ロッテが延長11回に足を絡めて競り勝った。重盗などで2死満塁として田村の中前打で2点を勝ち越すと挟殺プレーの間にさらに1点を加えた。益田が2回無失点で2年ぶりの白星。日本ハムは拙攻が響き、連勝が5で止まった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | R | |
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千葉ロッテ | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 5 |
北海道日本ハム | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
ミスを帳消しにする殊勲打だった。同点の延長11回。清田が敬遠されて迎えた2死満塁の好機で、ロッテ田村龍弘捕手(23)は勝負の打席に立った。「ここで打てなかったら一生恨まれると思って打席に入りました」。カウント1−1から日本ハム井口の低めスライダーを捉えた。執念の中前打で走者を一掃した(1点は挟殺プレーの間)。
「本人が1番ホッとしてるんじゃないですか」。井口監督は目を細める。田村は3回、延長10回と2度、送りバントを失敗。7回の守備は捕逸で振り逃げも献上した。「僕は3割、4割打てる訳じゃない。小技は決めないといけない」。反省と悔しさを一打に込めた。
チームプレーの精神で同一カード3連敗を阻止した。決勝打の直前には、代走岡田が菅野と重盗に成功。快足を生かして二、三塁と得点機を演出した。翌8日は試合がないため、投手陣は7人をつぎ込んだ。「総動員で勝った試合ですね」と振り返った井口監督は、7回裏2死満塁のピンチで初めて自らマウンドへ。4番中田を迎えた松永に「翔をしっかり抑えてくれ」と伝え、集まった内野手からは笑みがこぼれた。
正捕手として、扇の要からすべてを見ている田村にはチームの柱の自覚が芽生えている。試合後は居残り特打ならぬ志願の“特バン”で、約30分間のバント練習。春季キャンプでは寝坊で2軍降格になったこともあった。「僕は年齢的には若いですけど、引っ張っていかなきゃいけない立場」。目の色が変わった。
日本ハムの連勝を止め、2位タイ浮上で次戦は全勝中の西武戦。「強いことは分かってる。1戦目が大事。勢いづけないように大胆に抑えたい」。今年の田村は頼もしい。
ロッテ田村がミスを帳消しにする決勝打を放った。
井口資仁監督は「本人が1番ホッとしてるんじゃないですか」。
ロッテ福浦和也内野手(42)が、榎本喜八に並び球団最多となる通算2161試合出場を達成した。
この日はベンチスタートだったが、延長10回1死二、三塁の勝ち越し機で代打に立った。結果は二ゴロに倒れ、自身は生き残ったが代走を出された。
記録については「初めて知ったよ」と話し、「それより、あの場面で打てなかった。使ってもらえる以上は結果を残したい」とがっくり。一方で「こんなに長くできると思ってなかった。大きなケガもなく、両親やトレーナーに感謝。野球が好きだし、やってるからにはまた勝ちたいし打ちたい」としみじみと話した。
ロッテ田村龍弘捕手(23)がミスを帳消しにする決勝打を放った。
同点で迎えた延長11回2死、清田が敬遠され、満塁で回ってきた第5打席。カウント1−1からの3球目、日本ハム井口の低めスライダーを中前へ転がした。自らは挟まれ走塁死となったが、走者を一掃して3点勝ち越しに成功。
「ピッチャーのいい球を使うのがキャッチャーの配球。あの回はスライダーでカウントが取れてるというのが頭にあった。しっかり反応できたと思います」と捕手らしい読みで、連敗を2で止めた。
この日は3回、延長10回と、2度送りバントを失敗していた。7回の守備では捕逸で振り逃げを成立させる場面もあった。
「バントミスもエラー(捕逸)もあったし、昨日も僕の配球で(6被弾と)大量失点した。何とか、引き分けじゃなくて、勝たないといけないと思った。チャンスはここしかなかった」と執念の一打だった。
ロッテ井口資仁監督(43)が、初めて自らマウンドに声掛けに行く場面があった。
同点で迎えた7回裏1死満塁のピンチ。投手を南から左腕の松永に代え、3番近藤を見逃し三振に仕留めた直後だった。マウンドに内野手と捕手の田村を集め、「(4番の中田)翔をしっかり抑えてくれ」と直接伝えた。選手には笑顔も見られ、なおも2死満塁の危機を松永は遊ゴロに打ち取った。
ここで勝ち越しを許さず、延長11回の末に競り勝った。井口監督は「松永の投球に気持ちが入っていたので、自分でマウンドに行った。今日は総動員で勝った」と総括。監督自身も含む“総動員”野球だった。
接戦を制し、3連敗を免れた。延長11回2死満塁から田村が「相手がストライクを取れていたのがスライダーだったから」と捕手らしく狙い球を絞り、決勝の中前2点打を放った。2度リードしながらも追い付かれる苦しい展開で勝ちきり、井口監督は「投手も野手も総動員して勝てた。みんなよくやった」と選手をねぎらった。
ロッテの福浦が2161試合で球団最多出場記録に並んだ。1955年から71年まで在籍した榎本喜八に追い付いた。千葉・習志野高から投手として入り、25年目。「ここまで長くやるとは思っていなかった。両親やトレーナーさん、多くの人に感謝したい」と話した。
ただ、この日は2−2の延長10回に代打で登場し、二ゴロに倒れ「それどころじゃないよ」と苦笑い。10日からはZOZOマリンスタジアムでの3連戦。新記録達成を本拠地で迎えられそうで「次は打ちたい」と気合を入れた。
勝利を呼んだヒーローに、特打ならぬ「特バン」が待っていた。ロッテ・田村が延長11回、2死満塁で決勝の2点中前打。試合後、勝利に沸くベンチ裏で清水バッテリーコーチの指令が飛ぶ。
「特バンや!」。
「分かってます」。約30分の居残りバント練習。「言われんでもやらないといけないと思ってたんで」と黙々とボールを転がした。
「打てなかったら(みんなに)一生恨まれる。やばいでしょ。絶対に勝ちたかった」。3回無死二塁、10回無死一塁で送りバントに失敗。汚名返上に燃えていた。過去の満塁機は通算で打率.333、37打点を誇る満塁男。加えて日本ハム・井口がスライダーを多投していたことを読み切り「頭にあった。しっかり反応できた」とスライダーを仕留めた。「悔しさは本人が1番分かっている。(ミスを)帳消しにしてくれた」と井口監督。野手14人、投手7人をつぎ込んだ総力戦。7回2死満塁で左腕・松永が右の中田を迎えた場面では就任後初めて自らマウンドに足を運び「しっかり抑えてくれ」と激励した。そんな指揮官の強い思いに、田村らナインが応えた。
日本ハムの連勝を5で止め、貯金1で2位タイに浮上。10日から開幕8連勝の首位・西武とぶつかる。「(相手の)連勝を止めて来週も戦えるのは大きいね」。次は獅子を止める。井口監督の顔にはそう書いてあった。
25年目のベテラン、ロッテ・福浦が、榎本喜八に並ぶ2161試合出場の球団タイ記録を達成した。
同点の延長10回1死二、三塁で代打で登場。しかし二ゴロに倒れ「あの場面で打てたら…。やってるからには勝ちたいし、打ちたい。悔しいの一言」。記録は知らなかったというが、伝説の打者に並び「大きなケガもなかったし、色んな人に感謝です。野球が好き。次は打ちたい」と新記録での快打を誓っていた。
ロッテが延長11回の激闘を制して、連敗を2でストップした。
2−2の同点で迎えた延長11回、2死満塁から田村が中前に勝ち越しの2点タイムリー。打者走者の田村が一二塁間で挟まれる間に、一塁走者も生還した。
田村はヒーローインタビューで「(これまでの打席で)バント失敗を2度もしていたので、打たないと一生恨まれると思っていた。打ててよかったけど、逆転されないようにすることばかり考えていた」と話した。
日本ハムは6番手の井口がロッテ打線に捕まり、連勝は5でストップした。
ロッテの福浦和也内野手(42)が8日に東京ドームで行われた日本ハム戦の延長10回に代打で登場。2161試合目の出場となり、榎本喜八に並び球団最多出場試合を記録した。
代打の場面は2−2の同点で迎えた延長10回1死二、三塁。勝ち越しの好機だったが、二ゴロに倒れた。
福浦は1993年に習志野高校(千葉)からドラフト7位で入団。ロッテ一筋で25年目の大ベテランで、広角に鋭い当たりを打ち返す打撃で01年には首位打者を獲得。今季は打撃コーチを兼任している。
ロッテ・福浦和也内野手(42)が榎本喜八に並ぶ球団最多タイ通算2161試合出場を果たした。
2−2の延長10回1死二、三塁のチャンスで藤岡裕の代打で登場。結果は二ゴロに倒れて、勝ち越すことはできなかったが、プロ25年目の“幕張のレジェンド”に大きな勲章が加わった。
ロッテ・酒居知史投手(25)が先発。2−1の6回にアルシアに同点打を浴びるなど、5回2/3を5安打2失点で2勝目はお預けとなった。
「6回は粘らないといけないところで、同点に追いつかれてしまい申し訳ないです。逆転のピンチを抑えてもらった靖さん(田中)に感謝です。前回同様、先発としてもっと長いイニングを投げられないといけないと思うので、中継ぎの方の負担を増やしてしまい申し訳ないです」と反省を口にした。
ロッテ・井上晴哉内野手(28)が4戦連続安打をマークした。1−1の4回無死二塁のチャンスで左腕・加藤のスライダーを左翼線へ運ぶ適時二塁打を放ち、勝ち越しに成功。
2戦連続の打点を挙げた主砲は「とにかくランナーを返そうと積極的にいったのがよかったと思います。進塁打とか消極的にいっていたら打てていなかったと思います。先に勝ち越すことが出来てよかったです」と振り返った。
ロッテの田村龍弘捕手が延長11回に決勝タイムリーを放ち、日本ハムの連勝を5で止めた。
両チームとも決め手に欠いたまま2−2で迎えた延長11回、2つの四球と1つの敬遠などで2死満塁の場面で田村が打席へ。1ボール1ストライクからの3球目を中前にはじき返し2者が生還。さらに自身が一、二塁間で挟まれている間にもう1人がホームを踏んで3点を奪った。
ヒーローは「バント2つ失敗してたので、ここで打てなかったら一生恨まれると思って」と自虐的なユーモアを交えて殊勲の一打を振り返った。実は3回に無死二塁で送りバントを失敗し結局三振。10回にも打撃結果は四球となったものの、無死一塁でバントを失敗していた。
逆転打の感想も「嬉しかったんですけど、逆転されたらやばいなと思って、そればっかり頭で考えてました」と捕手らしい答えで、東京ドームに足を運んだファンをわかせた。
「オイ、特バンや」。
試合後、“ヒーロー”を待っていたのは清水将バッテリーコーチのこんな言葉だった。「言われなくても分かっていました」とロッテ・田村は約30分間、バント練習で汗をかいた。
「ここで打たないと(みんなに)一生恨まれると思い打席に入った」と振り返った一打だった。延長11回。井上の四球から1死一、二塁。指名打者・李杜軒の4球目に二走・岡田と一走・菅野が重盗を決めた。李杜軒は三振に倒れたが清田が四球で歩いた。満塁。今季のテーマ「機動力」でお膳立てだ。
ここで田村だが3回と10回に送りバントを失敗していた。井口監督は「その悔しさは本人が分かっていたはず」と話していたが、井口の1−1からのスライダーを中前に運ぶと留飲を下げた。さらに打者走者の田村が一、二塁間で挟まれている間に一塁から清田も生還し3点が入った。
「やっぱり小技をしっかり決めないといけない。(自分は)3割打てる打者じゃない。今日は勝ったことがなによりです」。
特訓を終えた井口ロッテの正捕手が最後にやっと表情を崩した。
1−1で迎えた4回、ロッテの“主砲”井上晴哉内野手が勝ち越し打を放った。
この回、先頭の中村が左翼への二塁打で出塁すると、井上が加藤の初球120キロのスライダーを狙い打った。打球は左翼左への適時二塁打となった。
「とにかくランナーを返そうと積極的にいったのが良かったと思います。進塁打とか消極的にいっていたら打てていなかったと思います。先に勝ち越すことができて良かったです」と大粒の汗をぬぐっていた。