6回表終了で降雨コールドゲームとなり引き分けた。楽天は1点を先行されたが、3回に茂木の8号ソロで同点として4回に銀次の1号ソロで勝ち越した。ロッテはその直後の5回に鈴木の中前適時打で追い付いた。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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千葉ロッテ | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | |||
東北楽天 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | x | 2 |
115球の中でも特別な13球だった。ロッテ涌井秀章投手(33)が横浜高校時代の恩師・渡辺元智氏(74)の孫、佳明と初対戦。18歳当時、渡辺家の自宅兼寮で遊び相手を務めた“少年”から2打席で2三振を奪った。
「まさか高校時代の時に遊んでた子と対戦するとは思わなかった。打たれたくないのはあったし、打たれるんなら真っ直ぐでというのはあった」。第1打席は7球全て直球。第2打席も6球中5球が直球と真っ向勝負を展開した。
針の穴を通すような制球力の持ち主も、21日に33歳の誕生日を迎え、今季はボール1個分のコントロールに苦しむ。コースいっぱいに決めに行った球に球審の手が上がらない。150キロ近い速球も少なくなった。しかし2回の先頭で訪れた初対戦。フルカウントからの7球目は膝元へコースいっぱいの直球。第2打席で投じた145キロはこの日最速タイ。対決で昔の涌井がよみがえった。
「変化球でかわしに行ってという結果にならなくてよかった。これから対戦も続くと思うし、もっともっといいバッターになって欲しいし自分も打たれないようにしていきたい」。最後に1球だけチェンジアップを投じた。変化球の切れ味も見て学べという、先輩からの無言のメッセージだ。
楽天渡辺佳明内野手にとってロッテ涌井秀章投手との“初対戦”は、野球を始めて間もない頃にまで溯る。自宅でもある横浜高の野球部寮で当時プロ注目の大エースと対峙。優しく投げてくれる山なり軌道のゴムボールを、プラスチックのバットで打ち返したのが原点だ。10歳離れた横浜高の大先輩であり、祖父・渡辺元智の教え子、1番しっくり来るのは「遊んでくれる近所のお兄ちゃんみたいな感じ」。屈託なく笑う。
1軍初昇格した5月19日のロッテ戦で「対戦できたらいいですね」とかわした言葉が現実になった。2回の第1打席はタイミングを合わせたと思った直球に押し込まれてファウルでカウントを稼がれ、見逃し三振。4回の第2打席も最後はチェンジアップで空振り三振。「1打席目はボールと思って見逃したけど、映像を見返すとコースいっぱい。2打席目の変化球は、直球に見えたボールが低めいっぱいから落ちた。少しは成長した姿を見せたかったんですけど、手も足も出ませんでした。偉大でした」と声を上げて悔しがった。
試合後、2打席13球のうち12球が直球という偏った勝負に涌井が込めた意図を伝え聞いた。「昔は打たせてくれましたけど、今日は打てませんでした。いい経験にして、次はしっかり打ちたい」。同じプロの土俵に上がったことを実感。本気の涌井を打つ目標ができた。
ロッテ鈴木大地内野手の適時打で引き分けに持ち込んだ。
雨脚が強まった5回2死二塁、1ストライクから楽天先発美馬の138キロを中前へはじき返す同点打。前日から7打席安打がなかったが大事な場面で勝負強さを見せた。「雨が強くなってきましたし、最低でも同点に持って行けたらという気持ちがあった。負けなかったことはよかった」と笑顔を見せた。
ロッテ荻野貴司外野手が流れを呼び込む2本の二塁打で、自己最多の出場連続試合安打を17に伸ばした。
初回の先頭では三塁線を破る二塁打から先制のホームイン。1点を追う5回、今度は左中間二塁打を放ち、鈴木の中前打で生還した。
「1点欲しい場面で何とか塁に出られてよかった。気持ちのぶれなく、常に同じ気持ちで打席に入れている」と好調の要因を分析した。
打撃好調なロッテの1番荻野が2二塁打を放ち、ともに得点につなげた。1−2の5回2死無走者で左中間に運び、続く鈴木の適時打で生還した。「1点が欲しいところで、何とか塁に出られて良かった」と笑顔を見せた。
7日の巨人戦から17試合連続安打とし、打率3割3分6厘は堂々のリーグトップ。今季は好不調の波が少なく「気持ちのぶれもなく、常に一緒の気持ちで打席に入れている」と言う。これまではケガに泣かされ、1度も規定打席に到達した経験がないが、10年目で初のタイトルも視野にチームを牽引している。
ロッテの涌井は神奈川・横浜高時代の恩師、渡辺元智前監督の孫の渡辺佳と初めて対戦し、2三振を奪った。
2回に初めて打席で顔を合わせると7球全て直球で押して見逃し三振に仕留めた。プロ15年目の33歳。11歳下のルーキーとの対決に「高校の時に遊んでいた子とやるとは思わなかった。打たれるなら直球でと思っていた」と感慨を口にした。
恩返しの直球勝負だ。2回無死、ロッテ涌井は楽天・渡辺佳に全7球直球勝負を選択し、見逃し三振など2打席2三振に仕留めた。
「高校生の時、遊んだ子と対戦するとは思わなかった。打たれたくなかったし、打たれるのならばかわすより、直球と思った」。相手は横浜高時代の恩師である渡辺元智元監督の孫で、渡辺佳が小さい頃、一緒にゴムボールとプラスチックバットで遊んだという。「手も足も出ませんでした。偉大でした」と渡辺佳も脱帽。降雨コールドで4勝目は逃したが「もっともっと、いい打者になって」とエールを送った。
ロッテ・荻野が止まらない。初回無死、三塁線二塁打で自己記録更新中の連続試合安打を17に伸ばした。
1死三塁から中村奨の左中間二塁打で先制のホームを踏むと、1点を追いかける5回2死では左中間二塁打。雨脚が強まる中、鈴木の同点打を呼び、降雨コールドの引き分けへ持ち込んだ。
「(連続試合安打は)気持ちのぶれがなく、常に同じ気持ちで打席に入れています」。
2安打で打率.336に伸ばし、首位打者を維持。アルト・ロペス(東京)が、1968年の6月12日〜7月17日に作った26試合連続安打の球団記録まで9試合。プロ野球記録は1979年・高橋慶彦(広島)の33試合連続がある。
特別な対戦だった。2回無死、ロッテ・涌井は打席に楽天・渡辺佳を迎えた。チーム戦が、個人戦になったようにギアが入る。投げた7球は全て直球。最後はフルカウントから143キロで見逃しの三振に仕留めた。
「自分が高校生の時、遊んだ子と対戦するとは思わなかった。打たれたくなかったし、打たれるのならば変化球でかわすよりも、直球だと思いました」。
渡辺佳は横浜高時代の恩師・渡辺元智氏の孫であり、小学校低学年で野球を始めた頃、ゴムボールとプラスチックのバットで一緒に遊んであげた。当時は山なりのボールで打たせてあげたが、プロの舞台では容赦しない。4回無死の2打席目は直球5球で追い込み、最後はチェンジアップで空振り三振とプロでの経験の差を見せつけた。
「手も足も出ませんでした。偉大でした。(1打席目は)ボールと思ったら入っていた。(2打席目は)フォークが途中まで直球に見えた」と渡辺佳は脱帽。試合は5回2失点し、降雨コールドで4勝目を逃したが「これからも対戦するし、もっともっと、いい打者になってもらいたい。自分も打たれないようにする」と特別な感情を抱くルーキーへ、エールを送っていた。
15年前にタイムスリップした感覚だったに違いない。試合後のロッテ・涌井は、横浜高の後輩・渡辺佳とのプロ初対決を「まさか自分が高校時代に遊んでいた子と対戦するとは思っていなかった」と振り返った。涌井は高校3年のころ、母校の恩師・渡辺元智前監督の孫で、当時8歳の佳明少年とプラスチックバットを手にゴムボールを投げて遊び、野球の楽しさを教えた。
33歳と22歳になった2人がプロの舞台で対決した。1−0の2回、涌井は7球全て直球で真っ向勝負した。「打たれたくないと思っていたし、打たれるなら真っ直ぐでと。変化球でかわして打たれるという結果にならなくてよかった」。最後は内角いっぱいに決めて見逃し三振に抑えた。2−2の4回1死では5球目までが直球。最後はチェンジアップで空を斬らせた。5回2失点で降雨コールド、引き分けとなり4勝目は逃したが、2三振に斬って先輩の意地を示した。渡辺佳は開口一番「手も足も出なかった。偉大でした。1打席目は最後もボールだと思って見逃したけど(映像を)見返したらいっぱいに入っていた」と舌を巻いた。
涌井は「これからも対戦するし、もっともっといい打者になって欲しい。自分も打たれないようにしたい」とエールを送り、渡辺佳も「良い経験になった。次回は打ちたい」とキッパリ。真剣勝負の世界で互いに高め合う存在になっていく。
ロッテ・涌井秀章投手(33)が5回5安打2失点で降板し4勝目を逃したが、横浜高の後輩・渡辺佳とも対戦し2三振を奪うなど先輩の意地を見せた。
プロ初対戦は2回先頭。7球連続直球で勝負を挑み、内角一杯の直球で見逃し三振に抑えた。「まさか自分が高校時代に遊んでいた子と対戦するとは思っていなかった。打たれたくないと思っていたし、打たれるなら真っ直ぐでと。変化球でかわして(打たれる)という結果にならなくてよかった」と振り返った。
2−2の4回無死の場面でも5球目までが直球。最後はフルカウントからの6球目にチェンジアップで空を斬らせた。
渡辺の祖父は同校の渡辺元智前監督。恩師の孫でもある渡辺佳が野球を始めた8歳の頃には野球部の寮の近くで遊んでいたという。
「これからも対戦は続くと思うし、もっともっといい打者になって欲しいし、自分も打たれないようにしていきたい」と後輩にエールを送りつつ、次回の対戦に思いをはせていた。
ロッテ・種市篤暉投手(20)が30日の楽天戦(楽天生命)で5勝目をかけて先発。序盤の制球力をキーポイントに挙げた。
前回登板となった20日の広島戦(マツダ)では3回までに5失点。今季初黒星を喫した5月30日の日本ハム戦(札幌)では4回8失点。「序盤のコントロールが課題。両サイドに投げられるように集中して投げたい」と力を込めた。
33歳のロッテ・涌井には懐かしさとともに、感慨が込み上げていた。
「高校時代に遊んでいた子と対戦するなんて…」。2回の先頭打者、目の前に立っていたのは横浜高時代に指導を受けた渡辺元智前監督の孫・佳明だった。10数年の時を経て実現したプロでの同門対決。真っ直ぐで押し、最後は143キロで見逃し三振に仕留めて貫禄を見せつけた。
「打たれたくないという気持ちはあった。打たれるなら真っ直ぐと思っていた。変化球でかわしていかなくてよかった」と涌井。4回の第2打席も真っ直ぐで追い込み、チェンジアップで空振り三振に仕留めた。母校の後輩にプロの厳しさを教えた。
5回を投げて2失点。楽天・茂木と銀次に一発を浴びたが「前回の広島戦より球が高くなった。それが長打になった。ボール1個分、低ければというのはある」。反省を忘れないベテランは、後輩に「もっともっと、いい打者になってもらいたい。ボク自身も対処していきたい」。最後に吹かせた先輩風は温かなエールだった。
チームリーダーの鈴木がまたもや勝負強さを発揮した。1点を追った5回。2死から荻野が左中間突破二塁打で出塁すると、0−1から美馬の変化球を中前に運んだ。同点打。
6回表終了後、降雨コールドにより引き分けとなった。
「同点にもっていきたかった場面だったのでよかった。正直(雨で)やりづらい部分はあるが、それは理由にならない。負けなくてよかった」。
6月16日の中日戦(ZOZOマリン)で9回に5点差を大逆転したが、鈴木はバットを折りながらも右前に2点サヨナラを放った。
現在、ロッテ球団社内で「縁起がいい」と“鈴木ラッキー7神社”の建立を急ピッチで進めている。ご神体として折れたバットを展示する。
30日の仙台は雨の予報だが、「しっかり準備しておきたい」。準備をしっかりとする。これこそ勝負強さの源かもしれない。