ソフトバンクが競り勝った。0−2の1回に内川の二塁打で1点を返し、3回にも内川がソロを放って同点。8回は内川の安打を足がかりに満塁とし、1死から今宮の左前打で2点を勝ち越した。千賀の7回で12三振の好投が光った。ロッテは1回に清田の先頭打者本塁打などで先行したが、8回に2番手の内がつかまった。9回の反撃も及ばなかった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
千葉ロッテ | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 3 |
福岡ソフトバンク | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | x | 4 |
苦手な投手を崩すことはできなかった。千葉ロッテはレギュラーシーズンで7戦4勝を献上した千賀に先発全員となる12三振を喫した。「流れに乗っていきたかったが、そう簡単にいかない」と伊東監督。シナリオ通りだったが、やはり相手が一枚上手だった。
ソフトバンクにはレギュラーシーズンで12.5ゲーム差を付けられ、直接対決でも8勝16敗1分けと圧倒されている。「後手後手に回ったら勝ち目がない」。監督は前日にそう話し、初回の攻撃を重要視していた。
1回。清田が左翼席に先頭打者本塁打を放ち、4番デスパイネも右越えソロで続いた。80と本塁打数が12球団最少だった打線が、鮮やかな一発攻勢で主導権を握った。
しかし、2回以降はゼロを並べられてしまう。「追加点を取れない。シーズン中からずっと同じ展開」と伊東監督。7回まで投げた千賀に、その後の安打は2本だけだ。
9月27日の対戦で、8回途中9奪三振を許していた。速球派対策に投手との距離を縮めて打撃練習を行っていたが…。清田は「四球もそんなに出さないし、真っ直ぐも速い。追い込まれたら、あのフォークはきつい」と言葉を絞り出す。
千葉ロッテはCSの最初のステージで敗退したことはない。一方で、2007年に導入されてからパのCSファーストステージは初戦を制したチームが全て勝ち上がっている。「接戦だった。悲観することなく、切り替えて」。第2戦へ、伊東監督は前だけを見据えた。
ロッテの千賀対策は実らなかった。初回に清田、デスパイネのソロ2発で先制した。幸先よかったが、2回以降は散発2安打。7回まで投げられ、12三振を献上。伊東監督は「主導権は取れたが、追加点を取れなかった。シーズンと同じ」と残念がった。
先月末にファーストステージの相手がソフトバンクに決定。今季4敗の千賀を想定し対策を重ねた。打撃投手を近いところから投げさせるだけでなく、若手の早出練習ではマシンを140キロ以上に設定。速球に振り負けないことを主眼とした。いつもは試合当日に伝えるスタメンも、2日前に伝達。考える時間を与えた。清田は「初球は100%、外の真っ直ぐ」とイメージ。予想通りの初球には手が出なかったが、2球目を先制ソロ。指揮官の目論みが成功しかけた。
だが、この日は変化球に苦しんだ。スライダーでカウントを稼がれ、追い込まれるとフォークに空を切る打者が続いた。千賀との好相性で5番に抜てきされた井上は、2三振を含む3打席凡退。「直球を捉えようとしたんですが」と悔やんだ。伊東監督は「明日、切り替えてやるだけ」。勝つしかない。
ロッテが初戦を落とした。1点を追う9回、デスパイネのこの日2本目のソロで1点差に追い上げ、なお2死二塁としたが、後が続かなかった。
試合後、伊東勤監督(54)は「最後は見せ場をつくった。取られたけど、明日も試合がある。切り替えてやるだけ。ここまで来たら、誰が良かった、誰が悪かったではく、前を見ていくしかない」と話した。
ロッテが初戦を落とした。
2−2の8回から登板した内竜也投手(31)が誤算だった。ソフトバンク先頭内川に中前打を許すと、死球、四球と続け、塁を埋めた。1死は取ったが、今宮に左前へ決勝の2点適時打を打たれた。
得意のスライダーが外れる場面が多く、制球に苦しんだ。試合後、内本人は「そんなことはありません」と、言葉少なに引き揚げた。
ロッテの先発、涌井秀章投手(30)は6安打5奪三振2失点と粘投したが、同点の7回までで降板した。
1回表に2点の援護をもらってマウンドに立った。その裏に1点を返され、3回にはソフトバンク内川聖一外野手(34)に同点ソロを被弾。内角に攻め込んだ1球だったが「打たれたってことは、結局甘かったってこと」と振り返った。
4回以降は被安打1と立ち直るも、チームは8回に勝ち越しを許した。
ロッテが2本のソロ本塁打で、初回に2点を先取した。
まずは先頭の清田育宏外野手(30)が、1ストライクからの2球目を左中間最前部のホームランテラス席へ。「打ったのはスライダーです。初球から積極的に、ストレートがきたら打っていこうと思っていたのですが、振れなかったので気持ちを切り替えてしっかり打ちました。いい緊張感の中で、この1発がいい流れ、勢いを付けてくれればいいですね。テラス席のおかげです。でも、ホームランはホームラン」。
2死後には4番アルフレド・デスパイネ外野手(30)が、2ボール1ストライクから右翼スタンドへ放り込んだ。「打ったのはマッスグ。清田が先頭でホームランを打ってくれたけど、俺も、もう1本必要だと思って打席に向かったよ。ここは俺の好きな球場だし、いい1本が打てたよ。マッスグ、マッスグだよ」と振り返った。
9日のクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第2戦に先発するロッテ石川歩投手(28)が8日、ヤフオクドームで試合前練習に参加した。
2位ソフトバンクと2戦先取の超短期決戦で「とりあえず頑張ります」と淡々。この日の初戦の先発は涌井秀章投手(30)で「(涌井の投球で)打者の感じを見ます」と話した。
ここからが真の下克上だぜ!ロッテは、ソフトバンクに3−4で競り負け、6度目のクライマックスシリーズ(CS、2005年のプレーオフ含む)出場で初めて初戦を落とした。それでも、主砲のアルフレド・デスパイネ外野手(30)が1、9回に劇弾2発。チームに追い込まれたムードはなく、9日の第2戦に希望をつないだ。
「速い球だけなら、どれだけ速くても打ってやる!」と豪語するデスパイネが、CSの大舞台でそれを証明した。1回に千賀の152キロ、9回にサファテの151キロの速球をいずれも右翼席にほうり込む。敵地・ヤフオクドームが不気味なほど静まり返る弾丸2発だった。
「いい試合だったけどな。負けは負けだ。勝つチャンスはいくらでもあった。残念だが、それも野球ということだ」。
試合には敗れた。ロッテにとっては、ファーストステージでの初黒星。いきなりソフトバンクに王手をかけられたが、キューバの至宝に「悲壮感」はない。9日の第2戦に向け、敵に植え付けた「恐怖感」の方が、はるかに大きい。
「日本人は分からないが、我々外国人は、今日を明日に引きずることはない」と試合後、早くもスイッチを切り替えた。シーズン終盤に発症した左手首痛は完全に回復していないが、“痛み止め”は大好物の肉料理。前夜7日も博多で行きつけのブラジル料理店でシュラスコに舌鼓を打ち、英気を養った。
「(次の)大谷も打ってやるよ。ただし、真っ直ぐだけならね」。追い込まれてもなお、王者・日本ハムが待つファイナルステージを見据えるデスパイネ。それはまさに希望の2発。“下克上の旅”を早々と終わらせる訳にはいかない。
ロッテ・石川は8日、キャッチボールなどを入念にこなし「とりあえず頑張る。投げてみないと分からないけれど、緊張はないと思う」と言い切った。今季のソフトバンク戦は4試合に登板して1勝3敗。決して相性は良くないが、パ・リーグ最優秀防御率のタイトルを獲得した右腕は、「下克上」へ逆王手となる勝利に向け、静かに闘志を燃やした。
先発の涌井は7回を110球、2失点と粘りの投球。1回1死二塁では、柳田の打席でボークを取られてピンチを広げ、内川に適時二塁打を浴びた。プロ12年目で通算2個しかないボークに「内角に投げようとしたら田村が外に構えていたので、このままでは打たれると思って途中で(動作を)止めてしまった」と説明。CSでの無敗記録は継続(10試合3勝0敗)したが、チームの黒星に唇をかんだ。
ヤフオクドームから約915キロ離れたロッテの本拠地・QVCマリンでパブリックビューイングが開催された。一時は土砂降りの雨となったが、試合途中からは晴れ間も見え、3070人のファンが集結。会場では福岡と北海道をイメージした明太子、サケの切り身を乗せた「下克上茶漬け」(税込み650円)が販売され、限定50食がサラサラっと完売した。下克上を信じ、9日も開催予定だ。
継投は難しいと改めて感じさせられた。両チームとも先発を7回で見切った。ロッテ・涌井は110球、ソフトバンク・千賀は111球。迷いがあったのはロッテの方だったと思う。
四死球で自滅した2番手・内を責めても仕方がない。レギュラーシーズンなら、走者を出しても粘る涌井を続投させた可能性があるが、短期決戦はスパッと代えるのも戦い方の1つ。伊東監督は、代えないで負けた方が後悔が大きくなると、「ロッテの形」を選んだのではないだろうか。
先に動いたのはソフトバンクだった。千賀は5〜7回に1人の走者も出していなかった。しかし、徐々にスライダーやフォークボールが狙ったコースに制球できなくなってきていた。これだとベンチは代えやすい。
ロッテは昨年のファイナルステージで、なすすべなくソフトバンクに敗れたが、この日はあと一歩まで追い詰めた。第2戦も攻めの姿勢を持ち続けて欲しい。1回に清田が放った、思い切りのいい先頭打者本塁打がいい例だ。休養十分の石川が本来の投球をすれば、そうは点も取られない。攻め続けることが、ソフトバンクへのプレッシャーになる。
ロッテは2−2の8回に2番手の内がつかまった。安打と四死球で無死満塁のピンチを招き、1死後に今宮の左前打で痛恨の2点を失った。試合後バスに乗り込む直前に、思わず拳を振り上げるしぐさを見せるなど、自分への怒りを隠せなかった。
1回に2本のソロで援護をもらった涌井が「緊張感は投げていくうちに、日頃とは違うのが出てきた」と短期決戦ならではの雰囲気の中で7回2失点と粘った。それだけに痛い1敗となった。
ロッテは8回に2番手・内竜也投手(31)が2失点と踏ん張れず、第1戦を落とした。9日の第2戦では引き分けでも敗退が決まり、後がなくなった。
ロッテは1回に清田の先制の先頭打者本塁打とデスパイネのソロで2点をリード。
しかし、先発の涌井が3回までに2点を失い、打線もその後はつながらなかった。同点の8回には2番手・内が、先頭の内川に安打を許すと2四死球で満塁のピンチを招き、今宮に決勝2点打を浴びた。
第1戦を落とした伊東監督は「ここまできたら、誰が良いとか悪いとかはない。もう前を向くしかない」と気持ちを切り替えた。「先制できたし、最後は接戦だった。最後まで見せ場をつくったのだから悲観すること何もない」。9日の第2戦は引き分けでも敗退が決まるが、「明日の(先発予定)石川で取るだけ」と必勝を期した。
ロッテは1回、先頭打者の清田育宏外野手(30)とアルフレド・デスパイネ外野手(30)の2本のソロアーチで2点をリードした。
リーグ戦3位からの下克上へ、ロッテが1回から先手を取った。1番に座った清田が1回、先頭で打席に立つと、ソフトバンクの先発、千賀が投じた2球目、内角にきた変化球をフルスイングした。打球は左中間に飛び込むソロ。プレーボールから1分もたたないうちに1点を入れた。
さらに2死後、4番・デスパイネが右翼席へ豪快なソロ。2本の本塁打でリードした。
ロッテは8日、QVCマリンで実施するパブリックビューイング(PV)に合わせ、球団オフィシャルグッズショップの「マリーンズストア」で、同日から「目指せ日本一!マリーンズ応援イベント」を開催すると発表した。
レプリカユニホーム全品50%OFF(ネーム入り各種は8500円→税込み4250円。ネーム無し各種は5200円→税込み2600円)。また期間中、同ストアで1会計につき5000円(税込み)以上を購入したファンには、2016年度のユニホーム配布日に配ったピンストライプかビジターユニホームのどちらか好きな方をプレゼントする(ユニホームの数には限りがあり、各店とも無くなり次第終了)。
ロッテが6度目のファーストSで初めて初戦を落とした。同点の8回に救援したセットアッパーの内がつかまった。
2安打2四死球の乱調で1アウトしか取れず2失点。試合後はパーカのフードをかぶり「状態は万全だったか」との問いに「そうです」と答えるだけで足早にバスに乗り込み、悔しさをのぞかせた。
今季ソフトバンク戦は5試合で5回1/3を投げ、防御率0.00。右肘痛で7月から2ヶ月間は離脱したものの、今季34試合登板で1敗しかしていない右腕への信頼は厚かった。7回2失点のエース涌井を110球で降板させ、盤石のリリーフ陣で無失点でしのぐプランだったが、結果的には内が誤算だった。伊東監督は「ここまで来たら誰が良かった、誰が悪かったとかではない」と冷静に敗戦を受け止めた。
負けられない一戦。先発を託された涌井は2−0の初回1死二塁で柳田を迎えると、左足を踏み出してから投げるのをやめる珍しいボークを記録。「内角に投げようと思ったら田村が外角に構えていて、投げたら打たれる、やばいと思ってやめた」。それほど1球に細心の注意を払ったが、リードを保って救援陣につなぐことはできなかった。
9日の第2戦に負けか引き分けで、初のファーストS敗退が決まる。崖っ縁に立たされた下克上のロッテ。伊東監督は「接戦だったので、悲観することなく切り替えていく」と前向きだ。もう勝つしかない。
ロッテ打線は千賀の前に先発全員の12三振。計14三振を喫し、得点はソロ3本の3点だけだった。
初回に清田が球団初のCS先頭打者アーチ。4番・デスパイネは初回に右越えソロ。2−4の9回もサファテの151キロ直球を右翼ホームランテラスへ運んだが勝利に結びつかず「勝てるチャンスはあったけど、それも野球。明日勝つしかない」と第2戦に目を向けた。
QVCマリンではパブリックビューイング(PV)が行われ、3070人が福岡に向けて声援を送った。
初回に清田、デスパイネの本塁打で2点を先制すると、ユニホームに身を包んだロッテファン達は大興奮。惜しくも逆転負けを喫したが、千葉県東金市の会社員、鶴岡美里さん(25)は「ロッテらしく粘り強く勝って欲しい」とファイナルS進出を願った。
ロッテは逆転負けを喫し、後がなくなった。6度目のファーストSで初めて初戦を落とした。初回に清田、デスパイネのソロ2発で2点を先取したが、先発・涌井が序盤で同点に追いつかれ、最後は内が勝ち越しを許した。
伊東監督は「ワク(涌井)も粘り強く投げてくれた。いい形で先制できた。悲観することなく、切り替えていく」と前を向いた。9回にも2発目のソロ本塁打を放ったデスパイネは「勝てるチャンスはあった。外国人の性格として(ショックを)あまり引きずらない。明日勝つしかない」と話した。
ロッテが初回に2発で流れをつかんだ。
まずは1番・清田が先頭打者アーチ。千賀の2球目のスライダーを振り抜き、左翼ホームランテラスに運んだ。「初球から積極的にストレートが来たら打って行こうと思っていたのですが、振れなかったので、気持ちを切り替えてしっかり打ちました。いい緊張感のなかで、この一発がいい流れ、勢いを付けてくれればいいですね。テラス席のお陰です。でも、ホームランはホームラン」と声を弾ませた。
さらに、4番・デスパイネが152キロの直球をとらえ右越えソロを放ち「打ったのはマッスグ。清田が先頭でホームランを打ってくれたけど、俺も、もう1本必要だと思って打席に向かったよ。ここは俺の好きな球場だし、いい1本が打てたよ。マッスグ、マッスグだよ」と話した。
ロッテは8日、ソフトバンクとのCSファーストSに合わせ、マリーンズストアで8日から「目指せ日本一!マリーンズ応援イベント」を開催すると発表した。
レプリカユニホーム全品半額や、5000円以上購入者にピンストライプかビジターのどちらかのユニホームをプレゼントなどが行われる。下克上Tシャツ、下克上フェイスタオルといった下克上グッズも発売する。
与えられた役割は分かっていた。初回、清田が千賀の2球目のスライダーを振り抜くと、打球は左翼テラス席に飛び込んだ。プロ7年間で1度しか経験のない先頭打者アーチは、CSで球団初。思い切りの良さを発揮し「追い込まれたら厳しいと思っていて、前に飛ばせてよかった」と振り返った。
昨季は規定打席に初到達し、打率3割1分7厘をマークしたが、今季は2割2分5厘。不振で2軍落ちし、9月には2度も頭部死球に見舞われた。4日の楽天戦(QVC)では、ぶつけられた美馬から2安打。短期決戦の1番起用を決めた伊東監督の期待に応えた。
勝負強さは健在だ。昨年もCS第1S初戦で本塁打を放っており、CS通算4本目。チームは崖っぷちまで追い込まれたが「明日は絶対勝ちます。今日は(死球が)当たってもいいと打席に入って、結果が出てくれた」。本来の打撃が戻ってきた背番号1が、下克上への希望の光だ。
崖っぷちに立たされたロッテ。それでも伊東監督は胸を張った。「切り替えてやるだけです。ここまで来たら誰が悪いとかいうものではない」。ナインを責めることなく、連勝での逆転突破へと視線を定めた。
エース・涌井を余力十分な110球で降ろし、同点の8回から内を投入。勝利の方程式通りに動いたが、結果的にはそこが裏目に出た。6月に右肘を痛めた影響があったのか。150キロ近い球速は影を潜め、143キロ止まり。落合投手コーチは「万全だからこの場にいる」とかばったものの、1安打と2四死球が絡んで1死満塁から今宮に手痛い2点打を浴びた。試合後バスに乗り込む直前には思わず拳を振り上げる仕草を見せるなど、自分への怒りを隠せなかった。
第1Sに進出した過去5度全てで突破を決めているロッテでも、超短期決戦の緊張感は特別だ。CS初戦のスタメンはチームでは異例の2日前に伝えた。指揮官の「(試合までの)時間を精神的にも有意義に使って欲しい」という決戦へ向けた意図があったが、涌井は「投げているうちに、日頃と違うものは出てきました」と明かす。
1回1死二塁の場面では、捕手・田村とサイン違いを起こして投球動作の途中で止まり、結果はボーク。2死までこぎつけたが、内川に適時二塁打を浴びて、初回にもらった2点リードが1点になった。普段着の野球ができないところが、CSという舞台だ。
だが、伊東監督は最後まで後ろを振り向かなかった。「見せ場は作った。接戦だったし、悲観することはない」と言い切る。ロッテのお家芸・下克上のチャンスがある限り、決して諦めない。
ロッテは、ソフトバンクに逆転負けを喫した。
初回に清田の先頭打者弾とデスパイネのソロ弾で2点を先取。しかし、同点に追いつかれると、8回に2番手の内が、2点の勝ち越しを許した。9回に、デスパイネが2本目となるソロアーチを放ち1点差に迫ったが惜敗した。
ロッテは、敗戦によりファイナルステージ進出するには連勝のみとなった。伊東監督は「(初回の先取点で)主導権は取りましたが、追加点が取れなかった。シーズン中と同じだった。明日(先発する)石川で取ってくれればいいです。見せ場はつくったので、このままで行けばいいです」と、明日に切り替えた。
ロッテ・先発の涌井が7回を投げきったところで降板した。110球を投げ、6安打2失点と粘投。2−2の8回からは、内が2番手として登板した。
ロッテは、8日からQVCで行うCSパブリックビューイングに合わせ、球場併設の球団ショップで「目指せ日本一!マリーンズ応援イベント」を開催すると発表した。
レプリカユニホームが全品50%オフとなるほか、下剋上グッズとしてTシャツ、フェースタオルも販売される。
ロッテの1番・清田が初回、先頭打者弾を左越えに放った。2死後にはデスパイネが、右翼にソロ本塁打。いきなり2本のアーチで2点を先取した。
清田は、千賀が2球目に投じた内角の変化球を左翼テラス席に運んだ。「初球から積極的に、ストレートが来たら打って行こうと思っていたのですが、振れなかったので気持ちを切り替えて、しっかり打ちました。いい緊張感のなかで、この一発がいい流れ、勢いを付けてくれればいいですね」。
2死後には、4番・デスパイネが、右翼スタンドに飛び込む特大のソロアーチ。シーズン24発の助っ人は「打ったのはマッスグ。清田が先頭でホームランを打ってくれたけど、俺も、もう1本必要だと思って打席に向かったよ。ここは俺の好きな球場だし、いい1本が打てたよ。マッスグ、マッスグだよ」と話した。
ロッテ・田村龍弘捕手の打球が中堅・柳田のグラブに収まると、伊東勤監督はグラウンドに背を向けた。土壇場の9回。アルフレド・デスパイネ外野手の2本目の本塁打で1点差とし、なお2死二塁。逆転のロッテの筋書きは消えた。
指揮官は「最後は見せ場を作ったんだが…」と悔しさをにじませながら、「明日もゲームがある。切り替えていくしかない」と前を向いた。
1回、清田の先頭打者弾とデスパイネのソロ弾で千賀の出はなをたたいた。だが、追加点が奪えない。「シーズン中と同じような展開になってしまった」と伊東監督は振り返った。
07年のCS制度導入以降、パ・リーグでは9年連続で第1戦勝利チームがファーストS(第1S)を突破している。これだけ見ればファイナルS進出は絶望的だが、ロッテは過去4度、ファーストSに出場して敗退は1度もない。
デスパイネはこう言った。「いい試合だったが負けは負け。明日に向けて頑張る」。早くも切り替えた主砲の言葉が突破口を開く鍵かもしれない。
ロッテは先発・涌井が7回110球6安打2失点で降板した。
涌井は2−0の初回に内川の適時二塁打で1点を返され、3回にも内川の本塁打で同点とされたが、4回以降は得点を与えず。ソフトバンクの千賀と同様に2失点で7回を投げ終え、2番手・内にマウンドを譲った。
ロッテが初回、清田の先頭打者弾と4番・デスパイネのソロ本塁打で2点を先制した。
ソフトバンクの先発・千賀から、清田は1ストライク後の2球目、スライダーを左翼ホームランテラス席へ運んだ。
デスパイネは2ボール1ストライクからの4球目、外角低めのストレートを右翼席にたたきこんだ。
ロッテは8日、CSファーストステージのQVCマリンでのPV(パブリックビューイング)に合わせ、球団オフィシャルグッズショップ・マリーンズストアで「目指せ日本一!マリーンズ応援イベント」を同日から開催すると発表した。
レプリカユニホーム全品50%OFF(ネーム入り各種8500円・税込み4250円。ネーム無し各種5200円・税込み2600円)。
また、期間中マリーンズストアにて1会計につき5000円(税込み)以上を買うと、2016年度のユニホーム配布日に配ったピンストライプか、ビジターのどちらかのユニホームをプレゼントする(各店とも無くなり次第終了)。
対象店舗はマリーンズストア各店(プラザ店、ホームプレート店、海浜幕張店)。また、8日からは話題の下克上グッズも発売開始となる。
打線が振るわなかった中で、明るい材料だ。千葉ロッテの主砲、デスパイネが2本塁打を放った。「終わったこと。引きずらない」と淡々と話したが、ソフトバンクに脅威を与えたのは間違いない。
1回に152キロの直球を右翼席に突き刺すと、9回は真ん中低めの151キロに詰まりながらも右翼テラス席へ。いずれも速球を逆方向に運び、「真っ直ぐを打てているのは状態がいい。ただ、変化球に体が前にいっている。そこだけ修正したい」と冷静に語った。
伊東監督がCSのキーマンに挙げている1人。シーズン終盤は左手首痛で欠場することもあったが「少し休めたのが良かった」。まだ万全ではないものの、今季24本塁打中8本をマークしている相性のいい球場で存在感を見せつけた。
下克上の新たな伝説の幕開け−。プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(3試合制)が8日、開幕。レギュラーシーズン3位の千葉ロッテはヤフオクドームに乗り込んで、2位ソフトバンクに挑む。決戦を前に、伊東勤監督は「(試合前練習で)選手の表情は若干硬かったが、ゲームが始まれば取れてくると思う。緊迫感ある中で、どれだけ力を出せるか。悔いの残らないように」と話した。
完全アウェーでの一戦になるが、左翼席の一角はビジターユニホームと同じ黒色で染めたロッテファンでぎっしり。「下克上」や「行くぞ!札幌」の文字も掲げ、熱いエールを敵地に響かせた。
友達3人と応援に駆けつけた東京都清瀬市の大学3年生、南條英里さん(20)は前日の正午から球場を訪れ、ファーストステージを全試合観戦予定。「チームをまとめてくれて、常にベンチで鼓舞してくれる。CSでも力になるはず」と鈴木大地主将に期待を寄せる。ロッテはCSの最初のステージで敗退したことがなく、仲間とともに「絶対勝ちます」「勝たない訳がない」と笑顔を見せた。