わたしはかもめ2017年鴎の便り(6月)

便

6月13日

横浜DeNA1−8千葉ロッテ(横浜)

ロッテは1回に角中の中前適時打で1点を先制。6回には田村の3点二塁打などで5点を奪い、リードを広げた。石川は緩急を使い、7回1失点で今季初勝利を挙げた。DeNAは投打がかみ合わず、3連敗を喫した。

123456789R
横浜DeNA1000050028
千葉ロッテ0000001001

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ロッテ石川甦る「長かった」今季7試合目やっと1勝[ニッカン]

お待ちかねの白星だ。ロッテ石川歩投手(29)がDeNA打線を7回7安打1失点に抑え、今季7試合目にして1勝目を手にした。昨季の最優秀防御率右腕が開幕から6戦6敗。球威、制球とも精彩を欠き、4月後半から1ヶ月間の2軍落ちも味わった。この日は最速147キロの直球を軸に、9奪三振の力投。ようやく、本来の投球を取り戻した。

勝利でベンチを飛び出した石川は、ちょっと口角を上げた。「嬉しい。長かった」。ぽつり、ぽつりと素朴に気持ちを表した。

開幕から6戦全敗。まさかだった。直球が走らない。「毎日、試行錯誤です」と首をひねり続けた。最大の原因は、始動時に右足に体重が乗らないこと。1ヶ月の2軍調整でも直らなかった。5敗目を喫した5月30日の阪神戦は5回もたず7失点KO。ベンチでタオルに顔を埋め、動けなかった。再びの2軍落ちが、いったんは決まった。

翌日。小林投手コーチに「2軍に逃げるのは簡単。1軍で調子を戻せ」と背中を押された。迷った。1軍では迷惑をかけるかも知れない。それでも、最後は自らの意思で監督室をノックした。「もう1度、投げさせて下さい」と、自己主張をしないタイプの男が頭を下げ、首脳陣を驚かせた。意欲は買われた。次カード、チームが広島遠征の間に、徹底して体重移動を見直した。前回6日の中日戦。敗れたが8回3失点と好投。きっかけをつかんだ。この日の9三振は全て直球で奪った。左打者の懐を攻めた。WBCでともに戦った筒香から2三振。4回、6回と、内角へズバッと決め、反応させなかった。

変化は試合直前にも出ていた。登板前に「オエ〜」と、えずくことで知られるが、今季は、それが消えていた。だが、前回から再び、えずくようになった。あるスタッフは「良い緊張感が戻った」と、本来の姿に目を細めた。伊東監督は「涌井と2人、しっかり仕事をしてくれれば上に行ける」。まだ借金20だが、6月は6勝5敗と上昇気配だ。そこに、石川もいる。

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「上に行ける」/伊東監督[ニッカン]

ロッテ石川が、今季7試合目にして1勝目を手にした。伊東勤監督のコメント。

「涌井と2人、しっかり仕事をしてくれれば上に行ける」。

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ロッテ石川やっと今季1勝「迷惑かけてすみません」[ニッカン]

ロッテ石川歩投手(29)が7回7安打1失点で今季初勝利を挙げた。

開幕から自身6戦6敗だった。この日は無四球と制球が安定。直球も最速147キロと力があった。

4月後半から1ヶ月の2軍再調整も味わった。やっとつかんだ白星に「今まで迷惑をかけて、すいません。打ってくれた野手の方々に感謝です。先頭だけ切ろうと投げました。これまで迷惑をかけてきたんで、これからしっかり投げたい」と話した。

伊東監督は「今日は良かった。やってもらわないと困る選手。計算している」と、今後の巻き返しを期待した。

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ロッテ一挙5点!田村「何とか石川さんに勝ちを」[ニッカン]

ロッテが1−0の6回に5点を追加した。

まず、2死満塁で三木が死球をもらい、押し出しで勝ち越し。さらに、田村龍弘捕手(23)が須田から右越えに走者一掃の適時二塁打を放ち、3点を追加した。「打ったのはカットボールですかね。しっかり踏み込んで打ったので、いったかなと思ったのですが(笑)。いい追加点が取れて良かったです。とにかく、今日は何とか石川さんに勝ちを。それだけです。最後までしっかりリードしていきたいです」と話した。

次の荻野貴司外野手(31)も左中間への適時二塁打で続き、この回5点目を挙げた。初回の第1打席には左翼線二塁打を放っており「打ったのはカットボールです。今日はしっかりボールを引き付けて打とうと意識して、それがいい形になっていると思います。ボールがしっかり見えています」と話した。

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ロッテ角中が先制打「石川を助けたい気持ち」[ニッカン]

ロッテ角中勝也外野手(30)が先制打を放った。

1回1死三塁で、DeNA石田の真っ直ぐを中前に落とした。

「前回、石川の登板の時にヨーイドンでサントスとの連係ミスで失点につなげてしまったので、もう借りは返せないですけど、今日は先制につながる一打が打てて良かった。石川を助けたい気持ち。石川にまず1勝をね。彼が引っ張ってくれないとチームの浮上はないので。まず1勝です」と話した。

石川が前回先発した6日の中日戦では、1回表に京田に三塁打を許し、失点につながった。中堅サントスと左翼角中の連係がうまくいかなかったこともあった。

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ロッテ・チェン「勝ちたいです」古巣からの勝利誓う[ニッカン]

ロッテ・チェン・グァンユウ投手(26)が13日、古巣からの勝利を誓った。

14日のDeNA戦(横浜)に先発する。この日は、横浜スタジアムで前日練習を行った。DeNAには14年まで在籍。古巣への意識を問われると「もう3年前。特にないけど、この球場で勝ちたいですね」と話した。

同球場では昨年の交流戦でも先発したが、3回0/3を投げ、2本塁打を含む3安打2四球4失点でKOされた。去年のリベンジを目指す。

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“6連敗侍”ロッテ・石川、や〜っと勝った「久しぶりに気持ちいい」[サンスポ]

ロッテは13日、DeNA1回戦(横浜)に8−1で勝った。開幕から6連敗中だった石川歩投手(29)が9三振を奪い、7回7安打1失点で待望の初勝利。「久しぶりに気持ちいい。打ってくれた野手の方々に感謝です。これまでひどい投球ばかりで、迷惑をかけてすいません」とファンに頭を下げた。

3月のWBCで侍ジャパンのローテーションの一角を担った右腕が陥った大不振。5回途中7失点でKOされた5月30日の阪神戦(ZOZOマリン)後に、首脳陣は今季2度目の2軍での調整を打診した。しかし、右腕は「もう1度やらせてください。死ぬ気でやります」と1軍残留を直訴。この日は最速148キロを計測した速球を軸に、魂の投球でDeNA打線をねじ伏せた。

「勝ってよかった。石川と涌井が仕事をしてくれれば上にいける」と伊東監督。石川の復調で、反撃態勢が整った。

角中
「石川を助けたい気持ちでした。彼が引っ張ってくれないとチームの浮上はないので。」(1回に先制の中前適時打)
田村
「今日は何とか石川さんに勝ちを。それだけでした。」(6回に走者一掃の右越え二塁打)

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ロッテ、6回に打者一巡の集中打!田村「しっかりと踏み込んで打てた」[サンスポ]

ロッテは1−0の6回に打者一巡の集中打で一挙に5点を奪い、石川を援護した。2死満塁から三木の押し出し死球と田村の走者一掃となる右越え二塁打で4点を挙げ、さらに荻野の適時二塁打でダメを押した。

田村は「打ったのはカットボール。しっかりと踏み込んで打てた」と胸を張れば、荻野は「しっかりと球を引き付けて打とうと意識した。それがいい形になっている」と満足そうに振り返った。

英二投手コーチ
「カーブは良くなかったがシンカーが良かった。1つあるだけで試合をつくれるのが石川。」(石川に)
田村
「左打者の内角に投げ切れていた。」(石川を好リード)

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ロッテ・角中、ノーステップ打法に変え先制打「良かった」[サンスポ]

ロッテの角中が先制打を放った。1回1死三塁で145キロの外角直球をコンパクトなスイングで中堅左にはじき返した。2球で追い込まれた後にノーステップ打法に変え、しっかりと球筋を見て振り抜き、先発した石川に1点をプレゼントした。

石川の前回登板だった6日の試合。1回の守備で1番打者の左中間の打球を中堅手との連係ミスで三塁打にして失点につなげてしまった。「借りは返せないけど、今日は先制につながる一打が打てて良かった」と話した。

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ロッテ「謎の魚」、英BBCが紹介、「不気味な新キャラクターがいる」[サンスポ]

ロッテの新キャラクター「謎の魚」が、英BBCの公式サイトで取り上げられた。「日本の千葉ロッテマリーンズに不気味な新キャラクターがいる」と紹介し、魚の姿を「アンコウを元にしているようだ」と推測。そして、「数週間前に初登場して以降、球団のソーシャルメディアで話題を独占している」と伝えた。

「謎の魚」は11日のヤクルト戦で第3形態「骨」への変身を披露。大リーグ公式サイトも再び取り上げ「信じられない」などとシュールな姿に“悲鳴”を上げた。

12日には千葉・幕張浜から海に戻った。「疲れました。昨日(11日)は反響の大きさにビックリ玉手箱でした」とし「6月末頃に戻ってこようと思っています…」と“オフ”に入ることを示唆した。

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ロッテ石川、7度目先発でやっと1勝「今までくそみたいな投球」[スポニチ]

降りしきる雨も心地よかった。ロッテ・石川にやっと笑みが広がった。7度目の先発で7回1失点と粘り、今季初勝利。「今までくそみたいな投球をして本当に迷惑をかけてすみません。野手に感謝したい」。ヒーローインタビューで一言ずつ絞り出すように喜んだ。

開幕からかわす投球が目立ったが、この日は左打者に強気な投球を見せた。6回、WBCでともに戦った筒香に粘られたが、9球目にこの日の最速148キロ直球を内角高めに投じ、見逃し三振。伊東監督も「自信を持って投げ込んでいた」とうなずいた。

昨季最優秀防御率を獲得し、WBCでも巨人・菅野と先発の柱を任された。ところが、開幕から3戦3敗。「どう抑えればいいか分からない」と自信をなくし、4年目で故障以外で初の2軍降格。1軍復帰後も白星なく、5月30日の阪神戦では5回途中7失点でKO。試合後、2度目の2軍調整も検討されたが、首脳陣に「死ぬ気でやります。1軍でやらせてください」と直訴。小林投手コーチにも「1軍で投げながら良くなって欲しい」と背中を押されて奮起。6日の中日戦では8回3失点と復活の手応えをつかんでいた。

敵地に駆けつけてくれたファンの声援も嬉しかった。「気持ちいい。(次も)いい投球ができるように頑張りたい」。涌井との二枚看板がようやくそろった。

角中
「石川を助けたい気持ちだった。彼が引っ張ってくれないと、チームの浮上はないので。」(初回に先制の中前適時打)

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ロッテ・石川、長かった初勝利への道「迷惑かけてすみませんでした」[スポニチ]

「今までクソみたいなピッチングばかりしてたんで、本当に迷惑かけてすみませんでした。」。

ロッテ・石川のお立ち台でのインタビューは謝罪から始まった。昨季の最優秀防御率投手が、今季チーム61試合目、自身7試合目の登板でようやく掴んだ初勝利。率直な気持ちをそう表現した。

最下位に沈むチームの低迷と歩調を合わせるかのように前の試合まで0勝6敗、防御率6点台と勝ちから見放された。不甲斐ない投球が続き、2軍調整も強いられた。それでも、前回の中日戦では8回3失点で敗戦投手ながら復活への手応えをつかんでいた。

この日の試合は「先頭打者だけ切ろうと」心がけていた。足元が降りしきる雨でマウンドがぬかるむ中、7回114球を投げきり、DeNA打線を1失点に抑えた。

打線もそんな好投に応えるべく、終わってみれば12安打8得点の援護。石川も「野手の方々、(捕手の)田村に感謝したい」と感謝を口にした。

さらに、リーグ戦再開後も好投を期待してもいいかというインタビュアーの問いには冗談交じりに「どうでしょうか?」と返したが、続けて「いいピッチングができるように頑張ります」と控えめながら巻き返しを誓っていた。

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石川、7戦目で1勝…WBC後6戦6敗「抑え方が分からない」スランプ乗り越え[報知]

長かった。ロッテの石川が自身7試合目で初勝利を手に入れた。降りしきる雨の中、直球とシンカーを軸に7回を1失点。9三振を奪った。「今までくそみたいなピッチングばっかしてたんで、本当に迷惑かけてすいませんでした」。6戦6敗と苦しんできた大黒柱がよみがえった。

3月にWBCに出場。その影響か、開幕直後は投げ込み、走り込み不足が明らかで、不振で初の2軍落ち。コンディションを整えて再合流しても、まだ心が追いついていなかった。相手ではなく自分と闘い、葛藤する日々。「何をやっているか分からない」「抑え方が分からない」とつぶやくほど苦悩していた。

フォームを戻し だが、意地があった。5月30日の阪神戦で5敗目を喫し、2度目の降格が決まりかけたが、伊東監督らに「死ぬ気でやります」と直訴。原点に返ろうと思い立ったのは、前回登板2日前の4日だった。

「去年のままじゃ通用しないと思って、今年は去年をベースにトレーニング方法やフォーム的なことを変えていたんですけど、それをこの前、戻した。ずっと探していた感覚が見つかった。勉強になりましたし、遠回りじゃなかった」。

体重をできるだけ右足に残すことを意識。6日の中日戦で敗れはしたが、自己最速タイの152キロを計測。これなら大丈夫という手応えが残った。座右の銘は諸行無常。何ごとにも永遠なんてない。「久しぶりに気持ちいいです」。暗いトンネルを抜けた先に、やっと絶景が見えた。

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石川、7試合目で待望の今季初勝利!「迷惑かけてすいませんでした」[報知]

ロッテ・石川歩投手(29)が、自身7試合目で待望の今季初勝利を挙げた。お立ち台では「今までくそみたいなピッチングばっかしてたんで、ホントに迷惑かけてすいませんでした」と多くのファンに謝罪。誰もが待ち望んだ白星だった。

長かった。昨季の最優秀防御率右腕が、開幕から6戦6敗。それでも、8回3失点で敗れた6日の中日戦(ZOZO)で手応えをつかんでいた。この日も1点の援護を初回にもらうと、直球とシンカーを軸に7回まで1失点。先頭打者の出塁を一切許さず、2試合連続無四球と昨季までの安定感が戻り、チームは20勝目を挙げた。

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ロッテ・石川やっと今季初星、7度目先発、7回1失点[デイリー]

ロッテ・石川に心の底からの笑顔はなかった。「今まで迷惑をかけてきたので、(これから)しっかり投げたいと思います」。ここまで今季6試合で6敗。昨年の最優秀防御率投手がイヤというほどもがいた。苦しんだ。

伊東監督は「本人も自信を持って投げていた」と話し、こう続けた。「気持ちの問題。それしかない」。

WBCからの帰還後の調整が狂ったこともあったろうが、勝てないことで自信を失い、悪循環に陥った。

だが、この夜は違った。「自分の球を投げればいい」。140キロを超える速球を主体にグイグイ押した。左打者の内角を果敢に攻め続けた。四球は0、三振は9個を数えた。

5月30日の阪神戦で4回1/3を7失点KO。伊東監督は1度は2軍落ちを決めたが、石川の「もう1度死にものぐるいでやります」という訴えを受け入れた。6日の中日戦で好投し、この夜への布石を打った。

断崖へ追い詰められて目覚めた。復活への足がかりをつかんだ1勝は、だからこそ価値がある。

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ロッテ・石川が“7度目の正直”で今季初勝利、6連敗からの白星に「迷惑かけた」[デイリー]

ロッテ・石川歩投手が、7回1失点で今季7度目の先発で初勝利を挙げた。4月4日、日本ハム戦の今季初登板から6連敗を喫していたが、やっと白星をつかんだ。

初回に打線に1点の援護をもらった石川は、DeNA打線を相手に4回まで毎回安打を許しながらも要所を締めて得点を許さず、我慢の投球。

6回に打線が2死満塁の好機をつくり、ここで女房役の田村が走者一掃となる右越えの適時二塁打を放つなど、石川にとって大きな5点を奪った。

石川はその直後の7回、DeNA打線に倉本に適時二塁打を浴びて、1点を失ったが7回を最少失点に抑え、長い長いトンネルから抜け出した。

9三振を奪って今季初勝利の右腕は、「今まで迷惑をかけてすいませんでした。打ってくれた野手、そして田村に感謝しています。先頭だけは切ろうと思って投げました。久しぶりに気持ちいいです」と安どの表情を見せていた。

DeNAも先発の左腕、石田が5回を1失点と好投も、湿り気味の打線は、7回の倉本の適時打で22イニングぶりの得点を奪うのがやっとだった。

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[千葉魂]頼もしき助っ人が来た、チームの反撃へ燃えるペーニャ[千葉日報]

空港に到着するや向かった先はホテルではなくZOZOマリンスタジアムだった。状態がなかなか上がらないマリーンズを救うべくシーズン途中に加入をすることになったウィリー・モー・ペーニャ内野手が多くの荷物の詰まったタクシーを走らせた先は来日を待ち侘びる指揮官の下だった。スワローズとのナイトゲーム開始1時間前に到着すると監督室をノックした。待ちに待った大砲の到着に両手を広げて歓迎をした伊東勤監督に巨体の助っ人も笑顔で挨拶をした。自身の状態、今後の調整方法など一通りの話を終え部屋を出ていく寸前、足を止めた。そしてもう1度、指揮官の目を見ると、決意を伝えた。

「自分がここに来たのはマリーンズを勝利に導くためだ。そしてもう1つ。自分の存在が若い選手達の刺激になればと思っている。若い選手達に色々な事を伝えたりする手助けが出来ればと考えている」。

頼もしい言葉に指揮官は目を細めた。そして喜んだ。「なかなか言える言葉ではない。心強い。ぜひ頼む」。そう言ってガッチリと握手を交わした。

ホークス、バファローズ、イーグルスで計71本塁打と日本の野球は誰よりも経験済み。何よりメジャー84本塁打の実績に誰もが尊敬の念を抱く。選手ロッカーに入ってきた新助っ人はすぐに注目の的となっていた。野手だけではなく投手にも声を掛けた。そんなペーニャは1人の選手の事を入団が決まった時から気に掛けていた。同じドミニカ共和国出身。来日1年目で日本の野球に戸惑い悩むジミー・パラデス内野手。その存在をインターネットでチェックをし、誰よりも先に声を掛けないといけないと思っていた。

「それは誰もが通る道だ。自分も最初は三振の山だった。日本の野球の特徴を理解し、想定をしたうえで対処をする必要がある。心配をするな。そのために自分が分かることは全て教える。気持ちの部分も大きい。自分を追い込むな。リラックスだ」。

外国人枠があることを考えればライバルともいえるパラデスに話し掛けると野球談議は熱を帯びた。異国の地での結果が出ない日々に曇りがちだった若き助っ人の目はキラキラと輝いて見えた。それからは毎日のようにロッカーで話し込む姿があった。時にはその場にマット・ダフィー内野手やロエル・サントス外野手も加わり大きな輪が出来る。徹底的に弱点を突いてきたり、変化球攻めを行う日本の配球論を惜しみなく語っていた。

「オレが呼ばれたのは、チームが勝つためだ。それはバットだけではないと自分は思っている。出来ることは何でもする。そして会話も非常に大事だ。厳しい状況が続いているがマリーンズはクライマックスシリーズに行ける。必ず行ける。そういうチームだ。最高のチームだ」。

やる気をみなぎらせる新助っ人。ビザ取得の関係上、すぐに試合出場とは行かないが本人はいつ出番が来てもいいように来日翌日から室内練習場で自主練習という形でバットを振り込んでいる。「午後4時に寝て、起きたらまだ夜中だったよ」と時差ボケと闘いながらも、スイングは鋭さを増している。そして一通り、汗を流すとまた熱く語りだす。どうやったら勝てるか。これまで他チームの立場で見ていてマリーンズがいかに素晴らしいチームと思っていたか。そうやって若い選手達を鼓舞している。

試合のなかった6月12日の月曜日も同じように1人、室内練習場で打撃練習を行った。終了後、報道陣に囲まれたペーニャはいつものように力説した。「チーム状態はここから間違いなく良くなっていく。兆しはある。自分も最大限ベストを尽くす。上へ上へと突き進んでいく。快進撃が始まるよ」。ファンへの熱いメッセージだった。取材を終えての去り際、出口の手前で立ち止まるときびすを返した。そして先ほど取材をしたコメントをメモしていたマスコミにもう1度、近寄り念を押した。「さっきの話は本当だ。必ず良くなる。しっかりと見ていてくれよ!」。身長191センチ、体重118キロの巨体を震わせながら、人差し指を1本、天高く突き上げた。頼もしく熱き大砲がまもなくチームに合流する。苦しむマリーンズを変えてくれる。反撃の時が来た。
(千葉ロッテマリーンズ広報・梶原紀章)

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