安倍晋三首相が6日、新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言について「7日にも発出する」と表明した。対象地域は東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県。8日から効力を発生させる方針で、期間は5月6日までの約1ヶ月間となる。
巨人は、当初12日までだった個人調整期間を延長する検討を行った。3月26日以降、坂本、丸、岡本ら1軍の主力野手と主力投手陣は各自に調整が一任され、13日から全体練習を再開する予定だったが、遅らせる見通し。星総務本部長は「選手のコンディショニングを維持していくのも球団の責任だし、感染を広げないということも球団の責任。バランス良くやっていきたい」と最善を期していく。
ヤクルトは、8日を全選手自宅待機にすることを決めた。9日以降のスケジュールについては高津監督の判断となるが、自主練習期間が継続される見込み。江幡秀則専務取締役は「感染しない万全の対策を整えた中で練習、体調管理をする場を与えてあげたい」。新型コロナウイルス対策連絡会議に出席した専門家からは「プロ野球選手は興行の試合でいいプレーを見せるため、練習をして自己管理をすることは必要な仕事」という判断があったという。球団としては自主トレ期間に「3密」を避けるため、食事や入浴のタイミングや練習場所、時間の配分をさらにチェックしていく。
緊急事態宣言の期間が5月6日までとなった場合、その間の全体練習や練習試合を実施する可能性も低くなった。江幡専務は「状況を見て、世の中の動きを見ないと分からない」とし、慎重に判断を進めていく。
西武は緊急事態宣言発令に備え、練習施設提供の可否について検討していく。自主練習となった6日は、埼玉・所沢のメットライフドームと室内練習場の使用を許可。7日は自主練習を行い、発令後は提供場所の縮小や全面禁止を含めて検討する。
DeNAは、7日以降も引き続き全体練習を行わず、自主練習とすることを発表した。なお選手により球場使用日を隔日、並びに時差対応していく。寮生を除く1軍は横浜スタジアムで午前10時〜12時、および午後2〜4時。寮生は神奈川・横須賀の球団施設「DOCK」で午前10時〜午後1時。2軍は同所で午後1〜4時までの自主練習とする。期限は今月末までをめどとし、報道陣にも引き続き取材自粛を要請する。
千葉市を本拠地とし、さいたま市に2軍施設を持つロッテはこの日、3月27日以来の練習再開となったが、緊急事態宣言が発令されることを受けて、7日以降は再び自主トレも自粛する方針。チームとしての全体練習再開は未定となっている。
日本ハムは7日以降も2軍本拠地のある千葉・鎌ケ谷での自主練習を認める方針だ。これまでも感染予防のため、勇翔寮で生活する選手は午前、関東圏に自宅のある選手は午後と施設の使用時間も分けている。当面は現状の対策を続けながら、選手の練習環境を提供していく予定。
オリックスは、大阪・舞洲の球団施設と京セラドーム大阪での取材活動、立ち入りを7日から自粛するよう報道陣に求めた。3月31日まで行っていた全体練習を今月1日から舞洲1カ所での自主練習に切り替え、練習中は報道陣を含めた外部との接触を禁じた。この日は6日ぶりの取材解禁だったが、1日で再び自粛措置を取ることに。舞洲での自主練習は同時刻に施設を使う人数を制限するなどして続ける見込みだが、同宣言の内容を検討して最終判断する。
7日に大阪府と兵庫県にも出される緊急事態宣言が、阪神にも影響を及ぼす可能性がある。都内の実行委員会を終えた谷本副社長は「当球団は今のところ全面休止しているので、緊急事態宣言が出たからといって影響は受けないですけど、各球団さんの姿勢を見ながら、後からついていきますと返事をしておきました」と話した。球団広報は「もちろん外部環境が変われば、それに対応しないといけない。そういう検討は担当者レベルで進めている」と説明。藤浪ら3選手が新型コロナウイルスの陽性判定を受けてチームは当面の活動停止を決めており、チームの再稼働は最短で9日以降。近日中にも今後に向けた話し合いが行われるとみられる。
新型コロナウイルス感染拡大のため活動を休止しているソフトバンクは6日、ペイペイドームで選手会と球団が話し合い、早ければ9日にも自主練習を始める方針を定めた。期間は未定で、選手会長の中村晃外野手(30)は「国次第なところもあるけれど、このままの状況なら9日から。人数や場所は分けていく」と説明した。
3月31日から選手は自宅などでトレーニングを続けている。選手が集まっての自主練習は政府の対応を注視しながら、実施方法を決めるという。現時点ではペイペイドームと福岡県筑後市の2軍施設に分散し、ポジションごとなどに時間帯を分ける予定。
ただ話し合いの後、福岡県にも新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言が発令される見通しとなり、自主練習開始に影響が出る可能性がある。今後について7日以降に再検討される模様だ。
中日の加藤球団代表は「練習できる環境を提供してあげることでは、皆さんで合意している。ただ(自治体から)強制力のあるものが出てきたら、考え直さないといけない」と話した。また「地区によって完全に封鎖するような事態となると平等じゃなくなるかもしれない」と、練習ができる球団とできなくなる球団との格差を懸念した。
ロッテは午前、午後に分かれてZOZOマリンと浦和球場で非公開の自主練習を行った。
マリンの1軍組は午前中に新戦力の鳥谷敬内野手ら、午後に佐々木朗希投手らが、久々にグラウンドで体を動かした。3月27日以来の練習再開となったが、首都圏に緊急事態宣言が発令されることを受けて、7日以降は再び自主トレも自粛する方針。チームとしての全体練習再開は未定となっている。
こんな時期だからこそ、1日1日を大切に−。ロッテのドラフト1位、佐々木朗希投手(18)が、コロナ禍で自主練習を続ける心境を明かした。
「今の状況はみんな一緒なので、こればかりは仕方がないと思います。今はとにかく、全てにおいて我慢をする時。その中でやれることを見つけて、1日を大事に過ごしていきたい」。試合がなくとも時間は過ぎ去る。有限の1年目を無駄にはしない。
練習が自粛となった3月28日から9日間、ユニホームに袖を通すことはなかった。気軽に出歩くこともできない。ウエートルームなどがある浦和寮の4階で体を動かし続けた。「軽くですが毎日、ネットピッチングをしています。意識的にボールは毎日触るようにしています。体幹も毎日。ウエートは2日に1回の割合で行っています。ストレッチも欠かしていません」。1度離れた感覚は取り戻すのに時間がかかる。幸い寮の環境は恵まれている。最大限、コンディションを維持し、白球の感覚を肌で感じた。
キャンプを終えて順調にブルペンを重ね、2度のフリー打撃登板を経た。直球は150キロ台後半を計測。4月中の実戦デビューを目指して、本来なら3日にシート打撃に投げる予定だった。心待ちにしていた打者との初対戦は、いつになるか見通せない。「野球ができる時が来たら、しっかりとしたパフォーマンスを見せられるようにしていくだけだと思います」。この日はZOZOマリンで自主練習に参加し、10日ぶりに外で汗を流した。調整も自己管理も、できてこそプロ。困難と向き合い、乗り越える。
日本野球機構(NPB)が新型コロナウイルス特例(仮称)の制定に着手する。6日、セ、パ両リーグの理事会と実行委員会を都内で行った。井原敦事務局長は「野球協約における新型コロナウイルス特例を、考えていかないといけない」と話した。
開幕が最短で5月下旬、6月にずれ込む公算もあり、143試合の実施が難しくなったことで同協約の改定が必要となった。今後、以下の主なルールが検討される見通しだ。
今後は協約・ドラフト改定委員会で素案が作られ、次回の5月11日の実行委員会に取りまとめる見通しだ。
メジャーではレギュラーシーズン162試合が81試合以下になれば年俸が半減されることでMLBと選手会が合意したと伝えられているが、日本球界では現状は否定的だ。巨人星総務本部長は「統一契約書では日本は期間(2月1日〜11月30日)によって(契約が)拘束されるが、メジャーは試合数によって分けられるので、メジャーと同じようにはならないと思う」と見解を示した。
球界は緊急事態宣言が発令された場合、各球団で練習態勢など対応をする。中日加藤球団代表は「選手が練習できる環境を提供してあげることでは、みなさんで合意している。ただ(自治体から)強制力のあるものが出てきたら、考え直さないといけない」と話した。都内のNPB事務局は大部分の職員を在宅勤務とする。
安倍晋三首相(65)は6日、新型コロナウイルスの感染拡大に備える改正特別措置法(新型コロナ特措法)に基づく緊急事態宣言について「7日にも発出したい」と表明した。対象地域は東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県で、期間は5月6日まで。延期されているプロ野球の開幕や、シーズンを中断しているサッカーJリーグの再開などがさらに困難となり、対象地域に本拠地を構える計24チーム(野球8、J1、J2で16)が大きな打撃を受ける。
新型コロナウイルスとの戦いが新たな局面に入った。この日の午後6時前、安倍首相が官邸で記者団に緊急事態宣言を出す意向を示した。
「明日にも緊急事態宣言を発出したい。私から会見を開いて説明し、国民にどのような協力をお願いするか、説明したい」。
7日に発令を出して記者会見で説明。8日から効力を発生させる方向だ。対象地域は東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県。感染が急速に蔓延し、国民生活や経済に甚大な被害を及ぼす段階に入ったと判断した。
改正特別措置法(新型コロナ特措法)による発令は初めて。安倍首相は海外のような都市封鎖はしないことを強調した上で、「公共交通機関も動く。皆さんの冷静な対応をお願いする」と国民に呼びかけた。
既に中止や延期が相次ぐ大規模イベントやスポーツなどは、会場の使用制限によってさらに影響が広がる。対象となるのは、延べ床面積1000平方メートル超の映画館、展示場のほか、体育館や水泳場といった運動施設も含まれる。法令上、イベントを開催したとしても罰則はないが、スポーツ界は大きな打撃を受ける。
プロ野球はすでに開幕日が、3月20日→4月10日以降→同24日以降となり、今月3日の12球団代表者会議で再び延期されることが決まった。新たな開幕日は4月下旬から5月上旬に設定するとしていたが、先行きはさらに不透明となる。
千葉市が本拠地のロッテは7日から再びチームの活動を休止する。各球団が自治体の方針に従うことになり、宣言期間中は、全体練習や練習試合が行えなくなる見込み。今後1ヶ月はオフ期間のような生活を余儀なくされ、そこから実戦に入ったとしても、5月中の開幕は困難だ。
東京都内の日本野球機構(NPB)事務局は緊急事態宣言が出た場合は閉鎖され、原則的に職員全員が在宅勤務となる。井原敦事務局長は「政府と都の方針に従う」と述べた。
中断中のJリーグはすでに再開が白紙の状況。J1FC東京はこの日、下部組織を含め当面の活動休止を発表した。村井満チェアマンはこれまで、緊急事態宣言が出た場合に、該当しない地域で試合を行う考えだったが、「地域の区別云々でもなく、無観客だからいいというレベルでもない」と方針変更を示唆している。7都府県に本拠地を置く野球、サッカーの計24チーム(プロ野球8、J1、J2で16)に緊急事態宣言の影響が直撃する。
5月6日までの1ヶ月で果たして沈静化はできるのか−。国民にとっては我慢の日々が続く。日本が大きな岐路に立たされた。
ロッテは6日、ZOZOマリンスタジアムで10日ぶりに自主練習を再開。ドラフト1位・佐々木朗希投手(18)=大船渡高=はチームメートと汗を流した。
「寮で可能な範囲の練習をしていた。できる練習は限られているが、できる範囲でやれることをやっている」。
チームは新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、3月28日から前日5日まで活動を休止。選手は不要不急の外出を控え、自宅待機するように指示されていた。
佐々木はさいたま市の浦和寮で待機。その間もネットに向かった投球と体幹トレーニング、ストレッチは毎日こなし、ウエートトレも2日に1回は行っていたという。
活動休止前の27日には2度目となったフリー打撃登板。スライダー、フォークボールなどの変化球を解禁し、打者2人相手に40球を投げ、今月3日には初のシート打撃登板が予定されていた。だが、チームの活動休止で、実戦デビューへの道のりも白紙となった。
岩手・陸前高田市に住んでいた小学3年時には東日本大震災を経験している。プロ1年目から思わぬ事態に直面した最速163キロ右腕は「今の状況はみんな一緒なので、こればかりは仕方がない。今はとにかく我慢するとき。野球ができるときが来たら、しっかりとしたパフォーマンスを見せられるようにしていくだけだと思います」と気丈に話した。
日本野球機構(NPB)の理事会と12球団による実行委員会が6日、東京都内で開かれ、新型コロナウイルスの感染拡大による大幅な開幕延期を受け、フリーエージェント(FA)制度などに特例を設けるため、協議に入ることを決めた。
仮称は新型コロナウイルス特例。フリーエージェント(FA)権取得に必要な出場選手登録の日数(現行は145日で1シーズン分)の短縮や、トレード、新外国人の獲得可能期間(現行は7月31日まで)の延長など特例を設ける。
感染の疑いでPCR検査を受けるために出場選手登録を抹消された場合でも、陰性であれば、規定の10日間より前に再登録できるようにすることなどを検討する。
今後、NPB内の小委員会である協約・ドラフト改定委員会でたたき台をつくり、次回5月11日に予定される実行委員会で取りまとめる。
NPBは3日の12球団代表者会議で、開幕の再延期を決定。今月下旬から5月上旬に開幕日を決めることを目指しているが、シーズンが短縮される可能性もある。
日本野球機構(NPB)の理事会と12球団による実行委員会が6日、東京都内で開かれ、新型コロナウイルスの感染拡大による大幅な開幕延期を受け、フリーエージェント(FA)制度などに特例を設けるため、協議に入ることを決めた。
開幕のめどが立たないことで、出場機会に恵まれない選手の救済を目的に日本プロ野球選手会が要望し、今季中の導入を目指していたブレークスルードラフト(現役ドラフト)の論議も中断している。選手会との窓口になる選手関係委員会の谷本修委員長(阪神球団副社長兼球団本部長)は「選手会とやり取りはしているが、今日の実行委員会で話はしていない」と明かし、「2020年中は難しくなったというのは共通の理解」と来季へ先送りとなる可能性を示唆した。
ロッテ・鳥谷が6日、本拠地ZOZOマリンスタジアムで自主練習を行い、ランニング、キャッチボール、打撃練習などで汗を流した。先月10日の入団後、翌日からロッテ浦和での2軍練習に合流。17日に巨人2軍との練習試合で177日ぶりに実戦復帰を果たした。その後も実戦を積み重ね「どのポジションでも、しっかりいけるように準備したい」と話していた通り、二塁、三塁、遊撃などの守備を精力的にこなしている。
ロッテのドラフト1位ルーキー佐々木朗希投手は6日、ZOZOマリンスタジアムで行われた自主練習で久々に球場で体を動かした。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、チームは3月28日から前日5日まで活動を休止していた。「やれることを見つけて、1日を大事に過ごしていきたい」と球団を通じてコメントした。
チームの活動休止中は、球団寮内でネットに向かってボールを投げたり、ウエートトレーニングを行ったりしていたという。先の見えない日々が続くが「今はとにかく、全てにおいて我慢。野球ができるときが来たら、しっかりとしたパフォーマンスを見せられるようにしていくだけ」と前向きに捉えた。
日本野球機構(NPB)の理事会と12球団による実行委員会が6日、東京都内で開かれ、新型コロナウイルスの感染拡大による開幕延期に伴う野球協約やセ、パ両リーグのアグリーメントの改正点などを洗い出した。
新型コロナウイルス特例(仮称)として改正するもので、7月31日までとなっている選手譲渡可能期間、出場選手登録の抹消期間の見直しなど。後者は感染の疑いで出場選手登録を抹消された場合でも、陰性の場合は脳振盪特例のように10日間の抹消期間を待たずに出場選手登録を可能にすることを検討する。今後、NPB内の小委員会である協約・ドラフト改定委員会でたたき台をつくり、次回5月11日の実行委員会で取りまとめる。
日本野球機構(NPB)の理事会と12球団による実行委員会が6日、都内で開かれ、新型コロナウイルスの感染拡大による大幅な開幕延期を受け、様々な特例を設けるための協議に入ることを決めた。感染の疑いでPCR検査を受ける場合は出場選手登録を外れるが、陰性であれば規定の10日間より前に再登録可能にすることなどを検討する。
前例のない事態に、ルール面で様々な変更が必要になってくる。新型コロナウイルス感染の疑いでPCR検査を受ける場合、出場選手登録を外れる見通し。陽性であれば復帰まで2週間以上はかかるが、陰性ならば規定の10日間よりも早く復帰できるなどの「コロナ特例」を協議する。
NPBの井原敦事務局長は「議案は1つ。仮称ですが、野球協約、アグリーメントにおける新型コロナウイルス特例。両リーグ理事会で話し合い、実行委員会で確認した」と説明した。コロナ特例での登録抹消では、陰性による復帰後は抹消期間もFA資格日数に加えることも検討する。
昨季開幕前には、脳振とう特例措置改定案が導入された。脳振とうの疑いで抹消された選手に、疑いがないと判明した場合は、10日間を経ずに自動的に登録される。また抹消期間中もFA資格日数にカウントされる、という内容。コロナ特例でも倣う可能性がある。中日・加藤宏幸球団代表は「感染者が出た場合の扱いが喫緊の課題。特例で、小委員会の方で詰める」と話した。
3日の対策連絡会議では専門家チームから、チームに多数の感染者が出た際など、多くのシミュレーションをするよう提言を受けた。例えば1軍の半数近くが陽性反応を示した場合など、斉藤惇コミッショナーは「疫病関係者の方を入れてルールをつくっていく」と話していた。NPBの協約・ドラフト改定委員会で詰め、内容次第では選手会とも協議し、次回5月11日の実行委で可能な範囲内での承認を目指す。
開幕日程に関する議論は凍結され、現実的には6月以降となる見込み。交流戦は中止が濃厚で、143試合から125試合への削減が1つの目安となっている。開幕が大幅に遅れ、シーズンが短くなることで、現在1シーズン145日のFA取得日数の短縮、トレードや新戦力獲得期限(現行7月31日)の延長、12月5日の申請期限を含めたポスティングシステムの見直しなども議論に挙がる。FA公示・宣言期間や戦力外通告など、シーズン後の日程も見直される方針だ。
日本野球機構(NPB)の理事会と12球団による実行委員会が6日、都内で開かれ、新型コロナウイルスの感染拡大による大幅な開幕延期を受け、様々な特例を設けるための協議に入ることを決めた。
143試合から削減が避けられなくなったことで、選手の年俸についても今後議論される可能性がある。大リーグでは機構と選手会が労使協定に基づき、今季開幕後の年俸は試合数に比例することで合意している。ただ、日本の統一契約書では試合数に言及せず、野球協約に定められた参稼報酬期間は2月1日から11月30日までの10ヶ月間となっている。巨人・星春海総務本部長は「メジャーと同じようにはならないと思う」と見解を示した。
7日にも緊急事態宣言が発令される東京、大阪など7都府県には、プロ野球8球団の本拠地がある。発令時の対応は3日の臨時12球団代表者会議で確認済み。球団は選手の自主練習のための施設を提供し、現場の要望があれば全体練習に切り替えることも可能だが、今後は各球団とも練習を継続するかどうかの判断も迫られる。
1、2軍とも首都圏に拠点を置くヤクルト・江幡秀則球団専務は「選手にとって練習は余暇を楽しむのではなく、仕事のうち。しっかり対策を取った上でやらせようというところも、完全にストップさせようというところもある。球団、自治体によって違う」とした。自主練習中のヤクルトは、緊急事態宣言を受けて8日は自宅待機。その後の方針は球団と高津監督で話し合って決める。
巨人は緊急事態宣言の発令方針を受け、12日までとしていた個人練習期間の延長の検討を開始した。当初は13日に全体練習を再開予定だったが、先送りされる見通しだ。活動休止中のソフトバンクはこの日、ペイペイドームで球団と選手会が話し合い、早ければ9日に自主練習を開始することを一度は確認。しかしその後、福岡県にも発令されることが決まったことで、7日以降に練習再開の可否を再考することになった。
西武は7日まで自主練習を行い、8日以降は改めて協議する。ロッテは発令された場合、練習を行わない方向で調整している。また、日本野球機構(NPB)の都内の事務局も原則的に職員が在宅勤務となる予定。井原敦事務局長は「政府と都の方針に従う」とした。
NPBが今季からの導入を目指しているブレークスルードラフト(現役ドラフト)の実施は、来季以降へ持ち越されることが濃厚となった。
新型コロナウイルスによる開幕延期などで選手会との議論は凍結されたまま。選手関係委員会の谷本修委員長(阪神)は「20年中にやるのはちょっとしんどくなりましたね、というのは共通の理解。今はそこが最優先事項ではない」と話した。実施を求めていた選手会の森忠仁事務局長も「こういう状況なので」と理解を示していた。
ロッテのドラフト1位・佐々木朗が外出自粛となっていた3月28日から今月5日まで、さいたま市内の寮で「ネットピッチング」を行っていたことを明かした。6日、ZOZOマリンで約2時間、自主トレを行い「(この9日間は)可能な範囲の練習をしていた。軽くですが、毎日、ネットピッチングをしています。体幹トレーニングも毎日やっていたし、ウエートトレーニングは2日に1回の割合で行っていた」と振り返る。
新型コロナウイルスの感染拡大で、7日以降の予定も不透明な状態だが「今は全てにおいて我慢するとき。やれることを見つけて1日を大事に過ごしたい。野球ができる時が来たら、しっかりとしたパフォーマンスを見せられるようにするだけ」。163キロ右腕は、前だけを見つめていた。
ロッテのドラフト1位・佐々木朗希投手(18)が6日、開幕が白紙になってから初めて、球団を通して意見を述べた。
「状況はみんな一緒なので、こればかりは仕方がない。今はとにかく全てにおいて我慢をする時。その中でやれることを見つけて1日を大事に過ごしていきたい」。この日、10日ぶりにZOZOマリンで行われた自主練習に参加。朗希と時間差ではあったが、新加入した鳥谷敬内野手(38)も本拠地で初練習を行い、非公開で約2時間、汗を流した。
朗希は9日間の活動休止中はさいたま市内の寮のトレーニング場で毎日ネットピッチングと体幹トレ、ストレッチを欠かさず行い、ウェートトレも2日に1回のペースで行うなど、できる範囲で体を動かした。開幕の見通しが付かない状況だが「野球ができる時が来たら、しっかりとしたパフォーマンスを見せられるようにしていくだけ」と話した。
新型コロナウイルスの感染拡大に備える改正特別措置法(新型コロナ特措法)に基づく緊急事態宣言が7日にも発令されることに伴い、プロ野球の開幕が6月以降にずれ込む見通しとなった。
宣言実施期間は5月6日までと想定。野球界もその間は主に個人練習となり練習試合も行えないことが予想される。さらに、対象となる7都府県には12球団中、実に8球団が本拠地を置く。球界関係者は6日、「緊急事態宣言で自動的に1か月ストップする。(選手は)そこから体を作っていかないといけないと考えれば…」と、最短で想定していた5月下旬の開幕が厳しくなった現実を受け止めた。
プロ野球はこれまで3月20日の開幕日を「4月10日以降」「4月24日」と延期してきた。3日には専門家が「5月の終わり頃であれば」と目安を示し、斉藤コミッショナーは4月下旬から5月上旬に新たな開幕日を定める考えを表明。状況次第で5月下旬に開幕を迎える可能性を残していた。だが、選手の再調整や球団の準備期間を1か月と想定しており、緊急事態宣言によって6月以降の開幕を避けられなくなった。
日本野球機構(NPB)と12球団はすでに公式戦143試合を縮小する方針を固めているが、6月以降の開幕が決定的となったことで、5月26日開幕予定の交流戦18試合は中止となる公算が大きくなった。斉藤コミッショナーは「レギュラーシーズンの公式戦を最優先する」としており、今後はクライマックスシリーズ(CS)の中止、縮小も含めて日程編成する。
緊急事態宣言が出された際は自治体の方針に沿って各球団が対応を決める。NPBの井原事務局長は「3日の12球団代表者会議で、4月は個別練習、必要に応じて全体練習を行うことを確認している」と説明。練習は時差練習や場所の分離などで対策をとる。7日に発令される宣言の内容を踏まえた上で各球団が判断するが、活動停止が長期化する球団もありそうだ。
政府が新型コロナウイルス感染の急速な拡大を踏まえ、緊急事態宣言を発令することを受け、球界は対応を迫られることとなった。日本野球機構(NPB)の井原事務局長は6日、12球団の対応について「4月は個別練習、及び必要に応じて全体練習を行う。3日の12球団代表者会議で確認したところ」と原則を改めて説明。ただ、各自治体の決定に左右される部分は大きく、球団間で対応は分かれそうだ。
3日の12球団代表者会議で、開幕が白紙になったことに伴う今後の各球団対応を確認した。「4月中は個別練習、必要に応じて可能ならば全体練習を行う」と井原事務局長。緊急事態宣言が出されても、原則的にはその方針は変わらない。ただ、少なからず影響が出る可能性はある。
緊急事態宣言の対象として挙げられたのは東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、兵庫、福岡の7都府県。全ての地域に計8球団が本拠を置く。ヤクルト・江幡専務は「最終的には監督の判断」とし「対策を採った上で、(練習参加)希望者がしっかり体調管理をしてもらう」と話した。巨人は12日までの予定だった個人練習期間を延長する方向で検討に入るという。
プロ野球選手にとって練習は不要不急ではない。ただ、環境が整わなくては、その練習もできなくなる。「そういう(練習する)環境を提供してはいけませんよと自治体から指導なのか指示なのか分からないけど、そうなると考え直さないといけない」と中日・加藤代表。球場などの施設が使用不可能になることを懸念した。
対応は12球団それぞれに委ねられる。それは各自治体の決定によって、差が出てくることを意味する。場合によっては長期間の活動休止を迫られる球団も出てくるかもしれない。加藤代表は「地区によって完全に封鎖するような事態になると、平等じゃなくなるかもしれないよね」と指摘した。初めて直面する事態。影響が予測できない中、各球団は頭を悩ませている。
NPBと12球団の実行委員会が6日、都内で開かれ、開幕が大幅に遅れるなどの日程変更に伴う課題を洗い出し、協議した。
課題として挙げられたのは、
(3)については、すでに運用されている脳振とう特例措置を参考に協議を進めていく見通しだ。
取りまとめの時期について、NPB・井原事務局長は「開幕のしばらく前には決めなきゃいけないと思っている」と話した。変更する場合、野球協約に関わってくることから、今後、NPB内の「協約・ドラフト改定委員会」で検討し、5月11日の実行委員会で諮ることになる。
ロッテのドラフト1位・佐々木朗希投手(18)=大船渡=が6日、ZOZOマリンスタジアムで非公開の自主練習を行った。新型コロナウイルスの感染拡大により先行きは不透明な状況。右腕は球団を通じて「今はとにかく、全てにおいて我慢をする時」と心境を打ち明けた。
18歳の黄金新人は、現実をしっかりと受け止めていた。球団を通じて自身が感じている思いを告白した。
「今の状況はみんな一緒なので、こればかりは仕方がない。今はとにかく、全てにおいて我慢をする時。その中でやれることを見つけて1日を大事に過ごしていきたい」。今は「我慢」という2文字に心情が表れている。
3月24日にプロ初のフリー打撃に登板するなど調整は順調に進んだ。だが新型コロナウイルス感染予防のため同28日からチーム活動が休止。3日に予定していた初のシート打撃登板も見送られ、調整のプランは“白紙”となった。それでも「できる練習は限られていますが、できる範囲でやれることをやっている感じです」と前を向く。
選手らが自宅待機した3月28日から4月5日までの期間も有効的に使った。寮の施設で「軽くですが毎日、ネットピッチングをしています」。毎日、意識的にボールを触るようにした。体力強化にも取り組んだ。この日はZOZOマリンでの非公開の自主練習で2時間、汗を流した。
「野球ができる時が来たら、しっかりとしたパフォーマンスを見せられるようにしていくだけだと思います」。最速163キロ右腕は来るべき日に備え万全の準備を整える。
日本野球機構(NPB)の理事会と12球団による実行委員会が6日、東京都内で開かれ、新型コロナウイルスの感染拡大による大幅な開幕延期を受け、フリーエージェント(FA)制度などに特例を設けるため、協議に入ることを決めた。
FA権取得に必要な出場選手登録の日数の短縮や、トレードなどでの新規選手獲得期限を現行の7月31日から先送りすること、感染の疑いでPCR検査を受けるために登録を外れても、陰性であれば規定の10日間より前に再登録できるようにすることなどを検討する。NPBの協約・ドラフト改定委員会でたたき台をつくり、来月の実行委員会で取りまとめる方針。
3月10日、元阪神タイガースの鳥谷敬内野手の入団が発表された。鳥谷は千葉市内の球団事務所で契約とチームへの挨拶、メディア対応を終えるとすぐに2軍のある浦和球場に向かった。こちらでもチームへの挨拶を行うとすぐにスーツを脱ぎ、ユニホーム姿となった。誰もが翌11日からの練習開始を想定していただけに驚いた。しかし、それこそがタイガースで一時代を築いた鳥谷という男が貫いてきたスタイルだった。
現役時代には共に沖縄で自主トレを行ってきた井口資仁監督は、当時を次のように振り返った。「自分も練習をする方だと自負していたけど、彼の練習量を見てビックリした。とにかく朝から夜まで毎日、練習をしていた。朝と夜、1日2回ウエートをする姿を見て驚いたね。自分が出会った野球選手の中で1番練習をする」。タイガース時代から知る今岡真訪2軍監督も同じく、その練習姿勢を絶賛し「若い選手の良い手本になる。そして彼が入る事で化学反応は起きる。いや、もう起きている」と若手選手への好影響を期待した。
自分に厳しく自己鍛錬を重ねる男は空白の中でさらに想いを強くした。タイガース退団後は所属チームが決まらない日々が待っていた。年末年始は練習相手もいたが2月のキャンプインのタイミングからはキャッチボールの相手すらいなくなった。人に迷惑を掛けたくはない。野球界以外の仲間にもそれぞれの仕事がある。だから自分からお願いすることはあえてしなかった。自宅横の急坂を走り、自宅の敷地内で柔らかいボールを使ったティー打撃で感覚を確かめた。1番の日課は自宅のガレージでの壁当てだった。
「2月に入ってからは家のガレージの壁が最高のパートナーだった」と当時を振り返り、鳥谷は笑う。早稲田大学を卒業して16年間。プロ野球の第一線で羽ばたき続けていた男は初めて孤独と向き合った。それは自分自身と向き合う作業でもあった。野球を続けることを応援してくれる家族の存在。そして自身の野球への想い。何よりも打って、走って、守れるプロ野球選手としての自身のあるべき姿を機会さえあれば見せることができる自信と自負を確認した。だから、黙々とガレージで汗を流し続けた。吉報を待った。
マリーンズ入団が決まると「感謝の気持ちしかない」と第一声を述べた。芽生えたのは感謝の思いであり、新しい挑戦への期待。また野球ができることの幸福感だった。
「グラウンドで野球をすることは今まで当たり前だと思っていた。今はグラウンドに立っていることが本当にありがたいことだと思っている」。
虎のスーパースターはグラウンドで笑顔を見せ、後輩たちに声を掛け、颯爽とプレーをしている。それは永遠に続くのかとすら思えた孤独の日々の中で自分と向き合い、気が付いた事。野球ができる幸せを逃すまいと改めて一瞬を大切にしている。
「2月はできることは少なかったし1人で練習をすることも多かった。工夫をしながらやれることを探してやってきた。ただそういう経験をしたのは自分にとってプラスだと思う」と鳥谷。
マリーンズは新型コロナウイルス感染予防の観点から、3月末よりチーム練習が中止となった。プロ野球界だけではなく社会全体が我慢と制約を強いられている。悪化する状況に街はどこか重苦しい。そんな中で入団直後に鳥谷が発したコメントがある。
「今の状況の中でできることは限られている。ただ、色々と気を付けながら、今できるベストなこと、それは人それぞれであるのだけど、今の自分の形を見つけ出すことが大事になってくると思う」。
何もできないのではなく、この状況下で何ができるか。何をすべきか。自分とは何か。今の自分の現在地はどこか。静かに己と向き合い、振り返る事はできる。息を潜める日々は簡単には終わりそうもないが、その先に見える光を信じ、そのための準備を行いたい。いつか必ずスタジアムでプロ野球はプレーボールのコールがかかる。その時、鳥谷が新天地で躍動する。ファンの新たな希望となる。置かれた限られた条件下を不遇と嘆くことなく前を向き、大切なものを見つけた男が美しい感動を呼ぶ。
(千葉ロッテマリーンズ広報・梶原紀章)