わたしはかもめ2016年鴎の便り(8月)

便

8月2日

千葉ロッテ4−3北海道日本ハム(QVCマリン)

ロッテが競り勝った。1回に角中の6月18日以来の5号3ランで先制。3−1の5回にはデスパイネの中前打で1点を加えた。スタンリッジが6回途中3失点で6勝目。日本ハムは先発のメンドーサが踏ん張れなかった。

123456789R
北海道日本ハム0100020003
千葉ロッテ30001000x4

◇リリーフ陣が奮闘

千葉ロッテ・伊東監督が迷わずベンチを飛びだした。6回。まだ2点差、球数は79球。それでも、先発スタンリッジの交代を告げた。試合後、指揮官は「よくブルペン陣が頑張ってくれた」と勝利をかみしめた。

4−1のこの回。右腕は1死から西川にセーフティーバントを許した。投前に転がり自らつかんだが、まさかの悪送球。二塁に進まれて、3番大谷。ストライクが入らない。初めての四球。続く中田に左前適時打を浴び、監督は決断した。

6月26日の西武戦で5勝目を挙げてから4試合、白星から遠ざかっていた、スタンリッジ。6回に突如崩れる展開が目立っていたが、この日もそうだった。

始まった継投リレー。4月以来今季2度目の登板だったイ・デウンは犠飛で1点差に迫られるも、何とかしのぐ。7回の大谷は2死一、三塁で大谷を右飛に仕留め、耐えた。南が三者凡退で8回を抑えると、最後は益田が締めた。

守護神の西野が肘痛で離脱したばかり。内、松永、藤岡ら救援陣に連ねるべき面々もけがや再調整でいない。苦しい台所事情の中、現状の最善策で逃げ切ったのは大きな価値があった。上位追撃の8月へ、伊東監督は「打線が湿りがちで、しばらくは苦しい戦いが続く。いっぱい、いっぱい。選手をどんどんつぎ込んでいく」と力を込めた。

◇角中、先制3ラン

千葉ロッテの角中が1回、6月18日の巨人戦以来となる先制の5号3ランを放った。2死一、二塁で、メンドーサのチェンジアップを右翼ポール際に運び「ちょっと泳がされたけどうまく引っ掛かってくれたので、切れないことだけを祈っていました」と振り返った。

リーグ首位打者は普段3番を打つが、この日は5番で出場。早速の好機で応え「まずは先制できたのは良かったです」と話した。

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ロッテ新ブルペンが奮投、ケガ人続出も粘って連勝[ニッカン]

ロッテが必死のリレーで勝ちを拾った。先発ジェイソン・スタンリッジ投手(37)が6回途中で降板。その後を4投手でつなぎ、1点リードで逃げ切った。抑えの西野、セットアッパーの内ら、ブルペンの要職が相次いで離脱。苦しい中で新たな救援陣が踏ん張り、2位日本ハムとのゲーム差を6に縮めた。

最後は新守護神の益田が抑えた。9回2死一塁。リードは最少1点だった。日本ハムの代打矢野を二ゴロ。緊迫した空気が、やっと解けた。伊東監督は「(6回は)鬼門でしたね。(スタンリッジは)行けそうだったけど、代えました。よくブルペン陣が頑張ってくれました」と、大きく息を吐きながら振り返った。

先発スタンリッジが前回と同じ6回でつかまった。5回まではレアードのソロ1発に抑えていたが、6回1死から西川のセーフティーを一塁へ悪送球。そこから2点目を失い、一、二塁となり、指揮官は交代を決めた。「6回まで行ったら、先頭は最大の集中力で投げるよう」伝えていたが、今回は自らの失策で崩れた。

先発がイニング途中で降板。以前なら、それでも不安は少なかった。防御率1点台のリリーフ陣は球界屈指。今は事情が異なる。藤岡、松永の両左腕、セットアッパー内に続き、抑えの西野まで離脱。新しい“形”で乗り切るしかない。経験ある益田を抑えに、8回は南。6回、7回は大谷と、昇格したイ・デウンで。左の中継ぎは、いない。

危機に見える。だが、ブルペン担当の小林投手コーチは、その見方を否定した。「ピンチじゃないです。新しい人、新しいところで投げる人にはチャンス。チームとしても、レベルアップするチャンスです」と強調した。南が好例だ。昨季は1軍登板なし。今季は開幕から1軍も、当初は敗戦処理が持ち場。結果を出し続け、他がいなくなり、この地位に就いた。この日も8回をピシャリ。「やりがいあります。必死ですけどね」と汗をぬぐった。

「新・勝利の方程式」と呼ぶのは早い。伊東監督は「結果を出す。それしかない。まずは勝つことが大事」。積み重ねの末に、逆転Vにつながる勝ちパターンができる。

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ロッテ連勝、伊東監督「選手をつぎこんでいく」[ニッカン]

ロッテが逃げ切り、2連勝とした。

先発スタンリッジは5回まで1失点も、2点リードの6回1死から自らの失策もあり、2点目を失った。一、二塁となり降板。だが、リリーフ陣が踏ん張り、1点差で逃げ切った。

伊東勤監督(53)は「勝つことが1番大事。選手をつぎこんでいく。いっぱい、いっぱいです」と話した。

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ロッテ角中、先制3ラン「勝って勢いを付けたい」[ニッカン]

ロッテ角中勝也外野手(29)が先制の5号3ランを放った。

1回2死一、二塁で日本ハム・メンドーサのチェンジアップを引っ張った。右翼席中段まで運ぶと、「ちょっと泳がされたけどうまく引っ掛かってくれたので、切れないことだけ祈っていました。まずは先制出来たのは良かったです。8月最初の試合。勝って勢いを付けたいですね」と話した。

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ロッテ・デスパイネ「バットの先で手が痛い」適時打[ニッカン]

ロッテのアルフレド・デスパイネ外野手(30)が適時打を放った。

3−1の5回2死一、二塁で、日本ハム・メンドーサから中前打を放ち1点を加えた。貴重な追加点に「打ったのはツーシームだね。ツーアウトだったので何とか1点取りたいと思っていた。バットの先で手が痛いけど、チームにとっては大きな追加点が取れて良かったんじゃないかな」と喜んでいた。

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ロッテ西野、右肘痛は筋肉炎症、骨や靱帯に異常なし[ニッカン]

ロッテ西野勇士投手(25)が2日、ロッテ浦和球場で練習した。

右肘痛のため、出場選手登録を抹消された。1日に、千葉・船橋の病院で精密検査を受けたが、骨や靱帯(じんたい)に異常は見つからず、筋肉の炎症と疲労と診断されたという。「焦らず、でも焦って。あの場所(抑え)で迷惑をかけたので、しっかり治して借りを返したい」と、あらためて1軍復帰への意欲を口にした。

今後は1週間ほどはノースローの予定。早くて、8月終盤での1軍復帰を目指している。

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ロッテYOGA、日本ハム戦は「押し上げのポーズ」[ニッカン]

ロッテがQVCマリンで5回表終了後にビジョンで行っている「マリーンズYOGAタイム」。2日からの日本ハム3連戦は「押し上げのポーズ」だ。

マリーンズYOGAガールの北原絵里菜さんは「吸いながら両手を横から持ち上げて、両手を頭の上で、指を組みます。吸って、吐きながら上体を右に倒していきます。ここで3呼吸、続けていきましょう。このポーズは肩こりの改善、ウエストの引き締めにも効果的なポーズです。さあ、今日からファイターズ3連戦。3連勝して、どんどん貯金を増やして押し上げ行きましょう!ナマステ(ありがとうございます)!」と呼び掛けた。

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ロッテ岩下、右肘手術からブルペン投球「痛みない」[ニッカン]

ロッテ岩下大輝投手(19)が2日、ロッテ浦和球場でブルペン投球を行った。

1年目の昨季、11月に右肘内側側副靱帯再建術(トミー・ジョン手術)を受けた。リハビリを経て、立ち投げながら投球練習を再開。この日で3回目のブルペンだったが、「痛みはありません」と表情は明るかった。今秋での実戦復帰を目指している。

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ロッテ・デスパイネ、チバユニ着用で3戦連続打点「気分よく打てた」[サンスポ]

デスパイネが5回にチーム4点目の中前打。“チバユニ”と呼ばれる真っ赤なユニホームを着用し、3試合連続打点を挙げた。「キューバ代表と似ている。気分よく打てた」。まさに「愛国の一打」だ。試合前、第4回WBCの開催地と組分けの一部が発表され、キューバは1次ラウンドで日本と同組に入った。「日本にとって、いいニュースじゃないな」。デスパイネは1位通過に自信をみせた。

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ロッテ・デスパイネが貴重な追加点「あの1点が試合を左右すると思った」[サンスポ]

ロッテのデスパイネが3−1の5回に中前適時打を放った。「あの1点が試合を左右すると思った」と貴重な追加点を生んだ。

3試合連続で打点をマークしながらも「ホームランが出ていないので悲しい」と自らに厳しい。この日、来年3月に開かれる第4回WBCの1次ラウンドの組み合わせが発表され、日本とキューバは同組になった。キューバ代表の常連は「いい試合ができると思う。勝敗はチームの状態次第」と話した。

伊東監督
「いいところで一発を打ってくれた。」(角中に)

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ロッテ・デスパイネが3試合連続打点!「手が痛い」と苦笑い[サンスポ]

ロッテのデスパイネが3−1の5回に中前適時打を放った。2死走者なしから2四球で得た一、二塁で「2死だったので、何とか1点を取りたいと思っていた」としぶとく転がした。

3試合連続打点をマークし「バットの先で(捉えたので)手が痛い」と苦笑した。ナバーロが7月30日に左肩痛で離脱し、主砲には得点源としてより大きな期待が掛かっている。

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ヨガって、燃え上がろう!ロッテのYOGAタイム、日本ハム3連戦のお題は「押し上げのポーズ」[サンスポ]

ロッテの本拠地・QVCマリンで開幕カードから実施され、いまや世界中で反響を呼んでいる「マリーンズYOGAタイム」(5回終了後にビジョン)。2日から始まる日本ハム3連戦のお題は「押し上げのポーズ」。チームを再び2位へ、そして最後は優勝へ押し上げましょう!

マリーンズYOGAガール、北原絵里菜さん(インストラクター)
「吸いながら両手を横から持ち上げて、両手を頭の上で、指を組みます。吸って、吐きながら上体を右に倒していきます。ここで3呼吸、続けていきましょう。このポーズは肩こりの改善、ウエストの引き締めにも効果的なポーズです。さあ、2日からは日本ハムとの3連戦。3連勝して、どんどん貯金を増やして、押し上げ行きましょう!ナマステ(ありがとうございます)!」

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ロッテ守護神・西野、「筋肉の炎症と疲労」で全治3、4週間[スポニチ]

右肘痛のため、7月31日に出場選手登録を抹消されたロッテの守護神・西野が「筋肉の炎症と疲労」と診断され、全治3、4週間であることを明かした。1日に千葉県内の病院で検査を受け、じん帯や骨に異常はなかった。

ロッテ浦和球場で2軍練習に参加した右腕はノースローで調整し「痛みが取れてきたらキャッチボールを始める。迷惑を掛けているので、しっかり治して、1軍に戻って借りを返したい」と意欲を見せていた。

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角中、3ラン放つも…自嘲気味「最近の調子を物語っている」[スポニチ]

ロッテは角中が先制5号3ランを放った。初回2死一、二塁でチェンジアップに泳がされながら右翼ポール際に運び「結果は嬉しいけど、内容としては最近の調子を物語っている」と自嘲気味。6月終了時点で打率.349だったが、7月は月間打率.280に終わり.333に下がった。

「気が楽なところで打ってくれたら」と、打順を3番から5番に下げた伊東監督の采配に応え、8月最初の打席で結果を出した。2位との直接対決3連戦に先勝し、ゲーム差を6に縮めた。打率トップをキープしている角中は「上にいるチームには絶対に負けられない」と力を込めた。

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ロッテ、まずは先勝、伊東監督「どういう形であれ、選手をつぎ込みながら結果を」[スポニチ]

ロッテは2位・日本ハムとの直接対決3連戦の初戦を4−3で制し、ゲーム差を6に縮めた。

先発・スタンリッジは5回までレアードのソロ1本に抑えた。しかし、4−1の6回に自らの失策も絡んで1死一、二塁のピンチを招き、中田に左前適時打を許したところで降板。ベンチに下がった直後は「今はまだ試合について振り返ることができない。チームの勝利を祈っているよ」と手に汗握る展開を見守ったが、救援陣が踏ん張って6勝目を手にした。前回登板の26日のオリックス戦(京セラドーム)も5回まで無失点に抑えながら6回に3失点を喫しており、伊東監督は「やっぱり(6回が)鬼門でしたね」。

開幕当初のセットアッパー・内、守護神・西野の2人はともに2軍落ちしたが、8回に南→9回に益田の新方程式で勝ちきった。指揮官は「どういう形であれ、選手をつぎ込みながら結果を出していくこと」と話した。

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ロッテ、角中「上手くというより引っかかった」、好調デスパ「キューバに似てる」[スポニチ]

初回に3点弾を放ち、ロッテに勢いをつけた角中は「投手陣が良く抑えてくれたおかげです」と試合を振り返った。

「上手くというより、引っかかっちゃった感じです。ホームランはうれしいですけど、内容は最近の調子を物語っているな…」と角中。6月17日の巨人戦以来の1発にも自己評価は厳しかった。

一方で5回、2死一、二塁から適時打を放ち貴重な追加点を奪ったデスパイネは「前の試合からチャンスで(打席で)回ってくるので、真っ直ぐに上手く対応できて良かった」と満足そう。これで3試合連続打点。「夏の気候はキューバに似ていて、チャンスで打てています」と好調の理由を分析。「8月は試合数も多く大事なので、1つでも多く勝てるように頑張ります」と意気込んだ。

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ロッテ、好評ヨガレッスン、ハム3連戦は「押し上げのポーズ」[スポニチ]

ロッテが今季から導入した試合中のヨガレッスン「マリーンズYOGAタイム」が好評だ。 関係者によると津軽海峡を越え北海道の日本ハムファンの間でも話題沸騰中。2日からの日本ハム3連戦は「押し上げのポーズ」。

マリーンズYOGAガール北原絵里菜さんは「吸いながら両手を横から持ち上げて、両手を頭の上で、指を組みます。吸って、吐きながら上体を右に倒していきます。ここで3呼吸、続けていきましょう。このポーズは肩こりの改善、ウエストの引き締めにも効果的なポーズです。さあ、今日からファイターズ3連戦。3連勝して、どんどん貯金を増やして押し上げ行きましょう!ナマステ(ありがとうございます)!」と笑顔で呼びかけた。

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守護神・西野、右肘痛から復帰は「3〜4週間かかる。完全に治して戻りたい」[報知]

右肘痛のロッテ・西野勇士投手(25)が2日、1軍復帰が8月下旬となる見通しを明かした。

この日、ロッテ浦和でリハビリメニューをこなした守護神は「3週間から4週間かかると思う。焦らずに、それでも早く復帰できるようにやっていきたい」と話した。

1日に船橋市内の病院で診察を受け、靱帯には問題なく肘の炎症と疲労による痛みであると診断された。「正直、これほどの痛みは初めて。完全に治してから万全な状態で戻りたい」と西野。痛みが引いてから投球練習を再開する予定だ。

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5番・角中弾でロッテに勢い、6月以来の一発[デイリー]

ロッテ・角中勝也外野手が先制弾でチームを勢いづけた。

初回2死一、二塁からメンドーサのチェンジアップを泳ぎながらも右翼席に運ぶ5号3ラン。「泳いだ方が飛ぶ。前でさばくと角度がついて距離も出る」と振り返った。久々の5番で6月18日・巨人戦以来の一発。7月は不振が続いたが、「結果が出てよかった。疲れ?いつもあります。開幕2日目から疲れている」と笑いを誘った。

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ロッテYOGAタイムのお題は「押し上げのポーズ」[デイリー]

ロッテは開幕カードから5回表終了後にビジョンで「マリーンズYOGAタイム」を実施しているが、2日からの日本ハム3連戦(QVCマリンフィールド)のお題を「押し上げのポーズ」とすると発表した。

マリーンズYOGAガール・北原絵里菜さんは「吸いながら両手を横から持ち上げて、両手を頭の上で、指を組みます。吸って、吐きながら上体を右に倒していきます。ここで3呼吸、続けていきましょう。このポーズは肩こりの改善、ウエストの引き締めにも効果的なポーズです」と説明し、こう呼びかけた。

「さあ、今日からファイターズ3連戦。3連勝して、どんどん貯金を増やして押し上げ行きましょう!ナマステ(ありがとうございます)!」。

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[千葉魂]信念貫きブルペン支え続ける、益田、通算100ホールド達成[千葉日報]

「行くぞ!」。歴戦の投手となった今でも、ブルペンの電話が鳴りコーチから声がかかると緊張する。7月23日、杜の都・仙台でのイーグルス戦。益田直也投手は4番手として8回からマウンドに上がった。この試合で41試合目の登板。1回を無失点に抑え、通算100ホールドを達成した。1年目から72試合に登板した若者はプロ5年目で大台に到達した。

「積み重ねてきた結果なので、うれしいです。これからまた積み重ねていきたい」。

背番号「52」はそう控えめなコメントでここまでの日々を振り返った。自ら運命を切り開いて、ここまで来た。ドラフト4位で入団した1年目のキャンプ。ブルペンでの投げっぷりの良さが当時の西本聖投手コーチの目に留まった。「オイ、新人。セットアッパーでもいいけど、先発でも10勝できるぞ。どっちがやりたい?」。魅力的な話だったが、キッパリと断った。プロ入りする前から冷静に自己分析。「球種も少ないし、短いイニングの方が自分は力を発揮できると思っていた」とセットアッパー志願でプロの門をたたいた。コーチの高評価はありがたかったが、自分の信念を貫いた結果、今がある。先発は1度もせずにセットアッパー、ストッパーとマリーンズのブルペンを支え続けている。

毎試合、試合途中にブルペンに向い、まずは体を温める。緊張する心をほぐし、肩をつくりながら出番を待つ。最初はいつか慣れると思っていた。が、何年やっても、この独特の緊張感から解き放たれることはない。

「多分引退するまでそれは変わらないと思います。手応えもないです。必死にやるだけ。手応えとかそういうのは本当に引退をして成績を振り返った時に湧き上がってくるものなのかもしれない。毎日、必死です」。

ブルペン陣のプレッシャーは並大抵ではない。先発投手の勝ち、チームの大事な勝利。記録の勝利をかけてマウンドに導かれる。益田には忘れられない試合がある。2013年7月26日、首位攻防で迎えた仙台でのイーグル戦。日米通算2千本安打に井口資仁内野手が王手をかけて迎えた試合だ。その井口が、それまで13勝負け無しの無敗記録を続ける田中将大投手から左翼へのメモリアル本塁打を放ち、勝ち越し。1点リードのまま最終回を迎え、マウンドを託された。しかし結果は被安打2、3四球で2失点。サヨナラ負けを喫した。マウンドでうな垂れた。頭の中は真っ白になった。

「井口さんの2千本安打。相手投手の連勝記録のストップ。首位攻防。あれは絶対に落としてはいけない大事な試合でした。地獄のようだった。あの日の事は鮮明に覚えている。切り替えることはできなかったですね」。

試合後、ロッカーに戻り、記録の試合をつぶしたことを井口に謝った。「それはいい。気にするな」。笑顔で返してくれたが、心の痛みは消えることは決してなかった。寝れない夜を過ごした。これまで幾多の大ピンチを切り抜けてきた。しかし、後ろを任される投手はそんな成功の余韻は残らないが、失敗した痛みはいつまでも消えることはない。今でも益田はイーグルス戦のたびにあの試合の残像を思い出す。そして2度と同じような悔しい思いをしたくないと気持ちを入れる。そうやって毎試合、ブルペンで肩をつくり、戦況を見守り、電話で呼び出されればマウンドに上がる。セットアッパーとは何とも酷な仕事だ。

極度のプレッシャーの日々の中で支えは家族の存在がある。2歳になる息子は野球に興味を持つようになった。自宅に戻るとゴムボールで野球ごっこをする。益田がピッチャーで子供がバッター。「よく試合を見ているからモノマネをするんですよ。角中さんのマネなんて追い込まれたら足を広げて、ノーステップ打法になる。かわいいですよ」。そう言って息子の話をする時、その表情は和らぐ。大きな当たりを打つと、「益田選手、ホームランです」と息子は自分でアナウンスをしてダイヤモンドを1周するふりをする。その幼気な姿を見ると不思議と極度の重圧から解放され、「この子が大きくなって、野球が本当に分かるようになるまで頑張らないといけない」と心に誓う。

チーム4連敗で迎えた7月31日のイーグルス戦(QVCマリン)。抑えの西野勇士投手が右肘痛で離脱するという非常事態の中で益田は最後のマウンドを託された。鬼気迫る表情で魂のストレートを投じた。そして三者凡退に仕留めると夜空に向って大きくほえた。ブルペン一筋で生きることを決めた男の意地の投球だった。いまだ、悪夢として思い出すイーグルス相手に、魂のピッチングを見せ、苦しかった連敗は止まった。マリーンズには益田がいる。蒸し暑い真夏の夜。3万人を超すファンに強く印象付けたゲームだった。
(千葉ロッテマリーンズ広報・梶原紀章)

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