ロッテが連敗を4で止めた。1−1の5回にデスパイネの20号2ランや清田、平沢、井上の適時打などで7点を勝ち越した。涌井が7回4失点で2年連続の10勝目を挙げた。西武は終盤に追い上げたが及ばず、今季初の6連勝を逃した。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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千葉ロッテ | 0 | 0 | 1 | 0 | 7 | 0 | 0 | 0 | 0 | 8 |
埼玉西武 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | 3 | 7 |
ロッテのアルフレド・デスパイネ外野手(30)が、来日初の20号の大台に乗せた。
1−1で迎えた5回無死一塁から左翼席上段へ弾丸ライナーで特大2ランを運んだ。
「打ったのはフォーク。ランナーがいる場面で回って来ることが多かったので、何とかしたかった。変化球が多く来ていたのでその球を狙っていたよ。少し低目のボールだったけど完璧に持っていくことが出来たね。20本?まだまだ通過点。チームの勝利のために1本でも多くホームランを打って行きたい」とコメントした。
ロッテは4点リードの9回に追い上げられたが、1点差で振り切って連敗を4で止めた。伊東監督は「なかなか勝てていないので、こういう展開になると思っていた。今は投手が打ち込まれているから、何点あっても怖い」と息をついた。
1−1の5回に1四球を挟んで7連打を放つなど一挙に7得点と集中力が光った。ドラフト1位ルーキーの平沢はこの回に適時打を放ってプロ入り後初の1試合複数安打を記録し「先輩方がつないでくれて、流れに乗って打てた。いいタイミングの取り方をできている」と充実感をにじませた。
ロッテのデスパイネが来日3年目で初の20号本塁打に到達した。1−1の5回無死一塁で高橋光の落ち切らないフォークボールを鋭いスイングで捉えた。「まだまだ通過点。チームの勝利のために一本でも多くホームランを打っていきたい」と意欲たっぷりだった。
「完璧に持っていくことができた」と言うように、打球は左翼席の奥深くまで届く豪快な一発だった。この回は猛攻で2度目の打席が回り、中犠飛でリーグトップを争う打点を83に伸ばした。
プロ球界の将来を担うであろう10代の2人。18歳のロッテ・平沢が、19歳の高橋光から快打を放った。4回1死一塁で直球を右前打。
「前に1度対戦しているけど、真っ直ぐも速いし変化球もいい。打てたのは自信になる」。プロ初安打した17日楽天戦(コボスタ宮城)から5試合連続安打。5回無死満塁では、左腕・小石から2試合連続適時打となる右前打だ。「タイミングを早く取るよう意識している」と、打撃フォームの微調整が結果につながっている。
高橋光が13年夏の優勝投手なら、自身は昨夏の甲子園で準V。東海大相模に敗れた8月20日の決勝では、小笠原(現中日)から意地の2安打を放った。あれから1年。プロ初のマルチ安打で成長ぶりを見せつけた。
疲労のたまる夏場。平沢は通常より10グラムほど軽い、約890グラムの西武・森と同タイプのバットを練習で使う。「疲れも出てきて、振れなくなってきたので」。軽さを利用して、思い切り振る感覚を忘れないように。4、5打席目は連続三振。「まだ対応できていない部分もたくさんある」と、貪欲に上を目指す。5回に平沢も加わって7点奪取の猛攻。チームの連敗は4でストップした。
ロッテが中盤の集中打で西武を突き放して勝ち、連敗を4で止めた。
1−1の同点で迎えた5回無死一塁からデスパイネの20号2ラン、一、三塁として清田の適時打、無死満塁から平沢の適時打、代打井上の2点打など打者12人の猛攻で7点を挙げ大きくリードした。先発涌井は先制を許したが、7回4失点で2年連続2桁勝利となる10勝目を挙げた。
西武は幸先よく先制したが先発高橋光が5回に崩れ10敗目。最後は1点差まで追い上げたが及ばず連勝が5で止まった。
ロッテ・落合英二投手コーチが、母校を54年ぶりの全国制覇に導いた作新学院のエース・今井を絶賛した。決勝でも完投勝利を収めた右腕を「投げていてバランスがいい」と評し、「今すぐ欲しい。今すぐ(ロッテの一員として)投げて、って言いたいね」と笑顔交じりに話した。
自身は87年度卒。高3夏の栃木大会では、広島・石井打撃コーチがエースだった足利工に準決勝で敗れた。「僕らは全国大会に出るのが目標で、今は全国で勝つのが目標」と落合コーチ。後輩達が高いレベルで戦っていることを喜び、「八木沢さん、加藤さんの時代、江川さんの時代…。語り継がれる、偉大な人達がいる中で、後輩達がそれに負けないものを作ってくれた」と感慨深げだった。
ロッテ・岡田が、母校・作新学院の54年ぶりVを喜んだ。西武戦(西武プリンス)の試合前の練習中に優勝の報を聞き「応援していた。心からおめでとうございます、と言いたい」と笑顔を見せた。
小針監督は1学年先輩。高校時代は1、2番でコンビを組んでいたという。高3夏は栃木大会3回戦で敗退するなど、自身は甲子園出場はなし。「今年のチームは投打のバランスが良くて、レベルの高い野球をしていた。隙がなかった」と岡田。エース・今井についても「凄い投手。(ロッテでプロとして)一緒にやりたいと思う」と話した。
デスパイネが主砲の仕事で連敗を4で止めた。同点の5回無死一塁、高橋光のフォークを狙い打ち左翼席へ勝ち越し2ラン。チームはこの回に四球を挟み7連打。打者12人で7得点を奪った。3年目で来日初の20号に到達した主砲は「まだまだ通過点。チームの勝利のために1本でも多くホームランを打っていきたい」。犠飛と合わせこの日3打点で83打点としメヒア、中田に並びリーグトップに浮上した。
若武者の表情には充実感が漂っていた。確実に階段を上るロッテ・平沢だ。4回1死一塁。高橋光の141キロストレートを右前に運んだ。そして5回だ。無死満塁から小石のスライダーをきっちりと捉えた。打球は右翼線に弾んで、2試合連続の適時打となった。
「自分の形で打つことができているのが結果につながっていると思います」。額からは大粒の汗が流れた。
17日にプロ初安打を放つと、19日はプロ初の長打となる三塁打をマーク。20日はプロ初打点、そしてこの日は初のマルチ安打だ。
フル出場でクタクタだ。6、9回は三振に倒れた。伊東監督は「1、2軍は全然違う。でも、色んな壁を乗り越えていかないと」とゲキを飛ばした。
平沢は言う。「チャンスをもらっている」。たまらない充実感とともに、今のプレーがある。