わたしはかもめ2016年鴎の便り(7月)

便

7月5日

千葉ロッテ2x−1埼玉西武(QVCマリン)

ロッテがサヨナラ勝ちで投手戦を制した。1−1の延長10回に井口の四球を足場に1死一、二塁とし、ナバーロが右越えに決勝打を放った。益田が3勝目。9回1失点の涌井の力投が光った。西武は打線が好投の岸を援護できなかった。

12345678910R
埼玉西武00010000001
千葉ロッテ0100000001x2x

◇涌井、9回1失点の力投

2013年まで西武に在籍し、エースに君臨していた涌井。自身が千葉ロッテに移った後、古巣のエースになったのが岸だった。初めて実現した投げ合い。9回1失点。意地を示すように、8回1失点の岸に負けない力投を涌井が見せた。

「今日はキャッチャーが構えたミットがあまり動いていないように見えるし、非常に落ち着いた入りができたんじゃないか」と見ていたのは落合投手コーチ。1−0の4回。連打などで無死一、三塁とされたが、併殺で1点を失っただけ。無四死球と制球が安定し、その後は見応えある投手戦を繰り広げた。

味方打線が直前に1死満塁の絶好機を生かせず、迎えた9回は圧巻だった。1死から連打で一、二塁。中軸と対峙したが、3番秋山をフルカウントから内角の変化球で空振り三振に仕留める。そして、中村からは見逃し三振を奪った。外角低めに投じた、この日最速の150キロに4番のバットは動かない。最後まで球威の落ちない涌井本来の投球だった。

チームは3日に3位に転落。8日からは絶好調でロッテに代わって2位になった日本ハムとぶつかる。「今日から6連戦。先陣を切っていい流れをつくってもらわないと困る」と伊東監督はエースに期待していた。3試合連続完投勝利とはいかなかったが、十分に応える117球だった。

◇「助けてあげたかった」、ナバーロ

「両チームの投手がいい投球をしていた。助けてあげたかった。結果につながってよかった」。サヨナラ打を放った千葉ロッテのナバーロは、そうお立ち台で胸を張った。10回1死一、二塁から右中間打で投手戦に終止符を打ち「外野手が前にきていた。打てる球を狙っていた」。

今季5度目のサヨナラ勝ち。伊東監督は「しびれるような展開で、締まったいいゲームだった。こういうゲームを取っていくことでチームは力が付いてくる」と満足そうに話した。

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ひげパワー炸裂!ロッテ・ナバーロ来日初サヨナラ打[ニッカン]

ロッテがサヨナラ勝ちした。

1−1の延長10回1死一、二塁で、ヤマイコ・ナバーロ内野手(28)が西武増田から右中間へサヨナラ打を放った。ドリフターズのひげダンスのテーマ曲が流れる中、お立ち台に登場。「嬉しいね。打てる球を狙っていた。最近、調子は良いよ。ソフトバンク、日本ハムに負けないよう、自分達の仕事をしようと思う」と、来日初のサヨナラ打にご機嫌だった。

立派なあごひげがトレードマーク。球団が発売を開始した、付けひげグッズは500個が完売し、入荷待ちの状態だ。この日も貴重な仕事で、ファンの心をがっちりつかんだ。

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ロッテ涌井、9回7安打1失点「粘りの投球できた」[ニッカン]

ロッテ涌井秀章投手(30)の好投が光った。

最速150キロの真っ直ぐを軸に、西武打線を抑えていった。相手先発の岸とは、西武から移籍3年目で初めての投げ合い。互いに譲らず、9回7安打1失点で降板した。

勝ち星は付かなかったが、延長10回のサヨナラ勝ちにつなげる好投だった。

降板後は「チームが勝てたことが全てだと思います。良かったです。何とか粘りの投球ができました。次もチームが勝てるように頑張りたいです」とコメントした。

伊東監督は「向こうも良かったし、涌井も我慢の投球で素晴らしかった。投手戦で、しびれる展開だった」と、力投したエースをねぎらっていた。

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ロッテ加藤が先制打「負けられない」先発涌井を援護[ニッカン]

ロッテ加藤翔平外野手(25)が先制打を放った。

2回2死一、三塁で西武岸から中前打を放ち、1点を挙げた。先発涌井に先制点を贈り、「今は常に逆方向を意識してやっているので、その意識で何とか対応できたと思います。ワク(涌井)さんが投げる時は絶対に負けられないので、まずは先制点を取ることが出来て良かったです」と話した。

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ロッテ細谷「マリーンズ算数ドリル」児童へ贈呈[ニッカン]

ロッテ細谷圭内野手(28)が5日、千葉市立幸町第三小学校を訪問し、「マリーンズ算数ドリル」(平成28年度夏号)を各学年代表の児童へ贈呈した。

マリーンズ算数ドリルは、「NPO法人ちば算数・数学を楽しむ会」の製作協力のもと、ロッテが製作した野球やマリーンズの問題が満載の自習用教材ドリル。小学校1年生から6年生まで各学年で6種類、それぞれ4ページで構成されている。千葉市内の全児童約5万人に配られ、夏休みの自習用教材として学習をしてもらう。教材は7月11日に千葉市内の全小学校(国立大学法人千葉大学教育学部付属小学校や特別支援学級を含む全113校)に配送された。この試みは2011年の夏休みから始まり、冬休み、春休みと同様の規模で配布しており、今回で16回目の配布となる。

細谷は「本当に子供達が元気で、エネルギーを沢山もらいました。そして、子供達には夏休みに色々なことに挑戦をして欲しいというお話をさせていただきました。勉強も、運動も、興味のあることは色々とあると思うので、どんどん積極的に取り組んでもらえたらいいなあと思っています。今日は子供達みんな、試合も注目してくれていると思うので、いいところを見せたいと思っています!サンキュー、子供達!」と話した。

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“ひげの怪人”ロッテ・ナバーロがサヨナラ打「人生で最も集中した」[サンスポ]

今季5度目のサヨナラ勝ち。ナバーロが延長10回1死一、二塁、右越えに決勝打を放った。「ストライクゾーンに対応するつもりだった。人生で最も集中した打席だったかもしれない」。涌井と岸の投手戦に気分が高まっていたという。球団が発売したひげグッズは2日間で500個が完売。人気も急上昇中だ。

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ロッテ・細谷、「マリーンズ算数ドリル」贈呈セレモニーで小学校訪問[サンスポ]

ロッテ・細谷圭内野手(28)が5日、「マリーンズ算数ドリル」(平成28年度夏号)の贈呈セレモニーのため、千葉市立幸町第三小学校を訪問し、児童達と交流した。この試みは5年前の夏休みから始まり、今回で16回目。

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ロッテ・ナバーロ、来日初サヨナラ打「人生で1番集中した打席だったかも」[サンスポ]

ロッテのナバーロが接戦に終止符を打った。1−1の延長10回1死二塁から前打者のデスパイネが敬遠で歩いて迎えた打席。2ボールからの3球目を振り切ると浅く守る右翼手の頭を越える来日初のサヨナラ打。打つべき球を冷静に見極め「人生で1番集中した打席だったかもしれない」と振り返った。

序盤から涌井と岸の投手戦が続いた一戦で、2番手の益田も延長10回に好投していた。殊勲のナバーロは「いい投球をしていたので助けたかった」と喜んだ。

伊東監督
「締まったいい試合だった。こういう試合を取っていくことで、チームに力がついていく。」(延長戦をサヨナラで制し)

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ロッテ・加藤、岸から先制打「何とか対応できた」[サンスポ]

ロッテの加藤が2回に先制打を放った。岸が制球を乱し、2四球などで得た2死一、三塁の好機での一打。「まずは先制点を取ることができて良かった」と喜んだ。

左打席で146キロの速球を捉えた打球は、左翼寄りの中前で弾んだ。「今は常に逆方向を意識してやっているので、その意識で何とか対応できたと思う」と手応えをにじませた。

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ロッテ・細谷が小学校で算数教材の贈呈式!「子供達にエネルギーをもらった。サンキュー!」[サンスポ]

ロッテ・細谷圭内野手(28)が5日、「マリーンズ算数ドリル」(平成28年度夏号)の贈呈セレモニーのため、千葉市立幸町第三小学校を訪問。「マリーンズ算数ドリル」を各学年代表の児童へ贈呈するセレモニーに出席した。

同ドリルは、「NPO法人ちば算数・数学を楽しむ会」の製作協力のもと、ロッテが製作した野球やマリーンズの問題が満載の自習用教材で、1年生から6年生まで各学年で6種類、それぞれ4ページにわたり問題が構成されている。

千葉市内の全児童約5万人に配られ、夏休みの自習用教材として活用される。教材は千葉市内の全小学校(国立大学法人千葉大学教育学部付属小学校や特別支援学級を含む全113校)に配送された。

この試みは2011年の夏休みから始まり、冬休み、春休みと同様の規模で配布され、今回で16回目となる。

細谷
「本当に子供達が元気でエネルギーをたくさんもらいました。そして、子供達には夏休みに色々なことに挑戦をして欲しいというお話をさせていただきました。興味のあることには、積極的に取り組んでもらえたらいいと思います。今日は、試合も注目してくれていると思うので、いいところを見せたいですね。サンキュー!子供達!」

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ロッテ・ナバーロ、来ニッチ初!サヨナラ打、ニッチロー'も祝福[スポニチ]

トレードマークのあごヒゲがびしょ濡れになった。来日初のサヨナラ打を放ったロッテ・ナバーロを、ナインが水をかけて祝福。ベンチ前では、始球式に参加したイチローのものまね芸人・ニッチロー'も打撃フォームの決めポーズで迎えた。

「日本で初めてサヨナラ打が打てて良かったよ。人生で1番集中した打席だったかもしれないね」。延長10回1死一、二塁。2ボール0ストライクからの3球目を捉えた打球は前進守備の右中間を破った。9回まで1点に抑えた涌井の力投に応え「すさまじい投球だった。何とか点を取りたかった」と話した。

お立ち台に向かう際には初めて「ヒゲダンス」のテーマ曲が流れ、客席もノリノリ。2日に発売された応援グッズの付けヒゲ「ナバーロのヒゲ」500個が3日に完売したことを記念した球団のサプライズ演出だった。次回入荷は今月29日。あまりの人気にグッズが追いつかない状況だ。

チームは2位・日本ハムを0.5、首位・ソフトバンクを6ゲーム差で追う。「嬉しいけど終わったこと。切り替えていく」と話すナバーロのヒゲは乾いていた。

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ロッテ涌井、岸と初投げ合いで粘投9回1失点、サヨナラ呼んだ[スポニチ]

ロッテ・涌井が9回117球を投げ1失点に抑え、サヨナラ劇を呼び込んだ。

1−1の9回2死一、二塁では4番・中村を150キロの直球で見逃し三振斬り。オフに3年ぶりにハワイで自主トレをともにした岸との初対戦でリードを許さず「チームが勝てたことが全て。粘りの投球ができた」。伊東監督は「ワク(涌井)の投球でみんなが1つになれた」と絶賛した。

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ロッテ ナバーロが来日初のサヨナラ打「人生で1番集中した打席」[スポニチ]

ロッテのナバーロが接戦に終止符を打った。1−1の延長10回1死二塁から前打者のデスパイネが敬遠で歩いて迎えた打席。2ボールからの3球目を振り切ると浅く守る右翼手の頭を越える来日初のサヨナラ打。打つべき球を冷静に見極め「人生で1番集中した打席だったかもしれない」と振り返った。

序盤から涌井と岸の投手戦が続いた一戦で、2番手の益田も延長10回に好投していた。殊勲のナバーロは「いい投球をしていたので助けたかった」と喜んだ。

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ロッテ、始球式にニッチロー'登場、フォーム完コピに沸くも…[スポニチ]

マーリンズのイチローのものまねで有名な芸人・ニッチロー'が、5日のロッテ−西武戦(QVCマリン)の始球式に登場した。

野球少年がマウンドに上がると、打席にはメジャー通算3000安打が目前に迫る大打者のそっくりさん。完璧にコピーした打撃フォームで球場の笑いを誘った。しかし、投手が投げる前に代打に角中が送られる場内アナウンスが流れ、打撃は披露できず…。客席から拍手が送られると、本人さながらにヘルメットを脱いで応えていた。

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ロッテ細谷、小学校で「マリーンズ算数ドリル」贈呈[スポニチ]

ロッテの細谷が5日、千葉市立幸町第三小学校を訪問し「マリーンズ算数ドリル」を贈呈した。

「マリーンズ算数ドリル」は「NPO法人ちば算数・数学を楽しむ会」の協力のもとロッテが製作したドリル。野球やロッテを題材にした算数の問題が掲載されている。千葉市内の全児童約5万人に配布する。

細谷は「本当に子供達が元気で、エネルギーをたくさんもらいました。そして、子供達には夏休みに色々な事に挑戦をして欲しいというお話をさせていただきました。勉強も、運動も、興味のあることは色々とあると思うので、どんどん積極的に取り組んでもらえたらいいなあと思っています。今日は子供達みんな試合も注目してくれていると思うので、いいところを見せたいと思っています!サンキュー、子供達!」と話した。なお、この試みは2011年から行われている。

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ナバーロ、延長10回に初劇打![報知]

ロッテのナバーロが来日初のサヨナラ打を決めた。

延長10回1死一、二塁から右翼を破る当たりで熱戦に終止符を打った。「(涌井と岸の)投げ合いがすさまじかったので、何とかして点を取りたいと思っていた。外野が前進していたので、打てる球を狙っていた」と直球を仕留め、してやったり。伊東監督も「こういう試合を取っていけばチームに力が付いてくる」と、ソフトバンク追撃へ手応えを口にした。

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細谷、教材贈呈し児童とふれあい「エネルギーをたくさんもらいました」[報知]

ロッテ・細谷圭内野手(28)が5日、千葉市立幸町第三小学校を訪問。「マリーンズ算数ドリル」の贈呈セレモニーに参加した。

マリーンズ算数ドリルは「NPO法人ちば算数・数学を楽しむ会」の協力のもと、夏休みの自習用教材として製作。千葉市内の各学年5万人の児童に、夏休みの自習用教材として贈呈された。今回で16度目の配布。セレモニーで児童と触れ合った細谷は「本当に子供達が元気で、エネルギーをたくさんもらいました。そして、子供達には夏休みに色々な事に挑戦をして欲しいというお話をさせていただきました。サンキュー、子供達!」とハイテンションだった。

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ロッテ・ナバーロがサヨナラ打、前のデスパイネ敬遠で「人生で1番集中した」[デイリー]

ひげダンスのテーマ曲に乗ってロッテ・ナバーロが現れると、QVCのヒーローインタビューは沸きに沸いた。

「すごく嬉しいです。自分が打てる球だけを狙った」。満面笑顔のひげ面でファンに手を振った。

1−1で迎えた延長10回、目の前でデスパイネが敬遠された1死一、二塁。カウント2−0から増田の142キロ速球を捉えた。打球はきれいに右中間を割って、来日初のサヨナラ打となった。

「敬遠はあると思っていた。でも、走者がいると身体の力が抜けて集中できる。人生で1番集中したよ」と話し周囲を笑わせた。

本拠地でひげダンスの曲が流れたのは初めてだった。実は3日にグッズ「ナバーロの付け髭」500個が完売。そのご褒美だった。実力に人気を備えた助っ人が本格的な夏を迎えてフル稼働する。

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ロッテ涌井がエースの投球、勝ち付かずも「試合に勝ったことが全て」[デイリー]

ロッテ先発の涌井が9回7安打1失点と好投。勝ちは付かなかったが、エースの投球を見せた。「試合に勝ったことが全てです。粘りの投球ができた」と振り返った。

9回2死一、二塁で中村を3球三振に仕留めると珍しくガッツポーズ。「次もチームが勝つ投球をする」と最後はクールな男に戻っていた。

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ロッテ・細谷がマリーンズ算数ドリルを贈呈[デイリー]

ロッテは5日、細谷圭内野手が、千葉市立幸町第三小学校を訪問し、「マリーンズ算数ドリル」(平成28年度夏号)の各年度代表児童への贈呈セレモニーを行ったと発表した。

ドリルは「NPO法人ちば算数・数学を楽しむ会」の製作協力のもと、ロッテが製作した野球やマリーンズの問題が満載の自習用教材。

小学校1年生から6年生まで各学年で6種類、それぞれ4ページに渡り問題が構成されている。千葉市内の全児童約5万人に配られ、夏休みの自習用教材として使われる。

教材は7月11日に千葉市内の全小学校(国立大学法人千葉大学教育学部付属小学校や特別支援学級を含む全113校)に配送された。

この試みは11年の夏休みから始まり、冬休み、春休みと同様の規模で配布、今回で16回目となる。

細谷選手は「本当に子供達が元気で、エネルギーをたくさんもらいました。そして、子供達には夏休みに色々なことに挑戦をして欲しいというお話をさせていただきました。今日は子供達みんな、試合も注目してくれていると思うので、いいところを見せたいと思っています!サンキュー、子供達!」と張り切っていた。

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[千葉魂]成長続ける若き司令塔、田村、苦い経験を糧に飛躍[千葉日報]

脳裏から離れないシーンがある。神妙な表情で田村龍弘捕手は振り返る。2015年10月14日クライマックスシリーズファイナルステージ、福岡ヤフオクドームでのホークスとの第1戦。延長10回の先頭打者上林を2ストライクと追い込み、続く球を振らせたもののボールを後ろにそらし、振り逃げで出塁を許した場面。その後の結果はサヨナラ負け。田村はベンチに戻り、タオルを頭から覆い、涙した。要求したスライダーがベースの直前でワンバウンド。空振りを取り、本来は三振だったが、ボールは三塁側ファウルゾーンを転々とした。そして1死満塁。内川に右中間にはじき返され、サヨナラ負けを喫した。チームは結果的に3連敗でシーズンは終了。あのワンバウンドのボールを後ろにそらさなければ1死走者なし。流れが大きく動いた瞬間となってしまった。天国と地獄ほど違う結果に、責任の全てを背負い込んだ。

「ずっと、頭から離れなかったですね。その後の秋季キャンプの時もまだ、後悔の気持ちが残っていた。突如、あの場面がスローモーションのように思い出されるんです。ボールの軌道、どこでワンバウンドして、どこに転がったかは一生、忘れない。試合を左右した大事なプレーですからね」。

結果的に3連敗でホークスとのクライマックスシリーズは終了した。3戦目の試合終了と同時に、悔しさがまた頭をよぎり、ベンチで涙した田村を伊東勤監督は慰労し、励まし、そして最後に強い口調で伝えた。「厳しいようだが、泣いていても何も始まらない。泣いている暇があったら、練習をして、成長をするしかない。人間だから失敗をするのは仕方がないし、そこからこそ人は成長をし、学ぶことができる。だが、プロは2度と同じような失敗をしないようにしないといけない。特に捕手はなおさらだ」。その言葉にハッとさせられた。だから昨秋の鴨川キャンプ、自戒の念と悔しさを胸に取り組んだ。田村は成長した姿を見せるべく歯を食いしばって、トレーニングを繰り返した。2度と、後ろにそらさないよう日が暮れるまで何度もワンバウンドの捕球練習を行った。そして、足を引っ張った打撃を向上させるため、特打を重ねた。

「正直、今でも頭をよぎることはありますよ。2ストライクに追い込んだ同じような状況の場面では必ずあの場面が脳裏をよぎる。もう2度と、同じミスはしない。絶対に止めると思いながらいつもサインを出しているんです。同じ失敗は絶対にしないと決めている」。

指揮官のゲキを胸に刻み、糧と変え、年が明けても野球に取り組んだ田村は、今シーズン大きな飛躍の年を迎えている。73試合に出場して打率.272、1本塁打、26打点。マリーンズの若き司令塔として人には見せぬ努力を重ねて、幾多の勝利を導いてきた。監督、コーチ、スコアラーなどからのあらゆる情報を整理し、アドバイスを求めて、コミュニケーションを重ねた末にリードをするその姿勢は、投手陣からの信頼も厚い。

現役時代2379試合に出場をした大捕手である指揮官はそんな若者に惜しみなく自分の考えを伝えている。試合前、試合中、ちょっとした場面で呼び、意見を伝える。

「マスクを被っている捕手にしか見えないこともあるけど、ベンチから見える事もある。そういう意味で気が付いたことは伝えるようにしている。少しでも視野を広げられるように、色々と考え方を伝えている。経験が大事なポジションだからね。痛みを知れば知るほど、レベルアップができる。オレだって、若い時はつらい時、悲しい思いは数えきれないほどしてきた。今、苦しめば、後にいい思いができる。そうやって励まして、でも厳しく接しているよ」。

そう言って、笑った先で田村は試合前にも関わらず、大粒の汗を流し、必死に練習を繰り返していた。眠れない日はある。夢にまで自分のリードで打たれた場面が出る事がある。それを繰り返して捕手は成長をする。指揮官は身をもってそれを知っている。その積み重ねの先に待つ栄光を手に入れた男は、自分の息子より若い捕手を叱咤し、励ましながら試合に起用し続けている。

「オレの若い時なんて、もっと厳しかったよ。今なんて、甘い。毎日、夢に出てきたし、何度も布団の中で涙した。若い頃に野球が面白いとか、楽しいなんて思った事は1度もなかったよ。毎日が苦しくてつらかった。でも逃げなかった。いつか絶対に報われる日が来ると信じていた。それこそが身になり、力に変わったと思う」。

田村は2016年のオールスターゲームに監督推薦で初出場が決まった。「遊ぶのではない。色々と勉強をして来い!」と指揮官は送り出す。まさに日々、成長を続ける若き司令塔。シーズンが折り返した今、難しい判断を要求される場面はこれからさらに増えるだろう。それを乗り越えられる若者と思うからこそ、マリーンズのホームベースを任せる。
(千葉ロッテマリーンズ広報・梶原紀章)

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