ドラ1対決を制した。ロッテのドラフト1位、桜美林大・佐々木千隼投手(4年=日野)が創価大打線を8安打1失点に抑え、完投勝ち。準決勝にコマを進め、明治神宮大会(11日開幕)初出場に王手をかけた。相手先発、ソフトバンク1位の田中正義投手(4年=創価)は最速152キロも、4回6安打4失点KO。ともに5球団が競合した右腕同士の投げ合いは、佐々木に軍配が上がった。
佐々木はマウンドに立ち続けた。4−0の9回、先頭打者への四球から走者をため初失点。「最後は相手の執念を感じました。押されてしまいました」と悔しがった。すぐに切り替え、2死一、三塁で最後の打者を二ゴロ。明治神宮大会出場に王手をかけ、力強くガッツポーズした。
完封は逃しても、道中は危なげなかった。取り組みが実った。リーグ戦初優勝を決めた10月23日の東海大戦。優勝がかかり「いつもと違う感じ」と力んでしまった。初回に2失点。2回からは0を続け完投したが、反省が残った。この1週間は、キャッチボールから力まないことを意識。「直球の質が良くなってきました」と原点に戻った。最速148キロの直球を軸に、テンポよく、打ち取った。ネット裏で見守ったロッテ永野チーフスカウトも「力みがなくなった」と、うなずいた。
ドラ1対決に大勢の観客と報道陣が詰め掛けた。佐々木は「自分と彼との戦いではありません」と力まなかった。ただ、視線の先には、やはり田中がいた。「彼の直球は本当に魅力あるボール」と、初回から150キロ超え連発の相手右腕を認めた。だからこそ、難敵からの初回の3点先制が大きな力になった。2−3で敗れた3月のオープン戦以来の投げ合い。大学では最初で最後となる公式戦での勝負に投げ勝ったが「チームとして1つになれた」と仲間とつかんだ勝利を喜んだ。
次に投げ合うのは、プロの舞台だ。「まだまだ、追いつけていません。自分もトップレベルで一緒に戦えるようになりたい」と素直に打ち明けた。その前に、やるべきことがある。「全国大会、行ったことないので。行きたいです。強く、思います。1戦1戦、必死です」。目指すは、大学日本一。プロ入り前にビッグタイトルをつかむ。
ロッテにドラフト1位指名された桜美林大・佐々木千隼投手(4年=日野)が、ソフトバンク1位指名の創価大・田中正義投手(4年=創価)に投げ勝った。
打線が初回に無死満塁のチャンスをつくって3点を先制。4回にも1点を追加し、田中をKOした。佐々木は9回に1点を失ったが、8安打7奪三振で完投した。
佐々木は「勝ててホッとしています。(田中は)なかなか点を取るのが難しい投手なのに、3点取ってくれたのは大きかった」と感謝していた。
ロッテは31日、球団公式チアパフォーマー「M☆Splash!!」2017年新メンバーオーディションの開催要領を発表した。次の通り。
「M☆Splash!!」のリーダーANNAは「ダンスとマリーンズが好きという方!M☆Splash!!になってマリーンズを一緒に応援してみませんか?私達のパフォーマンスでマリーンズを笑顔でつなげましょう!応募お待ちしてます♪」と呼び掛けた。
応募方法などの詳細は球団ホームページで確認できる。
ロッテは31日、マリーンズオフィシャルオンラインショップで「2016ドラフト会議社長LuckyTシャツ」の販売を開始した。
今秋のドラフト会議で、5球団競合の末、桜美林大・佐々木千隼投手(22)の交渉権を山室晋也球団社長が引き当てた。そのことをモチーフにした記念Tシャツで、税込み3240円。サイズは、S、M、L、XL。注文は、11月7日午後11時59分まで受け付ける。
山室社長は「もっと面白いファンサービスや商品をドンドン考えろ、と社内でいつも社員に叱咤してきましたが、まさか自分がネタにTシャツが商品化されてしまうとは思いませんでした。正直、恥ずかしいです。ただ、ファンの方が喜んでいただき、話題になるのであれば頑張ってPRしていきたいと思います。ぜひご購入ください」と呼び掛けた。
ロッテは31日、小谷正勝2軍投手コーチ(71)の退団を発表した。本人から辞意の申し入れがあった。
同コーチの今後は未定。
ロッテは31日、イ・デウン投手(27)と来季契約を結ばないことを発表した。
来日1年目の昨季は先発、中継ぎで37試合に投げ、9勝を挙げたが、今季は3試合のみにとどまった。既に帰国しており、球団を通じ「2年間、沢山の応援、本当にありがとうございました。もう少しチームの力になって、1軍のマウンドで僕の姿を皆様にお見せしたかったという思いがあり、それが出来なかった点は残念です。ただ、日本では良い思い出を沢山、作ることが出来ました。感謝をしています。マリーンズを離れますが、これからも続けて応援をしていただけると嬉しいです。マリーンズファンの皆様、本当にありがとうございました」とコメントした。
ロッテは31日、根本淳平2軍トレーニング補佐(43)が2軍トレーニングコーチに就任すると発表した。背番号は「98」。
「選手が最高のパフォーマンスが出来るように、そして体が強い選手を作れるようにサポートしていきたいと考えています。チームの優勝のために自分の出来る仕事を精一杯やっていきます」と意気込みを口にした。
ロッテは31日、11月1日からの千葉・鴨川秋季キャンプに韓国と台湾から5選手が参加すると発表した。次の通り。
明治神宮大会出場権2枠を懸けて開幕し、準々決勝で桜美林大(首都)が4−1で創価大(東京新大学)に快勝した。10月20日のドラフト会議で5球団が競合したロッテのドラフト1位・佐々木千隼(ちはや)投手(22)が8安打1失点で完投。同じく5球団が競合したソフトバンク1位の創価大・田中正義投手(22)に投げ勝った。1回戦では、東海大(首都)の青島凌也投手(2年)が国際武道大(千葉)を相手に大会史上2人目の完全試合を達成した。
注目の対決を制したのは、佐々木千だった。9回に1点を失い、なおも2死一、三塁。代打・村上を二ゴロに打ち取ると、精悍な顔立ちに、大きな笑顔が浮かんだ。
「自分と彼(田中)との戦いじゃない。チームとして、1つになって戦えた。大きな3点をもらって、リズムに乗っていけた」。
エースは打線に感謝した。田中は1位で5球団、佐々木千は外れ1位で史上最多の5球団が競合。盛り上がる周囲をよそに「低めの変化球には見逃し三振でいい。直球だけ仕留めようと徹底した」(津野監督)と対策を徹底。1回2死満塁から暴投と沼田の2点三塁打で3点をプレゼント。それに応えたエースはMAX148キロの直球にシンカーなどの変化球をまじえ、8回まで三塁も踏ませず。3月20日のオープン戦で敗れた創価大と田中にリベンジした。
同学年の日本ハム・大谷が二刀流で活躍した日本シリーズはテレビで見た。「雲の上の存在。そういう立ち位置に自分も早く行って、戦っていけるように」と意欲を新たにした。2日の準決勝に勝てば、野球人生で1度も経験のない全国の舞台が待つ。
ロッテは31日、小谷正勝投手コーチ(71)の今季限りでの退団を発表した。本人の固い辞意によるもの。また韓国出身の右腕、イ・デウン投手(27)と来季の契約を結ばないことを正式発表。在籍2年で40試合、9勝9敗、防御率3.97。韓国では今後、2年間の兵役を務める。根本淳平2軍トレーニングコーチ補佐(43)の補佐が取れることも発表した。背番号「98」。
ロッテは31日、韓国出身の右腕、イ・デウン投手(27)と来季契約を結ばないことを発表した。同投手は在籍2年、40試合、9勝9敗、3.97の成績。韓国では今後、2年間の兵役を務める。
ロッテは31日、小谷正勝投手コーチ(71)の今季限りでの退団を発表した。同投手コーチは昨季もシーズン終了後に退団を申し入れていたが、球団側の強い慰留で翻意。今季も同様に続投を要請されていたが、退団を選択した。同投手コーチには伊東監督はもとより、多くの投手が絶大の信頼を寄せていた。今後については未定。
ロッテの球団公式チアパフォーマー「M☆Splash!!」の2017年新メンバーオーディションを次の要領で開催することになった。31日、球団が発表した。詳細は以下の通り。
11月1からスタート7する鴨川秋季キャンプ(千葉県鴨川市)に韓国ロッテジャイアンツ、台湾ラミゴの選手が参加することになった。31日、球団が発表した。詳細は以下の通り。
ロッテは31日、千葉県鴨川市で11月1日から行う秋季キャンプに、韓国プロ野球ロッテの3投手と、台湾プロ野球ラミゴの2内野手が参加すると発表した。
ロッテのスカウト陣がドラ1右腕を視察した。永野吉成チーフスカウトは「四球を出さないし、簡単にストライクを取れる投手。シンカーがあるから左打者も苦にしない」と先発として評価。首都大学リーグ初優勝を決めた10月23日の東海大戦では抜け球も目立っただけに、「上半身にぶれがないし、低めに投げている」と安心した様子だった。
井辺康二スカウトは「肘が下がって(ヤクルトの)館山に近いかもしれない」と通算85勝右腕に例えていた。
5球団競合対決は「外れ1位」千隼の勝ち−。関東地区大学選手権は31日、横浜スタジアムで1回戦2試合、2回戦1試合を行い、ロッテからドラフト1位指名を受けた桜美林大(首都大学1位)の佐々木千隼投手(4年)が2回戦で創価大(東京新大学1位)に8安打1失点で完投勝利をマークした。ソフトバンクから1位指名された田中正義投手(4年)との「5球団競合」対決を制し、初の明治神宮大会(11日開幕)出場に王手をかけた。
プロ野球ファンも注目した5球団競合対決は、佐々木千に軍配が上がった。4−0の9回に1点を返され、なお2死一、三塁とされたが、最後は145キロの直球で詰まらせて二ゴロ。完封こそ逃したが粘り強く1失点で完投し、自然とガッツポーズが出た。
「勝ってホッとしている。自分と彼(田中)の戦いではなく、チームとして一つになって戦えた。注目される試合というのは分かっていた」。
10月20日のドラフト会議では、「外れ1位」では史上最多となる5球団が競合した。その前に最初の入札で5球団から1位指名されたのが田中だった。大学No.1投手の座を争う2人。佐々木千は「彼の真っ直ぐは魅力がある。まだまだ追いつけていない」。過去の対決は今年3月のオープン戦で投げ負けた1度のみで公式戦初対戦だった。
田中は初回に暴投で先制を許すなど3失点し、4回4失点で降板。「剛」の田中が最速152キロをマークしたのに対し、「柔」の佐々木千は自己最速に5キロ届かない148キロだったが、スリークオーターから繰り出すシンカーで手玉に取った。3回2死一、二塁のピンチもシンカーを打たせて遊ゴロで脱出。「シンカーっていうボールに自信を持っている」と胸を張った。7三振を奪いながら、要所では打たせて取る技ありの投球で、わずか105球で完投した。
高校、大学と着実にレベルアップしてきた。中学3年だった09年夏の西東京大会準決勝で都日野が日大三に6−7で敗れた激戦を見て「都立でもこういう試合ができる」と感動し、強豪・日大三を倒そうと都日野に進学。その09年に日大三でエースだったのがロッテ・関谷だ。雲の上の存在だった日大三のエースとは、来季の先発ローテーションを争う立場にいる。
大学最後の大会で田中にも投げ勝った。「自分もトップレベルで(田中と)一緒に戦えるようになりたい」とあくまで謙虚だが、プロ1年目からの再戦にも意欲を燃やしている。
チームは4強入りし、2日に準決勝(中央学院大と白鴎大の勝者)に勝てば初の神宮大会進出となる。都日野3年夏も準々決勝で日大三に敗れて甲子園の道を断たれた右腕は、「全国大会は出たことない。行きたいと強く思っている。気持ちを前面に出したい」と端正な顔を引き締めていた。
エース・涌井と今季14勝の石川の二枚看板に加え、残留が濃厚のスタンリッジはローテーション入りが確定。信頼を勝ち取った唐川も濃厚と見られる。佐々木千が入団すると、先発の残り2枠を7勝で頭角を現した二木、関谷、チェン、古谷、大嶺祐らと争うことになる。守護神・西野の先発再転向も検討されており、競争が激化する。
ロッテは31日、イ・デウン投手(27)と来季契約を結ばないことを発表した。1年目の昨季は37試合に登板し9勝4ホールドをマーク。しかし、期待された今季は3試合で0勝、防御率7.20に終わった。
イケメンとしても人気を集めた右腕だが、退団が決まり「2年間、たくさんの応援、本当にありがとうございました。もう少しチームの力になって、1軍のマウンドでボクの姿を皆様にお見せしたかったという思いがあり、それができなかった点は残念です。ただ、日本ではいい思い出をたくさんつくることができました。感謝をしています。マリーンズを離れますが、これからも続けて応援をしていただけると嬉しいです。マリーンズファンの皆さま、本当にありがとうございました」とコメントを発表した。
ロッテは31日、小谷正勝2軍投手コーチ(71)の退団を発表した。小谷コーチからの辞意申し出を球団が受理した。横浜(現DeNA)、ヤクルト、巨人でコーチを歴任し、13年にロッテ入り。コーチ歴30年を超える名伯楽は、若手投手の育成に力を注いできた。
また、根本淳平2軍トレーニング補佐(43)が2軍トレーニングコーチに就任すると発表した。広島では03〜15年までトレーナーを務め、今季から現職に就いていた。
ロッテは31日、11月1日から行われる鴨川秋季キャンプに韓国・ロッテジャイアンツから3選手、台湾・ラミゴ モンキーズから2選手が参加することが決まったと発表した。
韓国・ロッテから参加するのはキム・ユヨン投手(22)、チャ・ジェヨン投手(20)、ベ、ゼスン投手(20)の3選手。
台湾・ラミゴから参加する2選手は、梁家榮(リャン・ジャーロン)内野手(21)、董子浩(ドン・ズーハオ)内野手(20)となっている。
ロッテは31日、球団公式チアパフォーマー「M☆Splash!!」の2017年新メンバーオーディションを開催すると発表した。
募集期間は10月31日から12月4日までで、応募資格は18歳以上(高校生不可)で定期レッスンに参加でき、プロダクションに所属していない女性。1次審査(書類審査)は12月5日。2次審査(規定演技、自由演技、面接)は同18日に行われ、最終審査(規定演技、自由演技、自己PR)は12月23日に公開形式で実施される。
M☆Splash!!リーダーのANNAは「ダンスとマリーンズが好きという方!M☆Splash!!になってマリーンズを一緒に応援してみませんか?私達のパフォーマンスでマリーンズを笑顔でつなげましょう☆!応募お待ちしてます♪」と呼びかけた。
ロッテは31日、小谷正勝2軍投手コーチ(71)の退団を発表した。この日までに本人から申し出があり、球団側が了承した。
小谷コーチは投手として大洋でプレーし、77年の引退後は大洋(横浜)、ヤクルト、巨人でコーチを歴任。13年からロッテの2軍投手コーチに就任した。巨人・内海やDeNA・三浦らを育て、投手育成に定評があった。また、球団は根本純平2軍トレーニング補佐(43)が、来季から2軍トレーニングコーチに就任すると発表した。
プロ野球・ロッテが31日、2軍トレーニングコーチに現在トレーニング補佐を担当している根本純平(ねもと・じゅんぺい)氏が就任すると発表した。
根本コーチの背番号は98。「選手が最高のパフォーマンスができるように、そして体が強い選手を作れるようにサポートしていきたいと考えています。チームの優勝のために自分のできる仕事を精一杯、やっていきいます」とコメントした。
プロ野球・ロッテが31日、李大恩(イ・デウン、27)投手と来季の契約を結ばず、退団することを発表した。
李は「2年間、沢山の応援、本当にありがとうございました。もう少しチームの力になって、1軍のマウンドでボクの姿を皆様にお見せしたかったという思いがあり、それが出来なかった点は残念です」と、ファンに対してお礼と謝罪のコメントを出した。
「ただ、日本では良い思い出を沢山、作る事ができました。感謝をしています。マリーンズを離れますが、これからも続けて応援をしていただけると嬉しいです。マリーンズファンの皆様、本当にありがとうございました」と結んだ。
李は15年にロッテ入り。カブス傘下3Aから獲得し、最速154キロの速球が期待された。1年目の15年シーズンは37試合に登板して9勝9敗。今季は3試合の登板にとどまっていた(勝ち負けなし)。
目をつぶると、その光景が鮮明に浮かび上がる。時にそれはスローモーションで襲ってくる。あれから、まだ1ヶ月も経っていない。しかし、その場面はいったい何度、頭の中を駆け巡っただろうか。キャプテン3年目で迎えた鈴木大地内野手の2016年シーズン。「伊東監督を胴上げする」と誓い、闘った日々は10月9日、福岡でのCSファーストステージ第2戦で早々についえた。
そして、その敗戦の中で自身もミスをした。試合後の鈴木は肩を落とした。誰から声を掛けられても、反応をすることができなかった。ひたすら自分を責め、そのプレーを悔やんだ。
「押せ押せムードをボクのバント失敗で止めてしまった。あの試合の流れを変えてしまった。悔しいという言葉で表現するのは簡単すぎる。それくらいのプレーだった」。
束の間のオフを挟んで、マリンでの秋季練習が始まっても、どこか元気のないキャプテンの姿があった。まだ、自分を責め続けている。そんな背中だった。練習が終わり、グラウンドに誰もいなくなっても汗を流し続けた。秋が深まり、すっかり日が沈むのが早くなった。少し暗くなったグラウンドで深くため息をついた。
0勝1敗で迎えたCSファーストステージ第2戦。負ければシーズン終了の試合は初回に清田育宏外野手の先頭打者本塁打で幸先よく先制した。2回も先頭のナバーロが右前打で出塁。鈴木に打席が回ってきた。サインは送りバント。その初球。インコースに来た直球に少し避け気味になりながらバットを合せてしまったことで、ボールは一塁側ファウルゾーンに飛び上がった。フライアウトを覚悟するほど、ポンと打ち上がった打球だった。が、何とか相手捕手が捕球をすることができず、難を逃れた。気持ちを切り替えて臨んだはずの2球目。今度は少し外寄りの高めストレート。球威に押し負け、ボールは力なく捕手のちょうど目に前に打ち上がっていった。痛恨のバント失敗だった。
「ボールが上がった瞬間のことを忘れることができません。あの時は1球目の内角に来た残像が体に残ってしまった。本当はしっかりと踏み込んでバントを試みないといけないのに、(インコースの残像が残っていたことで)体が踏み込んでいけずバットと離れる最悪の形になってしまった。だから、あんな結果になった。初歩的なこと。今年は全てのことを丁寧にしようと心がけていた。それなのに、守備も含めて今年は平凡なミスが多かった。悔しい」。
このゲーム、結果的に初回の1点しか奪えずに負けた。マリーンズは序盤に何度かチャンスを迎えたが、攻めあぐね無得点。立ち上がりに苦しんでいたホークスの先発・バンテンハークに立ち直らせるキッカケを与え、敗れた。そして最後の打者も鈴木だった。ホークスの絶対的守護神・サファテの前に空振り三振。2016年シーズンは幕を下ろした。
悩み、苦しんだシーズンだった。143試合にフル出場を果たして、打率.285(リーグ10位)、6本塁打、61打点。それでも「打率3割を超える成績でチームを引っ張り、優勝をする」と自分自身で高い目標を掲げていた若者は、いつも自分と闘っていた。夏場まで打率は3割を超えていたが、「まだまだ得点圏で打てていない。ファンの期待に応えられていない」と、どこまでも自分を責めながら挑む日々を続けた。それは周囲の期待の高さを誰よりも感じていたからこその重圧。人一倍責任感の強い男はどんどん自分を追い込み、心を痛め、苦しめていた。
「正直、球場に行くのが嫌だなあと思えるシーズンは初めてでした。グラウンドに出るのが怖いと感じたこともあった。夜寝て、あまり寝つけなくて、野球のことを考えていたら、もう朝になっている。そんな日々でした」。
支えとなったのは家族であり、ファンだった。妻は悩める夫に寄り添ってくれた。「家庭に野球は持ち込まない」が信条だったが帰宅して、つい弱音を吐いたことが今シーズは何度かあった。その度に優しく励ましてくれた。そしてスタンドのファン。「不甲斐ない自分にブーイングをされると覚悟をしていた」と言うが、打席に立つといつも温かい声援をくれた。罵声を受け入れる準備はできていた。「それは当然」と思っていた。しかし、やっぱり逆に力強い応援が耳に入ると嬉しく、挫折しそうになる自分の力になった。
「あのプレーを取り返すことはもうできません。どんなに考えても、もう戻っては来ません。だから、これを機に強い自分になりたいと思う。しっかりと仕事ができるように修行をして、あのプレーがあったから、この悔しいシーズンがあったから、鈴木大地は成長したといつの日か言ってもらえるようになろうと思っています。あのミスや悔しさから逃げてはダメ。今後もきっと何度も思い出すだろうけど、その度に向き合います」。
11月1日、鴨川での秋季キャンプが始まる。それを前に鈴木はようやく前向きな自分を取り戻しつつあった。指揮官が掲げるキャンプテーマは「超追い込み!」。心の痛み、悔しさから、もう逃げるようなことはしない。共に歩みながら、限界に挑戦をする。苦しみを越えた先にはきっと、笑える日が待っているはずだ。
(千葉ロッテマリーンズ広報・梶原紀章)