 | 大野奨太 | 日 | 66,907 | |
1 | 新井貴浩 | 広 | 214,646 | 一塁手 | 1 | 内川聖一 | ソ | 215,382 |
2 | ビシエド | 中 | 121,470 | 2 | 中田翔 | 日 | 178,512 | |
3 | ゴメス | 神 | 85,148 | 3 | メヒア | 西 | 166,241 | |
4 | ロペス | デ | 77,667 | 4 | 井口資仁 | ロ | 37,118 | |
5 | 畠山和洋 | ヤ | 57,486 | 5 | 銀次 | 楽 | 25,756 | |
1 | 山田哲人 | ヤ | 252,631 | 二塁手 | 1 | 本多雄一 | ソ | 202,876 |
2 | 菊池涼介 | 広 | 141,386 | 2 | 浅村栄斗 | 西 | 166,393 | |
3 | クルーズ | 巨 | 59,500 | 3 | 田中賢介 | 日 | 101,972 | |
4 | 荒木雅博 | 中 | 49,107 | 4 | 西野真弘 | オ | 64,786 | |
5 | 石川雄洋 | デ | 39,716 | 5 | 藤田一也 | 楽 | 58,922 | |
1 | 川端慎吾 | ヤ | 225,006 | 三塁手 | 1 | 松田宣浩 | ソ | 284,163 |
2 | 村田修一 | 巨 | 91,753 | 2 | 中村剛也 | 西 | 143,182 | |
3 | 高橋周平 | 中 | 63,341 | 3 | レアード | 日 | 104,428 | |
4 | 白崎浩之 | デ | 41,973 | 4 | 細谷圭 | ロ | 34,474 | |
5 | ルナ | 広 | 39,552 | 5 | 今江敏晃 | 楽 | 31,795 | |
1 | 坂本勇人 | 巨 | 183,373 | 遊撃手 | 1 | 今宮健太 | ソ | 261,455 |
2 | 鳥谷敬 | 神 | 130,538 | 2 | 中島卓也 | 日 | 116,969 | |
3 | 田中広輔 | 広 | 108,149 | 3 | 鈴木大地 | ロ | 92,259 | |
4 | 倉本寿彦 | デ | 82,485 | 4 | 茂木栄五郎 | 楽 | 58,885 | |
5 | 堂上直倫 | 中 | 59,123 | 5 | 安達了一 | オ | 48,704 | |
1 | 筒香嘉智 | デ | 261,542 | 外野手 | 1 | 柳田悠岐 | ソ | 371,797 |
2 | 丸佳浩 | 広 | 177,166 | 2 | 秋山翔吾 | 西 | 227,467 | |
3 | 山俊 | 神 | 164,695 | 3 | 中村晃 | ソ | 197,095 | |
4 | エルドレッド | 広 | 142,241 | 4 | 糸井嘉男 | オ | 164,973 | |
5 | 平田良介 | 中 | 101,052 | 5 | 栗山巧 | 西 | 132,794 | |
6 | バレンティン | ヤ | 98,410 | 6 | 福田秀平 | ソ | 108,674 | |
7 | 福留孝介 | 神 | 92,699 | 7 | 角中勝也 | ロ | 100,491 | |
8 | 鈴木誠也 | 広 | 92,374 | 8 | 陽岱鋼 | 日 | 100,487 | |
9 | 梶谷隆幸 | デ | 86,730 | 9 | 西川遥輝 | 日 | 65,408 | |
10 | 長野久義 | 巨 | 78,379 | 10 | 清田育宏 | ロ | 61,148 | |
DH | 1 | 長谷川勇也 | ソ | 179,897 | ||||
2 | デスパイネ | ロ | 133,275 | |||||
3 | 森友哉 | 西 | 121,799 | |||||
4 | 近藤健介 | 日 | 57,941 | |||||
5 | 大谷翔平 | 日 | 43,522 |
真夏のような暑さの中、涼しげに投げた。注目の高さがうかがえる。6月18日。小さなサウスポーのイースタンリーグ初登板初先発を見ようと、ビジターであるスワローズの2軍本拠地・戸田のグラウンドに沢山の報道陣が駆けつけた。スタンドは満席となり、河川敷の土手から試合を見るファンも多くいた。拍手が沸き起こる中、千葉ロッテマリーンズのドラフト3位ルーキー・成田翔投手(秋田商業)は期待と注目の中、プロの第一歩を踏み出した。
「緊張はしませんでした。楽しみでしたね。やっと、プロ野球選手として、始まったなあという感じです」。
5回を投げて被安打2、無四球、無失点。デビューは上々だった。ストレートのMAXは140キロながら、そのボールにはキレがあり、打者も戸惑いを見せていた。
三塁側ブルペンの奥に設置されている投手が待機するために用意されたベンチの1番、端には小谷正勝2軍投手コーチの姿があった。これまで投手コーチとして、多くの名投手を育て上げた名伯楽も、その若者のピッチングに注目をしていた。決して速いとはいえない球速ながら、凡打を積み上げる姿に目を細めながら見続けた。
「彼は初速と終速があまり変わらない投手だね。体全体で投げることができているので、それが可能になっているのではないかな。だからバッターも戸惑う。打ち損じるんだろうね」。
若きサウスポーの投球をそう分析した。そして、これまで育ててきた幾多の投手のピッチングに想いを馳せた。少し間を置いて、思い出したかのようにつぶやいた。「明雄か。横浜の齊藤明雄が、そうだったね」。ストレートは決して速くはないもの、ボール自体にはキレと勢いがある。それはボールが手元から離れて、ミットに収まるまで回転数がほとんど変わらず、球速が落ちないことが1つの要因だ。沢山の記憶を振り返り、小谷投手コーチは128勝を挙げた名投手の名前を挙げた。それは大きな期待の表れであるように思えた。
身長170センチと小柄な投手ながら、そのハートは熱く強い。全身から負けず嫌いな雰囲気を醸し出している。高校からマリーンズに入団したルーキー3人の中で、デビューが1番遅れた。平沢大河内野手(仙台育英)はヒットこそないものの、1軍を経験。ドラフト5位の原嵩投手(専大松戸)も6月2日の東京ヤクルト戦で先にイースタンデビュー。一歩遅れた形になったことに「原に先を越されてしまいました」と悔しさを露にした。
6月16日のマリーンズ対ドラゴンズ(ナゴヤドーム)の1軍のゲームではドラゴンズの先発に同じ年で甲子園を沸かせた小笠原慎之介投手が登場。ロッテ浦和寮の食堂でテレビ観戦をしながら、高校時代は同じ左腕としてライバル視していた選手が先に1軍の舞台で躍動をしていることに、負けじ魂が火をついた。
「正直、オコエ選手とか野手はあまり気にならないです。1番は小笠原選手。同じ左ですしね。この前もウチ(マリーンズ)と試合をしてしっかりとバッターと勝負をしていた。負けていられないと強く思いました」。
焦る気持ちを押し殺し、毎日を様々な課題を持って取り組んだ。下半身強化、インナーの強化。走り込みも重点的に行った。だからこそ、この日、最高気温32度だった戸田のグラウンドで「日頃の走り込みの積み重ねもあって、バテることなく、投げることができた」と自負した。ただ、ほぼ満点に見えるデビューにも、しっかりと自己分析をして課題を口にした。
「やはり変化球ですね。カウントもうまく取れていませんし、打者もなかなか振ってくれない。高校の時は振ってくれたけど、プロはバットが止まる。これでは厳しいと思う。もっともっと変化球の精度を上げていかないといけない」。
奪三振はストレートで奪った1つのみ。高校時代に思うように空振りをとれていた自慢のカーブ、縦に落ちるスライダー、チェンジアップで打ち取ることがあまりできていないことを次回登板の課題として挙げた。目標と掲げるのは1日でも早い1軍デビューと白星。だからこそ、自分で自分の現在置を厳しく判断をしている。
「今日のピッチングは60点。甘くみても70点。もちろん1軍で活躍するという目標はありますが、今はまず2軍でしっかりと試合を作り、勝利に貢献をして、結果を出すことだと思っています。やらないといけないことは山ほどある。頑張りたいと思います」。
その端正なマスクにマスコミからは「マリーンズの玉三郎」と呼ばれている。秋田の地元テレビで成田の紹介ニュースを取り上げると視聴率が上がるという伝説もある。多くのファンを魅了するのは小さな体とアイドル顔負けなイケメンな顔ながら、全身を使ったパワフルな投球で打者を打ち取っていくギャップであろう。その懸命な姿に、人は感情移入をし、応援をしたくなる。マリーンズの背番号「41」はプロの道を歩んだばかり。これから課題を克服し成長しながら、小さな大投手を目指していく。
(千葉ロッテマリーンズ広報・梶原紀章)