ロッテはボルシンガーが4回1安打無失点だったが、4四球と制球に課題を残し、ボークも2度取られた。井上が6回に2点二塁打。ソフトバンクの武田は5回3安打無失点で無四球と安定していた。打撃陣は8安打も1点止まり。
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福岡ソフトバンク | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 |
ロッテ平沢が4試合連続安打となる中前打を放った。オープン戦は通算14打数6安打、打率4割2分9厘。
井口資仁監督は「(平沢)大河は本当にこの何試合か好調。ちょうど(首痛の)藤岡裕がいないんで、もっとアピールしていい」。
宮城・多賀城市出身のロッテ平沢大河内野手(20)が「3・11」に行われたソフトバンク戦の6回に代走で途中出場。
9回の打席で森から中前打を放ち、4試合連続安打とした。その後もリー・トゥーシェン内野手(29=元ソフトバンク)の左前打で一気に一塁から三塁に進塁するなど、積極果敢なプレーを見せた。
これでオープン戦通算では14打数6安打の打率4割2分9厘、1打点、3得点。井口監督も「(平沢)大河は本当にこの何試合か好調。ちょうど(首痛の)藤岡裕がいないんで、もっとアピールしていい」と期待を込めて話した。
自宅で東日本大震災に遭ったのは中学1年の時。自宅は比較的無事だったが、海に近い母方の祖母の家は浸水し、平沢もかきだす手伝いをした。「震災を忘れちゃいけないですし、宮城で育った人間としては風化させないように思いながら野球をやるのが大事。野球で少しでも勇気を与えられれば」という。
現在、打撃練習では自分のものより1インチ長い、同僚中村の35インチ(約89センチ)のバットを使用。下半身主導のフォームでバットコントロールに磨きをかけている。また守備練習では鳥越ヘッドコーチのポケットの浅いグラブを借り、正確に捕球する練習を繰り返す。「今日(3・11)だから特別ということじゃなく、1日、1日を大事に、勝負だと思ってやっています」。被災地に勇気を届けるためにも、日々懸命に野球に取り組んでいる。
ロッテの先発ローテーション候補、右腕マイク・ボルシンガー投手(30=ブルージェイズ)がソフトバンク戦に先発。真っ直ぐの制球が今一つで4四球を与えたが、強力打線を4回1安打無失点に封じた。
典型的なグラウンドボール・ピッチャー(ゴロで打ち取る投手)。直球は全てカット回転をかけて動かし、鋭いスライダーでもボールを引っ掛けさせる。
野球の記録サイト「ファングラフ」によると、ボルシンガーのマイナーを含む米球界通算「ゴロ・フライ比率(ゴロの総数をフライの総数で割ったもの。1より大きくなるほどゴロピッチャー)」は1.62を記録している。
この日のソフトバンク戦でもゴロを打たせる持ち味は発揮。犠打と三振を除く10個のアウトのうち、7個をゴロで奪った。試合後は「今日はゴロでアウトに取る特長は出せた。次から直球の制球を修正していきたい」と話した。
小林投手コーチは「今日はある程度は結果を出してくれた。真っ直ぐの精度がもう少し上がれば。無駄なボールがなくなればもう少しまとまってくる。今度はマリンのマウンドでどういうパフォーマンスを出してくれるか。ローテ候補?そのために球団も獲得してくれたので」と話した。
ソフトバンクとロッテの選手らが11日、北九州市でオープン戦の試合前に東日本大震災被災者支援募金を呼びかけた。
ソフトバンク工藤監督、ロッテ井口監督に、選手はソフトバンクから柳田、中村晃、西田、本多、上林の5人。ロッテからは涌井、大隣の2人が参加した。
ファン約450名が募金し、23万7363円が集まった。工藤監督は「この日のことを忘れないで、被災地の皆さんのことを考えている人がたくさんいることを風化させないように、伝えていかないといけない」と話した。
ロッテは11日、ソフトバンクとのオープン戦(北九州)に2−1で勝った。「4番・一塁」で出場した井上晴哉内野手(28)は、6回2死一、二塁から左中間へ2点二塁打を放った。ここ5試合連続で4番に座り、計6打点。開幕4番をアピールした。
一発の魅力もあるが、目指すのは勝利への貢献だ。「走者がいる方が集中しているし、かえそうという気持ちでやっているから結果が出ている」と好調の要因を分析する。
秋季キャンプ以降、金森打撃コーチに“弟子入り”。ギリギリまで引きつけ、体の回転で強い打球をはじき返す“金森メソッド”は「まだ固まっていないから、しっかり練習していかないといけない」と話す。
井口監督も「打てる選手が少ないから、4番候補なのは間違いない」と期待する。飛躍の5年目。“アジャ”こと井上が、幕張の主砲となる。
先発のボルシンガーは4回1安打無失点も、4四球と2度のボークでピンチも招いた。「マウンドでもっと修正できないといけない。四球が反省点」と振り返った。2番手の酒居も4回無失点ながら、井口監督は「ボルシンガーはまだ球が高い。酒居も直球が走っていない。ローテーションで回ってもらわないといけない選手だから」と話し、最終的な“ローテ当確”は次回登板以降になりそうだ。
宮城県出身のロッテの平沢は東日本大震災から7年となった日に途中出場し、9回に中前打を放った。「忘れてはいけない日。宮城で育った人間として(震災を)風化させないように、グラウンドで精一杯やって勇気を与えられれば」と気持ちを込めた。
被災当時は中学1年生で、仙台育英高時代まで宮城県で過ごした。プロ入り3年目の今季は内野の定位置争いに加わっている。オープン戦の打率が4割を超え、好調を維持するが「1日1日が勝負」と貪欲だった。
ロッテの4番候補、井上が好調だ。6回2死一、二塁で146キロをたたき、左中間に2点二塁打を放った。5試合連続で4番に座り、計6打点。「チャンスで打つことが、僕が必要とされているところ」と胸を張った。
「ランナーが得点圏に来た時に集中できている」と勝負強さの要因に精神面を挙げた。キャンプから金森打撃コーチの指導を受け、球を引き付けて体の回転で打ち返すことを重視。「いい傾向が出ている。継続してやりたい」と手応えを口にした。
東日本大震災から7年目となった11日、ソフトバンク−ロッテのオープン戦(北九州)前に両チームの両監督らが球場で被災地支援のための募金活動を行った。
ソフトバンク側からの呼びかけで工藤監督や柳田らのほか、ロッテ側も井口監督や涌井らが参加し、募金した約300人のファンらと握手を交わして交流した。井口監督は「たくさんのファンの方に募金していただきありがとうございます。あの日を忘れず、我々にできることを続けていきたい」と話した。
ロッテの新外国人ボルシンガーが先発ローテーション入りへ前進した。直球は130キロ台の中盤だが、打者の手元で不規則に動かし、12アウト中8個が内野ゴロ。2ボークを犯し、4四球を与える“怪投”ながらも4回1安打無失点に抑え込んだ。
「結果だけ見れば無失点に抑えられたけど、もっとマウンドで修正できるようにしていかないといけない」。
制球難に加え、2回1死一塁と3回無死一塁でボークを取られたことなど右腕は反省しきりだが、体調不良を抱えたまま登板し、2回5失点だった3日の日本ハム戦と比べれば大幅に修正してきた。
小林投手コーチは「ゴロを打たせる持ち味は出ていた。ある程度、結果は出してくれました」と評価。開幕ローテーションの合格点こそ与えなかったが「その(先発で投げる)ために獲得している」と期待を込める。
「兄と相談した」と決めた背番号は86。遠征荷物が、間違えてコーチ室へ運ばれたこともあったが、マウンドでの不安要素は日に日に解消されている。
ロッテ4番候補の井上は同点の6回2死一、二塁、左中間へ決勝2点二塁打を放った。
オープン戦は5試合連続4番で6打点。「チャンスで打つことが、僕が必要とされている」。1年目の14年に開幕4番を務めたが、昨季までの4年間でプロ通算4本塁打。再任の金森打撃コーチに師事し、球を引きつけて体の回転で打つ打法に挑戦中。「いい傾向が出ている」と手応えをつかんでいる。
少ないチャンスをものにした。ソフトバンク戦の6回から代走で途中出場したロッテ・平沢は9回に中前打をマークし、4試合連続安打。オープン戦は打率.429と初の開幕スタメンを猛アピールしている。
「1日1日が勝負と思ってやっている」。
フリー打撃では自分のバットより、約3センチ長い約89センチの中村のバットを使い、下半身主導の打撃を染みこませてきた。当初、遊撃での開幕スタメンが有力視されたドラフト2位・藤岡裕(トヨタ自動車)は首痛で2軍落ち。ライバル不在の間に結果を出し始めた。
宮城県多賀城市出身で、仙台育英でプレーした。7年前は自宅で被災した。「宮城で育った人間としては風化させないよう、グラウンドで精一杯やる」。13歳だった少年は20歳となり、3年目のブレークを目指す。
パナソニックの新戦力・金森敬之投手(32)がセガサミーとの初戦で社会人デビューした。
昨季ロッテで戦力外通告を受け、合同トライアウトを受けてパナソニック入りが決まった右腕。今季の公式戦初戦は、いきなり厳しい場面だった。2−2の延長10回。無死一、二塁から始まるタイブレークだ。先頭打者のバントを素早く処理して三塁へ送球して封殺。次打者を141キロの直球で空振り三振に斬り、この回を無失点に抑えた。
11回は犠飛で1点を失ったものの、失点の可能性が高いタイブレークで2回1失点。「いい経験ができた。今日はリーグ戦の1つだったけど、(社会人は)常に負けたら終わりの雰囲気がある。クライマックスシリーズ、日本シリーズのときの緊張感がある。プロと違った感じの面白さですね」と振り返った。
試合は延長12回の末に5−6で敗れ「勝ちたかったです」と悔しがったが、「社会人野球は個人の力ではなく、チーム力で戦うイメージ。どこのチームも戦力は同じくらい。どこで一押しできるかが勝敗を分けると思う。いい選手がたくさんいるから楽しみ」と次戦へ前向きだった。
12年に日本ハムを戦力外となり、独立リーグの四国アイランドリーグでプレーし、ロッテにテスト入団して再びNPBに戻った苦労人だ。プロ通算87試合で6勝3敗、防御率4.92。第2のステージは幕を開けたばかりだ。
腰を素早く回転させて打球にパワーを伝えた。平沢はギリギリまでボールを呼び込み強振すると打球は中前に抜けた。2−0の9回先頭。森の内角のカットボールを巧みにさばいて4戦連続安打。打率は4割2分9厘に上昇し「下半身主導のフォームで去年の秋も春のキャンプもやってきた。練習でやっていることが継続できている」とうなずいた。
勝負の3年目。年々、野球選手としての使命感が強くなっている。13歳だった7年前の「3・11」は宮城・多賀城市内の実家にいた。電気、水道、ガスが全て止まった時の衝撃や被災した母方の祖母の自宅で泥をかき出す作業を行った記憶は今も鮮明に残る。「プロ野球選手としての立場もありますけど、宮城で育った人間として忘れてはいけない。風化させないようにしたい。僕らも一生懸命野球をやることで少しでも(被災者に)勇気を与えたい」。これからも熱い思いを内に秘め、全力プレーを披露する。
ロッテのマイク・ボルシンガー投手(29)が先発し、4回1安打、4四球、2つのボークを取られ、初回以外は毎回得点圏に走者を背負ったが、無失点で切り抜けた。
直球の最速は140キロ台前半ながら打者の手元で微妙に動くクセ球が有効だった。犠打処理を含む8個のゴロアウトを要所で奪うなどホームを踏ませず、開幕ローテ入りに前進した。
助っ人右腕は「結果だけ見れば無失点に抑えることはできたけど、もっとマウンド上で修正出来るようにしていかないといけないね。今日で言えばストレートのリリースポイントだね。スライダーに関しては感じ良く投げる事ができた。フォアボールが反省点だね。フォアボールを無くせばイニングも投げれるだろうし今後シーズンでは110〜120球ぐらいは投げれるようにしていきたいと思ってるよ」と収穫と課題を口にした。
東日本大震災当時、13歳だった少年はプレーに集中していた。20歳のロッテ・平沢が6回に井上の代走で出場すると、9回に森から中前打。ライバルのドラフト2位・藤岡裕(トヨタ自動車)が首痛で4日から欠場。何としてもアピールしたい局面で、4試合連続安打だ。
「下半身を使った打撃を心がけています。秋から春のキャンプとやってきました。今後も継続します」。
大震災の日は宮城県多賀城市の実家に2歳上の兄といた。「大きく揺れました」。未曽有の大災害を今も忘れることはない。
「宮城で育った人間として風化させてはいけない。しっかりとしたプレーをして、勇気づけられれば…。1日1日が勝負だと思っています」。平沢は前を向き、定位置を奪う。
ロッテの新外国人、M・ドミンゲス内野手(28)=前レッドソックス=にオープン戦初安打が飛び出した。
5回2死から武田の速球を左に運んで二塁打となった。
メジャー通算42発のの大砲候補だが、2月19日の石垣島1軍キャンプ打ち上げから離れ、27日の石垣島2軍キャンプで打ち込みを中心に調整してきた。
調子が上向かなかったためで、3月1日からロッテ浦和球場でのファームの練習に参加し、6日の巨人戦(ZOZOマリン)から1軍に合流した。
4試合、10打数目での快音に「1本出てくれたね。これから1試合1試合、調子を上げていくよ」とまずはホッとした表情を浮かべた。
井口監督は就任以来、常に“競争”の2文字を口にしており、外国人選手に関しても、「オープン戦で結果を出さないと使わない。そのためのキャンプからの競争」と方針を貫く構えだ。
ドミンゲスは「自分自身で結果を残すことが大事。1日1日、しっかりとやっていきたい」と話していた。
ロッテの先発、新外国人・ボルシンガーが4回を被安打1で無失点に抑えた。
だが、与四球「4」が示すように制球に苦しんだ。ボークも2個犯すなど今後に課題も残った。
3日の日本ハム戦(札幌ドーム)では2回を被安打5で5失点だった。
この時は「今日は自分の投球ができなかった。それ以外にいまは何も言えることがないよ」とガックリと肩を落としていた。
しかし、この日は課題とともに結果を出した。
それだけに、「結果だけ見れば無失点に抑えることはできたけど、もっとマウンド上で修正できるようにしていかないといけない。ストレートのリリースポイントだね。スライダーに関しては感じ良く投げることができた」と冷静かつ余裕のあるコメントで投球を振り返った。
やはり気になったのは四球「4」だった。「フォアボールが反省点だね。フォアボールをなくせばイニングも投げることができるだろうし、今後シーズンでは110〜120球ぐらいは投げられるようにしていきたい」。
井口監督は「球が高かった。これから調整してもらわないといけない。投げる姿勢は前よりはよかった」とさらなる進化を期待していた。