西武が終盤の集中打で逆転勝ちした。3−5の8回に代打栗山の適時打、秋山の2点三塁打などで6点を奪った。菊池は8回5失点で開幕から4連勝。9回は増田が反撃をしのいだ。ロッテは8回の要所で守備が乱れて3連敗を喫した。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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千葉ロッテ | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 2 | 3 | 8 |
埼玉西武 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 6 | x | 9 |
ロッテは敗れたものの、打線は西武菊池を攻略した。追い込まれる前の早打ちを徹底。前カードのオリックス戦で不振だった3番中村、4番井上に1発が出るなど、ファーストストライクを捉えて5点を奪った。9回も守護神増田を1点差まで追い詰めた。
井口資仁監督は「パで1番いい左投手をしっかり打った。最後も粘った。あと1歩」。
ロッテはミスが重なり、今季初の3連敗で開幕戦以来の借金1となった。
前週まで安定していた守備が、1試合で3失策。8回1死満塁では遊併殺に打ち取ったかに見えた打球を中村奨吾内野手(25)が一塁へ悪送球。併殺ならば2点リードで最終回を迎えられたが、6失点のビッグイニングとなって逆転を許した。
打線は3番、4番に1発が出るなど西武菊池、増田から8得点を奪い、1点差まで詰め寄ったものの惜敗。井口資仁監督(43)は「(攻撃に)粘りはありましたけど、3つのエラーが全部失点につながっている。これだけ大事なところで(ミス)したら勝てないですね」と振り返った。
昨年のU−18(18歳以下)W杯で清宮と日本代表のクリーンアップを組んだロッテD1位・安田(履正社高)は「7番・三塁」で先発出場。6回に右中間へ逆転の2点二塁打を放つなど、2本の二塁打を記録した。試合前に清宮と言葉を交わした安田は「『打てていない』と言っていたのに、ちゃっかり打つ」と苦笑い。「相変わらずいいバッティングをしている。負けられないし、自分も打てたのでよかったです」と振り返った。
9回に1点差まで詰め寄ったものの今季初の3連敗。6回はボルシンガー、8回は中村、藤岡裕が失策し、井口監督は「3つのエラーが全部点に絡んでいる。これだけやったら勝てない」と守備の乱れに厳しい表情をみせた。2本の本塁打などで菊池を攻略し、適時打も出るなど、不振が続いた打線は上向きで「明日(21日)、またしっかりいきたい」と気持ちを切り替えた。
ロッテは守備が乱れて3連敗を喫し、勝率5割を切った。3つの送球エラーが全て失点に直結。井口監督は「これだけ大事なところでやったら勝てない」とぶ然とした表情で話した。
痛恨だったのは2点を勝ち越した直後の8回。1死満塁から遊ゴロで併殺を狙ったが、遊撃手から送球を受けた二塁手の中村が一塁に悪送球し、追いつかれた。その後、藤岡裕の悪送球もあって一気に6失点。中村は「引っかけてスライダーのようになってしまった。体勢は崩れていないので技術不足。申し訳ない」と唇をかんだ。
先発したロッテのマイク・ボルシンガー投手(30)が6回、アクシデントに見舞われた。西武・浅村栄斗内野手(27)の打球が足に直撃し、降板となった。
好調の西武打線に得点を許さず、好投していたボルシンガーだったが、6回無死二塁で浅村のピッチャー返しが右足に直撃。こぼれたボールを拾い上げ、急いで一塁へ投げたが悪送球に。二走・源田が一気に生還して1点を許した。
ボルシンガーはマウンドで顔をしかめる。足をひきずりながらベンチへ下がると、2番手・大谷と交代。勝利投手の権利を持ってマウンドを降りたボルシンガーだったが、大谷が外崎にバックスクリーンに飛び込む同点2ランを浴びた。
ロッテの中村が菊池から先制の2号ソロを放った。1回2死で内寄りに来た直球を引っ張って左翼席へ運び「いい投手との対戦なので初球から積極的にいこうと思っていた」と振り返った。
これが4試合ぶりの安打。井口監督から今季のキーマンに挙げられ、開幕から3番に固定されているが、前カードのオリックス3連戦では無安打だった。井口監督に「クリーンアップが打てないと勝てない」と奮起を促され、好結果で応えた。
ロッテは難敵・菊池から5得点も、3つのタイムリーエラーで自滅。3連敗で、開幕戦黒星以来の借金1となった。
2点リードの8回1死満塁で、外崎の遊ゴロで送球を受けた二塁手・中村が一塁に悪送球。併殺にならず同点とされ、この回6点を奪われた。「引っかけてスライダーになった。技術不足。申し訳ないです」。初回に先制2号ソロを放ったが手痛い失策。井口監督も「これだけ大事なところで(失策を)やったら勝てない」と厳しい表情だった。
ロッテ先発・ボルシンガーが右足のくるぶし付近に打球を受けて降板した。
5回まで3安打無失点の好投。しかし6回無死二塁で浅村の打球が右足を直撃し、そのままマウンドを降りた。
試合は終盤に大荒れの展開で敗戦。来日2勝目はならなかったボルシンガーは「ああいう形で降板したのは、とても残念。それでも感じよく投げられたし、自分の投球はできた」。試合後は足を痛がる素振りも見せず、「次の登板も大丈夫だと思う」と話した。
ロッテは9回に猛烈な追い上げを見せるも、あと1点が届かずに3連敗。開幕戦で黒星を喫して以来の借金1となった。
4点を追う9回、西武の守護神・増田を攻めて2死一塁から荻野が右中間三塁打。さらに満塁から代打・平沢が「甘いボールをしっかり打てた」と中前適時打を放って1点差とした。さらに2死一、三塁としたが、鈴木は三ゴロ。一塁へのヘッドスライディングも及ばず、1点差で敗れた。
難敵・菊池を攻略して5点を奪ったものの、3つのタイムリーエラーが出て自滅。井口監督も「これだけ大事なところで(失策を)したら、勝てない」と厳しい表情だった。
ロッテ・西野は日本ハム・清宮の対応力に舌を巻いた。「外に半速球(変化球)を続けると、しっかり反応してくる。第1打席は2球続けたカーブを打たれたし、ホームランもフォークが甘かったけどやられた」。
清宮の1軍昇格を視野に入れたデータ収集として変化球勝負に徹したとはいえ、スーパールーキーの能力を警戒。今後の対戦に向け「内角の真っ直ぐにはどう対応してくるか」と話した。
口にしなければ始まらないことがある。
4月14日、熊本・藤崎台県営球場で行われるはずだったソフトバンク―ロッテは雨天によるグラウンド不良で中止となった。熊本出身のタレント・コロッケのものまねショー、両軍選手によるサインボールの投げ込みや即席のサイン会など、熊本地震から2年が経過した被災地の球場はプレーボールがかからなかったことを忘れるほど、熱を帯びた。
約30分間、左翼席のファンへペンを走らせたロッテ・井口監督は「振り替え(の試合)はヤフオクドームじゃなくて、熊本でできたらいい」と提言した。後日、その真意を聞けた。「(熊本での再試合が)難しいということは分かっていますよ。ただ、言わないとね」。最初から無理を承知での発言だった。
プロ野球の地方開催は4、5月に行われることが多い。開幕後、交流戦がスタートするまでの期間は夏休みや優勝争いの終盤戦と違い、比較的、集客に苦労するからだ。地方の興行主は球団から興行権を買い取りやすく、球団側も売りやすい。だが、この代替試合が夏休みや終盤に組み込まれれば井口監督の希望した「再試合」は高すぎるハードルだ。
それは百も承知で言った。信念は、できるこをやる。16年の熊本地震ではインターネットで集った約636万円に自らの義援金を加えた1000万円を熊本県宇土市の新市庁舎建設へ寄付した。「目的」を絞ったのには理由がある。「1番、復興の元になる部分を再建するのが大事」。困窮した被災者を直接支援するより、復興するための「旗振り役」となる市役所の機能を回復させる、「急がば回れ」の考え方だった。
あの「再試合」発言もそう。口にしなければ始まらない。井口監督の言葉は野球界への提言にも聞こえた。
最後は1点差まで追い上げたが、あと1本が出なかった。今季初の3連敗で借金1。ロッテの井口監督は「最後は粘ったけど。3つのエラーが全部点に結び付いた」と話し、さらに「大事なところでやったら勝てない」と語気を強めた。
同点で迎えた8回に2死満塁から井上の2点打で勝ち越した。だが、その裏暗転した。1死満塁から中村の悪送球が出て同点、なお藤岡裕の失策も飛び出すなど、一気に6点を失った。6回に与えた1点は無死二塁からボルシンガーの一塁悪送球によるものだった。
救いは左腕・菊池への攻撃だった。1回に中村の先制ソロを足場に5安打で5点を奪った。「しっかりいい投手を打てた。攻略まであと一歩だった。あした、またしっかりと」。指揮官が3失策を振り払った。
内野ならどこでもOKのロッテ・三木が「9番・左翼」で今季初スタメン出場し、初適時打を放った。
2点リードで迎えた5回2死一塁。菊池の初球、135キロのスライダーをはじき返した。打球は右中間フェンス直撃のタイムリー二塁打となった。
「気合です。気合です」。気合を2度繰り返した。
外野の守備は昨秋の鴨川キャンプで井口監督が打ち出した「複数ポジション指令」によるもの。鴨川キャンプから、石垣島キャンプ、そしてオープン戦と練習を重ねてきた。
この日は左腕・菊池対策の起用。「ぶっつけ本番。やっと来たという感じです。しっかり準備をしてきました」と話していた。この言葉を実践した。