チームを助けるヒーローになる!ロッテ井口資仁内野手(42)が8日、かねて東日本大震災からの復興支援を行ってきた福島・須賀川市を訪問。この日、開庁したばかりの新市庁舎を見学した。同市は、ウルトラマンを制作した円谷プロの社長で「特撮の神様」と呼ばれた円谷英二氏の故郷。ウルトラマンの町で、最下位からの巻き返しを誓った。
真新しい庁舎を井口が歩くと、市の職員さん達は立ち上がって歓迎した。正面入り口の隣には、ウルトラの父のモニュメントが、でんと構えていた。タロウや母をデザインした外灯が備え付けられ、6階建ての中には市民が利用できる「ウルトラ会議室」や「光の会議室」も。遊び心がちりばめられた作りに、井口は「立派な市庁舎ですね。市のシンボル。ずっと見に来たかった」と喜んだ。
6年前の大震災で甚大な被害を受けた。本庁舎が全損し、仮設庁舎での業務を余儀なくされた。井口は惨状を知り、立ち上がった。ダイエー(現ソフトバンク)時代に同市で野球教室を開いた縁だった。新庁舎建設資金に、100万円を寄付。さらにインターネットでクラウドファンディングサイトを作り、市の現状を発信しながらファンと一緒に200万円を集めた。オフには野球教室も行った。
この日は車椅子3台を寄付。橋本克也市長(54)は「須賀川は内陸なので、あまり報じられなかった。そんな中、井口さんの支援が精神的な支えになりました。心から感謝しています」と感激の面持ちだった。さらに、こう続けた。「子供達に言うんです。円谷さんは『誰かのために力を尽くせる人になりなさい』という思いで正義の味方を作ったんだよと。井口さんは、まさにウルトラマンです」。
井口も子供の頃、ウルトラマンを見ていたという。チームは借金13の最下位。このままズルズル行けば、早くもカラータイマーが点滅しかねない。今こそ、ウルトラマンが必要だ。「みんなの調子が良くなるしかない。勝っても、負けても、ベンチの雰囲気が良くならないと。それは僕らの仕事」と盛り上げ役を誓った。今日から首位・楽天3連戦。怪獣なみの強敵だが「頭を取れば楽。明日は勝ちたい」と力強く言った。自慢のバットで敵を打つ。
ロッテ井口資仁内野手(42)が8日、福島・須賀川市役所を訪れた。
東日本大震災で、市庁舎が甚大な被害を受けた。井口はファンにも呼び掛け、新庁舎建設資金の支援を行った。オフには、同市で野球教室も実施した。
この日、新庁舎が開庁。橋本市長に車椅子3台の目録を手渡した。「前回来た時は、まだ仮設だった。素晴らしい市庁舎ができて、ずっと見に来たいと思っていた。ファンの皆様と集めたお金。微力ですが、協力できて嬉しい。これからも、色々協力したいと思います」と話した。
ロッテは「スーパーレディースデー」と題して女性ファン向けのファンサービスを行う5月21日の楽天戦(ZOZOマリン、午後2時試合開始)で、来場女性先着1万5000人に「マリーンズTシャツ produced by ZOZOTOWN」をプレゼントする。
Tシャツは、URBAN RESEARCH(アーバンリサーチ)デザインとJOURNAL STANDARD(ジャーナルスタンダード)デザインの2種類あり、好きな方を1枚プレゼントする。サイズはS、M。当日は、その他にも様々なファンサービスを予定している。
平沢大河内野手(19)は「デザインもいいですし、着心地もいいですね。当日はぜひ沢山の女性ファンの方に応援に来ていただき、楽しんでいただければと思います」と話した。
日本野球機構(NPB)は8日、今秋のドラフト会議を10月26日に開催し、5年連続で大正製薬が特別協賛すると発表した。
セ・パ両リーグは8日、第1クールが終了した4日時点での球団別入場者数を発表した。
昨年の第1クール終了はゴールデンウイーク前の4月28日。今季はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)開催のため開幕が1週間遅く、ゴールデンウイークの観客数を含めた入場者数との比較になっている。
各球団の1試合平均と前年比は以下の通り。
第1クール終了時点での平均試合時間(9回終了)は、セ、パともに3時間7分。昨年のシーズン終了時と比較して、セは3分、パは6分の短縮になっている。
ロッテ・井口資仁内野手(42)が8日、この日オープンした福島・須賀川市の新庁舎を訪問し、車椅子3台を寄贈した。ダイエー(現ソフトバンク)在籍時に同市で野球教室を開いた縁から、2011年の東日本大震災で被災した市庁舎の立て替えに尽力。14年に100万円を寄付したほか、インターネットで支援を募り、集まった200万円を寄付した。井口は「ファンと力を合わせて、微力ながら協力させていただいた。今後も支援活動を続けていきたい」と話した。
同市は、ウルトラマンの生みの親で“特撮の神様”と称される円谷英二氏の出身地。中心街にはウルトラヒーローのモニュメントが設置されている。橋本克也市長(53)は「(井口は)まさにウルトラマン。ご支援をいただき、(市民の)精神的な支えになっている」と感謝した。
ロッテの井口が8日、福島県須賀川市役所を訪れ、この日オープンした新庁舎を見学し、橋本克也市長に車椅子3台を寄贈した。同市で野球教室を開いたことが縁で2011年3月の東日本大震災で被災した市庁舎の建て替えのために100万円を寄付し、インターネットを通じた「クラウドファンディング」で支援を呼び掛けてきた。
井口は「恩返しを含めて、皆さんと力を合わせてやってきた。これからも支援活動を続けていきたい」と語った。
ロッテは、「スーパーレディースデー」として女性向けのファンサービスを行う21日の楽天戦(ZOZOマリン、午後2時開始)で先着1万5000人の女性来場者に「マリーンズTシャツ produced by ZOZOTOWN」をプレゼントする。
Tシャツは人気ブランド「URBAN RESEARCH(アーバンリサーチ)」デザインと、「JOURNAL STANDARD(ジャーナルスタンダード)」デザインの2種類があり、お好きな方1枚をプレゼントする。各ブランドのサイズはSとM。
平沢大河内野手(19)は「このTシャツはデザインもいいですし、着心地もいいですね。当日はぜひ女性ファンに応援に来ていただき、楽しんでいただければと思います」とコメントした。
プロ野球の実行委員会が8日、東京都内で開かれ、米大リーグ機構(MLB)からポスティングシステムの改正に向けた協議の申し入れがあったことが報告された。
ポスティングシステムは海外フリーエージェント(FA)資格を持たない日本選手が米大リーグに移籍するための手段。毎年10月31日を有効期限とし、6ヶ月前までに双方から申し入れがなければ自動更新となる。
NPBの井原敦事務局長によると、通告があったのは期限の日本時間5日より前の4月下旬。現時点で内容についての連絡はなく、「(協議は)MLB側の案を確認してからになる」と話した。
現行制度では日本球団が2000万ドル(約22億6000万円)を上限に譲渡金を設定し、その額を支払う意思のあるすべての球団が交渉できる。MLB側は上限額の引き下げを求める可能性もあり、出席者の1人は「改正の時期が遅れると日本に不利になる場合もあるので、なるべく早く決めた方がいい」との見通しを示した。
セ、パ両リーグは8日、第1クール終了時(4日)の入場者数などを発表。全体の入場者数は昨季の同時期(4月28日時点)に比べて、1試合平均はセが4.1%増の3万1840人、パが7.6%増の2万6096人だった。
セはヤクルトの27.5%増がトップで、2位は広島の10.6%増。9.3%減の巨人は、地方開催があったためとみられる。パは日本ハムの18.4%増がトップで、ソフトバンクが14.9%増で続いた。
1試合の平均時間はセが3時間15分(昨季の同時期は3時間15分)、パは3時間11分(同3時間22分)だった。
日本野球機構(NPB)は8日、今秋のドラフト会議を10月26日に開催し、大正製薬株式会社が5年連続で特別協賛すると発表した。公式タイトルは「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」に決まった。
ロッテ・井口の顔に笑みが広がった。この日から業務が開始された福島県須賀川市の新庁舎を表敬訪問し、車椅子3台を寄贈。「市のシンボルが完成した。このタイミングで見に来られてよかった」と感慨深げだ。ダイエー時代(現ソフトバンク)の01年に野球教室を行った縁があり、11年の東日本大震災で市役所が全壊したと聞き、新市庁舎建設へ立ち上がった。14年に寄付金200万円を一般に募り、自身も100万円を寄付した。
そんな姿は、あのヒーローと重なった。橋本克也市長は「井口さんはまさにウルトラマンですね。誰かのために力を尽くせるのは凄いこと」と感謝した。須賀川市は、特撮テレビ番組「ウルトラマン」の生みの親でもある故円谷英二の故郷で、庁舎前には約3.5メートルもある「ウルトラの父」のモニュメントがある。同市のために、尽力した球界最年長42歳が次に救うのは低迷するチームだ。ここまで14試合の出場で打率.241。通算250本塁打に王手をかけており「勝っても負けてもベンチの雰囲気をよくしないと変わっていかない。それが僕らの仕事」と、チームのために力を尽くす。
ロッテは8日、スーパーレディースデーと題して女性ファン向けのファンサービスを行う5月21日楽天戦(ZOZOマリンスタジアム)で、来場女性先着1万5千人に「マリーンズTシャツ produced by ZOZOTOWN」をプレゼントすると発表した。
Tシャツは人気ブランドのURBAN RESEARCH(アーバンリサーチ)デザインと、JOURNAL STANDARD(ジャーナルスタンダード)デザインの2種類で、好きな方を1枚プレゼントする。各ブランドのサイズはSサイズ、Mサイズ。当日はその他にも様々なファンサービスを予定している。
「イケメン5」では4位にランクインした平沢は「来場する女性全員にプレゼント?マジっすか?このTシャツはデザインもいいですし、着心地もいいですね。当日はぜひ沢山の女性ファンの方に応援に来ていただき、楽しんでいただければと思います」と呼びかけた。
実行委では、侍ジャパンをサポートする組織として新設される「強化本部」についても報告され、12球団の了承を得た。
侍ジャパン強化委員会が新たな代表監督の人選を進めることも含め、15日の日本野球協議会で承認を受ける予定。この日は歴代監督経験者からのヒアリングの内容も報告され、熊崎勝彦コミッショナーは「支援態勢を構築したいということ。鋭意進めていきたい」と話した。
日本野球機構(NPB)は8日、今年のドラフト会議を10月26日に開催すると発表した。
大正製薬が5年連続で特別協賛し、公式タイトルを「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」として開催する。
昨年のドラフトでは1位指名で創価大の田中正義投手に5球団が集まり、ソフトバンクが交渉権を得た。今年はどんなドラマが展開されるか?
プロ野球のセ・パ両リーグは8日、今季開幕からホームとビジターでの対戦カードが一巡した第1クール終了時の入場者数と平均試合時間を発表した。
1試合平均の入場者数はセ・リーグが昨年同時期と比べて4.1%増の3万1840人、パ・リーグが7・6%増の2万6096人となった。
球団別ではヤクルトが27.5%増の2万7619人で12球団最高の伸び率を記録。広島10.6%増、DeNA5.6%増、阪神2.4%増で、中日が7.3%減、巨人が9.3%減だった。
パでは日本ハムが18.4%増の3万2259人。ソフトバンクも14.9%とそれぞれ2桁増を記録。楽天7.0%増、西武5.5%増で、オリックスが2.7%、ロッテが3.0%の微減だった。
平均試合時間はパが昨年同時期より11分短縮した3時間11分で、昨シーズン終了時と比べても7分短かった。セは昨年同時期、昨シーズン終了時と同じ3時間15分だった。9回終了時ではセ・パともに3時間7分と昨年シーズン終了時よりセが3分、パが6分短縮された。
ロッテ・井口資仁内野手(43)は8日、福島・須賀川市の新市庁舎を表敬訪問した。
同市の旧庁舎は東日本大震災で全損。ダイエー時代の01年に同市で野球教室を行った縁で、14年に新庁舎建設の義援金100万円を寄付した。加えて、自身が開設したボランティアサイトで200万円の支援金を集めるなど力を尽くし、同年のゴールデンスピリット賞にもノミネートされた。新市庁舎はこの日から開庁。3年ぶりに同市を訪れ「ファンの皆さんと一緒に力を合わせて、微力ながら協力させて頂きました。素晴らしい建物。これからも支援を続けていければと考えています」と約束した。
井口は昨年4月の熊本地震の際には熊本・宇土市を訪問。「井口選手と熊本県宇土市の市庁舎を作ろう!復興支援のプロジェクト!」を発足し、義援金を贈っている。
ロッテは、女性ファン向けのファンサービスを行う「スーパーレディースデー」として開催する21日の楽天戦(ZOZO)で、先着の来場女性1万5千人に「マリーンズTシャツ produced by ZOZOTOWN」をプレゼントする。
Tシャツは人気ブランド「URBAN RESEARCH」と「JOURNAL STANDARD」がデザインした2種類があり、好きな方を1枚受け取れる。
「イケメン5」投票で4位だった平沢は「このTシャツはデザインもいいですし、着心地もいいですね。当日はぜひたくさんの女性ファンの方に応援に来ていただき、楽しんでいただければと思います」と呼びかけた。
セ、パ両リーグは8日、開幕からホーム・ビジターでの対戦が一巡した5月4日時点の観客動員数を発表した。
1試合平均の観客数は、セが前年同時期(4月28日時点)と比べ4.1%増の3万1840人、パが7.6%増の2万6096人。各リーグで最も多かったのはセが阪神の4万970人、パはソフトバンクの3万3789人。開幕が早かった昨年と違ってGW中の試合が一部加算されていることや、週末の試合数によって多少の変動はあるものの、12球団中8球団が1試合平均で昨年を上回っている。巨人は地方開催があった影響もあり、前年比9.3%減の3万9862人だった。平均試合時間はセが昨年の全試合平均と同じ3時間15分、パは7分短い3時間11分だった。
球団 | 試合数 | 入場者数 | 1試合平均 | 平均前年比 |
---|---|---|---|---|
広島 | 15 | 45万7516人 | 3万501人 | △10.6% |
巨人 | 14 | 55万8065人 | 3万9862人 | ▼9.3% |
DeNA | 14 | 38万5532人 | 2万7538人 | △5.6% |
阪神 | 13 | 53万2614人 | 4万970人 | △2.4% |
ヤクルト | 14 | 38万6672人 | 2万7619人 | △27.5% |
中日 | 15 | 38万5966人 | 2万5731人 | ▼7.3% |
セ合計 | 85 | 270万6365人 | 3万1840人 | △4.1% |
日本ハム | 13 | 41万9364人 | 3万2259人 | △18.4% |
ソフトバンク | 14 | 47万3039人 | 3万3789人 | △14.9% |
ロッテ | 13 | 24万8506人 | 1万9116人 | ▼3.0% |
西武 | 13 | 28万1584人 | 2万1660人 | △5.5% |
楽天 | 12 | 32万5538人 | 2万7128人 | △7.0% |
オリックス | 15 | 33万9683人 | 2万2646人 | ▼2.7% |
パ合計 | 80 | 208万7714人 | 2万6096人 | △7.6% |
※開幕からホーム・ビジターの対戦が一巡した5月4日時点。前年比は同じ対戦一巡時の4月28日時点との比較。
ロッテの井口資仁内野手(42)が8日、福島県須賀川市の橋本克也市長(54)から平和の使者に任命された。
同市は、特撮ヒーロー「ウルトラマン」の生みの親となった映画監督、故円谷英二さんの出身地。野球教室を開いたことで同市との縁が生まれた井口は、内陸にあり東日本大震災の被害が伝わりづらい土地の復興支援に尽力。甚大な被害を受けた市役所の新庁舎建設のため、14年には一般から募った募金200万円と、自身の100万円を合わせた計300万円を寄付した。
この日から開庁した新庁舎を表敬訪問し、車椅子3台を寄付した井口は「微力ながら協力できて嬉しい」と笑顔。橋本市長は「子供達には誰かのために力を尽くせる人になりなさいと言っているんです。井口さんはまさにウルトラマンのような人ですね」としみじみ語った。
ロッテは8日、女性ファン向けのサービスを行う21日の「スーパーレディースデー」(楽天戦・ZOZOマリン/14時試合開始)で、来場女性先着1万5000人に『マリーンズTシャツ produced by ZOZOTOWN』をプレゼントすると発表した。
Tシャツは人気ブランドの「URBAN RESEARCH(アーバンリサーチ)デザイン」と「JOURNAL STANDARD」(ジャーナルスタンダード)デザイン」の2種類のうち、どちらか1枚が選べる。各ブランドのサイズはSとM。当日は、他にも様々なファンサービスを予定している。
平沢は「来場先着の女性1万5千人にプレゼント?マジっすか?このTシャツはデザインもいいですし、着心地もいいですね。当日はぜひたくさんの女性ファンの方に応援に来ていただき、楽しんでいただければと思います」とマリーンズを愛する女性ファンの多くの来場を呼びかけていた。
プロ野球のセ、パ両リーグは8日、第1クール終了時(5月4日現在)での入場者数と平均試合時間を発表した。今年は開幕が昨年より1週間遅く、第1クールにはゴールデンウイークが含まれたため昨年4月28日時点との比較となった。
その上でセは1試合平均3万1840人で4.1%増。パは1試合平均2万6096人で7.6%増。球団別ではヤクルトが1試合平均2万7619人で前年比27.5%増。続いて昨季日本一の日本ハムが1試合平均3万2259人と前年比18.4%増となった。
平均試合時間はセが昨年(昨年4月28日時点)と同じ3時間15分(全試合)、パは昨年より11分短い3時間11分となった。
開幕から30試合を消化したというのに、チーム打率.185と貧打に苦しんでいるロッテ。7日のソフトバンク戦も、散発6安打の2得点で投手陣を見殺しにした。チーム周辺で「開幕から全く上向く気配がない。1、2軍コーチの配置転換もあり得る」という声が出る中、堀打撃コーチ(48)を直撃した。
まるで、何かの夢をみているような感覚に苛まれていた。5月6日、ZOZOマリンスタジアムで行われたホークス戦。猪本健太郎内野手はいろいろな思いを胸に打席に向かった。グラウンドに対峙するホークスの守備陣を見渡した。自分のことを可愛がってくれた先輩、そして苦楽を共にしてきた後輩達が守っていた。マウンドには同期入団の攝津正投手の姿があった。スタメン発表の際にはホークスファンからも大きな声援が沸き起こった。三塁側ベンチにもお世話になった多くの人々の姿が目に入った。そんな中、移籍後初打席に立つ。1打席目は凡退。しかし、2打席目に左翼線に二塁打を放つ。内角ストレートを振り抜いた。自身プロ2安打目となる3年ぶりの一打。二塁ベースに到達をすると、こみ上げる思いがあった。
「(古巣のホークス相手で)運命のようなものを感じました。両球団への感謝の気持ちを持って打席に入りました。100倍、燃えた。泣かないと決めていたから、泣かなかったけど、我慢はしていました」。
昨年の8月。2軍戦で一塁を守っていた際に走者と交錯し右手親指の靭帯を痛め手術。そして実戦復帰できぬままホークスの戦力構想から外れ昨年11月にマリーンズのテストを受けた。鴨川秋季キャンプ中の紅白戦。もしかしたら、これが野球人生最後の打席になるかもしれない。悔いを残すまいとアピールし、その気迫こそが首脳陣に認められ合格を勝ち取った。しかし、その後も順風満帆とはいかない。アピールすべく強い意気込みで挑んだ石垣島での春季キャンプ。張りきりすぎたことが災いした。左脇腹を肉離れ。4月下旬にようやく2軍戦で実戦復帰をした。
「テストで移籍した立場。いきなりのリタイアはやっぱりキツかった」。
それでも前を向いた。いつでも胸に刻む言葉があった。「一寸先はパラダイス」。それは2軍では勝負強い打撃を見せるも、なかなか1軍では成績を残すことができずに落ち込み悩む猪本を励まそうと妻がふとした時に教えてくれた言葉だ。
「言われた時、ハッとなりましたね。一寸先は闇という言葉もあるけど、確かにその逆もあるなあと。それに野球に通じることもある。一寸といえば約3センチぐらい。プロ野球の世界はその数センチの差で色々なことが大きく変わる世界。わずかちょっとの差で闇にもなればパラダイスになる。それからですね。この言葉を思い出すことで、苦しい時もパワーが出るようになりました。悩んでいるのだったら明るくして、いい方に転がるように頑張ろうと思えるようになりました」。
ホークス時代から明るいキャラに定評があった猪本は、移籍後も元気とガッツを前面に押し出した。そして、まさにそれこそが伊東勤監督を決断させた。「今こそ明るいキャラが必要と思った。うちにはいないタイプ。新しい風を入れることで雰囲気を変えてくれることを期待した」。最下位と低迷するマリーンズにあって、その明るさこそが買われた。5月4日。2軍の仙台遠征を終えて仙台駅で新幹線に乗ろうとしたときに携帯電話が鳴った。チームマネージャーからだった。1軍昇格の連絡に胸が高鳴った。まさに「一寸先はパラダイス」。しかも相手はたくさんの思い出が詰まる古巣ホークスだった。
1軍昇格をした際に打席に入る曲は決めていた。「思い入れのある曲があるので、それでお願いします」。球場入りをするとそう告げた。湘南乃風の「BIG UP」。それはホークス時代に自主トレを共にするなど兄のように慕っていた江川智晃外野手の打席に入る際の登場曲。昨年、ケガで戦線離脱をして落ち込む猪本を励まし続けてくれた存在だ。忘れられないのは江川が昨年8月「オマエのために打ってくるから」と言い残して1軍昇格した時のこと。スタメン起用されると約束通りに本塁打を打つなど8月は7試合で3本塁打。「見ているか!」とばかりに活躍する姿に大きな勇気をもらった。だから、戦力構想から外れても勇気を振り絞って立ち上がることができた。そしてなにかの縁が絡まり、古巣との対戦カードで移籍後初の1軍昇格を果たした。2戦目には7番一塁でスタメン出場のチャンスが回ってくる。自身プロ入り初の長打で勝利に貢献をした。まさに運命を感じさせる出来過ぎなシチュエーションだった。
「チームの一員になることができた気分です。そして古巣の方々にも元気なところを見せることができた。でも、これからですね。とにかくチームの勝利に貢献をしたい。勝ちたいです」。
一寸先にある闇もパラダイスも知っている。ストライクかボールか。ヒットかファウルか。わずか数センチの差が大きな差となるプロ野球界の厳しさを味わってきた。だから、今与えられたチャンスをなんとしてもモノにしようと燃える。そして、起爆剤として期待される自身の存在でチームの勝利に貢献すべく声を枯らしての必死の毎日を送る。人生の苦難を味わった苦労人がマリーンズ浮上のキッカケになる。まだ5月。一寸先は分からない。
(千葉ロッテマリーンズ広報・梶原紀章)